「さて、今週も始まりました。なんでも鑑定団 今回の鑑定人は八雲紫さん、阿求さん、上白沢慧音さんの三人になります。 今回のお宝は動かすことが出来ない物ということですので、 お宝のある人間の里の集会上に来ています。 どんなお宝なのか、私、霖之助非常に楽しみであります。 それでは早速お宝の持ち主の里長さんにお話を伺って見ましょう。 里長さん、今日はどんなお宝でしょうか?」 「ええ、今日鑑定していただきたいものは守矢神社の 分社なんです。」 「分社ですか、分社の鑑定なんて珍しいですね。早速私霖之助興奮してまいりました!! 鑑定人の方たちはいかがですか?」 「ねむいわ」 「最近来た神社の分社ですか、楽しみですね」 「分社なんていつのまにできたんだ!?私は聞いてないぞ」 「……えー、鑑定人も楽しみだということで早速お宝を拝見させていただきましょう。 と言いたい所ですが、件の分社は里長さん家のところにあると言うことですので、みなさん、そこまで歩いて行きましょう。」 「えー、めんどくさいわ。」 「そんな事言わずに行きましょう、紫さん」 「めんどくさい物は面倒なのよ、ちょっと分社の方に来てもらいましょう」 「分社は人じゃありませんよ、。って持ってくる?」 霖之助の後方から「ブン」と音が鳴ると、 紫の不可解な言葉を理解できぬまま霖之助は音のした方を見た。 ああ、そうだった。この妖怪にとってこんなことは日常茶飯事だったな。 っていうか持ってこれるのならわざわざ里まで来なくても良かったじゃないか。と心の中で毒づくと 「たまには人間の里に来るのもいいものよ。」 「人の心を読まないでください、紫さん」 「あら、なんのことかしら?」 だめだ、この人と話をしていると話が進まない。 そう考えた霖之助は番組を進行させる 「・・・・・・えー、それでは分社にも来て頂いたので早速ここで鑑定の方に写りたいと思います。」 鑑定が始まると阿求と上白沢慧音の二人と司会の霖之助は分社に近づいていろいろと見はじめた。 三人とも分社に夢中で紫が用意された椅子から動かずニヤニヤしていることに気づいていないようだ。 「ふむ、調べる必要も無いと思うが、僕の能力によると、名称は分社 用法は本社から神霊を分けて祭った神社。のようだ」 「全く、私に相談もせず、こんなものを作って、これが危険な物だったらどうするんだ。 後で話をする必要があるな」 「そんなに脅かさなくてもいいじゃないですか。慧音さん 彼だって悪気があった訳じゃないんですから。それにあなた最近竹林にいる人間の所にばっかり行って里には来てないじゃないですか?」 「な、何でそんなことを知っているんだ!? 確かにここの所行ってなかったが勝手にこんなことをされては・・・」 「まぁいいじゃないですか、今は鑑定のほうをしちゃいましょう、 とこんなものが出てきましたよ?」 亜急がそういいながら分社から取り出したのは本のようだ。 表紙にはSA☆NA☆E日記と書いてあり、見たことの無いキラキラしたものが塗りたくってある 「あ、あれは!?」 と観客席から聞こえ、霖之助達はそちらのほうを見てみると、 腋丸出しの服をきた少女が顔を赤くしてノートの方を見てじたばたしていた 紫は尚もにやにやして、隙間に手を突っ込んで何かしているがだれも気づいていない 「えー、鑑定中はお静かにお願いいたします。」 そう言うと三人は鑑定を再開した。 「ふむ、これは見た目どおり名称大学ノート、用法はなにかを記録する物の様だね 何か分社と関係があるのだろうか? ちょっと中を見てみよう。」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 9月1日 あー、とうとう長かった夏休みもぉわっちゃったぁ 今年こそは運命的な出会いを期待していたんだけどなぁ でも!2学期からは新しく生まれ変わったゎたしで勝負!! 明日は久しぶりに皆と逢えるしどんな反応するかしら?  いきなり告白なんかされちゃったりして☆ なーんちゃって★ 9月1日 今日は始業式☆新しく生まれ変わった私で勝負よ!! うふふ、みんな私のことをみていたわ 先生に注意されたけど目のやり場に困ってたわ そうよね☆先生だって男の子だものね いいわ、今日はデキル大人の女というものを特別に見せてア・ゲ・ル(はぁと) 明日からはそんなにじろじろ見ちゃイヤよ☆ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「な、なんだいこれは・・・・・・」 「う、うむ、このノートの歴史を見てみると 外の世界の女子中学生の日記のようだな」 「それは分かりますけど分社と関係あるのですか?」 「今のところ調べた限りだとなさそうだが・・・・・・ ま、まぁ次のページも読んでみよう。何か分かるかもしれん」 「そ、そうですね、見てみましょう」 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 9月2日 うふふ☆ 今日もみんなみていたわ 親友のたえチャンがちょっとよそよそしいけど 嫉妬しているのかしら>< 駄目よ、デキル女は嫉妬なんかしないものよ☆ 明日はデキル女というものを特別に教えてあげちゃうわ☆ 9月3日 あームカつく!! 今日はたえちゃんにデキル女というものを教えてあげようと話しかけたら 「あ、ごめんなさい、ちょっと忙しいから」 とか言ってどっか行っちゃうし、 神奈子様には 「何で腋丸出しな服をきているんだ? あほの子みたいだから止めておきなさい」 とか言われるしぃ ま、いいわ。