Coolier - 新生・東方創想話

咲夜さんゆめにっき

2010/04/29 21:44:18
最終更新
サイズ
17.73KB
ページ数
1
閲覧数
1077
評価数
19/28
POINT
1510
Rate
10.59

分類タグ


≒咲夜さんゆめに■■―ただ今貴方が視姦中です――■■

目が覚めた。
温くてまずい空気を思いっきり吸い込む。うん気持ち悪い。
さて、ここはどこだ? えらく狭い。
黒いぶよぶよの地面があり、その正体すら掴めぬ真っ暗な夜。
「…………」
――籠の中の鳥という言葉があるが。
今の私がまさにソレだ。
一人、神社の檻の中。
外に出るのも叶わない。
まったくつまらないものね……。
「おねーちゃん、ごはんもってきたよ~」
「……ありがとう」
格子の隙間から餌を差し入れられる。
―――嗚呼……犬君(ヒーロー)の登場を信じてやまない。
もしくは―――アノ姫様なら……。
夢の中のお姫様はいつもおてんばで、自由で、我儘で……黒い髪(つばさ)を揺らし悠々と飛び回るのに。
否―――そうではないのかもしれない。
羽ばたけないから、淡い期待を夢に見るのかもしれない。
今なら彼女の気持ちがわかる。
「お姫様――かぁ。案外退屈なものねぇ……」
「え?」
「なんでもないわ。さぁ今日も遊びましょうか……」
「うん! じゃあ今日は――――お手玉してー!」
「いいわよ」
「おねーちゃん!」
目の前の扉が開かれ、年端も行かぬ少女が私に話しかけてきた。
―――少女は頭蓋だけだったけど。
なぜ、少女とわかったか? そうね。声色かしら。
でもカタカタとしか鳴(い)わないわねぇ……。
まぁ細かいことはいいじゃない。
「早くお手玉やって~」
蛇羅蛇羅……小豆が喚く。
「ひーにーふーに―――」
私は歌いながら二つの小豆を入れた袋を適当に輪姦(まわ)す。
さてさて。誰から教えてもらったのだろうか。
「ふんだんだるま―――」
ゆっくりと回転するお手玉の軌跡が描く輪。その中央に人が見えた。
「よーるもひるも―――」
ぼやぼやしていて良く見えない。だけど、とっても印象深い女性。彼女はいったいだれなのか?
「あーかいずきん―――」
湖に小石を投じた時と同じような波紋がゆっくりと生まれ、人影は掻き消えてしまった。「かーぶりとおす―――と、こんな感じかしら」
「えへへ。すごいね」
髑髏が喋る。どうやら喜んでいるみたいだ。私も憂(うれ)しくなって微笑み返した。
「ところで、おねーちゃん、名前なんていうの?」
「私か? 前に教えたじゃないか」
「あたし脳味噌ないからすぐに忘れちゃうの~」
「私の名前はね―――コノハナノサクヤヒメよ」
「なんとかのサクヤヒメ?」
「そうだ、サクヤヒメだ」
「じゃあお姫さ――――――ァ」カシャリと音がして壊れた。
否、壊したのだ。踏みつけたらあっけなく音がして壊れた。
……かしゃりだって、かっこわらい。
その事実が面白く非常に愉快であったため洒落頭(しゃれこうべ)を何遍も何回も踏み続けた。
周りでは蝉が喚き……?
――――――。
歴史を間違えたみたいだ。
ここじゃあないわね。
もっと……。あれ? 昔だっけ? 未来だっけ?
う~ん、と。
考えても埒が明かないので、適当に巡ってみましょうか?

⇔もしもの分岐点(If)はどこにあるのか?

ゆらゆら。

再び目が覚めた。
ここはどこだろう。
真っ暗で何も見えない。

ざぷりざぷり。

ゆっくりと揺れる心地。地面の固い―――感触から言って木、木だと思うもの痛い。

ちゃぷちゃぷ。

息苦しく、人肌のぬめりがある。

くちゃくちゃ。

周りを観察しようにも目が零なので観察の仕様が無い。

ねちゃねちゃ。

仕方ないので耳を頼りに状況判断をしましょう。

きゃあきゃあ。

周りの女人は媚を売っているみたい。

ぎぃーぎぃー。

響くマストと嬌声はどちらも同じ音だ。

いい加減五月蝿いな。

つぶやく私も五月蝿かった。

とべー渡欧。

さてさて、どうしてこうなった?

