作品名:ルーミア 作者名:500 現総合点:6600 ジャンル:ジョーク 主役はルーミア。目覚めと同時に見つけた銀色に光る指輪。自分の物ではないのだから人の物。 人間のルールでは、それが人の物であれば、持ち主に返すのが礼儀である。ってけーねが言ってた。 なんの気まぐれか、慧音の元へ赴き、事の次第を話す。妖怪の中にも感心な奴がいたものだと慧音も喜ぶ。 人間にも、ルーミアのように感心な妖怪がいるということを知ってもらえれば、隔たりもなくなるだろう。 そう思った慧音は、ルーミアに、指輪を持ち主に返しに行ってあげなさいと諭す。ルーミアもそれに倣うが・・・。 ここから感想。ちょっと話の内容が短いので、割とさわりだけでも結構読み進めてしまうかな、ってくらい短い。 逆に言えば、それだけさっくりと読みやすい。短いながらも、運びもしっかりとしていて見入ってしまう。 それだけに、最後にどかんと来るかもしれない。タイトルに納得する。短い内容に、これだけのキャラクターを 描ききれるだけあって、やはり面白い。短い分、あっさり読めちゃうから時間が無い人にもお勧め。 「行ってきます! 突撃十進法!」  ◇◆◇◆◇◆◇◆ 作品名:しあわせなわたしたちのいびつな家族ごっこ 作者名:過酸化水素ストリキニーネ 現総合点:4460 ジャンル:日常 主役はフランドール。舞台は紅魔館。フランドールの視点、一人称ではじまる物語。 無邪気なフランをよく見るが、この作品ではどことなく気だるげな感じが伝わってくる。 魔理沙や紅魔館の面々と触れ合っていく中で、フランドールは当たり前の日常に、とても大切なことを悟る。 周りが己を拒絶しているのか、己が周りを拒絶しているのか。知らないだけか、知ろうとしないだけか。 手を伸ばせばそこにある、今まで気付かなかった、本当に大切なものが。 それはそれは、とてもいびつで、それでもとてもきれいな家族の物語。 ここから感想。まず、シリアスっぽいが、所々に小ネタ、というか笑いを誘う要素を含ませているので シリアスにありがちな、どこか気が滅入るといったようなことが無い。続き物のようだが、読んでいなくとも問題はあるまい。 紅魔館の面々と触れ合っていくのだが、その中でもパチュリーの話は結構くるものがある。 どのキャラにも嫌味のない扱いをしているところに好感が持てる。 「まぁなんせ暇潰し歴495年の引篭もりニートなんで」  ◇◆◇◆◇◆◇◆ 作品名:花の色は 作者名:久我&金井 現総合点:1710 ジャンル:なんだろう・・・ 主役はとある少女。彼女もまた、年頃の娘。勿論、異性に恋をすることもある。 そして、今がまさにそのとき。彼女の想い人は、霧雨道具店で働く無愛想な彼、森近霖之助。 彼を想うと、胸が痛い。いっそ好きだと言えたらどんなに楽なことか。しかし、嫌われたら? つらい、つらい、つらい。恋煩いが、彼女を蝕む。ただ彼女は、彼のことを想い、彼のことを見るしかできない。 彼の働く店に出向く、彼は少女のことを憶えていてくれた。彼女はそれだけで幸せだった。 しかし、幸せは長くは続かない。縁談の話。霖之助の名が出ると、両親に妖混じりゆえにと反対される。 どうしてそんなことで? 両親は自分のためだと言っているが、しかしこの想いも忘れろというのか? 少女は家を飛び出す。その先に何が待っているかも知らずに。 ここから感想。ああ、やっぱこういうことってあるんだろうなぁ、と読みながら理不尽さを噛み締めてた。 人間と妖怪、はこの世にはありえない組み合わせだけど。貴族と平民。みたいなノリなら幾らでもあったろう。 それだけに、こういう話は、いつの時代にもある永遠のテーマではないかと思う。 少女の気持ちも判るけれど、自分が親だったら、本当に笑顔で背中を押せるか、送り出せるかどうか。 ともかく、オチまで読んで初めてこの物語は完結する。新説。しかしそれがいい。