俺の名前はみかん。みんなからは尊敬をこめて柑橘系の男って言われてる。 「みかん、明日、合コンするんだ。パンダ役で悪いが来てくれない?おまえかっこいいから向こうもいいのが集まるんだよ」 柑橘系の男と言えと何度も注意してるのに全く覚えようとしないこいつは、同郷の学友だ。年齢も学部も同じで東大の法学部3回生。馬が合ってよい親友だ。  合コンに誘ってくれるのは嬉しいが、今回は遠慮しよう。 「なんだよ。この前は来てくれたじゃないか」  それは、酒を飲んでる時にうっかり言質を取られたからだ。 「それで俺がどんな目にあったと思ってるんだ。萃香ちゃんから朝飯作ってもらえなくなったんだぞ、1週間も!」  俺は不満をぶつけるが、俺と萃香のべたつき具合を知っているこいつは全くへこたれず、悪態を付く 「はいはい。いまどき朝飯なんて手作りのもの食べなくてもいいだろ。インスタントの味噌汁と納豆でも用意したらすむってのに萃香ちゃんもほんとがんばるよ。」  じゃあな、と言って4限の講義(ちなみに俺も取っている)へと向かうやつを見送りながら自転車を探す。ハンドルにつけた萃香ちゃんの写真が目印だ。大学のミスコンにも選ばれた萃香ちゃんが誰にも言い寄られないのも俺が日々アピールしている成果だ。  萃香ちゃんは俺とは学部が違う。今日の講義は2限で終わり、もう帰っている。早く帰ればその分いっしょに居られるのだから自転車をこぐ足にも力が入る。 2人のマンションの、ポーン、という小気味よいチャイムの音が俺は大好きだ。その後には必ず萃香ちゃんの顔が見られるのだから。 「おかえりー。今日も4限、出なかったんだね。大丈夫とは言っても心配だよー」  21歳にしては少し幼くみえる女性が、そう言って微笑みながら迎えてくれる。今日の疲れが体から抜けていく瞬間だ。髪を二つ左右で結ぶんで、その先に、片方には紫のリボンを、もう片方には髪に巻きつけるピンク色のアクセサリーをつけている。まるで鬼のようだと言ったら派手に怒られたのもいい思い出だ。その日の晩御飯がカップラーメンになってしまったが、あのかわいい怒り顔が見れるなら何度でも言うだろう。 「大丈夫だって。心配し始めたら別の講義の事だって心配しないと。ますますいっしょに居られなくなるよ」 「…も、もう、すぐそうやって誤魔化す…」  照れた顔をしてかばんを受け取ってくれる萃香ちゃんが本当にいとおしい。 萃香ちゃんの作った夕飯を食べて皿を洗う。後ろから扉越しに聞こえるシャワーの音でリズムを取りながら鼻歌を刻み、スポンジを動かす。ただの水音も萃香ちゃんが出しているなら、ショパンのポロネーズにだって負けない。 「お風呂あがったよ」 「もうすぐ洗い終わるよ。ちょっと待ってて」 お風呂上りの暖かそうな湯気を立てている萃香ちゃんを想像しながら、返事を返す。  リビングへと戻った俺は、タオルを巻いただけの萃香ちゃんに顔を赤らめる。何度見てもなれない。何度も繰り返している頓珍漢な事を言ってしまった。 「あ、ああ、寒そうだね…」 「…何言ってるのよ。少しは誉めてよ。」 そう言う萃香ちゃんの顔も少し赤い。慣れないのはお互い様らしい。 こんな時にとっさの誉め言葉が出てこない自分が恨めしい。…けど仕方ないかなと思う。こんなきれいな女性を前に冷静で居られなくたっておかしくないよ。自分の思いをそのまま口に出す。 「あ、ありがとう。みかん君もかっこいいよ」  もう聞きなれたトーンで俺を誉めてくれる。何度言われても嬉しい。これだけで俺の息子は立ち上がってしまう。いつでも出来るようにコンドームはたんすの中に入っている。服を脱いで、体からでっぱった部分にかぶせる。  俺は椅子に座って手を前に出す。ミロのヴィーナスの胸にだって負けない、いやそれよりも美しいふくらみを手で遊ぶ。手のひら全体でさわり楽しんだ後は、手をずらし指先で押したりする。指を離すと戻ってくるのが楽しくてついつい繰り返してしまう 「……は…ぁ…そんな先っぽばかりいじらないでぇ…」  その言葉だけで俺の気持ちは高ぶり、息子から流出する。白濁した精子が萃香ちゃんに飛び散る。 