後悔してもしきれない。

あの子を恨み、親を恨もう。

絶対呪い殺してやろうと無駄な決意をした。

もう殺したのにね。

さてさて向かうは異界の天狗の地。

私は船にゆられゆらゆらと未知の土地へと花いちもんめ。

買ったのはどこの物好きかしら。

船から降りるとそこは、白と青と赤のお城。

見るもの全て憎かった。

だから私は逃げ出した。足が絡み付いているのに―――。



『№13』という数字。
何だろうか。ずっと黒字に白で浮かび上がる。
浮いては沈み沈んでは浮上する。そんな不思議な数字。
本当に何なんだろう? 私自身の数字ではない。私は八なのだから。
十三……じゅうさん……従さん?
むぅ……わからないわ。



だけど――目が覚めた。
活動写真館=映画館だ。さっきとはがらり変わってふわふわの椅子で座り心地は良かった……という思いでなんだろうな。
なんの映画を見ているんだろうという当たり前の疑問よりも先に隣が気になった。
隣客を見れば、蟻さんがいた。
しかもスーツを着ていた。
そして新聞紙を呼んでいるみたいだけど……。
此処は映画館なので新聞を読むのは場違いなので消去。デリート~デリート~、とヤジを飛ばす。
蟻さんは名残惜しそうに席を立つとコーラを床にぶちまけて劇場を後にしたみたい。
スッキリした。だけどちょっと物寂しい感じもある。
さてさて。視界をスクリーンに映す。
どうやら映画はほのぼのホームドラマみたいだ。セピアな画面にはお金持ちっぽい家族と一人のメイドが買い物をしていた。
メイドの少女が無関心そうに家族に付き従って買い物をしている場面だ。
従者は首輪と赤い鎖で拘束装飾されていたことを除けば微笑ましい一ページのようにも見える。
そんな見ているこちらが幸せになりえないその一つの要因として少女は瞳があった。
彼女の眼は野心を携え、怒りを顕にしながら彼らについていく。隙在らば喉笛を切裂こうという牙があった。
どうやらまだまだ商店街を回るみたいだ。
メイドな少女は荷物持ち。
重い荷物をしかめっ面をしながら持つ。ただ持つだけ。
それをみて笑う父と思しき男性と、微笑ましいものを見るかのような母のように見える女性。両親を不思議そうに見つめるレミリアさま。
…………?
れみりあ―――ってだれだっけ?
思い出せないので放っておくことにした。
景色が流れるように移り変わる。
だまし絵のように濃密な蜂蜜が描かれる。
歴然とした一ページを刻む世界の一コマ。
メイドは年端もいかぬ少女と二三言葉を交わした後、凍るような笑を浮かべた。
彼女は接吻(くちづけ)をし、その数分後に彼女の父と母はあっけなく彼岸へと旅だったのだった。
『Fin』の文字が入り、スタッフロールが流れ始める。
意味の無い懐中時計の音が只々刻まれながら人の人物の名前が上から下へと落下していく。よく読めない文字が多い。『魔女』『知識』『孵卵』『れみりあ』……だかられみ↑りあ↓誰よ。
むぅ……納得いかないラストだったわね……。
そんなことを考えながら再びゾウリムシの世界に出発する私であった。
どろどろに溶けた私はふらふらと電界を遊泳するのです。ぴるぴる
暗い闇。深い赤。血と血と血。骨のパズルに爪のトランプ。瓦礫は繊維。筋肉はあやとり。蝋燭がちろりちろりと、靡く。奥には一体何があるのか、知りたくないし知ろうとも思ったことはない。嘘です、あります。奥には何があるのか。それは『Thanatos』でした。もしくは『he■』……。私は畏怖と絶望の差がわかるようになった。兎と時計は不思議で醜いのですからと……。
「やぁー。きみの名前はなんというんだい?」
兎が現れた。コマンド?
というのはおいておいて、血まみれ兎が気易く口を開いてしゃべったのでびっくりした。
びっくりしたので思わず蹴り飛ばしてしまった。きゅーとないて呻いて湖のぷかぷか浮いていた。
「くわばらくわばら」
帽子男の気狂いなど比べものにならないというか比べることすら無礼に値するであろう。そんな凶器の狂気。
「――――――」声にならない悲鳴は嘲る。
けったけたけた。
「――――――」さぁ早く泉に沈みましょう。
王子様は駆けつけてくれますわ。
きっと私の元に……ね?



