Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方で遊戯王Ⅱ25 『最終戦③』

2011/03/04 18:59:39
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注:前回からの続きです。





















  ________23:30 博麗神社境内









妖夢  LP3300:手札5:ギガンテックバスター(攻4400)、伏せ1
さとり LP5800:手札5:メタポ、伏せ1




さとり「お互い、手札を……」

妖夢 「5枚ドローです!」

こいし「(お姉ちゃん……)」

さとり「(…………)」

さとり「(…………月。いつの間にか、あそこまで高く昇っていたのね)」

燐  「(さとり様……なんだか神妙だにゃ)」

勇儀 「ちょいちょい、うちの大将大丈夫なの?
    あいつ、能力が使えなかったら、その辺の普通のデュエリストと変わんないだろ」

こいし「そんなことないよ! 
    お姉ちゃんは……こうなることをずっと待ってたの。
    能力じゃなくて、自分のデュエリストとして力だけで戦うことを……」

こいし「(そうだよ、お姉ちゃん……あんな能力なんてなくたって、凄く強い。
    わたしだって敵わない、地底で一番のデュエリストなんだから!)」

こいし「だから……みんな、お姉ちゃんを応援してあげて!
    お姉ちゃんの、初めての晴れ舞台なの!」

白蓮 「…………うふふ、なるほど。そういうことでしたら。
    ならば……ぬえ、わたし達も声援を送りましょう。我がチームの大将に」

ぬえ 「えっ? どしたの急に。
    さっきまで、あんなにさとりの方を睨んでたのに」

白蓮 「確かに彼女は、勝手な事情で皆のカードを奪いました。
    それは許しがたい行為ですが……人にはそれぞれが胸に抱く本懐というものがあるのです」

ぬえ 「本懐……? どういう意味?」

白蓮 「それは自分の全てをなげうってでも、達成したい宿願。なんとしてでも成し遂げたいという願いです。
    程度の差こそあれ、誰でも一つはそんな生きるための目的を持っているものです。
    例えばわたくしならば、人間と妖怪が真に手を取り合うという世界を切望するように……」

ぬえ 「じゃあ……この戦いそのものが、あの人にとっての本懐……?」

白蓮 「そういうことです。なれば、見守ってさしあげようではありませんか。
    気は無粋、なればこそ、もって瞑すべし。
    彼女の大義に、心からエールを送りましょう」

ぬえ 「そう……だね。なんだかわかる気がする。
    わかった、ちゃんと応援するよ。さとりはわたし達のリーダーなんだしね!
    がんばってっ、さとり~!」

勇儀 「そうだそうだ! ここまで来たんだから、最後まで最高のデュエルをしてよ!」

さとり「皆さん……」

霊夢 「ちょっとちょっと、どういうことなの? 
    さとりの能力が封じられてやばいっていうのに、地底の奴ら、がぜん盛り上がってきたわよ?」

魔理沙「そういうもんさ。結局みんな、望んでるんだ。
    これ以上無いくらい最高のデュエルを、自分の目で見たいのさ」

早苗 「わたし達も負けてられませんねっ。大将を応援しないと!」

衣玖 「そうですね。魂魄さんなら、きっとやってくれます!」

諏訪子「まあ、ここまで来ちゃったら仕方ないね。最後まで付き合ってやるか~」

幽香 「ふふふ、そうね……」

幽香 「(それにしても、あの女僧……本懐、か。一理あるかもしれないわね)」

幽香 「(ならば、この勝負はお互いがお互い、最高の状態での戦い……。
    ふふふ、どうなることやら。このわたしでも、結果は予見できそうにないわ)」

文  『さあ、会場もクライマックスとばかりにヒートアップ、いろいろと最高潮を迎えております!』

パチェ『地底側は単に強がっているようにも見えるけどね。
    アドバンテージ上は五分に見えても、まず赤コーナーはギガンテックバスターをどうにかしなければならない。
    バスター形態のモンスターは強力で、破壊しても墓地から形態変化する前のモンスターを特殊召喚できる。
    容易に倒せるとは思えないわ。
    それに、なんといっても痛手なのは、もう能力が使えないこと。
    なにせ、これまで妖夢は能力を備えたさとりに対して、ここまで切迫し均衡した五分の戦いを繰り広げてきた。
    生命線である心読の力が失われたら、さとりに勝ち目は無いわ』

幽々子『さてね、それはどうかしら』

パチェ『……なんですって?』

幽々子『現にさとりは前のターン、サクリファイスを攻撃表示ではなく守備表示で召喚していた。
    伏せカードを警戒してのことか……いずれにせよ、そのファインプレーが無ければ、
    ライフ的にとても五分とはいえなかったでしょう』

パチェ『む……確かに』

幽々子『それがただの指運なのか……そこは判断しかねるけれど、いずれにせよ簡単にはいかない、ということよ』

さとり「…………」

さとり「(…………さて、まずあのギガンテックバスターをどうするか)」

さとり「(わたしのこの手札ならば、このターンで仕掛けるのが最もいいはず。
    問題は、あの伏せカードだけど……)」

さとり「(……ふふふ、楽しいわ。
    相手が何を考えているかわからないというのは、なんて楽しいのでしょう。
    少ない手材料から推敲する推論、結果が判明するまでの緊張感……全てが新鮮でならないわ)」

さとり「わたしは手札から、マジカル・コンダクターを召喚! 
    そして伏せていた貪欲な壷を発動します!」


《マジカル・コンダクター/Magical Exemplar》 †
効果モンスター
星4/地属性/魔法使い族/攻1700/守1400
自分または相手が魔法カードを発動する度に、
このカードに魔力カウンターを2つ置く。
このカードに乗っている魔力カウンターを任意の個数取り除く事で、
取り除いた数と同じレベルの魔法使い族モンスター1体を、
手札または自分の墓地から特殊召喚する。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