結構お気に入りの作品。 「おや、また来ていたのかい。今日は何をお探しですか?」  ◇◆◇◆◇◆◇◆ 作品名:彼女がソレを咥えたら 作者名:白 現総合点:6330 ジャンル:ほのぼのコメディ 構内全面禁煙、タクシー全車禁煙、飛行機も新幹線も禁煙禁煙。歩きタバコも厳禁。タバコ税の増加。 愛煙家にとっては肩身が狭くなっていく一方の外の世界。それは幻想郷でも同じであった。 紫煙を一つ吹きだしたなら、やれ身体に毒だ、やれ禁煙しなさい、やれ外で吸え。 ああもう、幸福追求権の侵害である。愛煙家達は、おのれらの境遇に嘆き、徒党を組んで決起した。 さあ、我らが安心して、堂々と、美味いタバコを吸える楽園を見つけよう。 ここから感想。タバコ。およそ吸っている描写があるのは男性が殆どだと思う。勿論、女性もいるにはいるが。 しかし、やっぱり男性のほうが多いことだろう。それ故に、女性ばかりの東方キャラが吸うと これまた良い感じにギャップがあって萌え・・・げふげふ、どことなく絵になる情景が浮かび上がる。 勿論、タバコを題材にしているだけあって、色々と考えさせられる部分もある。 やっぱり、吸わない人、苦手な人の傍で吸っちゃあいけませんわな。マナーを守るのもとても大切なことです。 ところどころに入る笑いのポイントが実に良い。点数が物語っているが、かなりの良作。 タバコ好きな人も、タバコが嫌いな人も楽しめます。 「う、まーい! あぁ、これだから仕事のあとの一服は止められないんですよねー」  ◇◆◇◆◇◆◇◆ 作品名:みっしんぐ ぱんつ ふるぱわー☆ 作者名:電気羊 現総合点:7550 ジャンル:ギャグ 主役はタイトルから判るように萃香。開始一行目からぶっ飛んでいる。やっちゃったぜもいいところの展開。 長く履いていたお気に入りの鬼のパンツが破けてしまった萃香。まぁ、破けてしまったものは仕方が無い。 しかし、そこで萃香は思いつく。幻想郷のみんなが履いてるパンツってどんなのけ? 興味津々。好奇心は猫をも殺す。一度走り出したら止まらない。さあ、萃香の能力の見せ所だ。 周りに迷惑がかからないように、周りに迷惑がかからないように萃香はパンツを萃める。大事なことなので二回言いました。 さて、皆々様がお履きになられている下着は果たしてどんなものなのか? ここから感想。これはひどいwwwwwwwwwwwwww勿論褒め言葉であります、サー。 とりあえず言っておこう、これはギャグである。それ以上でも以下でもない。 妄想を膨らませろ、煩悩を解き放て、想像の限界を超えろ。よろしい、ならば爆笑だ。 あ、それと最後に。萃香乙! それから、変態が何人か出ます。ご注意ください。 「萃まれ!! 幻想郷中のパンツ!!」  ◇◆◇◆◇◆◇◆ 作品名:射命○文 作者名:八重結界 現総合点:1910 ジャンル:コメディ 普段は多忙の極みの閻魔様こと、四季映姫・ヤマザナドゥ。今彼女は極稀に出来る暇な時間を謳歌していた。 というか、持て余していた。何をするでもなく、煎餅を齧りつつ新聞を手に取る。そこに書かれていた驚愕の記事。 そう、それは捏造。根も葉もない事実無根の記事。それも自分に関連するものだった。これはいけない。 文々。新聞・・・、それを発行する天狗、射命丸文に説教をかますべく、閻魔は走る。 そして、射命丸文を出しなさいと迫る楽園の閻魔。そこで出てきた鴉天狗とは・・・! ここから感想。その発想はなかった。こればっかりは発想の勝利。もうなんでこんなこと考え付くのよ。 ぶっちゃけると、最初に文が出てきた時点で吹いた。もう一行目で吹いたら死亡だったらもう死んでた。 どうもこういうのに弱いらしい。みんなはどうだろう? 兎にも角にも、さっくり読めるのがありがたい。 とりあえず聞こう。文よ、お前実はHだろ。椛に同情するしかないぜ。 「好きな数字を言ってください。