目が覚めた。
土埃と火薬が―――慣れているので別段気にするようなことでもない。
ただ、かつて見たことがあるような風景だ。
どこだったか、そのときは緑と赤が入り乱れていたような感じだった。
今は枯茶色しかないので、殺風景といえば殺風景だ。
そんな世界を気に帰るようなことはない。
気にかかることはただ一つ。
すぐ横で戦況をみている女性。
戦場には不釣合な程美しいシルエットをしていた。
影絵のように真っ黒だが、蜂蜜色した髪はさらさらと揺れる。肌と髪だけが着色されている。
そんな魔女はニタニタ微笑(わら)う。
「ンン―――と。だいぶ負けてるぜ~」
「……貴女は、ここで観戦していていいのでしょうか?」
「だから、今日は何もしないんだぜ」
「しかし……このままでは貴女の国は負けてしまいますよ、貴女は魔女としてやるべき事をやることが―――」
「べっつにいいんじゃない? 私は日本、あなたは英国でそれぞれ立場もあるんだし」
「しかしキリサメさん……!」
「大丈夫だって。『今日の』私の役目は紅魔館ごと、あなた達を幻想郷とやらに送り届けることなんだぜ? それ以上の事を望んではいけないさ―――さぁて」
一息つくと横顔をゆっくりとこちらに向けた。
東洋のモノとは思えぬほど綺麗な蒼眼は私を捉えた。
「そろそろ時間だぜ」
「……はい、よろしく頼みます。マリサ・キリサメさん」
「ほいほい―――では」
そうして彼女は呪文を唱え始めた。
空気が揺れ何かが宙に印刷される。
その文字は――記憶閲覧禁止、オイタはだめよ♪――
「ほいっと、陣完成っと」
「じゃ、『わたし』にあったらよろしくな……!」
「――――――」
私は何も言えずに空間転移された。
そうして物語は始まる。
「しかし―――私はまだ、やり残したことがある」
全てが始まる。少し前。たったの数百年前の事。
そう―――その時にあった数日。
その数日が私の数百年を狂わすのだ。