《貪欲(どんよく)な壺(つぼ)/Pot of Avarice》 †
通常魔法
自分の墓地に存在するモンスター5体を選択し、
デッキに加えてシャッフルする。
その後、自分のデッキからカードを2枚ドローする。


さとり「墓地のインフェルノ、パペットプラント、ハイドロゲドン三枚、をデッキに戻し、2枚ドロー。
    そして魔法カードが発動されたことで、マジカル・コンダクターに魔力カウンターが二つ置かれます」

さとり「続けてマジカル・コンダクターの、起動効果発動。
    魔力カウンターを取り除き、その数ど同数のレベルの魔法使い族を墓地より特殊召喚できる。
    わたしは1つ取り除き、墓地のサクリファイスを蘇生!」


《サクリファイス/Relinquished》 †
儀式・効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 0/守 0
相手モンスター1体を指定してこのカードに装備する。
(この効果は1ターンに1度しか使用できず、
同時に装備できるモンスターは1体のみ)
このカードの攻撃力・守備力は装備したモンスターの数値になる。
戦闘によってこのカードが破壊される場合、
かわりに装備したモンスターが破壊され、
超過した戦闘ダメージは相手プレイヤーも受ける。


ぬえ 「またサクリファイスだわ!」

白蓮 「なるほど。さとりさんも、とことん自分の大好きなカードで戦うおつもりですね」

さとり「優先権を行使、起動効果発動です! ギガンテックファイターを吸収せよ!」


    サクリファイス    攻撃力3300


早苗 「そんなっ、スラッシュバスターが……!」

さとり「サクリファイスは攻撃表示です。
    サクリファイスで、妖夢さんにダイレクトアタック!!」

魔理沙「(妖夢のモンスターはいない! モンスターの総攻撃が通ってしまえば……)」

妖夢 「トラップ発動です! 砂塵の大竜巻!」


《砂塵(さじん)の大竜巻(おおたつまき)/Dust Tornado》 †
通常罠
相手フィールド上の魔法または罠カード1枚を破壊する。
その後、自分の手札から魔法または罠カード1枚をセットする事ができる。


さとり「!?」

妖夢 「相手の魔法・罠カードを破壊することができます。
    わたしはサクリファイスに装備され、魔法カード扱いとなっているスラッシュバスターを破壊!
    吸収モンスターが破壊されたことで、サクリファイスの能力はダウンする!」


    サクリファイス    攻撃力0


霊夢 「うまいわっ……! 攻撃力をゼロにした!」

魔理沙「いや! それだけじゃないぜ!」

妖夢 「そしてギガンテック・ファイター/バスターの誘発効果発動です。
    このカードがフィールド上で破壊されたことで、墓地のギガンテック・ファイターを特殊召喚!
    現れよ、ギガンテック・ファイター!!」


《ギガンテック・ファイター/Colossal Fighter》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/戦士族/攻2800/守1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードの攻撃力は墓地に存在する
戦士族モンスターの数×100ポイントアップする。
このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、墓地に存在する
戦士族モンスター1体を選択し自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。


    ギガンテック・ファイター    攻撃力3700


文  『おおっと! 青コーナー魂魄妖夢、再びギガンテック・ファイターの召喚に成功!
    バトルフェイズをかわしました~!』

パチェ『サクリファイスを使われるのを見越しての砂塵……。完璧にいなしたわね』

幽々子『ふふふ、これだけ使われたモンスターだもの。
    さすがにそろそろ太刀筋を見切ってもおかしくないわね』

さとり「バトルフェイズは中断。メインフェイズ2に移ります」

さとり「うふふふふ……そんな方法があったなんて。
    わたしのとっては驚くこともまた、新鮮極まりない感情です。
    しかし、このターンの攻防は、わたしの方が1枚上手だったようですね」

さとり「いきます。場のマジカル・コンダクターとメタモルポット、そして墓地の霞の谷の戦士を除外し……」

さとり「現れなさい……! Theアトモスフィアを特殊召喚!!」


《The(ジ) アトモスフィア》 †
効果モンスター
星8/風属性/鳥獣族/攻1000/守 800
このカードは通常召喚できない。
自分フィールド上に存在するモンスター2体と自分の墓地に存在する
モンスター1体をゲームから除外した場合に特殊召喚する事ができる。
1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを
装備カード扱いとしてこのカードに1体のみ装備する事ができる。
このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備した
モンスターのそれぞれの数値分アップする。


妖夢 「(あのモンスターは……!?)」

さとり「攻撃表示です。このカードもまた、サクリファイスと同系統の能力を汲んだモンスター。
    1ターンに一度、表側表示の相手モンスターを吸収!
    ギガンテック・ファイターを装備せよ!」


    Theアトモスフィア    攻撃力3800


早苗 「ああっ、また吸われた……」

諏訪子「ったく、なんて奴。まだモンスターを吸収する手段があったなんてね」

さとり「ふふふ。心が視えないとしても、わたしはコントロール系デッキを使えば
    幻想郷で右に出るものはいないと自負できます。
    わたしはさらに、墓地のレベル・スティーラーの効果を発動」


《レベル・スティーラー/Level Eater》 †
効果モンスター
星1/闇属性/昆虫族/攻 600/守 0
このカードが墓地に存在する場合、自分フィールド上に表側表示で存在する
レベル5以上のモンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。
このカードはアドバンス召喚以外のためにはリリースできない。


ぬえ 「……スティーラー!? いつの間に、墓地に……」

白蓮 「おそらく……メタモルポットの効果が発動した時ですね。
    さとりさんはあの時1枚、手札を捨てていたはず」

さとり「このカードは、場にレベル5以上のモンスターがいる時、
    そのモンスターのレベルを1下げることで墓地から特殊召喚できます。
    アトモスフィアのレベルを下げ、守備表示で特殊召喚。ターンエンドです」

