目覚めるとそこは見知らぬ天井であった 明日が休日だからと、日が変わるまで東方をやり続けていたから 多分、寝ぼけているのだろうと、 だから、自分の家の天井すらも判別できないのだろうと思った。 若しくは、夢の中の世界なのかもしれない、 夢の中でまで私は寝ているのかと私は苦笑いした。 再び目覚めたとき、やはりそこは見知らぬ天井であった。 私は何気なく体を起こす。突如、不安と焦燥の入り混じった感情が体を包み込む。 見知らぬものは天井だけではなかった。布団、ベッド、枕、家具、 そのどれもが私の部屋とは異なるものであり、別の物であった。 「ずいぶんリアルな夢だ、明晰夢というやつだろうか」 暢気にベッドから飛び降りた。 そして、ごく僅かの違和感もそれに連なった。 夢ならば、時が経つにつれて視界や判断がぼやけてくるはずであるが、 今私の時間を支配するそれは、夢とは逆のものであった。 つまり、時が経つにつれてだんだんと視界が開けていく・・・つまり 覚醒していくという状況にそっくりなのである。 「しかし・・・私の部屋でもここまで汚くはないだろうに」 足の踏み場はなんとか用意されているようだったが それでもごちゃごちゃとしたガラクタが周囲の空間を支配していた。 所狭しと溢れかえる品には、それぞれ名前が用意されているのだろうが 私にとっては無価値なガラクタの集まりと言う他が無かった。 うっかり足の踏み出す位置を誤爆すれば、本棚の上に積み上げられた大量の書物が 私の頭上に雨霰と降り落ちてくるだろう。 私が何気なく部屋の一角を通り過ぎた時、 私は違和感の塊に引きずられるように引き返した。 縦に長い鏡、正式にはなんと呼ぶのか分からないが、そんな鏡が私の目の前に鎮座していた。 そこで私は現在の違和感を払拭する最高のヒントを手に入れ、妙に納得してしまった。 側の椅子にかけられていた帽子を手に取れば、もう答えは見えてくる。 「おー、魔理沙だよ・・・」 私は先日、夢の中で東方〜スレを見ていた。 そこで、夢の中で妖夢になってネチョい事をしたとか書いてあったのを覚えている。 そこからもう、答えを出すのは簡単だ。 つまり、私の願望が夢の中で発現したのである。 よってここは夢の中であり、魔理沙邸であり、魔法の森なのである。 「妖夢萌えなんだが・・・イマイチ願望が足りなかったみたいだな〜」 などと暢気に笑いながら魔理沙の服を手にとって着替える。 どこからどうみても魔理沙だ、コスプレとは違う、ZUN絵の魔理沙だ。 「さて、折角魔理沙になれたんだ、起きるまで色々と楽しいことを考えようか」 私は早速外に出ることにしてみた。 早朝の陽気が、深い森の木々の合間を縫って伝わってくる。 風の木の葉を揺らす音がざわめき、所々から動物達(妖怪か?)の声が響く。 半袖とスカートがやけに涼しく感じる。都会の風を生温く思わせる程だった。 「凄い・・・避暑地に別荘持ってる人ってこんな気分なのだろうか」 と、あまりの空気に圧倒されてしまい、固まってしまった。 しかし、夢の中にいられる時間は僅かという相場である。 私はうんうんと頭をひねり、何かしたいことはないかと必死で脳内を走査した。 「そうだ、折角魔理沙になれたんだ!」 私は部屋に飛び込み、すぐにまた扉を開く。 手に持っていたのは長い棒、先端には藁(竹か?)がくくられている。 「箒にまたがって優雅な旅・・・素敵じゃないか!」 私は彼女がいつもそうしているように箒にまたがり、二本の脚で大地を蹴った。 浮遊感が体を襲い、風を切る音が耳に流れてくる。 いつしか私は翼もなく大空へ飛翔して・・・ いなかった! それどころか箒にまたがっている状態で地面に尻から落ちたために もう痛いの痛くないの、私は悲鳴を上げつつもんどりうっていた。 何故だ、なぁずぅえだ〜!と叫びながら。 たまに空を飛ぶ夢をみることがあった、 何故か途中で飛べなくなり、落下する夢も見た。 しかし、こんな痛みを夢で会うのは初めてだった。 「魔理沙だからって、私は私なのね・・・ぐは」 こうして一つ目の計画は雲散霧消、海の藻屑へとタイタニック。 