∴大好きです。愛しています。

ハッキリとした世界が展開された。
和室だ。私は一人が正座してお茶を飲んでいる。
私はどこから見ているのか分からないが、その事実だけが脳に直輸入されている。
外を見れば、藍色の空。
いつも夜で、建物は湾曲線を描く、餅のような形ばかりの、私の故郷(ふるさと)。
夜空に瞬く一番大きな星は青く、まるで水があるように輝いていた。
「あれが、姫が逃げた星かぁ……綺麗だなぁ」
その呟きを合図にしたかのように正面の麩が開き、私と同じ髪色をした女性が、同じく正座をした。
「悪いわね、■■。わざわざ呼び出したりして」
目の前には八意■■がいた。
「いいえ! そんな……。師匠はいろいろお忙しいのに、わざわざ私と話す機会を設けてくださったんです!」
真面目を装いながらも、師匠とふたりっきりで話せるんが嬉しくてたまらないという顔だ。
我ながら恥ずかしくなるな……。
アルバムを見ているのと同義だから、過去の自分の若さを悔いる時間と準備と覚悟が欲しい。
「ところで……例の件のことですか?」
はて……過去の自分が切り出して置いてなんだが、『例の件』とはなんのことだったのか。
少し思い出してみると、このとき、月の姫の教育係―――つまりこの女性が不老不死の薬を飲んだとかそういう噂が月全体に広まっていた気がする。
そして、そである師匠が呼び出されていた―――多分そうだ。
「噂は多々ありますが、もちろん私はそんなこと信じていません! ……師匠はそんなことないですよね?」
自分では平生を装っているつもりでも泣きそうな声というものは案外気づくものなのだな……。
「ごめんなさい、事実よ。そこでね―――」
世界が反転する。
ぐわんぐわん。
回る世界廻る私。
からりころり。
からりころり――音を立てて、硝子玉は転げ落ちる音が聞こえない振りをしよう。そこから全てうろ覚え。他人の耳を借りて聞いているかのような霞がかった幻想。幻想という史実を移植します。全てが始まった時から定められていた運命(さだめ)。さてそんな私の気狂いな耳から伝達灰色の脳に送信された情報をまとめてみましょうかしら。それは師匠は輝夜のヤツと共謀して地球という穢れた星へ逃げ出す計画をしているらしいという嘘八百の真実のお話でした。そこには一切の語りもなく淡々と語る師匠様の姿が在られます。世界に彼女ほど美しい存在はいないと現実逃避を試みようとも私の人よりも優秀な記憶回路は留まることなく情報を綴っていきます。そんな話は聞きたくないし、記憶に刹那の間も留めておきたくはないのです。聞いてしまった記憶をはぎ取りたいが、そんなことをしても事実=真実と公式は私程度の有象無象が変革するには烏滸がましいにもほどがあります。自分としてはずっと師匠とともに、月の使者の長と、それに使える弟子という……そんな些細で仄かな関係がずっと続いてくれればと思っていただけだった。そんなことが永遠永劫続くことが幸せだと思っていた。何よりも輝夜が憎い。たかが姫ではないか。師匠の気持ちを一欠片、髪の毛程も思わない癖に、師匠はなんで彼女をそんなに気に掛けるのだ。嗚呼―――憎い憎い憎い憎い憎い憎い! 殺し……っとその前に嬲り犯し蹂躙し爪の間に畳張りを一本一本丁寧に入れ猥語札で彼女の首を絞め死ぬ直前まで油釜に付けて骨の隙間に刀を差し込んで三角を象るように抉りとり四肢を引き裂いて赤い首輪をつけてだるまにして師匠の前で謝らせてやるんだから。そう想像妄想を掻き立てると、スリップする。お酒に酔いつぶれる時と同じ感覚。まず足元が揺らぐ。ぐわりぐわりと自分が、自分を支えてきたものが根底から覆される。憐憫に的外れな嘲笑。響き渡る薄気味悪い笑い声。違うチガウちがう血が合地が逢う治が遇う違ゥ違う。違うの違う。違わない? 血が合わないが故に血が合うのだ違うチガウだ。もしもにもしかして違うわないの? 普遍は存在しない存在するのは流動のみそもそもこの世とあの世ではいったい何が違うというのだ私には図り知ることのできない神々の戯曲の↑で踊るだけの駒に過ぎない独楽は回ってる間は自分で動く間は自己を認知できているが終わった事後は独楽には理解できないから捨てないで捨てないで捨てないで捨てないで捨てないで捨てないで捨てないで捨てないで捨てないで捨てられることは恐怖でしかありません邂逅は別れへの始まり人生は常にその舞を舞い続けるに他ならない憧れは希望に希望は確信へと変化しやがて自発的に降ってくる助けて私もお姉さんと遊びたい大姉ちゃんはやさいいし中姉ちゃんは博識だし小姉ちゃんはいつでもお菓子をくれた妹はどこに言ったんでしょうか私には分かりませんただ草履が一速で一足流れてきました隙間には肉片と血がこびりついていましたそれをみたお父さんは×××――×――×……。私が恐れていたのは違う私が恐れていたのは白銀でした、か。色は肌でした。目は安佐でした。首は肉です。恐れは狂です。私はいらな、い子です。必要では。ありません。なのできります。きら。れます。いやです。逃げます。桜が・端でした。飛び込みます。飛びました―――――めでたし、めでたし。そんな風に終わったらいいのになぁと思うが、絶対にありえないので却下だ。だいたい要らない三文小説っぽくていやねぇ。不必要にも程がある。そう重要なのは過失であり保守なのだ具象と抽象の差別化ができない故に事実と虚構が入り乱れる掃き溜め舞踏会へと成り下がるのだ。そうは成り下がりたくないので再び却下します。えっと今はどこまで伝えた。そうかそうか。思い出した。でもそんなことはできはしないとわかっている自分もいる。自分は高々屑同然の月人の付き人なのだ。彼女は生まれ持っての姫であり身体精神能力全てにおいて力量が違うのだから。だから師匠は彼女の引かれたのか。そうなのかそうに違いない。嫌だ嫌だ見捨てないでお願いだから私とともに一緒にいて欲しい……ただそれだけなのに! 彼女が原因ではないか、憎い姫。嗚呼厭らしいことこの上ない下賎な欲へと流れた姫。目先の欲望に忠実な子供。情勢を把握できず、自らの思い上がりでのみ行動できないから、私や師匠に迷惑がかかるのだ。気持ち悪いし不愉快だ。だがだけどしかし。結局のところ大好きな彼女を退かす事はできないし、殺したい彼女を殺すことはできない。だから結末は決まっているのだ。決して変わらぬ物語と歴史の結び。ピリオドの位置も決まっている。覆すことはないのだ。ありのままを受け入れよう。大切なのは私の意思であり決意であり感情なのだから。他人に促されたり強制されたり言い包められてやるのと自分から決起してやるのとはワケが違うのだから……即ち私は思い願い希望はたった一つ。「死にたい」
