Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

第13回稗田文芸賞

2017/12/22 20:31:40
最終更新
サイズ
46.42KB
ページ数
3

分類タグ


第13回稗田文芸賞候補作発表

 幻想郷文芸振興会は10日、第13回稗田文芸賞の候補作を発表した。
 今回は6作品がノミネート。選考会は24日、人間の里の稗田邸にて行われる。
 候補作は以下の通り。

 マーガレット・アイリス『球体関節の恋人』(博麗神社)
 富士原モコ『亡失のフェニックス』(稗田出版)
 三輪雲衣『フルメタル・ライダー 音速の守護者』(命蓮寺)
 因幡てゐ『スラムラビット』(竹林書房)
 秋静葉『巡らない季節の中で』(鴉天狗出版部)
 米井恋×秦こころ『ハンドメイド・ハート』(旧地獄堂出版)

(文々。新聞 師走11日号より)



博麗霊夢&伊吹萃香の第13回稗田文芸賞メッタ斬り!
 富士原モコ、史上初の八坂神奈子賞との二冠達成か? それともマーガレット・アイリスが待望久しい受賞を果たすのか。はたまた伏兵が浮上してくるか? 毎度おなじみメッタ斬りコンビが、特別ゲストを加えて徹底解説! 果たして今年度の栄冠は誰の手に!?

◆受賞レース予想&作品評価
(◎…本命 ○…対抗 ▲…大穴 評価はA~Eの五段階)

 霊夢 萃香
 ▲B ◎A 富士原モコ『亡失のフェニックス』(稗田出版)        4回目
 ◎A ▲A 因幡てゐ『スラムラビット』(竹林書房)           2回目
 ○B ○B マーガレット・アイリス『球体関節の恋人』(博麗神社)    6回目
 -C -B 三輪雲衣『フルメタル・ライダー 音速の守護者』(命蓮寺)  2回目
 -B -C 秋静葉『巡らない季節の中で』(鴉天狗出版部)        2回目
 -B ▲A 米井恋×秦こころ『ハンドメイド・ハート』(旧地獄堂出版)  初



萃香 この予想コーナーも第3回からずっとやってるからもう11回目。いい加減マンネリだろうという声にお応えして、今回は特別ゲストをお招きして三人でお送りします!
霊夢 で、なんで呼んできたのがよりにもよってこいつなのよ?
菫子 こいつって何よ! あっどうも、宇佐見菫子でーす。よろしくー。
萃香 いやほら、何しろ外の世界から遊びに来る、幻想郷の色に染まってない外来人。幻想郷の人妖にはない視点での評価をしてくれるだろうと。ちゃんと六作読んできた?
菫子 読んできたわよ! でもこっちの古臭い印刷技術で刷られた本だから読みにくくてさ。私基本スマホで読むから尚更ね。電書化してほしかったわ。
霊夢 こっちにわかる言葉で話しなさいっての。
萃香 まあまあ(笑)。菫子は作者のキャリアも過去作も把握してないから、純粋に候補作だけを読んだ読者の反応って意味でも貴重だし、いろいろ忌憚ない意見を自由に語ってよ。
菫子 はいはーい。って言っても私もそんなに外の世界の小説たくさん読んでるわけじゃないんだけど。まあいいか。


