ピピピ、ピピピピピピ、ピピピピピピピ。 イマイチ締まらない目覚ましの電子音が響く。 が、その音量だけはバッチリで、寝入っていた意識を起こすには十分だ。 ばん、と音を立てて目覚ましをぶっ叩き、音を止める。 我ながら乱暴だとは思うが、こちとら眠気と格闘しているのだ、少し位のことは大目に見て欲しいと思う。 モゾモゾと布団から這い出してしばらくぼーっとする。朝はシンドイ…… ああ、そういえば今日は燃えないゴミの日だ。 ようやく血液と酸素が回り始めた頭で思い出し、思いっきり伸びと欠伸をして体のダルさを取り除いた。 カーテンを開けると日の光が目に眩しく、けれども体中の細胞一つ一つが目を覚ましていくのを感じる。 襖の方を見ると、未だにあいつが起きた気配はない。 まったく…… 起こしに行こうかとも考えたが、あいつの部屋には何が仕掛けてあるか分からない。 以前、無断であいつの部屋に入ったら、小さなロボットに追い掛け回されり、訳の分からないトラップに引っ掛かりかけたことがある。 正直、本当に身の危険を感じた……銃刀法に違反してるんじゃないか、あれ? そういうわけなので部屋に入ることはせず、襖越しに呼び掛けることにする。 「おーい、にとり、起きろ」 …………反応なし。もう一度、今度は大きめに声を上げたが、やはり反応せず。 起きそうにない奴を起こしても仕様がないか。大人しくゴミ捨てに行くことにしよう。 そうして玄関を開けると、すらりとした長身の影があった。 「あ、美鈴さん。おはようございます」 「おはようございます! 今日もいい朝ですね!」 この女性は紅 美鈴さん。 女性の割には背が高く、その背の高さに負けないぐらいスタイルの良い人だ。 中国の生まれらしいが、何でも整体師になるため日本に来たらしい。 基本的に面倒見がよく、誰にでも親切なため近所でもすこぶる評判が良い。 まだ見習いの整体師らしいが、それでもその腕の良さと気さくな性格、何よりも美人でスタイルが良いということで、多くの人が診ってもらっている という。 何でも、中国の良い所のお嬢様だったという噂があるが、真相は分からない。 緑色のジャージを着込んで、汗だくになっている所を見ると、朝からランニングをしてきたようだ。 「毎朝、元気ですねぇ」 「一緒にやります? 中々、楽しいし気持ちがいいですよ」 「あはは、俺じゃあ長続きしませんよ。体力ありませんし」 それに毎朝20キロは無理っす…… 「そうですかぁ、残念」 「そういえば昨日の御裾分け、改めてありがとうございます」 「ああ、気にしなくていいですよ。腐らせるよりは、食べて貰った方がいいんで」 「とても美味しかったです。あ、お皿は後でお返ししますね」 「わあ、そう言っていただけると嬉しいなぁ。よし! じゃあ次も張り切って作ろう!」 「御裾分けのために張り切るってのも可笑しいですけどね」 「まあ、確かに」 そう言いながら、お互い笑い合った。 やっぱり、話してて気持ちのいい人だなぁ。 「それじゃあ、俺はこれで」 「ああ、はい。それでは」 なんだか美鈴さんから元気が貰えたような気がする。 うん、今日一日元気良く過ごせそうだ! そうして下の階に下りていくと、通路の途中でばったりと金髪の影に出くわした。 「あら……」 「あ、おはようございます」 「……おはようございます」 袋を持って軽く会釈をされた。 アリス・マーガトロイド。丁度、下の階の住民だ。 年齢は俺と変わらないはずだが、大人びていて、細かいところにもよく気が付く。 「袋に穴が空いてるわよ。その内、破れるわ」 まるで子供に言い聞かせるように優しく注意された。 見てみると、プラスチックの大きな破片が袋を突き破っていた。 