先程のクリアな世界とは真逆に抽象芸術の世界があった。
絵の具を撒き散らしたような世界で私はただ一人観測者なのだ。
森は緑で。
夜は黒、土は茶色で、まるで子供の図画工作だ。
さらに満月は白という単純な――――――満ちた月……か。
「目の前には一人の少女が立っている」
語り部である私は結末を知っている。だから語れば映像が見えてくる。人も影も声も全てが私の手のひらの歴史書同然だから。
「黒髪を持つ凛とした少女―――名は藤原」
黒い闇の中から白い単を纏った少女が浮かび上がる。否―――彼女を作り出したのは私なので、無責任はいけないこと。
「少女を守るのは青年―――名は岩傘」
少女の前に二本の刀をこちらに向け構える青年が生えてきた。否―――彼を作り、もういいよ。
「そして、月の使者こと私は彼を殺しました。ところが彼の必死の時間稼ぎにより少女は見失ってしまいました。その後、私は輝夜を山の頂上にて発見します。彼女を殺そうと忍び寄りますが、師こと八意永琳に見つかり、殺されかけます。が、間一髪藤原の娘のお陰で命を取り留めます。藤原の娘を殺しました。と思ったのは思い違いで、彼女も人ではない体になっていたのを知ったのはつい先日のことです。それは私も同じであり、知った時は酷く歪に喜び喚起しました。しかし不老不死と忌み嫌われた私は月に帰ることも出来ず、地上で生きていくことを余儀なくされたのです。めでたしめでたし。そんな私なんか死ねばいいのに。だって他人に迷惑をかけてばかりいるじゃない。それなのに生きてるなんて馬鹿らしくて合理主義の方々が黙っちゃいないわよね。なんで生きているのかしら。私なんか死ねばいいのに。それならば貴方は今まで生きていくために踏み台にした生物の数を覚えているのかしら。覚えているからなんなのって話なんだけど。ね、数え切れないくらいいるんでしょう? だから私なんか死ねばいいのに。私みたいな愚劣で劣等で愚かな低俗低脳の女が生きていて、何故貴方よりも優秀な人は死んでいくのかしら。美人薄命なのにね。私なんか死ねばいいのに。えっとそれは私が醜いアヒルの子ってことかしら。だったら生きていてもいいじゃない。そんな見栄のために死ぬなんて馬鹿らしいわよ。私なんか死ねばいいのに。私は誰なのかしら。さて、考えれば考えるほど蟻と蝶の違いがわからなくなり底には輪廻と敗北感が漂い始める。私なんか死ねばいいのに。そう、全ては出会いが終わりなのである。私なんか死ねばいいのに。矛盾をつき崩せない蛇は死ぬのだ。そのための槍と杖は私の脊髄であり、虫と貴方は仲良しこよし。えへへ、貴方はだぁれ? 私は私。私はだぁれ? 貴女は私。あれれ、何かが指針がおかしい。アポカリプスは深海にただよう亡者藻者のはずなのに。何故かセベクとセトラとナトラも私も睨みつけていますね~。ふざけているのかしら。私なんか死ねばいいのに。おかしいのは私じゃない。私は気狂いなんかじゃない!! 私なんか死ねばいいのに。黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ! 五月蝿い喚くな! 私なんか死ねばいいのに。だから黙ってっていってるでしょう!? なんで口を縫いつけるわよ。私なんか死ねばいいのに。あらあら、口を縫いつけるんじゃなかったの? 嗚呼そうなのねそうに違いないわ。貴方は自分が死ぬほど可愛いのよ。私なんか死ねばいいのに。なんで嫉妬深い女。吐き気がするわ。貴方なんて掃き溜めよね。生きてるだけて罪。それが貴方。自分よりも下がいないと生きていけない。私なんか死ねばいいのに。人を見下していないと生きていけない。自分ひとりが罪深い悲劇のヒロインを演じてるのね。それってとっても傲慢なんじゃない? 私なんか死ねばいいのに。傲慢でもいいじゃない。私はそれでも八意永琳が愛しています。
私私世界は虚構で出来ている。鱗魚の恋心、間違いなく答えを出す数式は即ちΣの四。
なな界世迷言断絶生は真実の欠片。大好き。
んんははいは付き合いたい心けは大好き。
かか嘘気持ち悪いい世大好きて歪んだ愛の成れの果て。大好き。
死死と生は曖昧な境界線  いるのはなに大好き。
ねね偽ってもいいから愛されたい大好き。
ばば善行は全て自分の虚栄心大好き。
いいしねばいいのに。
いいか
ののな
ににい
。。
だけどね。
だからね。
私なんか死ねばいいのに。嫌だ。私なんか死ねばいいのに。何故。だって貴方は存在するだけであらゆる森羅万象に仇となる罪深き者。だから私なんか死ねばいいのに。お断り。私なんか死ねばいいのにですって。そうよ私なんか死ねばいいのに、それが一番の真実。絶対に嫌。だって今の私には大切な人がいるから「咲夜さん?」
目を開けると紅色があった。
それが人――美鈴の瞳と気づくには数秒必要だった―――気がついたので殴り飛ばした。
「な、なんでいきなり殴るんですか!?」
「邪魔だからよ」
「ちぇ~……。いつも人のサボリは咎める癖に……」
「―――私は寝ていたのね……」
「え、気がついてなかったんですか」
「だったら」
「? どうしたんですか?」
「……いいえ。なんでもないわ。さぁ昼食の仕度でもしましょうか」