「…も…もう…はやすぎるよぉ…」  笑って言う彼女に、君のせいだよとささやく。どうせ息子は既に再度立ち上がっている。彼女を抱き寄せながら俺は息子を彼女の中へと入れる。 「あっ!? ……あはぁあっ!」 こんなバカップルな俺たちを親友は暖かい笑顔で祝福してくれる。これからも続いていくだろう幸せに感謝を忘れないようにがんばって生きていこう。  ――みかんと萃香の暖かい日常・完―― ----------Warining!!----------  さて、ここは境界だ。上と下の境界?いやいやそんなとんちじゃない。もっと恐ろしいものさ。一般と18禁の境界だろうって?それはどうだろうね。  ここから先は見る人によって大変不愉快で許せないものがあるよ。自分がノーマルだと思うなら進まない方がいい。純愛が大好きだなんて人は特に止めておくべきだ。見ようとするものはここが何の境界かしっかりと心に刻んでおきなさい  では、覚悟したものだけ進もうか。 ----------Warining!! A Huge battle ship "Mikan" is approaching fast ---------- 俺の名前はみかん。みんなからは尊敬をこめて柑橘系の男って言われてる。 「みかん、明日、講義のノート集めするんだ。木曜3限のノート役だから来るだろ?おまえも他の講義のノート早く欲しいだろうし」 柑橘系の男と言えと何度も注意してるのに全く覚えようとしないこいつは、同郷の学友だ。年齢も学部も同じで東大の法学部3回生。馬が合ってよい親友だ。  ノート集めに誘ってくれるのは嬉しいが、今回は遠慮しよう。 「なんだよ。去年の前期は来てくれたじゃないか」  それは、酒を飲んでる時にうっかり言質を取られたからだ。 「それで俺がどんな目にあったと思ってるんだ。後期のノート3コマ分も担当する事になったんだぞ。俺のノルマの1コマ以外に!」  おかげで去年の後期は授業が大変だった。俺は不満をぶつけるが、俺が授業をサボりがちでノートを欲しがってる事を知っているこいつは全くへこたれず、悪態を付く 「はいはい。いまどき空き時間のある限りアルバイトなんて入れなくてもいいだろ。インスタントの味噌汁と納豆でも用意したら生活費だってそんなにかからずすむってのにおまえもほんとがんばるよ」  じゃあな、と言って4限の講義(ちなみに俺も取っているが、その担当はあいつだ。俺は後でノートをもらう)へと向かうやつを見送りながら自転車を探す。ハンドルにつけた萃香ちゃんの写真が目印だ。第5回東方人気投票で1位になるはずが集計ミスで22位になった萃香ちゃんが同人誌で女性としかしないのも俺が日々アピールしている成果だ(人気投票の集計ミスは発表されなかったが、萃香ちゃんが1位じゃないなんてミスに決まってる)。  萃香ちゃんは俺と同じ学部とは違う(そもそも大学生じゃない)。今日の講義は無くもう帰っている。早く帰ればその分いっしょに居られるのだから自転車をこぐ足にも力が入る。 2人のマンションの、ポーン、という小気味よいチャイムの音が俺は大好きだ。その後には必ず萃香ちゃんの顔が見られるのだから。 「おかえりー。今日も4限、出なかったんだね。大丈夫とは言っても心配だよー」  長寿の鬼にしては少し幼くみえる女性のポスターが、そう言って微笑みながら迎えてくれる(ポスターはもちろん自費。俺だけの萃香ちゃんだ)。今日の疲れが体から抜けていく瞬間だ。髪を二つ左右で結ぶんで、その先には片方には紫のリボンを、もう片方には髪に巻きつけるピンク色のアクセサリーをつけている。まるで鬼のようだと言ったら派手に怒られたのもいい思い出だ。その日の晩御飯がカップラーメンになってしまったが、本当に鬼なんだと頬を膨らませた声で言うあのかわいい怒り顔が見れるなら何度でも言うだろう(おかえりの声も、本当に鬼なんだと怒る声も、他のどの声だって俺のお気に入りの声優に依頼してしゃべってもらった。1年分のアルバイト代が無くなったが、萃香ちゃんの声のためなら全然安い。カップラーメンだって我慢できる)。 「大丈夫だって。