◆富士原モコ『亡失のフェニックス』(稗田出版)4回目
  予想…霊夢▲ 萃香◎  評価…霊夢B 萃香A

萃香 さて、今回はさすがに一作受賞だと思うんだけど。
霊夢 前回前々回と二回続けて二作受賞だからね。さすがに三回連続はないでしょ。
萃香 そう考えると、候補作家の面子的には常連の富士原モコとマーガレット・アイリスの一騎打ちで間違いないんだけども……。そういうときに伏兵が上がってくるのもよくあるから、果たしてどうなるか。
霊夢 魔理沙のときみたいに?
萃香 そうそう。今回の軸は、その第十回に受賞間違いなしと思われた渾身の大作『永遠の途中で』を落とされた富士原モコだね。八坂神奈子賞受賞作『亡失のフェニックス』が史上初の二冠達成なるか、だけど。中身は直球勝負の妖怪対人間サバイバルアクション小説。構想の元は去年の天の邪鬼大捕物なのかな。確かモコも参加してたし。
霊夢 神奈子賞では小傘のやつと争ったんだっけ?
萃香 去年稗田文芸賞の候補になって最終投票で落ちた『ソードスミスの子供たち』ね。神奈子とさとりが『ソードスミス』推し、私とはたてが『フェニックス』推しで、両方推しで二作受賞を主張する衣玖をどっちに引き込むかで大論戦。最終的にこっちが説得して受賞にこぎ着けた。小傘には悪いことしたけど、富士原モコには私とはたてに感謝してもらいたい(笑)。
霊夢 中盤のドンデン返しが大評判で、オビでも「一七八ページから先の展開は誰にも教えないでください」って書いてるけど、私はあんまりびっくりしなかったのよねえ。ていうか神奈子賞獲ってから読んだから、ドンデン返しがあるって言われて読むと「ああ、こっちだと思わせてそっちね」って思っちゃう。
萃香 こういう作品を薦めるときの難しいところだねえ。その帯は八坂神奈子賞獲っての増刷分からで、私は初版で予備知識なく読んだからすごいびっくりした。過去のモコ作品っぽいネタを散りばめてメタなミスリードも決めてるから尚更ね。まあ、この作品の場合そのドンデン返しのための作品じゃなく、むしろよくあるプロフェッショナルと一般人のバディものアクションだと思ってたら、そのドンデン返しでがらっと話の様相が変わって、そこから加速度的に面白くなるところがポイントなんだけど。菫子はどうだった?
菫子 面白かった! 妹紅さんが小説書いてるなんてびっくりしたけど、読んでみたら月村了衛みたいな感じで。外の世界で出したらアニメ化いけるわよ、いけるいける。
霊夢 こっちに解る言葉で話しなさいよ。
萃香 あのドンデン返しはびっくりした?
菫子 ××が×××だったってやつ? 確かにあの設定はびっくりしたけど、あれドンデン返しっていうの?
萃香 いや、だからさ……。(以下『亡失のフェニックス』のドンデン返しを説明)
菫子 え、あれってそういうミスリードだったの? だって×××って敵方にいるんだと思ってて、主人公側は二人とも普通の××だと思ってたし……。
霊夢 ああ、今までの妹紅作品読んでないとそういう反応になるわけね。
萃香 言われてみれば確かにそうなるかあ。モコ作品読んでると「ああ、またね」って思って油断するところに不意打ち喰らうんだけど。
霊夢 こっちの選考委員はどう反応するのかしらね。慧音はどうせ推すでしょうけど、ライバルの神奈子賞受賞作を文は推すのかしら?
萃香 いやまあ、普通に推すんじゃない? こういうのに一番厳しそうな慧音が推すんだから、他に強く反対しそうなのもいないし、充分獲れると思うけど。
霊夢 どうかしらねえ。今回も選考の鍵を握るのは白蓮だと思うんだけど。


◆因幡てゐ『スラムラビット』(竹林書房)2回目
  予想…霊夢◎ 萃香▲  評価…霊夢A 萃香A

萃香 ああ、それで霊夢は『スラムラビット』に◎なわけね。確かに白蓮が一番推しそうなのは候補作の中だとこれか。前回のことを考えれば、『フルメタル・ライダー』と『ハンドメイド・ハート』は棄権するだろうし。
霊夢 まあ、単純に今回の候補作ではこれが一番面白かったわ。里でウサギをペットで飼うのがブームになってるところに、タイムリーだしね。
萃香 因幡てゐの候補入りは久しぶりで、第六回の『幸運エスケープ』以来実に七年ぶり。それ以降もいい作品を書いてるんだけど、神奈子賞の方でもなかなか賞に恵まれず。とにかく読者をびっくりさせることに全てを賭けてる作風だから、娯楽性重視の神奈子賞の方でさえ受賞にもってくにはもう一歩小説的な深みが足りないって評価になりがちで。その点、今回は里のウサギブームと絡めて白蓮が全力推ししそうってのはわかる。
霊夢 舞台は人間に捨てられて世を拗ねたウサギたちが集まるウサギのスラム街。主人公は街を支配するマフィアの一員で、迷い込んだ人間を捕まえて野良妖怪に餌として卸す仕事をしてる一匹のウサギ。ある日スラムで、スラムに交渉に来ていた野良ウサギの代表が殺されて、その濡れ衣を着せられた主人公は、スラム内外のウサギと、ウサギ狩りをする人間たちの三者から追われる羽目になる……っていう、ハードボイルド系のミステリー。
菫子 これも面白かった。初期の伊坂幸太郎と道尾秀介の合体って感じ? かっこつけてる中田譲治ボイスっぽい主人公がウサギだと思って読むとかわいいし。
霊夢 だから幻想郷に入ってきてない人の話をするんじゃないわよ。てゐの小説でこういう真面目に謎解きして犯人探しするのって初めてだったと思うけど、意外な犯人に繋がる伏線も序盤からしっかり仕込んであるし。
萃香 それでいて、今までのコン・ゲーム的な化かし合いの面白さもキープして、クライマックスには豪快な詐欺ネタもサービス。設定的にはめちゃくちゃ重い話を軽妙に読ませる。今の里のウサギブームへの警鐘みたいにも読めて、期せずして社会派っぽくなったところも含めて、てゐの作品の中でも上位に入る代表作のひとつになるだろうね。
霊夢 軽いノリに社会批評を隠す、『土の家』のラインで受賞最有力でしょ。
萃香 今まで通りならそうだろうけどさあ。わりとそういうラインの作品がこのところ続いたから、今回はさすがに揺り戻しがくると思うんだよなあ。あと『フェニックス』と『スラムラビット』はちょっと作品の傾向が似てるから、票の食い合いが心配。