その数だけあなたを殴ります」  ◇◆◇◆◇◆◇◆ 作品名:巫女三日会わざれば刮目して見よ 作者名:みつば 現総合点:13490 ジャンル:涙涙のストーリー 主役は早苗。彼女は幻想郷の巫女としての心得を、同じく巫女である霊夢の元で学ぼうとする。 巫女の一日は境内の掃除からはじまる。勿論、早苗も毎日のように掃除をしていた。 それこそ、手を抜くようなことはご法度。しかし、霊夢を見れば己はまだまだ、真剣さが足りていないと痛感させられる。 彼女の目が、彼女の動作が、どれをとっても、ただの掃除一つでどこまでも真剣だった。 早苗は思う。早速霊夢に教えられた。と、そのときだった、彼女の足元に光る何かを見つけたのは――― ここから感想。涙なくしては語れぬ物語です。登場キャラクターが少ない分、それだけに一人一人のキャラが立っている。 特に、霊夢は健気で、それでもしっかり者で、さらに言うならとても強い女の子。この物語は彼女なくしては語れない。 そして彼女に教えを請う早苗。彼女もまた、霊夢の教えに、その生き様に、心の底から涙することの出来る女の子。 読んでいると、本当にこっちまで胸が痛くなってくる。涙腺決壊注意。その危険度は点数が物語っている。 話のテンポも良くて読みやすい。そこそこ長そうに思えるけど、さっくり読めるのは物語に引き込まれるせいか。 ところで、湿気た煎餅が好きなのって俺だけかな? あれ結構美味くね? 「……泣くなよ」  ◇◆◇◆◇◆◇◆ 作品名:ある男子高校生の初恋 作者名:イセンケユジ 現総合点:3620 ジャンル:こういうのなんていうんだ? 主役は外の世界にいるころの早苗さん、ではなく、そのクラスメイトの男の子。所謂オリキャラである。 タイトルからして判るように、彼は東風谷早苗に絶賛片思い中。それも小学生のころから。 十年以上も彼女を想い続け、今日に至る。しかし、彼は判っていた。彼女と自分は、住む世界が違うと。 彼女に自分は相応しくない、いや、どんな男でも、人間でも、彼女には相応しくないんだ、と。 ここから感想。あまりこれのあらすじに触れたくはない。だって面白さが半減するから。 とりあえず言おう。感動した。というか、泣ける。こういう話に弱いのはなんでだろう。 っつーか、俺ならもう立ち直れないと思う。それだけ衝撃が強いし、胸が痛くなる。 はじめから好きにならなきゃよかたんじゃないか、いっそ高校が別になってしまえばよかったんじゃないか。 でも、きっとそんなことはない。想っていた時間は、間違いなく幸せだったのだから。 『はじめまして、こちやさなえです』  ◇◆◇◆◇◆◇◆ 作品名:霊夢と女中喫茶 作者名:暇人KZ 現総合点:5600 ジャンル:コメディ 博麗霊夢は限界だった。何が限界かと言うと、腹が。金がない! お茶がない! 餓死する数日前! あんまりにもあんまりに腹が減るもんだから、ついには人間を捨てて新聞紙に手を伸ばす。 と、そのときだった。或る項目が目に入る。霊夢は目を見開く、活路が見えた。 プライド? それで飯が食えるの? 霊夢は迷うことなく飛び出した。『女中喫茶[かりんとう] アルバイト急募』を見て。 ここから感想。所謂アルバイトもの。小遣い稼ぎにはバイトだよね。みんなもやったよな! 霊夢は生活のためにバイトするからちょっとほろりだぜ。ともかく、喫茶店、それも所謂メイド喫茶。 生活費のため、食費のため、霊夢はある先輩二人と迫り来る一筋縄ではいかないお客様、もといご主人様を持て成す。 そして食い物絡みでは奴がくる! ないわwwwwwwそれはないわwwwwwwテンポのいいギャグでさっくり読める。 あとギャップに吹く。上記の作品をつらーっと読んでからこれ読むと間違いなく吹く。と言うか泣く。 うわーん! なんでそんなに黒くなっちゃったんだよー! だがそれがいい。 『酒買ってこーい! 金がないなら体売ってこーい!!』  ◇◆◇◆◇◆◇◆