さとり「(あとは…………お空。最後の仕事、お願いしますよ……)」



妖夢  LP3300:手札5:無し
さとり LP5800:手札5:アトモスフィア(星7・攻3800守1800・ギガンテック装備)、サクリファイス、スティーラー



空  「…………」

燐  「ん? どしたのお空。なんかぼーっとしちゃって」

空  「いや、なんか思い出しそうで思い出せなくてさ。大事なことだったような気がするんだけど」

こいし「先週のジャンプが合併号で今週は休みだったとか、そういう話?」

空  「あー、そうだっけ? そんなんだった気もするねー」

燐  「(いや絶対違うから……)」

白蓮 「……アトモスフィア。
    あのカードの効果は確かにサクリファイスと酷似していますが、万能というわけではありませんね」

ぬえ 「えっ? それってどういうこと」

白蓮 「効果は一見同じですが、サクリファイスと違い、戦闘では破壊する際、装備カードを身代わりにはできないのです。
    よって攻撃力さえ上回ってしまえば、戦闘での破壊は可能というわけですね」

ぬえ 「そっか。でも、今のアトモスフィアの攻撃力は3800よ。
    そうそうバトルで負けることはないんじゃないの?」

白蓮 「そうですね。
    身代わり機能が無い分、攻撃力0のサクリファイスと違い、あのカードは初めから攻撃力が1000もある。
    その点は、利点といって差し支えないでしょう」

白蓮 「そして、サクリファイスとの相違がもう一点。
    あのカードは、裏側表示のモンスターは吸収できないという点が挙げられます。
    よって裏守備でモンスターを出せば一応攻撃は凌げるというわけです。
    相手側にとっては、救いと言えるでしょうか」

白蓮 「(……しかし裏で出したところで、攻撃して表にされればそれまで。
    それに、まだサクリファイスも場に残っている。
    モンスターを召喚してもしなくても、次のターンには吸収されダイレクトアタックが襲う。
    行くも地獄、戻るも地獄……。この状況、妖夢さんはどう切り抜けるのかしら)」

妖夢 「わたしのターン、ドローいきます!」

妖夢 「(不死武士は場に残せば吸収されるだけ……なら)」

妖夢 「2枚伏せます。ターンエンド!」



妖夢  LP3300:手札5:伏せ2
さとり LP5800:手札5:アトモスフィア(星7・攻3800守1800・ギガンテック装備)、サクリファイス、スティーラー



さとり「では……わたしのターン!」

さとり「(……伏せ2、ですか。
    どうやら、アトモスフィアに対抗できるモンスターも、魔法カードも手札に無かった様子ですね。
    となれば、あのリバースカード2枚が本命。
    トラップである以上、わたしが動かなければアトモスフィアが倒されることはないでしょうが……)」

さとり「(しかし、妖夢さんのライフは3300。
    アトモスフィアのダイレクトアタックで確1圏内。
    ここで攻撃できなかったら……ふふふ、デュエルモンスターズの神様に、嫌われてしまいますね)」

さとり「(それにしても、ああ……。
    心が視えないということは、なんて素晴らしいことなのかしら。
    相手の伏せカードがわからない、それだけでこんなに楽しいなんて)」

さとり「生まれて初めて、心から真剣な勝負ができる……。こんなに喜ばしいことがあるでしょうか。
    わたしはTheアトモスフィアで、妖夢さんを攻撃!」

さとり「通らばその命、戴きます!
    想起、テンペスト・サクションズ!!」

妖夢 「……トラップ発動! ガード・ブロック!」


《ガード・ブロック/Defense Draw》 †
通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、
自分のデッキからカードを1枚ドローする。


燐  「……トラップ!?」

魔理沙「凌いだかっ……!」

妖夢 「このカードの効果で、わたしへの戦闘ダメージは0になる。
    よってわたしのライフに影響は無い。さらにその後、デッキから1枚ドロー!」

勇儀 「惜しかったねぇ。今のが決まれば、一足早い祝い酒にありつけたのに」

こいし「そうだね~。でも、あんなカードじゃ時間稼ぎにしかならないよ。
    きっとお姉ちゃんは勝つわ」

さとり「サクリファイスは守備表示にしておきましょう。1枚伏せて、ターン終了です」

さとり「(妖夢さん……あの目、明らかに勝負を捨てている目ではない。
    心が視えない今のわたしにも、十二分にわかります……)」

さとり「(さあ、今度はどんな戦術で、わたしを驚かせてくれるのかしら。
    楽しみだわ、ふふふふふ)」



妖夢  LP3300:手札6:伏せ1
さとり LP5800:手札5:アトモスフィア(星7・攻3800守1800・ギガンテック装備)、サクリファイス、スティーラー



妖夢 「ドローします!!」

妖夢 「(……このドローカード、まるで手に吸いつくように、カードが舞い降りてくる。
    まるで、デッキそのものと繋がっているような一体感。
    師匠、今ならわかります。これこそが、剣の境地だと……!)」

妖夢 「スタンバイフェイズに、墓地の不死武士を守備で特殊召喚します。
    手札から、ジュッテ・ナイトを召喚!」


《ジュッテ・ナイト/Jutte Fighter》 †
チューナー(効果モンスター)
星2/地属性/戦士族/攻 700/守 900
1ターンに1度だけ、相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する
モンスター1体を表側守備表示にする事ができる。


