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さて、リーチしか知らないんじゃ話しにならないからな。早速他の役を覚えていってもらうぜ。 |
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(あれ…もとの格好に戻ってる)ううぅ…暗記って少し苦手なんだけど……。 |
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大丈夫よ。何も条件から何からを丸暗記しなきゃ使えないわけじゃないわ。形を見て雰囲気で覚えれば意外とすんなりと理解して覚えられるし、全てがわからなくても覚えていることだけを使っていけば何とでもなるしね。 |
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その通りだ。ただ、やはり役をきちんと理解しているのとそうでないのでは大きな違いが出るし、覚えておいたほうがいい役というのも存在する。麻雀で役を作って和了る上で基本とされているのは、メンタンピンと呼ばれているものだな。 |
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何かおいしそうな名前ね。 |
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メンタンピンっていうのは、面前・断公九・平和<メンゼン・タンヤオ・ピンフ>のことね。数ある和了り形の中でも比較的作り易いもので、役を作る上での基本とされているわ。 |
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面前っていうのはさっき聞いたわね。一組も鳴いてない状態のことじゃなかったっけ? |
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そうだな。面前で和了るというのは何かとメリットが多い。さっき言ったリーチもそうだが、面前を条件としている和了り役がいくつかあるし、点数も大きくなる。そして、ツモ和了りしたときに面前清自模和<メンゼンツモ>といって一翻がつくのが大きいかな。 |
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え?ツモ和了りしただけで一翻がつくの? |
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そうだ。面前で4面子1雀頭を満たして自分のツモで和了れば、これだけでも一翻縛りにかなう手になるぜ。もちろん、面前であることが条件だから1組でも鳴いていたらおじゃんだ。
そして、面前でありさえすればいいんだから、他の役との複合は簡単だな。面前で手を進められるときはなるべくそうするといい。 |
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そして、メンタンピンのタンにあたるのが断公九<タンヤオ>ね。これは字を見てもらえばわかるけど、和了り牌の中に一切公九牌を含めない役で、これも一翻つくのよ。
チルノ、公九牌っていうのは覚えてる? |
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え〜〜〜とぉ…ほら、あれよね。あのぅ…… |
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強がる必要はないぜ。牌の種類の名前なんて説明を聞きながら覚えていけばいい。公九牌ってのは、老頭牌、つまり、数牌の1・9牌と字牌の組み合わせだ。それで、この1・9・字牌を断って和了るから断公九なわけだな。例えばこんな場合だ。 |
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こんな風に、公九牌を除いて和了り形を作るわけね。公九牌を断つことが条件だから、面子の形に制約はないわ。
ところで、老頭牌を除いた数牌、つまり、2〜8までの数牌を中張牌っていうんだけど、これは覚えてたかしら? |
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もも、もちろんよ。そっちならばっちり覚えてたわ。あぁそっか。言い換えればタンヤオは中張牌のみで和了る役って言うことね。 |
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そういうことになるな。
あと、タンヤオは鳴いても成立するって言うのが一般的だ。これを通称食いタン<クイタン>とか鳴きタン<ナキタン>という。 |
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それなら揃え易そうね。 |
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ただ、食いタンを認めていないところもあるから注意が必要ね。基本的なことだから事前に確認しておくといいわ。 |
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タンヤオも他の役と絡め易い。成立させることも簡単だから、積極的に手に絡めていくといいぜ。 |
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メンタンピンの最後のピン、は平和<ピンフ>のことよ。これは、和了りに必要な4面子を、全て順子で揃える役なの。これも一翻つくわ。 |
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面子を順子で揃えれば成立するの?だったら… |
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ところがそうもいかない。ピンフにはいくつかの条件がある。まず、今言った面子は順子に限り、刻子や槓子は含んではいけないということがひとつ。次に、雀頭に翻牌<ファンパイ>が使えないということ。そして、待ちは必ず両面待ちに限るということだな。 |
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面子が順子だけっていうのや待ちが両面待ちだけっていうのは分かるとして…翻牌? |
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まだ説明してなかったっけか。まずは三元牌、つまり、白發中のことだ。次に、四喜牌の中でも場風や座風、一般的にアタリ風の時の牌だな。 |
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そのアタリ風って言うのは何なの? |
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例えば、東場の時は東、南場の時は南が翻牌になる。あとは、自分の座っている席の方角だな。西家だったら西、北家だったら北が翻牌に当たる。
翻牌に関することはこの少し後に取り上げるつもりだぜ。 |
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実際に例を見てもらったほうが早そうね。例えばこんな場合にピンフがつくわ。 |
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なるほど、1萬が雀頭で、後の789筒・345索・789索が順子になっていて、45萬が3・4萬の両面待ちになっているからピンフがつくっていう訳ね。 |
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んじゃ、次にこの例を見て欲しい。待ちはどうなっている? |
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ん…かなり複雑な聴牌ね。多分…2筒を刻子にしての3・6筒のノベ単騎待ちか、……2筒を雀頭で234筒を順子としてみた場合は4・7筒で両面待ち、……後は2筒を雀頭で456を順子としてみた1・4筒の両面待ちって言うことでいいのかしら? |
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(この娘たまに結構鋭い頭を見せるわね。)。その通り。待ちの名前まで分かってるんなら話が早いわ。待ちは全部で1・3・4・6・7筒ってことになるんだけど、この場合ピンフが成立するのは1・4・7筒ってことになるの。何でか分かるわよね? |
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1・4・7筒が両面待ちだからでしょう?3・6だと2筒が刻子になるし待ちが単騎待ちになるからピンフが成立しないのね。これくらいだったら簡単だわ。 |
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そこまで分かってるんなら大丈夫だ。ピンフは少々条件はあるが、成立しやすく他の役と絡め易い。ぜひ覚えて使いこなしたいところだな。 |
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そういえばピンフは鳴いて和了ることは出来るの?タンヤオが出来るんだったらピンフも出来ておかしくないと思うけど…。 |
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鳴いたピンフは通称食いピン<クイピン>とか鳴きピン<ナキピン>っていうんだけど、ほとんどのところはこれを認めていないわ。だから、ピンフは面前に限る、って覚えちゃって構わないわね。 |
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まぁ、一応確認を取っておくのをお勧めするぜ。 |
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これでメンタンピンのそれぞれの説明が終わったわね。個別にもいったけど、これらは成立し易く他の役との組み合わせもし易いから、きちんと使いこなせるようにならないとダメよ。 |
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せっかくだし、今まで説明したのを組み合わせた例でも示しておこうか。 |
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#リーチ時和了り牌をツモした状況            
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これだったら、リーチ・メン・タン・ピンで合計四翻つくことになるわ。実践ではかなりいい得点になるから、基本といえど侮れないわね。
この後他の役も追って説明していくけど、今回習ったことをきちんと覚えておかなきゃダメよ。分かった、チルノ? |
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分かったけど、早く他の役も知りたいわ。役の形を見るのって何か楽しいから。 |
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いい心意気だぜ。じゃあ、とりあえずは今回習った役をリストにして終わろうか。 |