3Dトラップバトル。それは、侵入者をトラップのみで撃退する戦いである。  今回はキメ子が侵入者となって、紅魔館の主であるレミリアの寝室に辿り着けば勝利。  対する紅魔館チーム+>>54は、キメ子を紅魔館から追い出すかトラップによってKOすることで勝利というルールで対戦が行われる。  なお、迎撃側は侵入者に対する直接攻撃を行ってはならない。  さて、通常のトラップバトルは複数の侵入者を一人のトラップ使いが迎え撃つものだが、今回は迎撃側が多数で侵入者が単独という正反対の図式である。  ここで>>54を含む紅魔館チームは、各人に専属の役割を与えることによって、より効率的にトラップを運用する作戦に出た。   >>54:タイミングを合わせてトラップを起動する   美鈴:気を探ることで各人の位置を伝える   フラン:破壊によって起動するトラップを扱う   レミリア:運命操作によってトラップの命中率を高める   咲夜:紅魔館の構造を作り変えたりトラップ設置の時間稼ぎを担当   パチュリー:トラップの効果を計算して効率的なコンボを模索する   こぁ:必死に逃げ回ってキメ子を誘導する  以上のように担当を割り当て、バトル開始。  紅魔館正門から堂々と侵入しようとするキメ子に対して、何故か門は開け放たれており、おまけに門番の姿すら見当たらない。  通常の侵入者ならばここで違和感を感じて警戒するところであるが、キメ子はさして気にした様子もなく門を通過しようとする。  その瞬間、恐ろしい勢いで門が閉まってキメ子を襲う。門の重量と速度から見て、雑魚妖怪程度ならば即死してもおかしくない威力を持ったそれを、キメ子は背中の注連縄だけで受け止めた。  悠々と館内に踏み込んだキメ子に対して、2トン級のスパイク付きシャンデリアやロケット燃料の推進力によって床から飛び出す三角木馬など、通常の妖怪であればオーバーキルも甚だしい威力のトラップが矢継ぎ早に襲い掛かる。  そんな攻防を2時間ほど続けた結果、紅魔館の内部は廃墟にも等しい惨状と成り果てていた。 「うっ、ひぐっ……もうこれ以上おうちを壊さないで……」  と、半ベソをかいたお嬢様がギブアップ宣言したため、この勝負はキメ子の勝利となった。 「で、やっぱり私が片付けるんですか? これ……」  咲夜は瓦礫の中で呟いた。