妖夢 「優先権を使い、ジュッテ・ナイトの起動効果発動です! アトモスフィアを守備表示に変更!」

早苗 「表示形式変更……! アトモスフィアは、守備力は1800しかない。
    これなら戦闘でいけます!」

魔理沙「(しかし、まだ妖夢の場のモンスターの攻撃力じゃ、1800には届いていない。
    それに……アトモスフィアを破壊しても、あいつの場にはまだサクリファイスがいる。
    2体を同時に対処しなきゃ、また吸収されるのがオチだが……)」

妖夢 「……手札から、装備魔法発動! 融合武器、ムラサメブレード!!」


《融合武器(ゆうごうぶき)ムラサメブレード/Fusion Sword Murasame Blade》 †
装備魔法
戦士族のみ装備可能。
攻撃力が800ポイントアップする。
このカードは魔法カードを破壊する効果では破壊されない。


妖夢 「この武器は、戦士族のみが扱える名刀。
    不死武士に装備することで、攻撃力は2000となる!」

霊夢 「よっしゃ! 武器を強化して、攻撃力を上げたわ!」

幽香 「単純だけど効果的ね。これで攻撃が通れば、あのモンスター達は倒せるけど……」

幽香 「(いや、でも……まだ根本的解決にはなってはいない。
    目の前のモンスターを倒しても、またサクリファイスやアトモスフィアを出されれば、形勢が変わる。
    機先をとらねば、すぐさま反撃がくるわよ……)」

妖夢 「バトルフェイズです! 不死武士でアトモスフィアを、ジュッテ・ナイトでサクリファイスを攻撃!!
    弦月斬! 結跏趺斬!!」

さとり「っ……アトモスフィア、サクリファイスはともに破壊されます。
    しかし妖夢さん、サクリファイスは蘇生手段が豊富なモンスター。
    わたしの手にかかれば、またすぐに召喚できる。
    そのままターンを終了すれば、あなたのモンスターはまたすぐにいただきますが?」

妖夢 「わかっています。だからわたしは、メインフェイズ2でさらにこの装備カードを使う!
    シンクロ・ヒーロー!!」


《シンクロ・ヒーロー/Synchro Boost》 †
装備魔法
装備モンスターのレベルを1つ上げ、攻撃力は500ポイントアップする。


妖夢 「不死武士に装備。これで不死武士はさらに攻撃力を500アップし、さらにレベルが4になる!」

パチェ「(あれは、攻撃力上昇というよりも……目的は、シンクロ召喚のレベル調整!)」

妖夢 「シンクロ召喚です! レベル4となった不死武士に、レベル2のジュッテ・ナイトをチューニング!」

妖夢 「再び参上せよ! 大地の騎士、ガイアナイト!!」


《大地(だいち)の騎士(きし)ガイアナイト/Gaia Knight, the Force of Earth》 †
シンクロモンスター
星6/地属性/戦士族/攻2600/守 800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上


文  『青コーナー魂魄妖夢! 再びガイアナイトをシンクロ召喚~! これが2枚目になります!』

パチェ『攻撃力2600……! でもあれ単体では効果の無いモンスターに過ぎないわ。
    これではさしたる脅威とは……』

幽々子『いいえ。どうやら妖夢の狙いは……そのさらに一つ上、みたいよ』

妖夢 「(これで準備は整った……。今こそ、このカードを使う時!)」

妖夢 「発動せよ! ミラクルシンクロフュージョン!!」


《ミラクルシンクロフュージョン/Miracle Synchro Fusion》 †
通常魔法
自分のフィールド上・墓地から、
融合モンスターカードによって決められた
融合素材モンスターをゲームから除外し、
シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体を
融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。
また、セットされたこのカードが
相手のカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、
自分はデッキからカードを1枚ドローする。


さとり「(!? あのカードは……!)」

霊夢 「あれって……まさか、わたしのミラクルフュージョンと同じ効果?」

魔理沙「ああ、そうだ! 場と墓地から素材を除外して、融合モンスターを特殊召喚できるんだ」

魔理沙「(おそらく出てくるのはあのモンスター……なら、いけるぜ!)」

妖夢 「参ります! 
    わたしはこのカードの効果で、場の大地の騎士ガイアナイトと、墓地の大地の騎士ガイアナイトを融合!!」

諏訪子「(同じモンスター同士を融合……!?)」

妖夢 「推参せよ!! 地天の騎士、ガイアドレイク!!!」


《地天(ちてん)の騎士(きし)ガイアドレイク/Gaia Drake, the Universal Force》 †
融合・効果モンスター
星10/地属性/獣戦士族/攻3500/守2800
「大地の騎士ガイアナイト」+効果モンスター以外のシンクロモンスター
このカードは効果モンスターの効果の対象にならず、
効果モンスターの効果では破壊されない。