痛む尻を撫でつつ、私は次なる計画を練らねばならなかった。 「魔法だ!魔法を使ってみよう!」 魔理沙にとって最大の必殺技は空を飛ぶことではない! 魔法、それも一撃の威力が最強の魔法こそが彼女の最高の技じゃないか! 先刻の失敗もどこ吹く風として、私は早速魔法を撃ってみようと考えた。 どうせ夢の中だ、どれだけ暴れようが問題はないだろう。 夢の中くらい俺Tueeeeeをさしてくれたっていいはずである。 私は深呼吸、息を大きく詰め込んで叫ぶ 「マスタースパーク!」 すると、衝撃波が森の木々を包み込み、ドミノ倒しがごとくなぎ倒していく。 あまりの威力に体が弾かれそうであった、そして、残ったのはペンペン草も残らぬ 不毛の土地だっ・・・ 「DENEEEEEEEEEEEEEE!」 ただの痛い人になってしまった。 第一、飛べない私に魔法が使えると思うほうがおかしいのである。 すっかり意気消沈して、第二の計画も弾け飛んだ。 さて、私はこの時あまりのがっかり故に気づいていなかったが、 木々が不自然に揺らめき、風を切る音が大きく鳴ったらしい。 「スクープスクープ!魔理沙が飛べなくなった上に魔法を使えなくなりましたー! 号外〜!号外〜!」 娯楽の少ない幻想郷、故に、どんな些細な出来事でもスクープになる。 とりわけ、今回のような興味深い内容であれば尚更である。 「へ〜」 「あら」 「ふ〜ん」 「な、なんだってー!」 その頃私は第三の計画を発動させていた。 その名も分かり易く「東方キャラと仲良く話そう」である。 夢の中なので、もしかすると現実の友人やマリオ等が出てくる可能性は無きにしも非ずなので、 必死で出て来いと願っていた。果たして、その機会は訪れた。 だが、私が思っているほど穏やかなムードはどこにも無かった。 突如降り注ぐ炎の嵐、身を屈めると、周囲の草花が一瞬で燃え尽きた。 振り向きたくなかった、しかし振り向かずにおれなかった。 パチュリーが蛆虫を見るかのごとく私を見下してたなんて思いたくなかったから。 未だイージーでもノーボムで避けられぬアグニシャインが私の頭上を掠めていく 「ふふふ、反撃どころか、飛んですら逃げないとは,本当だったのね・・・」 微かに、そう聞こえた気がする。どこで知ったのか、 必死で逃げる、振り向けば塩の柱になって死ぬ気がしたから振り向かない。 次々に水や火が飛んでくる、しかし当たらない、いや、 当 て て な い 私が鼠のように追い回される姿を見て楽しんでいるのだ。 「私が何をした!」 そう叫びたかった。そう、私は何もしていない、 だが「魔理沙」は多分、このような目に遭わされるくらいの事をしているのだろう。 図書館荒らしとか・・・悠長に考えていたら帽子が燃えていた、やべぇ 息も絶え絶えに走っていると目の前に人影が揺らいでいるのが見えた。 私はその人影が誰だか分かった。そして希望が見えてきた。 永夜抄ではタッグにもなったアリスだ!間違いが無い、手にはシャンハーイも握られている。 きっと魔理沙=私 の危機を感じ取って助けに来てくれたんだろう、私はあまりの嬉しさに涙が出そうになった。 「アリス〜!」 「魔理沙〜!」 「マジックアイテム返せゴルァ!」 儚くも夢は敗れ去る。アリスってこんな性格だっけ?とか思うが、夢だし、ほら、多分。 今流行のツンデレというやつだよ、ほら、パチュリーをやっつけてくれてさ 「べ、別にあんたの為にやったわけじゃないのよ!」 とか言ってくれるんだって、いて、いてて、人形投げんな、あ、ボサノバにんgy 「こ、ここまで逃げればなんとか・・・」 ほうほうの体で逃げたが、すでにズタボロであった、あれから一人、また一人と敵が増え、 今では恐ろしい数に襲われることとなった。 あんなにスレで馬鹿にされていたHことチルノでさえもが恐怖の対象に変わっていた。 私はあまりにも疲れ果て、木の根元に屈みこんだ。 逃げる際に転び、捻った足が熱を持って痛む。夢の痛みと思えないリアルさだ。 ガサガサ 茂みの蠢く嫌な音 ガサゴソ 葉が揺らめき、蟲が飛び立つ。 