設定崩壊注意  おいィ? このSSには深刻なキャラ崩壊が含まれているんだが?  そういうのもOKさ、というか何でもOKさ、という方が閲覧すると光と闇が備わり最強に見える。  逆にそういうのが駄目な方が閲覧すると頭がおかしくなって死ぬ、早くこの画面を閉じテ!  時間を無駄にする覚悟はできたか?  では、下へどうぞ 第4話 フタエノキワミ、アッー ロケ地: 紅魔館 デンデデデン♪ デンデデデン♪ 「じゃあ仕方ないね。私がすっぱり散らしてあげる♪」  微笑みを浮かべながら、紅い少女が炎の剣を振り上げる。  フランドールの放った炎熱は大気を焦がし、一時的に向かい合う霊夢の呼吸と視界を奪い取った。  思わず腕を持ち上げた霊夢の視界の端に、フランドールの姿が映る。  次の瞬間、フランドールは霊夢の襟首を掴み取っていた。首筋に、紅の魔剣が突きつけられる。 「シークレット・ソードツー、レーヴァテイーン♪」  幼い声が発せられたと同時に、魔剣を中心に爆発が起きた。  爆心地にいた霊夢が吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。巫女服が焼け焦げ、結界を突き抜けた炎がその身体を焼いていた。しかし、同じく爆心地にいたはずのフランドールは傷ひとつ負っていない。  炎を操る彼女にとって、この程度の炎技は児戯に等しいとでもいうのか。  だが、驚愕に固まる咲夜たちの意識を、別の爆音が呼び戻した。 「フランドール・スカーレット! 刺し違えてその命貰い受ける!」  爆発と共に現れたのは、星屑を身に纏った魔理沙だ。間合いからはやや遠いが、すでに退避が間に合わないほど接近に成功していた。 「このレーヴァテインすごいよ! さすがフレイムタンのお兄さんだね!」  だが、フランドールには余裕がある。炎の剣を振るうと、楽しくて仕方がない、と言わんばかりに唇の端を持ち上げる。  剣を一薙ぎされただけで、魔理沙の突撃は中断されてしまった。炎壁に突っ込むのをどうにかかわし、間合いの外で魔理沙がフランドールに向き直る。  その視界に映ったのは、限界まで接近し、視界を埋め尽くしたフランの翼だった。 「箒の動きは全部私に伝わってきちゃうの。壊れた空間を渡るには、どうしてもそれを突破する術式が必要になるから。わかっているの霧雨魔理沙?」  頭を打ち据えられ、魔理沙の身体が宙を舞う。だが魔理沙はすんでのところで体制を立て直すと、星屑を纏い、宙を旋回して再びフランドールへと突撃を開始する。 「ユニヴァーーーーーーーーーーーース!!!!」  魔理沙の叫びが、フランドールの笑みにかき消される。  魔理沙の突撃が突然停止した。目の前に、無数の波紋が浮かんでいる。これは…… 「495年の波紋である!」  空間を壊すのではなく、能力を弱く発現させることで空間を歪ませ、それが元に戻る反動で多数の衝撃波が発生する。  今度こそ、魔理沙は耐えられなかった。防御用の魔方陣はあっけなく瓦解し、衝撃波に打ち据えられた魔理沙が箒と共に後ろへと弾き飛ばされる。 「プライベートスクウェアッ!たああっ!」  時間を操り、周囲の時間を緩慢にすると同時に突撃を敢行する咲夜に対し、フランは掌を突き出した。  空間が爆ぜ、操作された時が吹き飛ばされる。防御を失った咲夜に、フランの炎が直撃した。壁まで吹き飛ばされた咲夜の肺から空気が押し出され、吐息と共に漏れる。  その情景を目にしながら、チルノは目を輝かせていた。 (すごい……すごいっ! フランちゃんがいれば、あたいって本当に幻想郷にさいきょーになれるかもっ!)  どこをどうすればフランドールの強さがチルノに影響するのかと突っ込みたいが、妖精の思考をいちいち解析していても仕方があるまい。 「フランちゃんっ! トドメよ!」 「いいえ……」  三人を叩きのめしたフランドールの耳に、何者かの声が響く。 「止めも、勝利の余韻も……」  その人物は、いつの間にかそこに立っていた。  どうやって……とはあえて聞くまい。彼女の後ろには、幻想郷の賢者たる妖怪が、渡った空間もそのままに佇んでいる。 「まだ、早いっ……」  そう言い放ち、魂魄妖夢は二つの剣を抜き放った。 