心配し始めたら別の講義の事だって心配しないと。ますますいっしょに居られなくなるよ」 「…も、もう、すぐそうやって誤魔化す…」  ポスターの左右のスピーカから聞こえる、照れた声の萃香ちゃんが本当にいとおしい。かばんを玄関先に投げ出してリビングへと向かう。 萃香ちゃんのプリントの入ったキッチン道具で作った夕飯を食べて皿を洗う。後ろから扉越しに聞こえるシャワーの音でリズムを取りながら鼻歌を刻み、スポンジを動かす。ただの水音も萃香ちゃんが声を出しているスピーカーから聞こえるなら、ショパンのポロネーズにだって負けない 「お風呂あがったよ」 「もうすぐ洗い終わるよ。ちょっと待ってて」 お風呂上りの暖かそうな湯気を立てている萃香ちゃんを想像しながら、スピーカーから聞こえる声に返事を返す。  リビングへと戻った俺は、モニターに写るタオルを巻いただけの萃香ちゃんに顔を赤らめる。何度見ても慣れない。何度も繰り返している頓珍漢な事を言ってしまった。 「あ、ああ、寒そうだね…」 「…何言ってるのよ。少しは誉めてよ。」 そう言う萃香ちゃんのCGも少し赤く描かれている。慣れないのはお互い様らしい。 こんな時にとっさの誉め言葉が出てこない自分が恨めしい。…けど仕方ないかなと思う。こんなきれいな女性を前に冷静で居られなくたっておかしくないよ。自分の思いをそのまま口に出す。 「あ、ありがとう。みかん君もかっこいいよ」(当然俺の名前を依頼した)  もう聞きなれたトーンで俺を誉めてくれる。何度言われても嬉しい。これだけで俺の息子は立ち上がってしまう。いつでも出来るようにコンドームはたんすの中に入っている。服を脱いで、体からでっぱっている部分(頭)にパンツをかぶせる。  俺は椅子に座って手を前に出す。ミロのヴィーナスの胸にだって負けない、いやそれよりも美しいふくらみ(おっぱいマウスパッド。萃香ちゃんがプリントされている。自費だ)を手で遊ぶ。手のひら全体でさわり楽しんだ後は手をずらして、萃香ちゃんがプリントされたマウスのボタンを指先で押したりする。指を離すとCGの萃香ちゃんの胸の膨らみが戻ってくるのが楽しくてついつい繰り返してしまう。 「……は…ぁ…そんな先っぽばかりいじらないでぇ…」(当然この声も同じ声優さんだ。18禁の声を依頼しなければ3か月分のアルバイト代だったが、萃香ちゃんのHな声のためなら1年分でも全然安い。)  その言葉だけで俺の気持ちは高ぶり、息子から流出する。白濁した精子が萃香ちゃんの写っているモニターに飛び散る。 「…も…もう…はやすぎるよぉ…」  笑って言う彼女に、君のせいだよとささやく。どうせ息子は既に再度立ち上がっている。萃香ちゃんの外見のダッチワイフを抱き寄せながら俺は息子をその中へと入れる。(この萃香ちゃんのダッチワイフはオーダーメイドだけあってすばらしい一品だ。誰にも譲らない)。 「あっ!? ……あはぁあっ!」 こんなバカップルな俺たちを親友は生暖かい笑顔で祝福してくれる。これからも続いていくだろう幸せに感謝を忘れないようにがんばって生きていこう。  ――みかんと萃香の生暖かい視線に囲まれた日常・完―― ----------おしまい---------- さて、ここまで読んでくれてありがとう。ここまで読んだ君なら、2つのSSの間の警告文に書いた境界が何か検討がついてるね。それがこれだよ。 ---------------------理想と現実の境界------------------ これをあの場所に置いておくべきだったんだが、置けなかったんだ。意地悪をしたわけじゃない。あそこにおいてしまうと、きっと君は1つ目が理想だと決めてかかってしまうだろう。はたして2つ目のみかん君は不幸せなのかな。あれは一つの愛の形だ。  最後に、君に選択をお願いしよう。 ---------------------理想と現実の境界------------------  君は警告文の上を理想にしてもいいし、警告文の下を現実にしてもいい。どちらを選ぼうが君の自由だ。 だが、忘れないで欲しい。2つ目の彼も間違いなく愛に生きる人間だと言う事を。