◆マーガレット・アイリス『球体関節の恋人』(博麗神社)6回目
  予想…霊夢○ 萃香○  評価…霊夢B 萃香B

霊夢 アリスの奴もとうとう候補六回目。美鈴は六回目で獲ったけど、こっちは六度目の正直なるかしら?
萃香 『フェニックス』と『スラムラビット』で票を食い合ったときに浮上しそうなのがこれだよね。キャリア的にも作品の質的にもまんべんなく支持を集めそう。
霊夢 ここ五年ぐらいに《幻想演義》に発表した、人形愛テーマの短編六編を集めた短編集ね。まあ、アリスに受賞させるならこのへんが穏当なところじゃない? 内容の粒も揃ってるし。いつも通りって言ったらその通りだけど。
萃香 私も、マーガレット・アイリスのさらっとした、心理描写を書き込まない作風が活きるのは短編の方だと思うよ。でもあんまり短編書いてくれないから、個人的にはこういうのがもっと読みたいという意味でもこれで獲ってくれるならありがたい(笑)。
霊夢 うち的にも、アリスの本の中ではあまり売れてない方だから獲ってくれるとありがたいのよねえ。
萃香 そういうこと言いなさんなって(苦笑)。霊夢は収録作でどれが好き?
霊夢 なんだっけ、捨てられた人形がごみ焼却炉へ行進していくやつ。
萃香 「レミングスパレード」ね。そりゃま、初期短篇の代表作「幻灯グランギニョール」系の傑作だけど、この収録作の中で一番浮いてるやつじゃん(苦笑)。私は「ゴリアテと指人形」かな。いかにもな切ない話なのに絵面を想像すると一番笑える(笑)。
霊夢 あんたはどうなの?
菫子 うーん、さらっとしすぎててあんまり印象に残ってない。こういうテーマならもっと耽美幻想な方が好きだもん。江戸川乱歩とか、皆川博子みたいな。
霊夢 だから誰よそれ。
萃香 さらっとしてるのは元からのアイリスの作風だから。一番アイリスらしい話が表題作で、世間的にはこれが収録作で一番人気なのかな。しかし、『ドールハウスにただいま』を落としてこれであげたら、またあげどきを間違えたって言われるだけのような……(苦笑)。
霊夢 いいのよ、別に本気出してない作品で獲るのが一番あいつらしいじゃない。
菫子 ところでアリスじゃなくてアイリスじゃないの?
霊夢 紛らわしいからアリスでいいのよ。
萃香 いい加減ペンネームで呼んでやりなっての(苦笑)。