さとり「(なっ……このモンスターは!?)」

早苗 「シンクロモンスター同士の融合召喚……ガイアドレイクですって!?」

文  『ななななんとぉッ! 青コーナー、2体のガイアナイトを融合させました!
    レベル10のガイアドレイクの登場です!』

パチェ『そうか……これを狙ってたのね』

幽々子『うふふふふ。ガイアドレイクは、モンスター効果の対象にはならない。
    よって、サクリファイスの効果は受けないわ』

こいし「サクリファイスで……吸収できない!? そんなっ……」

妖夢 「これでターンエンドですっ!」

幽香 「(さとりのデッキは、除去はほぼモンスター効果に依存しているはず。
    ガイアドレイクはきついでしょうね。でも……)」

さとり「まさか、かのような方法で、わたしのサクリファイスを封じて封じてくるとは……。
    さすがですね。うふふふふ」

幽香 「(ふふふ、あんなに楽しそうにデュエルされちゃあね。どっちを応援すればいいかわからなくなるわ)」

さとり「(ガイアドレイク……確かに、あのモンスターは厄介ね。攻撃力も破格だし)」

さとり「(ならば…………出すしかないようですね。
    《七色のレアハンター》が奪いし、あのカードを……)」



妖夢  LP3300:手札3:ガイアドレイク、伏せ1
さとり LP5800:手札5:スティーラー



さとり「ドローします」

さとり「(この手を使えば、手札は大幅に消費される……。
    でも、きっと後悔はしないでしょうね。
    あなたの全力に答えるために、わたしも……!)」

さとり「わたしの本当の力……見せて差し上げましょう。
    わたしは墓地のサクリファイスと、次元合成師を除外し……」

さとり「現れなさい! カオス・ソーサラー!!」


《カオス・ソーサラー/Chaos Sorcerer》 †
効果モンスター(準制限カード)
星6/闇属性/魔法使い族/攻2300/守2000
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の光属性と闇属性モンスターを1体ずつゲームから除外して特殊召喚する。
フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体をゲームから除外する事ができる。
この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃する事ができない。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。


魔理沙「あのカードは……カオスのカードか」

霊夢 「カオスのカード? なにそれ?」

幽香 「あなたは本当に何も知らないのね。それでよく巫女をやってられるものだわ」

霊夢 「やれるでしょ、別に……」

文  『赤コーナー、ここでまた強力なカードを出してきましたねぇ~!
    視聴者の方々に霊夢さんのような無知白痴がいるとは思えませんが、
    一応パチュリーさん、解説をしていただけますか?』

パチェ『自分でしろと言いたいところだけど、まあいいわ。
    カオスと名のつくカードは数あれど、基本的にカテゴライズされるのは三枚。
    第三期に同パックにて登場した、開闢の使者、混沌帝龍、そしてあのカオス・ソーサラーよ。
    いずれも墓地の光属性モンスターと闇属性モンスターを除外して特殊召喚して、
    全てが切り札にふさわしい能力を持っている。
    特殊召喚の容易さと、ゲームエンドクラスのポテンシャルを持つことから、
    あのカオス・ソーサラー以外の2枚はすでに禁止カードとなっているわね』

文  『まあ確かに、混沌帝龍に至っては制限復帰は永遠にありそうもないですよねぇ。
    いやぁまったく、わたしのBFも真っ青の壊れ性能です』

パチェ『……カオス・ソーサラーはその三枚の中でも比較的良心的ね。
    それでも、1ターンに一度表側表示モンスターをノーコストで除外できる起動効果がある。
    強力だけど、でもガイアドレイクがモンスター効果の対象にならない以上、突破口にはなり得ないはず……。
    さとりは一体、何を狙っているのかしら……』

さとり「これぞ我が能力の泉源にて根源、カオスです。
    わたしのこの第三の目の力は、このカオスに即した能力なのです」

妖夢 「(カオス……)」

さとり「そもそもカオスとは概念的に定義するとしたらどういうものか、ご存知ですか?
    ……といっても、どうせあなた方はカオスと聞いても、厨二的ななにかの類という見解しか持っていないでしょうけど」

霊夢 「違うの?」

魔理沙「違うのか?」

早苗 「え、違うんでしょうか? 諏訪子様」

諏訪子「(ったく早苗まで……)いい? カオスっていうのはね。
    分野によっていろんな定義があるけど、大別すると三つほどあるのよ。
    一つはギリシア神話に登場する神。二つ目は小惑星の名前。
    で、三つ目は数学的な意味でのカオスだね」

さとり「さすが生ける神様。博識ですね。
    今あった三つのうち、もっとも一般的に認知が広く、
    かつもっとも我々にとって身近にあり近しいものが、最後の数学的カオスでしょう」

ぬえ 「……? なんでわたし達に近しいの?」

白蓮 「簡単なことです。
    わたくし達の生きるこの自然には、ある種の秩序がありますが、
    それが氷山の一角であるかのように、他側面は混沌で満たされています。
    混沌、すなわちカオスですね」

さとり「一つ例を挙げてみましょう。そうですね……例えば、天気。
    天気予報という言葉がありますが、この先いくら科学技術が進歩し、なおかつ天気に影響を及ぼす、
    風速、気圧、湿度、気温、太陽の黒点といった変数に関する情報をどれだけ多く得たとしても、
    長期予報の精度が完璧になることはありません。なぜだかわかりますか?」

早苗 「うーん、どういうことでしょうか?」

魔理沙「むぅ。関係あるかわからんが、夕焼けの次の日は晴れってことわざがあるよな」

幽香 「あるけど関係は無いわね、間違いなく」

霊夢 「あっ、そうだ。衣玖ならわかるでしょ? 天気予報もお手のものらしいし」

衣玖 「そう、ですね……。
    ですがわたしにも、長期に渡って100%言い当てるような予報はできません。
    そもそも天気というものは、様々な環境的要因が複雑に絡み合った結果表出される自然現象です。
    完璧な予報をするには、その環境的要因の全てを把握しない限り不可能なはず」

さとり「永江衣玖さんの仰る通り。天気のような力学系は、
    互いに関連し合った因子があまりに多く組み合わさっているゆえに、その法則を見出すことは困難です。
    複雑な力学系の振る舞いに影響され、何らかの原因と要因が網目のようにからみあい決まってくる。
    万物には因と果があるのは、確かであるはずなのに、です。
    なぜなら、影響を及ぼす事象はほとんど無限にあります。ほんのちょっとしたことにも敏感に反応してしまうのです。
    例えば、日光を浴び地表から出る熱、地球の裏側にいる蚊のはばたきから生まれる風……
    ほかにも無数にありますが、それら気象学の測定に含まれないものが何か一つでもあれば、
    天気の振る舞いは変わってしまうかもしれない。
    このような人のおよそ手に余る複雑系を、人間はカオスと呼ぶ……」