気持ち悪い。気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……!!!

⇒ならば真実(そこ)はどこにあるのか?

Fin
咲夜「えーりん博士、お許しください!」
永琳「こ、ここではやめろー///」
嗚呼素晴らしき咲×永
きゃんでぃ
http://
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.240簡易評価
3.無評価名前が無い程度の能力削除
点は入れてしまったのでフリーレスで失礼します。

『。』で改行なんかしてたら、

>「ちぇ~……。いつも人のサボリは咎める癖に……」

なんて台詞も

>「ちぇ~……。
  いつも人のサボリは咎める癖に……」

と、非常に読み辛くなるので止めて下さいね。
というか、地の文でも『。』を付けたら改行しないといけないという作法はありません。

と、作者様に言っておきます。

ただ、私も三点リーダの多用などは気になったので、そこら辺を直したらもっと良くなるんじゃないかな、と思います。

次回作、お待ちしていますよ^^
4.80v削除
狂気的で、気持ち悪い。でも不思議に引き込まれるという。
一度引き込まれれば改行がなくても気にならなかった。
いつもは"。"とか気にする方なんですが……圧倒されました。
5.20コチドリ削除
作品を早めに縦スクロールしてみよう。
な、なんというプレッシャーだっ!
6.50名前が無い程度の能力削除
こういうカオスは嫌いじゃないです
7.60電気羊削除
「」の中で。を使わなくなったのは新聞記事の省スペースが始まりなので、昔の小説では普通にかぎカッコ内で。を使ってますよ、と。
というか横書きでの文法総則なんてあってないようなものですから、何やっても結構問題ないですよっと。