◆三輪雲衣『フルメタル・ライダー 音速の守護者』(命蓮寺)2回目
  予想…霊夢- 萃香-  評価…霊夢C 萃香B

萃香 今年のトピックといえば、なんといっても誰かさんの起こした都市伝説異変。
菫子 あはははは。誰なのかしらねー。
霊夢 退治するわよ。あんたのおかげであの後余計な侵略騒ぎまで起きて……。
菫子 そんなー。あのときは自暴自棄になった私を命がけで助けてくれたじゃない。
霊夢 うるさいっての。
萃香 はいはい(苦笑)。で、その都市伝説異変をすばやくネタにしたのが三輪雲衣。このスピード感は見習いたいね。しかしこれ、白蓮に怒られなかったのかね(苦笑)。
菫子 あ、やっぱりこれ、あの怪力尼さんがモデルなんだ。
霊夢 これねえ。ちょっと反応に困るんだけど。
萃香 『フルメタル・ライダー』は要するに変身ヒーローもの。鋼鉄のバイクにまたがって、里を妖怪から守る覆面ヒーローの孤独な戦いを描く長編だね。人間を守る存在なのに、人ならざる力を振るうせいで妖怪と同一視されて人間から白眼視される哀愁を背負いながら、ただひたすら他人の幸せのために戦い続ける――ってのは大橋もみじの『白狼の咆吼』をはじめ、この手のヒーロー活劇のお約束だけど、視点人物をそのヒーローを追いかける新聞記者に置いて客観視することで、ヒーローの自己陶酔っぽくなるのを巧く回避してる。
菫子 っていうかこれ仮面ライダーでしょ? でも平成ライダーにしちゃ話がシンプルすぎるわー。今だったらもっとこうライダーが何人も出てきて争ったり共闘したり……。
霊夢 (無視して)こういう登場人物にモデルの顔がすぐに浮かんでくる話って、読んでて落ち着かないのよねえ。あと結局、人妖共存っていう命蓮寺のお決まりのテーマに向かうのは別にいいけど、途中から話の焦点ぶれてない?
萃香 まあ確かに、純粋に変身ヒーローの話として書くなら敵は完全な悪役にすべきだったと私も思う。三輪雲衣は一般向けだと毎回いろいろ要素を入れすぎて散漫になるんだよね。でもこの小説って要するに「バイクにまたがって颯爽と戦う聖上人ってば超カッコイイでしょ!」っていう白蓮プロモーション小説だからさ(笑)。そういうものとしては上出来だと思うよ。でも受賞はまあ、百パーセントないだろうね(苦笑)。


◆秋静葉『巡らない季節の中で』(鴉天狗出版部)2回目
  予想…霊夢- 萃香-  評価…霊夢B 萃香C

霊夢 今回のあんたの苦手枠。
萃香 そんな枠ないだろ!(苦笑) 秋静葉はてゐ以上に久々の候補入りだね。なんと第五回以来八年ぶりだけど、小説の中身はあんまり変わってない。相変わらず季節感と姉妹関係の描写が巧くて、話の起伏に欠ける恋愛小説。白岩怜ほどあざとくないから読みやすいけど、やっぱり私はあんまり得意じゃない。
霊夢 そう? 今回は静葉にしたら精一杯派手な設定にしたつもりだと思うけど。だってこれSFでしょ?
萃香 まあ、季節が秋しか来なくなった世界の話だから一応広義のSFの範疇だけど。変わらない季節、変わらない人間関係、延々と繰り返される変化のない日々。一種のタイムループものだけど、登場人物は誰ひとりとしてそこから積極的に脱出しようとしない。理由はみんな秋が好きだから(笑)。この設定をこんな風に書いちゃうところが静葉だなあ。そういう意味では新鮮ではあるけど、正直読んでて眠かった……。
霊夢 ずーっと淡々としたエピソードが続くからねえ。でも、ちょっとずつ世界がずれてきて、みんなだんだんこの秋しかない世界がおかしいって気付き始めるけど、それを認めるのが嫌だから必死につじつまを合わせようとして、かえってますます世界がずれていく。そういうシニカルなドタバタになりそうな話を、人間関係のすれ違いに重ね合わせてしみじみとした恋愛小説として書くっていう小説でしょ。技術的にはけっこう優秀だと思うけど。前に恋愛文学賞獲った『神恋し森』より上だと思うわ。まあ、受賞できるかっていうと疑問だけど。
菫子 私はこれ、なんていうか身につまされて、ちょっと冷静に読めない。
萃香 なんでさ?
菫子 だってさ、うーん、言わせないでよ恥ずかしい!
霊夢 意味がわかんないわよ。
菫子 乙女心は繊細なの。ガラスの十代なんだから。


