今日は紅魔館の図書館で魔理沙とパチュリー、アリスが偶然集っていた。 魔理沙は本を強奪しに、パチュリーとアリスは本を読みに。 魔理沙が、アリスを見つけると。 「お?、随分珍しいじゃないか、こんな所で何してるんだ?」 と語りかけ。 其れを又来やがった…良い所だったのに、と言わんばかりにパチュリーがジト目で魔理沙をねめ付けた。 「魔理沙、話しかけないで頂戴、私とアリスは本を読んでいるの」 「まあ、話ぐらい聞いてあげたら?」 「アリスがそう言うんなら良いけど…」 そう言うと、パチュリーは黙りこくってしまった。 恋する乙女の恋愛事情はまるで、初心者がパソコンを作ろうとして、基盤から作り上げようとしちゃう位複雑である。 「いやいやパチュリー、君は良くやったよ唯相手が私じゃなあ」 そう言うと、魔理沙はアリスの肩にトントンと手をかけて、パチュリーの方を向かってニヤリと笑い、パチュリーは魔理沙にムッとした顔を向けた。 そして、アリスが何時もの事のように溜息を吐きながら、魔理沙に問いかけた。 「所で魔理沙、一体何の用?」 「そりゃあ、勿論アリスを掻っ攫いに…」 其処でパチュリーがアリスの手を引き、アリスの目をジッと見ながら言った。 「アリス、やっぱり中庭に行かないかしら?」 「良いけど何か有ったの?」 「…今日は天気が良いから…」 と言い、パチュリーはアリスを中庭に連れ出す為にアリスの手を引き、立ち上がると。 急いで箒に乗って追っかけて来ようとした魔理沙に向かって、本を投げ魔理沙の顔面にゴスッと鈍い音をさせ。 魔理沙を打ち落とすと、急いで中庭に駆けて行った。 「ゼェ…ゼェ…」 「だ、大丈夫?パチュリー?」 「だ、大丈…大丈…大丈夫だぁ…(バタン)」 「パチュリー!!」 パチュリーは良い笑顔で、志村け○の台詞を言うと共に、バタリと中庭に行く途中の道中で倒れ込んだ。 アリスはやれやれと言うと、パチュリーをおんぶして、どこか寝かせる所は無いかと部屋を探し回った。 「イテテテテ…負けないからな!、覚えてろよパチュリー!!」 と魔理沙は気絶から復帰し、何処に行ったのか見失ったパチュリーに向かって言うと。 半泣きになりながら、ぶつかって赤くなった鼻を押さえて、フヨフヨと紅魔館から去っていった。 まるで役に立っていないじゃない…と、咲夜は魔理沙の言動を見ながら思った。 「此処って何の部屋かしら?」 赤い部屋だらけで、方向感覚の狂いそうな館。 「もう少し、目に優しい色にすれば良いのに…」 そう言いながら、パチュリーを背負って歩き続ける。 妖精メイドも見てるだけなら、手伝ってくれれば良いのに… 「ふう…ちょっと一休み…」 そう言って、適当な空き部屋を見つけ、パチュリーに膝枕をする事に。 「ふぅ…」 「ちょいと其処のお嬢さん!此処が誰の部屋か判っての狼藉か!」 「誰!?」 そう言って、声のした方を向くと、得意げな顔をして腰に手を当て、フフンと言わんばかりに仰け反る子供(?)一人居た。 アリスは少女のキラキラと色々な色をした羽を見て、綺麗だなぁ、と思っていた。 「私の名前はフランドール・スカーレット!貴女は?」 「…私?私はアリス・マーガトロイド、所でこの子を休ませるベッドがあると嬉しいんだけど…」 「ふーん……じゃあ、じゃあ私に其れやって♪」 そう言うと、フランは寝ているパチュリーを指差してきた。 「其れって…膝枕?」 「そう!」 「…判ったわ、良いわよ」 「交渉成立だね!」 そう言うと、フランはパチュリーを御姫様抱っこし、部屋の奥に連れて行くと。 ボスンという音と共に、パチュリーをベットに放り投げてきた。 「えへへへー」 フランは笑いながら、アリスに近づきアリスの太股に頭を置いた。 「アリスは何をしに此処まで来たの?」 「私は彼女の所に、本を読みに」 「へー、じゃあじゃあ、この御本読んで!」 そう言うと、フランは立ち上がり、奥の部屋から一冊の本を持ってきた。 「グリム童話…」 「えへへへー」 そう言うと、再びアリスの太股に頭を置き、本読むまれるのを待っていた。 「それじゃあ、読むわよ」 そして、アリスの朗読は始まった。 アリスは町でやっている人形の演劇を、人形を本に持ち替え、抑揚をつけて太股の上で横になっている少女に語った。 「…そして、結局ブレーメンへと向かわなかった動物達は、その家で幸せに過ごしましたとさ」 「…すっごーい!!御本読むの上手ね!」 そう言うと、フランは手を打ち鳴らし、キャッキャッと笑い声を上げました。 「そうでもないわ、こう云うのは練習すれば巧くなるものよ」 そう言うと、フランは何かを思いついた表情になって言いました。 「じゃあ、私に御本の読み方を教えてよ!」 「そうね…じゃあ毎週水曜日に図書館にいらっしゃい、そしたら私が居ると思うから」 「うん、判った!」 そう言うと、アリスは外の風景が赤くなっている事に気が付きます。 「あら、結局パチュリーは寝たまんまだったわね…フラン、このお姉さんをお願いできるかしら?」 「私のほうがお姉さんなんだけどな…ま、いいや!じゃあ、私が玄関まで送るよ!」 「あら、お願いするわね」 そう言うと、アリスは手をフランへと向けます。 「?」 「エスコートをお願い出来るかしら?『お姉さん?』」 「うん!」 そう言うと、二人は手を繋ぎ、笑顔でお喋りしながら歩きます。 其れもあっと言う間で、玄関に着いてしまいました。 「それじゃあ、又会いましょう」 「うん!」 そう言うと、アリスはフランを抱き寄せると、両手で数分抱き締めると、またねと言って去ってしまいました。 フランは初めて両手で抱き締められた事に少しドキドキした後、部屋に戻って御本を読む練習をし始めましたとさ。 〜終わり〜 オマケ フランのイメージを壊したくない方は、閲覧を控えて頂くと良好です。 「はっ!?ア、アリスはどこ!?」 「帰ったよー」 「い、妹様!?此処は!?」 「私の部屋だよ、アリスが背負って連れてきたのよ」 「い、意識が無かったのが悔やまれるわ…」 そう言うと、フランはニヤリと笑いながら言いました。 「アリスの膝枕、気持ちよかったなー」 「なっ!?そ、そんな羨ましい事をっ…」 「アリス来週も来てくれるってー、アリスに御本を呼んでもらう約束したんだー」 そう言って笑顔で来週は何の本を読んでもらおう、と考え笑うフランと。 又ライバルが増えると、ハンカチを噛み悔しがるパチュリーが其処に居た。 スカーレットデビル(赤い悪魔)の妹…此処にあり。