この小説では演出として改行を使ってるので別に問題もないんじゃないでしょうか。
とりあえず読み物としては匿名40点ぐらいを普段なら放り込むのですが、色をつけておきます。
8.50名前が無い程度の能力削除
改行の少なさについては、個人的にぎっしり書いてある方が好きなので気になりませんでした
文章の改行についての明確なルールは無いので、そこは作者さんの裁量次第です
が、例えばタグなどを使用して行間を空けるなどすれば
もうちょっと見やすくなるかなとも思います
9.10名前が無い程度の能力削除
つまらん読みにくい
10.50名前が無い程度の能力削除
試みとしては良いけれども、もっと徹底できるとおもうのでこの点で。
まず、演出としての無改行といわゆる『意味不明な文章』は組み合わせて濫用すべきではない。
縦読みは良いと思った。だが文章を画像として捕えさせる試みであれば、更に芸術的に完成させることができるのではないか。
ナンセンスを書くにあたって『ゆめにっき』なんて他の制作物の呼称を使うのは良くない。それだけでチープな感が有る。なるべく自分の言葉で世界を作ってほしい。
11.80即奏削除
とてもおもしろかったです。
……ドグラ・マグラを読む前の自分だったら、こんな感想はでなかったかなぁ。
12.90名前が無い程度の能力削除
これは賛否両論だろうな
まぁオレは構成とかに突っ込むのは好きじゃないから特には何も言わないが、まぁ嫌いじゃないとだけ
14.90名前が無い程度の能力削除
なんちゅーか……狂気に満ち満ちた文章ですねぇ。
所々の表現もそうですが、ぎっしり詰められた文章がいっそうそれを際立たせていて思わず鳥肌が立ってしまいそう。
これはこういう表現だからこそ活きているものなのでしょう。からころり―――以下の文章、改行されていたら私は此処までこの作品に狂気を感じなかったと思います。
見た目から感じる圧迫感、内容の表現の仕方。一個の作品として申し分ない出来だと思います。
ただ、途中の縦書きは頂けないかな。もう少しこう、上手く練り込んで欲しかった。そうすることで一層狂気が増すと思います。
もしそうでなければ、普通に取り出し、
>私なんか死ねばいいのに。
>私なんか死ねばいいのに。
>しねばいいのに
とやってしまっても十分かと。
>世界は虚構で出来ている
とあるので、
>世界は嘘と偽善しかない
はなくてもいいかなぁ……。個人的な好みです、済みません。


書店でもお手元にある小説でも結構ですが、適当に開けば登場人物が喋っているだろう台詞の中に幾らでも「。」は使われていると思われますので、其処まで気にする必要もないでしょう。
本来であれば頭一個スペース開けて欲しいなぁと思うのですが、この作品なら開けなくても問題は無いかな、と。

今度を期待したくなる作品でした。
個人的には70点相当なのですが、成長を願って幾ばくかの色を付けさせていただきます。
これからもがんばってください。
15.60名前が亡い程度の能力削除
尖ってるなぁw 
破綻した物語ってあんまり見ないから、これからも期待したいですね。
ただ、少なくとも今回のは鋭角さが少し足りてないと思ったのが残念。

文章云々の常識は他のSSを読んで、参考にすれば良いんじゃないですか?
参考にした上で、貴方なりに文章を壊してみると良いでしょう。最初から、滅茶苦茶だから良いや、というのと、知っていて壊すのとは違いますから。
18.100名前が無い程度の能力削除
ワタシハスキダヨ.コウイウノモ.
19.90名前が無い程度の能力削除
狂気ですねえ
途中の改行なしラッシュが狂気性に拍車をかけていて良い演出だと思います
ただ、前半で狂った文章読まされて疲れきっている所に無改行は体力的に辛いですw
21.70名前が無い程度の能力削除
同人ゲームを昨夜でテキスト化しようとした…のか?
ただあれは読む物じゃなくて体験するものだからなぁ
22.80名前が無い程度の能力削除
一言もしゃべらない主人公の内面を不条理な夢を通して想像するあれがモデルなのでしょうか。
夢(内面)についての話であれば、永夜抄のキャラについて言及するより、人間の咲夜が紅魔館の人たちに対して持っている潜在的なイメージ(あれば恐怖も)について突っ込んで欲しかったと思います。
文章云々は気にならなかったです。
23.80名前が無い程度の能力削除
夢らしさが出ててるのが良かった
読み物としてはもっと尖って良いと思います。
26.40名前が無い程度の能力削除
話は無茶苦茶だけど、「狂気」っていうほどのものでもないと感じた。
ただのポエム。
28.70ずわいがに削除
正直、よくわかりませんでした。が、ところどころ面白い部分もあります。わかる人にはわかるんでしょうなぁ。ハマりきれなかったのが悔やまれます;
29.100最強の神削除
ふはははははは 面白い...!! 面白いぞ貴様ぁ!!! 続きを早く書けぇ!!!!!!