ありゃ、全然気がつかなかった…… 「まったく、迂闊なんだから……」 そう言いながら、部屋から新しい袋を持って来てくれた。 「あ、ありがとうございます」 「いつもどこか抜けてるわね。きちんと注意深く行動なさいな」 溜息混じりに袋を手渡された。 なんだか会うたびに、どこかを指摘されて小言を言われている気がする。 まあ、別に不快じゃないし、色々と助けてもらってるから何も言えないけど。 それに、にとりとも仲が良いらしいし。 にとりの話によると、アリスは貧乏くじを引くタイプらしい。 曰く、お節介焼きの世話好きらしく、困っている人や抜けている人を見ると居ても立ってもいられないそうな。 それで小言を言いながらも、面倒事を引き受けてしまうという。 まあ、良い人過ぎるんだろうなぁ。 「ゴミ持っていきましょうか? 袋のお礼に」 「そこまでしてくれなくてもいいわよ」 まあ、そう言うなら強くは言わないけど…… それはそうと、なんだか彼女とは良く会うなぁ。 かなりの美人だから、悪い気はしないけど。 向かう場所は同じなので、アリスと一緒に階段を下りていく。 軽く世間話をしている内に、ゴミ捨て場まで到着した。 と、ゴミ捨て場の前で箒を掃いてる人影。 「お、二人ともおはよう」 「あ、おはようございます」 「おはようございます」 管理人の娘さんだが、実質ここの管理人をしている上白沢 慧音さん。 本物の管理人が中々忙しいらしく、娘である慧音さんが仕方なしに管理をしているらしい。 子供が好きらしく、普段は学習塾と子供の預かりをやっている。 これがなかなか親御さんに好評らしく、かなりの人が利用している。 もう、半分保育園みたいなものだ。 かく言う俺も、バイトという名目で時々それの手伝いをさせられている。 バイト代は子供達の笑顔と、飯代の千円。プラス五千円。 どうにも割に合っていないような気がしないでもない。 それでも、慧音さんのありがとうと言う言葉と、その笑顔見たさにまた請け負ってしまうのが悲しき男のサガ。 いやいや、あの笑顔は反則だよ? 心の底から感謝しているって感じで輝いているんだもの。 まあ、子供も嫌いではないから辛くはないし。 「ああ、アリスさん。この間の人形劇、子供達に大好評だったよ。ありがとう」 「喜んでもらえたのなら、嬉しいです」 「それでだな……」 「はい?」 「頼む! もう一度頼まれてくれないか?」 両手を合わして慧音さんが頼みこんでいた。 俺もその場所にいたけど、確かにあの人形劇は凄かった。 子供達はもちろんのこと、俺も夢中になって見入ってしまったものだ。 あれは本当に面白かった。 「ええ?! 一回だけって言ったじゃないですか!」 「それが子供達がもう一回見たい、アリスお姉ちゃんに会いたい! って聞かないんだ」 「あ……そ、そうなんですか? えへへ」 「だから頼む、もう一度やってもらえないか?」 「で、でも……」 「あ、それじゃあ俺はこれで。お二人とも良い朝を」 「あ、こら待て! 助けろ!」 「なあ、アリスさん頼む!」 「そ、そんなこと言われたってぇ!」 たぶん断りきれずに請け負っちゃうんだろうなぁ、アリス…… 取り合えず合掌。南〜無〜。 部屋に戻る途中、何やら階段でへたっている影一つ。 ああ、まったくこの人は…… 「おはようございます。勇儀姐さん生きてますか?」 「……んあ。ああ、おはよう。ごめん、ちょっと死ぬ」 「昨日もあの後、呑んだくれてたんでしょう? お酒はほどほどにです」 「久しぶりに友達と会ってねぇ。そいつと飲み合いしてたら店から追い出されて、そのまま7軒ぐらいハシゴ」 「さいですか。で、立てます?」 「いやあ、久しぶりに呑み過ぎたねぇ。という訳で立てないから、青年よ、お姉さんを負ぶっていっておくれ」 この呑んだくれてる人は星熊 勇儀さん。 