さとり「天気の例の通り、自然は混沌によって支配されています。
    であるにも関わらず、あなた方はその深淵に目を向けようとしない。
    複雑すぎるゆえに、その目を背け続けるだけ。
    人は自分達の手に負えない難解な系を、混沌という語句でぼかすことしかできません。
    わたしは時に、それがどうしようもなく我慢ならない時がある……」

こいし「(お姉ちゃん……)」

さとり「人の心も同じです。わたしの心を視る能力が象徴するのは〝混沌〟。
    その原理の実態……それは心を読むのではなく、カオスを読み解く力なのです」

白蓮 「それはつまり……人の心とは、カオスで構成されているということですか?」

さとり「ほぼ正解です。人の心……すなわち意識とは、カオスの代表系です。
    カオスは無意識よりも意識に近しい部分があります。
    一定のパターンが介在するように見えて、多種多様に千変万化する心の形態は、まさに混沌と呼ぶに相応しい。
    あなた達は言葉や動作を用い、他人との相互理解に勤しむ。
    しかし真の意味で、他者の心の混沌とした部分までは足を踏み入れようとしない。
    振る舞いや態度、表情筋の収縮の度合いから、
    表面上の情報だけで内面を推測するまでに留まり、またそれで満足している。
    人の本心、本質たるカオスの領域には決して目を向けることは無い……」

さとり「あなた方に他人の心を決定的に推し量る術が無い以上、それは仕方の無いことであるのは承知しています。
    ですがわかっていても、わたしはあなた方の無知蒙昧さに憤らざるを得ない。
    物事のカオス全てを見通せるわたしにとって、あなた方はまったくの無知同然なのです。
    リアス式海岸の正確な長さを測定できますか? 
    マンデルブロ集合に代表されるフラクタル図形など、それら複雑系の本質に
    一度でも真剣な理解の目を向けようとしましたか? 
    そう、あなた方は知らない。いや、知ろうとしないのです。
    カオスそのものだけでなく、カオスと向き合うことの辛さ、恐怖をまるで知らない。
    〝本当の意味で、人の心を知ろうとなどしていないのです〟」

さとり「……人は元来、カオスに関わらずとも生きていける存在なのでしょう。
    他人の心など視たくもないわたしにとって、視なくても生きていけるあなた方は、羨むばかりの無知白痴なのです」

妖夢 「(さとりさん……)」

妖夢 「(そうか、彼女の読心の能力は、聴力などと同じ。
    心の声は、聞きたくなくとも聞こえてしまう。
    わざわざ地底の奥底に隠れ住んだのも、やはりそれが原因で……。
    いったいこれまで、どれだけの辛い思いをしてきたのだろう……)」

さとり「……あら、お恥ずかしい。少々エキサイトしてしまいましたね。
    断っておきますが妖夢さん、あなたが気を病む必要はありませんよ。
    わたしはとうの昔から、この力を共存していく決意をしているのです。
    今のはつい、ちょっとばかり愚痴を零してしまっただけ。
    デュエルの腰を折ってしまい、申し訳なかったですね」

さとり「ですが、これだけは知っておいてほしいのです。
    長々と独白しましたが、わたしは決して自分が不幸だなどと思ってはいない。
    わたしのこの力、望むと望まざると生まれついて備わっていたものですが、
    今だけはこの能力に感謝してもいいと思っています。
    なぜなら、生まれて初めて、こんな胸高鳴るデュエルに出会えたのですから……」

妖夢 「……わたしもです。これほど真正面からデュエルと向き合えたのは、おそらく初めてです。
    最初から最後まで、全力で挑ませていただきます!」

さとり「嬉しいわ。わたしも決して容赦などしません。
    手札のレベル・スティーラーを墓地に送り、ワン・フォー・ワンを発動!」


《ワン・フォー・ワン/One for One》 †
通常魔法(制限カード)
手札からモンスター1体を墓地へ送って発動する。
手札またはデッキからレベル1モンスター1体を
自分フィールド上に特殊召喚する。


さとり「デッキのレベル1のモンスターを特殊召喚します。
    わたしはサニー・ピクシーを特殊召喚!」


《サニー・ピクシー/Sunny Pixie》 †
チューナー(効果モンスター)
星1/光属性/魔法使い族/攻 300/守 400
このカードが光属性シンクロモンスターの
シンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、
自分は1000ライフポイント回復する。


早苗 「チューナー! まさか、シンクロ……!?」

さとり「万物を見通せし、カオスの女神を降臨させましょう。
    レベル6のカオス・ソーサラーとレベル1のレベル・スティーラーに、
    レベル1のサニー・ピクシーをチューニング……!」

さとり「ヒトの深い混沌の光より出でよ! カオス・ゴッデス……!!」


《カオス・ゴッデス-混沌(こんとん)の女神(めがみ)-/Chaos Goddess》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/光属性/天使族/攻2500/守1800
光属性チューナー+チューナー以外の闇属性モンスター2体以上
1ターンに1度、手札から光属性モンスター1体を墓地へ送り、
自分の墓地に存在するレベル5以上の
闇属性モンスター1体を選択して発動する事ができる。
選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターをシンクロ素材とする事はできない。


