とある昼下がりの紅魔館… そこにはいつもの光景が繰り広げられていた。 皆、それぞれ思い思いの表情でその時を楽しんでいる ただ一人、十六夜咲夜だけはその時を楽しめずにいた。 彼女は憂鬱だった…この場面が「いつもの光景」になっている事に… 魔理沙「(ゴクゴクゴク…)っぷは〜!やっぱ紅茶は紅魔館で飲むに限るぜ!何といっても「茶葉が違う」っていうの?とにかくここの紅茶は最高だな!」 霊夢「あんた行く先々で同じような事言ってるじゃない。神社では緑茶云々とか言ってたし…。それと紅茶はもっとゆっくり飲みなさい。一気飲みなんてはしたないマネしてんじゃないわよ」 レミリア「さっきから無心でクッキーを貪ってるあなたは"はしたない"、とは言わないのかしら?」 フラン「あ〜ッ!魔理沙ひどい!それ私が食べようと思ってたのにぃ〜!!」 魔理沙「甘いぜぇ、フラン。食事は常に戦争だ。そして私が得意とする戦法は電撃戦!これを機にお前も強くなるんだな(笑」 さっきからこんな調子で賑やかとも騒がしいとも取れる光景が繰り広げられている。 紅霧異変から約半月…あの一件以来巫女と魔女はこちらにフラフラとやって来ては、お茶とお茶受けを強請り、自分達が満足した後に早々と去っていく…という日々が繰り返されている もはや盗賊と呼んでもいいのではないだろうか?実際彼女達が訪れてからは紅茶の茶葉の減りが目に見えて増えてきた。 ただ、増えたのはそれだけではない。お茶会の参加者が彼女達のほかにもう一人増えたのだ。495年の間招待されることのなかった人物を、彼女達は一晩にして立派な参加者としてくれた。この事実には素直に感謝しなければならない。