もう駄目か、見つかったのか 「魔理沙、大丈夫かい?」 私はその声に一瞬放心してしまった。 ああ、なんという慈悲か、目の前の藪から眼鏡の青年、即ちこーりんが 現れたではないか、私は思わず目が潤んだ、助かったと思ったからだ。 「ひどい格好だね、まったく」 返事が出来なかった、氷柱でつつかれ、炎で焦がされ、蟲に襲われ、 鳥目にされ、人形で殴られ・・・服も体も良い具合にボロボロだった。 これがもし私の願望を如実に実現した夢であるなら、私は真性のどMであろう 「文がね、君が魔法を使えないということをばら撒いてしまって・・・」 ここでようやく私も事態が把握できた。 いつもは魔理沙の魔法が凶悪で反抗できなかった人々(妖怪)が 文の情報を掴み、ここぞとばかりの鬱憤をぶつけにきたのであろう。 そして、その 「祭り事」 に便乗して関係ない奴までやってきたというのだろう ひどい迷惑な話である。 「で、こーりんは何でここに?」 「決まってるだろう、君が・・・」 振り向くと、彼の顔が目の前にあった。真剣なその表情は中々にハンサムである。 ごめんよ、褌のAA大笑いしまくって。 「君が心配だったのさ」 顔が上気する、もう猿の尻も真っ青に見えるくらい赤いんじゃないだろうか、 背景でギップルが飛びまくるようなこの臭い台詞、よくも恥ずかしげも無く言えるものだと 私は感心するとともに、顔を背けた。 ああ、続く言葉さえなければラブコメで済んだのに・・・ 「君の先日のツケがまだ未払いだからね、払わないまま死なれたら丸損だし」 「なんじゃそりゃあああああ!」 思わず大声で叫ぶ、夢から覚めたら 「褌AAで1000までいくスレ」を立ててやろうと心に強く念じた。 「あっちから魔理沙の声が!」 「あそこだ!見つけた!」 そして墓穴、 終 わ っ た な だが、何も起こることなく、平和な時間だけが無為に過ぎていった。 山狩りの連中も、こーりんも何があったのだろうといった表情で去っていく。 目を瞑っていた私は、恐る恐る瞼を開き、前方を確認していく。 ゆっくりと空から人影が目の前に降りてきて、振り返り微笑んだ。 けーねたんだ、何をしたのかは大体把握できた。 魔理沙のいた歴史を隠して、私を助けてくれたんだ。 ごめんねけーねたん、Caved!!!! とか きもけーねたん とか呼びまくってて けーねたんは足を痛めていた私をおぶってくれた。 以前の事件で手痛い目に遭わせられたとはいえ、 人間が酷い目にあわせられるのを見て見ぬ振りが出来なかったんだと解釈した。 (魔理沙ルート前提だけどね) けーねたんの背中に安堵の空間を保ち、 鼻に透き通るような髪の匂いに安らぎを感じていた。 数百メートル程歩いた時、ふとけーねたんが立ち止まる。 おや、と私が思うと突然草むらに投げ出された。 思わず尻餅をついた私は何事かと周囲を見渡した。 木々の合間を縫って空が見える。蒼鉛色の海の上にぽっかり浮かぶ箱舟の紅き輝き・・・ ぼくは神山 満 月 ちゃん! けーねたんの目的がやっと理解できた。 彼女の可愛い帽子が草むらの一角を覆うと、角が二本直立しだす。 振り向いた彼女の目には既に狂気の色が・・・ 声にならない叫び声が 薄暗い夜空とは対称的な瞳が ぐったりとしたわたしのてあしのじゆうをうばう きょうふときょうこうがぐげんかしたそのあくむ かゆ うま  CAVED!!!! 「うぎゃあああああああ!」 は、と気付いたときには目の前には私愛用のプリウスがスクリーンセーバーの光を湛えていた 顔中と、腋に張り付いたような冷や汗が冬の寒さと相成って私の体を蝕む 「た、助かったのか・・・」 私はティッシュでその嫌な汗を拭うと、肘がマウスに当たり、画面が点灯した。 暗い部屋に映し出されたのはデスクトップの壁紙で隙間よりほくそ笑む紫様・・・ 「ま、まさかね」 私は強烈な頭痛と筋肉痛、そして眠気に襲われ、 「ベッドで」横になることにした。 パソコンの電源は落とす。褌で1000を目指すスレは、また今度にすればいい -完-