◆米井恋×秦こころ『ハンドメイド・ハート』(旧地獄堂出版)初(米井恋は2回目)
  予想…霊夢- 萃香▲  評価…霊夢B 萃香A

萃香 さて、最後は今回の大穴、米井恋と秦こころの合作長編。このコンビは以前、例の宗教戦争を題材にしたこころの能楽『心綺楼』を米井恋がノベライズして、原型が全くないメチャクチャな小説になったことがあったけど、今回はどうやらふたりで文章を書いたらしいね。
霊夢 これほどどっちがどこを書いたか解りやすい合作もないわね。米井恋が好き勝手書いて脱線するのを、そのたびにこころが軌道修正しようとして結局失敗してるのには笑ったわ。
萃香 一応メインのストーリーは、生まれながらに一切の感情を持たないのに、他人が望む反応を読み取れるので《素直で明るく朗らかな良い子》と思われている少女と、逆に普通に感情を持っているのに、常に無表情なせいで周囲から全くの無感情だと思われている少女、そのふたりが出会って互いに《心》《表情》を教え合うっていうジュヴナイル系の話なんだけど、何しろメインで書くのが米井恋だから常識的な方向には進まない(笑)。そもそも《心》があるってどういうこと? っていう疑問からロボット作りに進むところまではまだ理解できるけど、なんでそこから人間対ロボットの漫才対決になって、さらに異世界人の侵略に対して幽霊を召喚して戦うなんていう話になるのか謎すぎてもう、最高だね(笑)。
霊夢 話を考えたのはこころなのよね?
萃香 《幻想演義》に載ったインタビューによれば、最初はこころが創作能楽のネタとして考えていたもので、小説もひとりで書くつもりだったらしいね。『心綺楼』のノベライズがあんなことになったから(笑)。でも結局巧く書けなくて、米井恋に書いてもらってそれを逐次直すっていう形の合作になったんだと。でも直しきれずにどんどん当初の構想からずれていったという(笑)。
菫子 妹紅さんを抜きにすれば、私これが一番好きかも。話がどんどん予想外の方向に進むから全然先が読めなくて楽しかったわー。整合性なんか別に無くていいのよ。
萃香 もっとめちゃくちゃなのが読みたければ米井恋の既刊を読むといいよ(笑)。
菫子 楽しみ!
霊夢 まあでも、一応こころが手綱を握ったおかげで、どうにかオチは常識的に理解できる範囲に収まってはいるわよね。『ハンドメイド・ハート』ってタイトルがまさかあんな意味だなんて誰も予想しないでしょ。あまりにくだらなさすぎてあそこが一番笑ったわ。
萃香 熱血米井恋推しのパチュリーは米井恋の作家性が爆発してないのが不満らしいけど(苦笑)。米井恋が稗田文芸賞獲れるとしたらこれしか有り得ないってことで大穴はつけておきたいよね。まあ、これでもやっぱり慧音は怒ると思うけど。
霊夢 いや、普通に無理でしょ。


◆まとめ

萃香 で、外来人として幻想郷の小説読んでみてどうだった?
菫子 面白かったわー。外の世界じゃ通用しない、幻想郷の常識で書かれてる部分が新鮮だし。ねえこれ外の世界に持ち出しちゃだめ? 売れると思うけどなー。
霊夢 あんた自分の本として出版して一儲けしようとか企んでるでしょ。
菫子 ぎく。
萃香 幻想郷から外の世界を見張ってる妖怪もいるから止めたほうがいいよ(苦笑)。
菫子 ちぇー。
霊夢 で、いつも通り票読みしてみる? 私はまた白蓮が『スラムラビット』を全力推しして獲らせる展開しか見えないんだけど。
萃香 さすがに今回は白蓮も大人しいと思うけどなあ。まあ『スラムラビット』は文も推すと思うけど。文が『フェニックス』不支持に回ったら、白蓮が大演説を打つまでもなく普通に『スラムラビット』が獲っちゃうかもねえ。
霊夢 慧音は百パーセント『フェニックス』推しで間違いなくて、咲夜はアリスの愛読者だって言ってたしアリス推しかしらね。『フェニックス』も好きそうだと思うけど。幽々子は空気読まずにひとりだけ静葉推しとかかしら?
萃香 今回動向が読みにくいのが藍と阿求。阿求も案外静葉を推すかもね。藍は今回はストレートなSFがないからどこに行くか。紫が米井恋好きだったから、紫の意向を受けて『ハンドメイド』推しとかかな(笑)。
菫子 ところでこの賞獲ると賞金って出るの?
萃香 出るけど、たぶん外の世界じゃ使えないよ(苦笑)。
菫子 なーんだ、書いてみようかと思ったのにー。
霊夢 売れそうならウチで出してあげるから持ってきなさい。
萃香 こんなところで新人作家にツバつけるんじゃないよ!(苦笑)

(文々。新聞 師走23日号より)

コメントは最後のページに表示されます。