真上の階の住人。 職業は不明。 何でも大企業のバリバリのキャリアウーマンだとか、大人気の女子覆面プロレスラーだとか、オリンピック選手のコーチやってるだとか、色々な噂がある。 ただ、かなりの稼ぎがあることは確かで、いくら酒を飲んでもお金がなくなる様子はない。 そして、かなりのザルの蟒蛇。その呑みっぷりは明らかに異常を通り越して驚異だ。 もう勘弁してくださいと居酒屋が泣き叫び、「勇儀出入り禁止」の看板を立てたという噂も聞く。 ……それを噂と笑い飛ばせないのが恐い。 「仕様がないですねぇ。ほら、肩貸しますから、立ってください」 「最近の若者は冷たいねぇ」 「負ぶられているところ見られたら恥かしいですよ?」 「何が恥ずかしいんだい?」 「……もういいです。ほらとっとと立つ!」 無理やり立たせて、そのままゆっくりと階段を登らせていく。ああ、重い…… 「あっはっは。すまないね、いつも」 「そう思うんなら、お酒減らしてくださいよ」 「それは無理だね。まあ努力だけはしておくよ」 どうにか、勇儀姐さんの部屋まで辿り着き、姐さんを床に転がす。 寝床まで連れていく義務はありません。 「ごめんー、水くれー」 「はいはい」 豪快な性格している割には小奇麗な部屋を横切り、水持って戻ってくると。 姐さんは床に寝ころんだまま、ぐーぐーと寝ていた。 「まったく、人を使っておいて……」 この豪快な性格と、姉御肌の面倒見の良さのため、色々の人から姐さんだとか大将だとかと呼ばれているこの人。 その顔はかなり広く、そして沢山の人から慕われている。 俺も、呑みに連れてかれることがよくあるし、何だかんだでこの人が好きではある。 もちろん、LOVEではなくLIKEの方だ。 それはそうと幸せそうに寝ちゃってまあ…… とりあえず、このまま放っておくと風邪を引くので、適当な上掛けを被せておいた。 ああ、何だか朝っぱらから疲れた…… 部屋に戻ると、いつの間にか朝飯の用意がされていた。 そして、それをかっ食らっているのが一人。 「あ、おかえりー、んでもっておはよう」 「……お前、俺が起きてた時点で目、覚ましてただろ?」 「なんのこと?」 「五分かそこらで、眼を覚まして、朝飯を作れるはずがないだろ。ゴミ捨て、俺に押し付けたな?」 「いいじゃん、朝飯作ったんだし。仕事は分担して行うべきさ」 「……昨日の便所掃除担当はお前のはずだぞ」 「ああ、代わりにやってくれたのか。ありがたやありがたや」 「まったく」 河城 にとり。 以前いた所を追い出され、そこで偶然出会った俺の部屋に転がり込んできた迷惑な奴。 中学生くらいに見えるが年齢自体は俺の一つ下。 その割には言動が子供染みており、どこからどう見てもお子様だ。 本人はそのことを気にしているらしいが、行動を改める気が全くないように見える。 俺にとっては同居人と言うより妹と一緒に生活しているようなものだ。 「だから、味噌汁に胡瓜入れるなって何度言えば!」 「美味しいじゃん! 緑の大根と考えれば食えるさ!」 「日本人的美的センスで考えろ!」 好物は胡瓜。 胡瓜さえあれば生きていけると常日頃、豪語している。 青虫か…… 「で、今日の予定は?」 朝飯を食べて、一息吐いているとにとりが尋ねてきた。 今日は丁度休日で予定らしい予定もなし。 「特になし。部屋でゴロゴロするつもりだ」 「いい年した男が不健康だねぇ」 「戦士にも休息が必要なのさ」 「暇ならちょっと発明手伝って」 「……五千」 「高い二千」 「人を使うならそれなりの誠意を見せてみろって、孔子様が仰ってるぞ」 「可愛い女の子が頼みこんでいる時は、何が何でも手伝ってやれってチャーチルが言ってた」 「女の子ねぇ。