最終話 ソードマスターヨウム 「うおおおっ行くぞフランドール! 人鬼未来永劫斬っ!」 「さあ来なさい魂魄妖夢! 実は私は一回切られただけで死ぬわよ!」  妖夢の刀がフランドールの空間を切り裂きながら、彼女の本体を捕らえた。  刀の切っ先が、左右の羽根の合間から突き出される。 「グアアアアッ そんな、そんなっ!悪魔の妹と呼ばれたこの私が……そんな……馬鹿なっ……」  力を失ったフランドールの翼が、地へと垂れる。  死闘は、終わりを告げた。  その様子を見ている、三つの影があった。 「フランがやられたみたいね……」  唇の端に笑みを浮かべながら、守矢神社の風祝、東風谷早苗が笑みを浮かべる。 「フッ。奴は我々みんなの恨み四天王の中でも一番の調整不足」  同じく笑みを返しながら、四季のフラワーマスター、風見幽香が呟く。 「1.02時代の3強ごときにやられるとは、追加参戦キャラ候補の面汚しだね……」  最後に現れた蓬莱の人の形、藤原妹紅が溜まらず含み笑いをもらした。  と、次の瞬間。 「人鬼未来永劫斬サンルェンダァッ!!」 「「「グアアアアアアアアッ」」」  突如現れた隙間から飛び出した魂魄妖夢が、三人を一気に貫いた。  未来永劫斬3セットで4903、4182、3607ダメージ。いくら追加パッチ期待組第二世代の装甲でも、耐えられるようなダメージではない。全員で固まっていたのが逆に仇になった形になる。未来永劫斬の判定は広い。同じ場所にいれば、それだけ巻き込まれる可能性も高くなる。 「やった……ついにみんなの恨みを倒したぞ! これでこの事件の黒幕への扉が開かれる!」 「よく来たわね魂魄妖夢……待っていたわよ」  そうやってドアノブを捻って現れたのは、中華風の緑色の服を着込んだ赤い髪の女性……紅美鈴だった。 「美鈴がラスボスだったのか……! 感じる……彼女のオワタ臭を!」 「妖夢、戦う前にひとつ言っておくことがあるわ。あなたは私を倒すためになにも必要ないと思ってるみたいだけど、実際になにも使わなくても倒せる」 「知っています」 「そして幽々子は食費がかさんできたので返しておいたわ。あとは私を倒すだけね」  唇の端に笑みを浮かべる美鈴に、妖夢もまた笑みを返した。 「そういうことなら、思い切りやれますね。あと私からも言うことがありました。私には生き別れた師匠がいた気がしましたが、別にそんなことはありませんでした」 「そう……」  空気が張り詰めるのが感じられる。妖夢の剣を握る手が震えている。  剣が重い。この剣には、先に散った者たちの想いが詰まっているのだ。  暫しの静寂。それを引き裂いたのは、何者かが紅茶をすする音だった。それを合図に、二人の影が激突する。 「うおおおおおっ行くぞ!」 「さあ来い妖夢!」  言いながら、美鈴は笑みを漏らしていた。それは余裕の笑みだ。美鈴には勝算があった。 (妖夢はすでに永劫斬を4回使っている。ということは、もう永劫斬は……いや、スペルカードは撃てない!)  スペルカードが使えないのならば、互いに条件は五分。いや、緋想天のシステムでは、固めの強い美鈴が有利となる。  しかし、美鈴は気付いていなかった。  永劫斬、永劫斬、永劫斬、永劫斬と来たから、もうスペルカードは来ない……  この発想……思考こそが、緋想天では最も危険……ッ 嵌っている……ッ すでに泥沼……腰まで……ッ  雨が降っているのを感じた。外は豪雨になっている。台風。それを確認し、妖夢は勝利の確信を得た。 「断迷剣迷津慈航斬!」 「えちょおま……ギャアアアアアッ!」  妖夢の桜観剣が、巨大なエネルギーを帯びて美鈴に襲い掛かった。慌ててガードをしようとするが、時すでに遅し。天候の助力を得た妖夢の刀は、美鈴の身体を部屋の隅まで吹き飛ばした。  雨が降り始めたのは、つい先ほどの出来事だ。四天王を倒した時点では、まだ曇りの状態。スペルカードの消費を抑えるこの天候で永劫斬を四回撃ったところで、妖夢のデッキが尽きることはない。   倒れた美鈴を、妖夢が眺める。  そして、呟く。 「命は投げ捨てるものッ」  戦いは、終わった。 勢いでしか書いていない。今では反省はしている。