田舎の神様なんかにこのセンスが分かるなんて期待していないもの 今度レクチャーしてあげるわ☆ たえちゃんにも明日こそ教えてあげなくちゃね☆ でも、明日も逃げられたらどうしようかしら? あ、良い事思いついたわ☆ 明日多恵ちゃん家行って一緒に登校しましょう。 たえちゃん家から学校まで30分は掛かるから たっぷり教えることが出来るわ うふふ、明日が楽しみね☆ 9月4日 あーまじムカつく!! 今日こそたえちゃんにデキル女というものを教えてあげようとしたのに 「一緒にいるのを皆に見られたら恥ずかしいから 話しかけないでくれませんか」 とか言われて走って逃げられるし!! マジムカつく!! 何様のつもりよあの女!! これだから田舎の女は嫌なのよ!! 折角デキル女というものを教えてあげようとしたのに そのチャンスを棒にするなんて可哀想だけれど 私を怒らせたあなたがいけないのよ 9月5日 今日もいい天気だわ、 今日は趣向を変えて朝食の風景でも書こうかしら まず、朝食に欠かせないもの、それは納豆!! 納豆と聞いて馬鹿にしませんでした? 納豆を馬鹿にしちゃいけません 納豆にはダイエット効果があるんですもの、前にテレビでやってたから間違いないわ 確かにちょっと臭うけどそれくらいは我慢しないとね☆ デキル女は寛容なのよ☆覚えておきなさい(はぁと ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ これはひどい・・・・・・ いたるところに表紙と同じ物と思われるキラキラしたものが塗りたくってあって読みにくいし、内容もばかっぽい っていうか、こんなあほの子に待ち伏せされるたえちゃんが可哀想だ・・・・・・ もう、読む必要が無いだろうと判断した霖之助はそっとノートを閉じた 「・・・・・・うん、それじゃ鑑定結果の発表をしようか」 「そ、そうだな。これ以上読んでたらこっちまでばかになってしまう」 「そ、そうですね。早く忘れましょう。私は忘れられないけれど・・・・・・」 見てみると阿求の顔が真っ青だ 里まで遠出したのが原因ではないだろう。 そもそも何でこんな物が入っていたんだと霖之助は首を傾げると 紫のニヤニヤした顔が見えた・・・・・・ どうやら彼女が犯人のようだ 何がしたくてこんなことをしたのかと考えてると 「面白いものでも見つかったのかしら?」 と言いながら、犯人が目の前に顔を出しているではないか 「ああ、面白かったよ。きみが何をしたくてこんなことをしたのか分からないが 外の人間の日記なんてそうそう見れるものではないからね」 「なんのことかしら?ゆかりんわからないわ」 何がゆかりんだ、もう少し年を考えてもらいたい、と霖之助は思ったが、これ以上脱線させるわけには行かないから番組を進行させる 「で、では鑑定が終わりましたところで判定に参りたいと思います。 こちらの分社が出来たのは見たところ最近のようですが、上白沢慧音さんわかりますか?」 「ああ、歴史を見てみると出来てからまだ1年たっていないようだな そもそも、守矢神社が来たのが去年なんだから当たり前ではあるが」 「では、歴史的価値は全く無いということになりますね」 「ああ、そうなるな」 「では、鑑定人に鑑定結果を言ってもらいましょう。まずは、紫さん」 「そうね、先ほど話してた通り分社には歴史的価値は無いし、 守矢神社に頼めばすぐに作ってもらえるそうじゃない。 だから分社の価値はあまり無いわ、せいぜい五千円程度ね。 でも、こっちのノートは面白いわ。こちらも歴史的価値は無いけれど、 少女の心とも言うべき日記なんてそうそう見ることできないわ。 それに外の世界の資料としてみると価値はあるんじゃないかしら? 総評すると五百万は下らないわね、私だったらそのくらい出すわ 」 「これは思わぬ値段が付きました!! それでは続いて上白沢慧音さんにも結果を言ってもらいましょう」 「うむ、分社のほうは八雲が言ったとおり五千円程度だろう。 しかし、このノートは大して価値が無いというのが私の判断だな。 こんなあほ日記を読むくらいなら春画でも見ていた方がまだマシだ。 よってノートは0円!! 里長はさっさと八雲氏に売ったほうが良いだろう」 「分社については同様の評価ですが、ノートについては意見が分かれました!! それでは、最後亜急さんに結果を言ってもらいましょう、阿求さん?」 「阿求なら帰ったぞ、ノートを見ていたら気持ち悪くなったとか言ってな」 「そうですか、残念ですが仕方ないでしょう。 それでは結果は以下のようになりました」 分社 :5000円 ノート:0円or500万円 結果は早苗のノート勝利!! 収録後 「それでは里長さんこの分社とノートはどうしますか? 今なら紫さんがノートを500万で買ってくれますが・・・」 「家にあっても仕方ないですし、売らせていただきます、よろしいでしょうか?」 「ああ、いいわよ。500万ね、はい」 そう言うと隙間から札束5つ出し、里長に渡し、紫はノートを受け取った 「それじゃあ、このノートは里の美術館に寄贈しますわ」 「いいのかい?わざわざ大金を出して買ったのに」 こんなもの美術館も要らないだろうに、と霖之助は思いつつもゆかりの不可解な行動の理由を聞いてみた 「ええ、こんな素晴らしいものですもの、みんなに見てもらいたいわ。 誰でも見れるようにしておかないと」 「そんなに良いものとは思えないけど、君のやることはさっぱり理解できないよ」 「出来る女はミステリアスですわ」 そう言うと紫は隙間に潜っていった。