さとり LP5800→6800

燐  「(4枚目……カオスのシンクロモンスターだにゃ!)」

魔理沙「(くっ……! このプレッシャーは、以前のさとりから受けたものより、遥かに……)」

さとり「優先権を行使、カオス・ゴッデスの起動効果発動です。
    手札のセンジュ・ゴッドを墓地に送り、墓地のカオス・ソーサラーを特殊召喚!」


    カオス・ゴッデス―混沌の女神―    攻撃力2500

    カオス・ソーサラー    攻撃力2300


ぬえ 「(強力なモンスターが2体…………でも、まだこれだけじゃガイアドレイクは倒せないはずだわ。
    攻撃力も足りないし……)」

さとり「うふふふふ、いきますよ。バトルフェイズです。
    カオス・ゴッデスで攻撃!」

妖夢 「……!?」

ぬえ 「えっ……! 攻撃っ!?」

さとり「地天の騎士ガイアドレイクを破壊しなさい!
    心花、カメラシャイローズ!!」

魔理沙「なっ……ガイアドレイクを攻撃だと!?」

早苗 「うそっ、攻撃力は負けてるのに!?」

妖夢 「…………墓地の、ネクロ・ガードナーの効果を発動!」


《ネクロ・ガードナー/Necro Gardna》 †
効果モンスター(制限カード)
星3/闇属性/戦士族/攻 600/守1300
自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動する。
相手モンスターの攻撃を1度だけ無効にする。


幽香 「!?」

妖夢 「墓地のこのカードを除外することで、カオス・ゴッデスの攻撃を無効にします!」

霊夢 「な……なんでっ? なんでわざわざ攻撃を防いだの?
    攻撃力はガイアドレイクの方が高いわ。返り討ちにできたのに……」

魔理沙「おそらくは…………オネストだ」

霊夢 「えっ……?」

幽香 「ふむ……でしょうね。オネストの効果は、ダメージステップに発動できる。
    カオス・ゴッデスは光属性。
    さとりが躊躇無く攻撃力の低いモンスターで攻撃してきたのは、さとりの手札にオネストがあると読んだから」

魔理沙「ああ。この局面で勝算無く攻撃力が負けているモンスターで突っ込んでくるわけがない。
    それに、以前のデュエルで、妖夢はオネストの効果を使われているからな。
    一瞬の内に、ガードナーの効果を使うことを判断したんだろう」

早苗 「そっか……。
    もしオネストの効果でガイアドレイクがやられたら、
    さらにカオス・ソーサラーのダイレクトアタックが決まりライフはゼロになる……。
    妖夢さんからすれば、発動するしかないというわけですね。
    あんな一瞬の間に、さすがの読みです!」

さとり「うふふふふ……防がれましたか。
    ならばわたしは、メインフェイズ2で墓地のレベル・スティーラーの効果を使用します。
    カオス・ソーサラーのレベルを2下げ、二体、守備表示で特殊召喚。ターンエンドです」



妖夢  LP3300:手札3:ガイアドレイク、伏せ1
さとり LP6800:手札2:ゴッデス、ソーサラー(星4)、スティーラー2



妖夢 「(さとりさんのあの手札……間違いなくオネストがある。
    である以上、カオス・ゴッデスに手出しはできない。魔法かトラップで倒すしか……)」

妖夢 「……ドローします!!」

幽々子『カオス・ゴッデスを倒さない限り、青コーナーは他のモンスターを召喚できないわね』

文  『およ?? 幽々子さん……それは一体、どういう意味です?』

幽々子『わからない? よく考えてみなさい。
    カオス・ソーサラーは闇属性だからオネストの心配なくガイアドレイクで倒せるけど、
    カオス・ゴッデスが残っていれば、次のターンでまた墓地から蘇生させられる。
    そうなれば、カオス・ソーサラーの起動効果で表側表示のモンスターを除外させられてしまう。
    ガイアドレイクのように、モンスター効果への耐性が無ければね。
    一種の結界といったところかしら』

文  『う~む、なるほど~。
    ……それにしても幽々子さん、決勝になってからまともに解説してますよね。
    どっかに自分のキャラ置き忘れてきたみたいなんですが』

幽々子『そんなことないわよ。なにせ、うちの娘の晴れ舞台なんですもの。
    真面目になるのも已む無しよ。うふふふふ』

文  『やっぱり今までは真面目じゃなかったんですね……』

妖夢 「バトルフェイズです。ガイアドレイクで、カオス・ソーサラーを攻撃!
    空観剣……六根清浄斬!!」

さとり「っ……素晴らしい剣です。ソーサラーは破壊されます」LP6800→5600

妖夢 「モンスターを裏守備でセット、さらに1枚伏せ、ターンエンドです!」



妖夢  LP3300:手札2:ガイアドレイク、裏守備、伏せ2
さとり LP5600:手札2:ゴッデス、スティーラー2



さとり「ふふふ……ドローします」

さとり「カオス・ゴッデスの起動効果です。
    手札の救世の美神ノースウェムコを捨てることで、このカードを特殊召喚。
    墓地より蘇りなさい、メンタルスフィア・デーモン!」


《メンタルスフィア・デーモン/Thought Ruler Archfiend》 †
シンクロ・効果モンスター
星8/闇属性/サイキック族/攻2700/守2300
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、
破壊したモンスターの元々の攻撃力分だけ自分のライフポイントを回復する。
サイキック族モンスター1体を対象にする魔法または罠カードが発動された時、
1000ライフポイントを払う事でその発動を無効にし破壊する。


魔理沙「(くっ、今度はメンスフィか!)」

さとり「メンタルスフィア・デーモンはモンスター一体を対象とする魔法・罠の効果を
    無効にする効果がありますが、サイキック族に限ります。
    その2枚の伏せカードは相変わらず脅威……ならば、ふふふふふ。
    いよいよ出すしかないでしょう。この最大のトラウマを、ね」

霊夢 「最大の、トラウマ……ですって?」

さとり「ふふふふふ、妖夢さん。
    あなたは前のターン、カオス・ゴッデスの攻撃をネクロ・ガードナーで防御しましたね。
    しかし〝わたしの手札に、オネストはありません〟」

