赤頭 赤足 一目入道 小豆洗い 小豆計り うわん 東北地方で採取した話。 山に山菜に採りに入った男が休憩がてらタバコをすっていると大きな足音が近づいて きたという。驚いたが動けずに座っていると大男が近づいてきてタバコを一本所望したと言う。 その大男は大きな目が一つしかなく一目入道と呼ばれているそのものの姿であったが 世間話のようなことをしばし話し帰っていったという。 真偽は定かでないが興味深いのは会話の内容で人外の住む村があり見つけることも 入ることも不可能だと言ったという。そして昔はよく人に出会ったことも話していたともいうのである。 神隠しとは人間が作り上げた定義であり攫うものとは別についていく者、出て行く者に対しても 人外の責任にしてしまっている物も多いように思えてならない。 昔話より抜粋。 江戸時代の中の地方の話である。 その時代は飢饉などで食料がほとんどなかったのである。 作物などもとれず野犬すら食べていたという。 ある日知人より良い犬が手に入ったので食べにこないかと誘われたのである。 その時、夫婦は自身たちの子供が見当たらず探していたが、飢えもありその誘いを受けたという。 食事自体は頂き、少しあまりを分けてもらい子供にも食べさせようとしたが、一向に見つからず 村中見たが見つからないために神隠しでは、と噂が立ったという。 数年後、食事を誘ってくれた家の者がなくなりその家をかたずけていると 床下から子供の服と骨が出てきたのである。 食事は犬ではなく子供の肉であったようなのだ。 暇をもてあました若者数名が集まり、それぞれ嫌いなもの、怖いものを言いあっていく。皆、「蜘蛛」「蛇」「蟻」などと言ってる中にひとり、「いい若い者がくだらないものを怖がるとは情けない、世の中に怖いものなぞあるものか」という男がいる。本当に怖いものは無いのかとさんざん念を押しても「ないものはない!」と言う。しかし、何度も念を押しているうちにしぶしぶ「実はある」という。何が嫌いなのかと聞くと「饅頭」。 その男は「饅頭の話をしているだけで気分が悪くなった」と言い出し、隣の部屋で寝てしまう。 そこで皆は「あいつは気に食わないから饅頭攻めにしてやろう」と、金を出し合い、饅頭をたくさん買いこんで隣の部屋に投げ込む。すると、男は怖がるどころか「怖いから食べちまおう」「旨すぎて怖い」などと言いながらとうとう全部食べてしまった。 怒った皆が「本当のお前の怖いものは何だ!」と聞くと「今度は濃いお茶が怖い」。 その夫妻は狂ってしまったっという。