夢の宴会でまで勢ぞろいするなんて、何て物好きな連中だろう。 最初、私はそういう風にしか思えなかった。 でも、呑み、呑ませ、呑まされる内にそれも変わってきた。 これだけ楽しい宴会なら、確かに集まる気持ちも分かる。 騒霊の音楽を聴き、つまみを作り終えた夜雀の歌に苦笑いし、 混沌に限りなく近い喧騒の中、皆と笑いあう。 それが私にも出来るのが、こんな宴会なんだ。 これがたとえ泡沫の夢でも、忘れないようにしよう。 そして起きて一番に、皆を呼んででも開いてやろう。 夢でしか知らない顔だって、無理やり探して引っ張ってきてやる。 ずっとケの日が続いてたんだ、 自分でハレの日を作って何が悪い。 ・・・ そして数日、何もなかったような日々を送る幻想郷。 諏訪子「さなえー宴会するよー!」 神奈子「おぉ、いいねぇ!」 早苗「え、ちょ、何ですか急に!?」 諏訪子「まあいいじゃない、皆と広く接した方が信仰も集まるし!」 神奈子「そうそう、そうと決まればほら準備しな!」 早苗「そ、そんな無体なー。」 神奈子「…お?諏訪子、どこへ行くんだい?」 諏訪子「ん、ちょっと…ね!」 その晩の守屋神社では、夢の狂宴程ではなかったかも知れないが、 盛大な宴が催されたそうな。