前半開始10分にして…幻想郷選抜には疲労と暗雲が立ち込めていた。 魔理沙「ハァ、ハァ…」 アリス「ゼェ、ゼェ…」 霊夢 「な、なんてやつなの…」 永琳 「(マスターブレード、夢想転生、そして私のアポロ13…      それらをはじきもせず、ことごとく止めるなんて。      選手名簿にあったスタメンGKは確か森崎…一体何者?)」 幻想選抜は前半、ペースを一方的に握り、何発もの強烈なシュートを全日本ユースのゴールへとはなった。 しかしその全てはことごとくキャッチされ、チームの主軸である霊夢、永琳、魔理沙はガッツを大量に消費、 パチェにいたっては早くも交代という憂き目にあってしまった。 レミリア「フラン、いくわよ!相手が何者であろうと…」 フランドール 「うん!私達姉妹がそろって壊せない守りなんて無い!」 霊夢  「ルーミア、二人をサポートして!」 ルーミア「わかったー。」 ルーミアのナイトバードのサポート+スカーレット姉妹による空中戦… これは幻想選抜チームにおける最高の攻撃といっても差し支えない攻撃である。 ゴール前に広がる暗闇。そこにレミリアが神槍を放ち、フランドールが飛び込む。 フランドール 「決めてみせる!」 ○○○○○「……」 フランドール 「うっ…!」 全てを破壊する程度の能力を持つフランならではの直感が、 このままでは敵の守りを破壊できないことを察する。 フランドール 「(おかしい…この感じ…)」 その違和感は、すぐに他の選手も感じる。 霊夢  「闇が…晴れない?」 ナイトバードの闇とは別の闇。恐ろしく黒く、深く、厚い『影』… フランドール 「だ、だめ…姉様、お願いっ!」 (トッ…) シュート寸前で咄嗟にバックパスに切り替えるフラン。 そのパスに、レミリアが走りこむ。 レミリア「食らいなさい!」 (グワッ!) レミリアがマスターオブレッドサンの体勢に入る。 レミリア「(フランが決められないと直感した相手…       私がこのまま打ってもおそらくは通じない!どうすれば…)」 咲夜  「お嬢様!」 レミリア「咲夜!?」 咲夜がレミリアのすぐ後ろまでオーバーラップしてきていた。 それに気づいたレミリアは振りかぶった足を空振りさせ、身を脇に翻す。 ○○○○○「む…!」 レミリアのフェイントにバランスを崩す敵のキーパー、 そこにオーバーラップしてきた咲夜の殺人ドールが… (チョン…) 放たれなかった。咲夜は軽くボールを前にトスする。そこには… 魔理沙 「うおおおお!」 (ゴワッ!) 魔理沙が走りこみ、ダイレクトマスタースパークを合わせる。 ○○○○○「くっ…!」 敵のキーパーは咲夜のオーバーラップに気づいていた。 そのためレミリアのフェイントには対応できた。 しかし咲夜までもがフェイントをするとは予測していなかった。 そして魔理沙の高速接近に反応できず、完全に体勢を崩されたのだ。 (シュゴォォォ!) 魔理沙「(これで決めれなきゃ…ガッツなんて残ってないぜ!)」 (ガシィ!) 魔理沙「なにい!?」 永琳 「ば、化け物…」 悪い夢のようだった。 それはさっきフランが感じたものの正体。 ゴールに影が走ったかと思った次の瞬間、 敵のキーパーは右手一本でフランのシュートをキャッチする。 まるでボールにこめたパワーの全てがその影が飲み込まれたかのように… 紫  「あのキーパー…疲労と好調の境界が著しく上下しているようね。」 霊夢 「まずいわね…」 紫  「ええ、おそらく前半はあのキーパーの体力が続く限り     私たちにガッツを浪費させるのが向こうの作戦…」 幽々子「あらあら…じゃあ前半はもうガッツ温存して、後半にかけるしかないわね。」 幻想選抜が誇るぐうたら3人組が、ゴール前で雑談している。 哀しきかなこの3人の守備(事実上紫一人)が、後半に望みをつなげられるかの鍵だった。 ○○○○○「ふう…今のは正直やばいと思ったぜ…」 松山   「大丈夫か、ラ…森崎、 前半終了まで持つか?」 ○○○○○「正直きついな…思った以上に強烈だぞ。あいつらの攻撃は…」 三杉   「とりあえず汗を大量にかくようなら交代だ。       髪を染めてる染料が落ちて金髪だってのがバレないとも限らない。」 石崎   「無理すんなよ、ラムカry うわ何すんだお前ら!」 石崎君がボコボコにされております。しばらくお待ちください…