それじゃあ、可愛い妹分のために四千で請け負ってやる」 「まだ高い。三千」 もうちょい、粘るか? 内容にもよるが、手伝いで三千円くらいならまあ、妥当なところか。 「しかたない。三千五百でどうだ?」 「しつこいなぁ。それじゃあ三千にプラス、アリスの手作りクッキー」 「ぐっ! そう来るか……」 「ご存じの通り、アリスの菓子は普通に店で売れるレベルだよぉ?」 「ていうか、なんでアリスのクッキー持ってるんだ?」 「友達だもの。この間一緒にクッキー作ってその時にね」 「……よし分かった。三千円とアリスのクッキーで手打ちだ」 「交渉成立!」 そんなわけで、現在、アパート前の広場で手伝いをさせられているわけなんだが…… 「嵌められたああ!!」 「はーい、嘆いてないでその装置運んで。20キロあるけど、慎重にね」 「うおおおおおお!」 完璧な力仕事だ。これじゃあ土方と大して変わらねぇ! 三千円じゃあ、絶対割に合わんぞ。 「事前にどういった手伝いか、訊かなかったあなたが悪い」 「くそう。クッキーに目がくらんだぁ!」 「お前達、今日も仲が良いな」 20キロの装置を置いて、ヘタっていると、後ろから声が聞こえた。 「あ、慧音さん、おはようございます」 「ああ、おはよう、にとり」 ピンクのエプロンを着けた慧音さんが小さな子供を背負っていた。 その後ろには何人かの子供達。どうやら、皆で広場に遊びに来たようだ。 子供の相手に邪魔なのか、普段は下ろしている髪は今は後ろでまとめている。 う〜ん、若奥様…… 「そこ、今、変なことを考えなかったか?」 「いえいえ、やましいことなんてありませんよ?」 この人は妙な所で鋭いから困る。 「で、何を作っているんだ?」 「俺は手伝いという名の奴隷ですので。にとりに聞いてください」 「ちょいと光学迷彩を……」 「光学迷彩?」 「簡単にいえば、姿を見えなくする道具です」 どこの公安9課なんだろうか…… いや、むしろミラージュコロイド? 「ふむ。まあ、爆発だけは勘弁してくれよ?」 「朗らかに言うセリフじゃないですよね」 「了解でーす」 そう言うと、俺達から少し離れた場所で子供達と追いかけっこを始めた。 う〜ん、子供と遊ぶ姿が似合うなぁ。 「おーい、鼻の下伸ばしてないで、どんどん運べぇ」 「あー、はいはい」 そうこうして、にとりにこき使われていると、今度は美鈴さんがやってきた。 「面白そうな事やってますね。どうしたんですか?」 「あ、どうも。ちょっと、にとりの手伝いです」 「相変わらず仲が良いですねぇ」 「美鈴さんまで慧音さんと同じことを……」 「あははは」 「で、美鈴さんはどうしたんですか?」 「いやあ、二人が面白そうな事やってるから、私も混ざろうかと」 「大して面白くないですよ?」 「暇つぶしですよ。まあ、お気になさらず」 そういうと、俺が運ぼうとした機械に手をかけた。 「あ、それ重いですよ?」 「なあに平気ですって」 「いや、だってそれ30キロはあるってにとりが……」 「よっこいしょ」 30キロをよっこいしょ、の一声で持ち上げたよこの人。 いや、美鈴さん、それはダンベルみたいに上げ下げするものじゃありませんから。 「ふむ、このくらいなら大丈夫ですね。にとりさんのところに運んできます」 「あ、はい。一応お気をつけて」 このアパートに住む女性は全員逞しいと思いました。 二度あることは三度あるというか、慧音さん、美鈴さんに引き続き今度はアリスがやってきた。 ちょうど、部屋にある道具を運んでいる時だ 「にとりのお手伝い? 相変わらず仲がいいわね」 「皆、同じことを言うのは気のせいですかい?」 「思ったことを素直に言っただけよ」 「で、人形劇の方は?」 