桜は既に散り、落ち着いた新緑の季節。
幻想郷の外れであるここ博麗神社では次なる闘いに向けて
珍しく入念なるトレーニングが行われていた。
普段は何事にも飄々として頓着しない彼女ですら
この時期だけはその心を奮わせずにはいられない。
魂を奮わせる巫女、博麗霊夢(はくれいれいむ)は予感がしていた。
「霊夢、3日後にしておいたぜ。」
やはり予想通りである。大会は終わってしまったが、まだ試合癖が抜けてないようだ。
「ちょっと、勝手に決めないでよ!」
「ああ、もうみんなに連絡しといたぜ。」
「ねぇ、最近みんなのテンションおかしくない?」
「そうか?闘志が溜まってるだけだろ。」
3日後は何も特別な日ではない。だがきっとみんな集まるだろう。
大会が終わってからも、何度も繰り返されてきたのだ。
そのたびに闘気が高まっている気がする。
最初は、多くのファイターが闘っている所為だと思っていた。
しかし、そうではない。
霊夢は自身から湧き上がる闘志を感じていた。
次の試合まで三日しかない。