妖夢 「……!?」

早苗 「なっ……そんなっ!? 
    じゃあ、さっきのターン……あの攻撃は、本当に負けるとわかっていてしかけたんですか!?」

さとり「そうです。
    妖夢さんがネクロ・ガードナーを使わなければ、カオス・ゴッデスは返り討ちに遭っていたでしょう。
    言うならブラフですね」

さとり「しかし、心は視えなくても、わたしには確信に近い読みがありました。
    あなたの無意識には、先日のオネストのイメージが焼きついている。
    ならば必ず、効果を使ってくれるとね。
    ネクロ・ガードナーの効果は、一度使うと除外され、基本的に再使用はできない。
    わたしは真の切り札を出すまでの時間を稼げたうえに、あなたの防御手段である
    ガードナーも使い切らせることができたわけです」

魔理沙「(墓地は公開情報……ネクロ・ガードナーが墓地に落ちていたことは、当然さとりにもわかっていた。
    早々に効果を使わせるのが目的だったわけか。
    それにしても、攻撃力が低いモンスターでその目的を遂げるなんて……)」

魔理沙「(さすがさとり……。能力が使えなくても、心を操る術は一級品だぜ。
    心を知り尽くしているだけはあるな)」

妖夢 「…………」

さとり「断っておきますが、妖夢さん。恥じる必要はありません。むしろ誇るべきと言っていい。
    レベルの高いデュエリストであれば、あの局面、
    必ずやオネストを警戒してネクロ・ガードナーの効果を使っていたでしょう。
    言わばわたしは、あなたのその強さを信頼したのです。
    そしてあなたは、わたしの信頼に応えてくれた……」

さとり「おかげで……全ての準備が整いました」

霊夢 「準備……何をするっていうの?」

さとり「ああ、本当に初めてです。
    デュエルモンスターズで、これほどの全力が出せること……本当に感謝しています」

さとり「だからこそこのトラウマ……妖夢さん、あなたに受けていただきたい。
    今、わたしの持ちえる全ての力を放出し…………
    《七色のレアハンター》が奪いし、最大のトラウマ……今ここに顕現して差し上げましょう!」

妖夢 「(……!? 
    さとりさんの妖気が、集中して……)」

妖夢 「(来る! 意識の底から震えるような、凶つなる気配が……!)」

さとり「わたしは、場のメンタルスフィア・デーモン、レベル・スティーラー2体を生け贄に捧げ……」

さとり「おいでなさい。ヒトのエゴに沈みしイド……心的装置の最下層から。
    ……アドバンス召喚!!」

さとり「現れよ!! かつて神と呼ばれし幻獣神……オベリスクの巨神兵!!!」


《オベリスクの巨神兵(きょしんへい)/Obelisk the Tormentor》 †
効果モンスター
星10/神属性/幻神獣族/攻4000/守4000
このカードを通常召喚する場合、自分フィールド上の
モンスター3体をリリースして召喚しなければならない。
このカードの召喚は無効化されない。
このカードが召喚に成功した時、魔法・罠・効果モンスターの効果は発動できない。
このカードは魔法・罠・効果モンスターの効果の対象にできない。
このカードは特殊召喚した場合エンドフェイズ時に墓地へ送られる。
自分フィールド上のモンスター2体をリリースする事で、
相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。
この効果を発動する場合、このターンこのカードは攻撃宣言できない。


妖夢 「……!!」

魔理沙「なっ!? オベリスクの……」

霊夢 「……巨神兵ですってぇっ!?」

早苗 「あれは……諏訪子様の神のカード!?」

諏訪子「使われちゃったねぇ。まんまと」

さとり「これぞ、今のわたしの生み出せる限りの究極のトラウマ。
    この神の力をもって、このデュエル…………わたしが制する!
    妖夢さん! お覚悟を!!」






















                                             ・・・・・・To be continued
最終戦なのでなんとなく分けました。
速攻で次へどうぞm(_ _)m
クラミ痔あ
http://
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
カオス・ゴッデスでメンタルスフィア・デーモン蘇生させてますけど、
その前に貪欲な壷でエクストラデッキに戻ってませんか?
2体もだしてた覚えもありませんし。
2.クラミ痔あ削除
>>1
ごめんなさい。戻ってました(´;ω;`) 
修正したのでもう大丈夫のはずです。
3.こーろぎ削除
受験があったので長らくこれなかったですが、来てみたら最終戦がほとんどあがっててびっくりしました。
いつもどおり楽しませてもらいました!オベリスク見たら某動画の輝夜が原作オベリスク使って、攻撃力∞にして中華鍋でライフ∞にしてるの思い出したw
カンダタロープ取得オメ!自分はDSだとこいしちゃんDNAで1400くらいで取ったのが心に残ってます。(トラウマ?
4.クラミ痔あ削除
>>3
受験ご苦労様でしたm(_ _)m
自分も受験は高・大学・院と3回やったので、大変さはよくわかります。
最終戦長いですが楽しんでくれたら幸いです。
5.名前が無い程度の能力削除
レベル・スティーラーはアドバンス召喚以外でリリース出来ないので闇霊術には使えないですよー
6.クラミ痔あ削除
>>5
ありがとうございます。ウッカリしてました。
オベリスクの効果でリリースはできないって頭には入れてたんですが……orz
修正に伴い、23話から遡っていじくりました。
もう解決したので大丈夫なはずです。
7.名前が無い程度の能力削除
メンスフィ後フィールド上にレベルスティーラーが2体すでにいるのにまた2体召還して6体もモンスターいますよー
8.クラミ痔あ削除
>>7
ありがとうございます。直しました。
もうさすがに間違いは無いと思いたい^^;
9.名前が無い程度の能力削除
シンクロミラクル←妖夢
ミラクルシンクロ←テキスト
わざとですか?
10.クラミ痔あ削除
>>9
普通に間違えました。修正しましたorz