「……聞かないで」 あ、遠い眼をしている。 やっぱり断りきれなかったか。 「まあ、喜んでもらえるのなら、それで良いんじゃないですかね」 「そうなんだけどね。でもね、断りきれない自分のお人好し加減にちょっとね……」 自覚はあったのか。 それも一つの長所だと思うんだけどなぁ。 「それで、俺達の様子見にでも来たんですか?」 「様子見もそうだけど、あなた達、お昼はどうする気? もう昼時よ」 「ああ、もうそんな時間か。何も考えて無いや」 「勇儀さんがね、皆で昼食を食べないかって言っててるのよ。丁度、広場に集まってるみたいだし」 「皆で集まって食べる。ピクニックみたいだろ?」 「あ、姐さん。もう平気ですか?」 「おかげさんでね」 いつの間にか、姐さんが後ろに立っていた。 神出鬼没だな、この人。 「広場見たら、皆集まって色々やってるじゃないか。それでピンときてね」 「まあ、俺やにとりは良いとして、美鈴さんや慧音さんにどうするか訊かないと」 「既に訊いてきた。美鈴の奴は勿論OK。慧音の嬢ちゃんの方は子供達の分も作ってくれるなら、ってさ」 「行動早いですねぇ」 「星熊のお姉さんを舐めてもらっちゃあ困るね」 自信たっぷりの笑顔で言われた。 この人はこういう笑顔がものすごく似合う。何と言うか、裏表が無くて嫌味が全くないのだ。 「じゃ、そういう訳でアリスと私で昼飯は作るから、期待しててくれよ?」 「材料とかはどうするんです?」 「勇儀さんと美鈴さんが全部負担してくれるそうよ」 「あいつも私も色々と買い込む癖があってねぇ。一人じゃ消費しきれないんだよ」 「なんだか、お二人に悪いような……」 「細かいことは気にせず、お姉さん達に任せなさいって。美鈴も私も好きでやってるんだしね」 「好意は素直に受け取っておく、っていうのが礼儀よ」 何やらアリスにまで諭された。 まあ、昼飯を用意してもらえるのはありがたいし、これ以上遠慮するのも確かに失礼だ。 「それじゃあ、お昼の方よろしくお願いします」 「分かればよろしい」 「まあ、任せなさい」 二人がそれぞれ、自信を込めて言う。 やっぱり、ここの女性は逞しくて格好いい。 広場に戻ってしばらく手伝っていると、大きな皿を持って姐さん達がやってきた。 「おーい、お昼御飯だぞお」 「お握りは沢山あるから、遠慮せずに食べてね」 見ると山のようなお握りに、卵焼きやウインナー。 他にも金平ゴボウや、唐揚げやらアスパラのベーコンまき、野菜炒めと、弁当の定番が豪華に並んでいた。 子供達のことを考えて野菜も沢山だ。 「はい、小さい子からどんどん、取っていこう」 慧音さんがそう言うと、子供達が元気良くお握りに向かっていった。 途中で転ぶ子も、喧嘩する子もなし、良い子ばかりだ。 「私達ももらいに行きましょうか」 美鈴さんが子供達を眺めながら、笑顔で言う。 この人も子供好きそうだよなぁ。 「お腹すいたねぇ。そろそろ倒れそうだよ」 「お前は食い過ぎるから気をつけた方がいいぞ、にとり」 「女の子にそういうこと言うとモテないぞ」 「俺は、知ってるぞお。最近、体重が増えてお腹周りが……」 「ひゅい!? う、うるさいな!」 にとり相手にからかったり、からかわれたり。 美鈴さんに色々と面倒を見てもらったり。 アリスに小言を言われながら、世間話したり。 慧音さんと一緒に子供達の世話をしたり。 勇儀姐さんと飲みに行ったり、遊んだり。 そんなこんなで、ここでの生活は退屈することがない。 幸せって、こういうことなのかもなぁ。 そうして今日も一日、楽しめそうだ。 ア「ねえ、このお茶、お酒の匂いがしない?」 美「あ、ホントですねぇ」 に「ていうか、普通にお酒だ、これ」 勇「あ、お茶とお酒間違えた」 慧「星熊ァァァァァァァ!!」