Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

追憶

2015/07/26 02:26:31
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第1章 〜解かれた封印〜

気がついたらそこにいた。
心地の良い風が肌をさわる。
自分が今さっきまで何をしていたかわからない、しかしそんな悩みを消し去る様な晴天だった。
とりあえず人を探そうと思い歩き始めたが何故か力が入らなく視界が眩んだ。


1章第1編 〜魔法の森〜

…………

…………ん…

目が覚めたらベッドの上にいた。

???「お、目が覚めたみたいだな」

女性の声が聞こえて思わず飛び起き、声を辿るとそこには自分より少し年上っぽい女性がいた。
金色の髪に黒いウィッチハット、黒いドレスに白いエプロンをかけた容姿でその姿はとても可愛らしかった。

思わず魅入ってしまっていると、

???「…?どうしたんだ?」

「あっ…いや……別に…」

自分でも分かる程その時は赤面していた。

少し経って落ち着いたところで自己紹介が始まった。まぁ、テンプレですね。

魔理沙「私は魔理沙、お前は?」

知慈「僕は知慈…です…。」

魔理沙「聞かない名前だな、最近幻想郷に来たのか?」

…?どこかで聞いた事のあるような言葉が彼女の喋った言葉の中にあった。しかしそれが何なのかがわからない…

そんな僕の様子を見ていた彼女は、

魔理沙「最近来たようだな、丁度良い、この世界について色々教えてやる」

とりあえず今は何も情報がないので教えてもらうことにした。

その話はかなり現実離れしていて面白おかしくて僕はすぐに彼女に心を開けた。

幻想郷は外の世界で忘れ去られたものが幻想入りという形で流れてくること、幻想郷は毎日が奇想天外で退屈しないこと、幻想郷を紅い霧が包んだり、春になっても雪が降っていたり、夜が終わらなかったり…と色々な"異変"があって弾幕ごっこという遊びで解決をしてきた事など、僕の常識では考えられない事が沢山あって聞いていて楽しかった。

僕が笑いながら話を聞いていると彼女は、

魔理沙「そうだ、知慈はまだ幻想郷に来たばかりだから私が色々な所に案内してやるよ」

と言って立ち上がり颯爽と外に出ていってしまった。

慌てて追いかけ外に行くと魔理沙さんは普通の箒に跨り宙に浮いていた。
元々魔法使いの様な身なりをしていたので空を飛ぶくらい出来るのかーと少し驚きつつも見ていると、

魔理沙「空、飛べるか?」

はい、無理です

どうやら幻想郷では空を飛べるのが当たり前っぽい。
さっきの話で聞いたけど魔理沙さんが住んでるここ「魔法の森」は人間からしてみたら結構危険な場所らしい。
最も、何故ここで魔法店など開いているのかが疑問だけど…
そもそも魔法店とは何をするのかわからないけど…
ともかく、歩いてここを出るのは厳しいと言われたので仕方ないから魔理沙さんの箒に乗せてもらった。

人生初の空を生身で飛ぶ感覚を味わったが風の抵抗が凄く、しっかり魔理沙さんにしがみついてないと飛ばされそうだった。〔はぁ…色々と羨ましい…〕

魔理沙「まずは霊夢の所にでも行ってみるか」

と、言うと魔理沙さんはさらにスピードを上げた。

何故魔理沙さんが悠々としているのに僕はこんなに必死にしがみついているのか…少し疑問に思った。


1章第2編 〜博麗神社〜

神社についた。
ここにさっき家で聞いた数々の異変を魔理沙さんと解決してきた博麗霊夢さんという巫女さんがいるらしい。

魔理沙「霊夢ー遊びにきたぜー!」

???「何よ〜…昼間からうるさいわね〜…」

奥から足音がする。

魔理沙「ほら、こいつがさっき言ってた鬼巫女の霊夢だぜ」

霊夢「誰が鬼巫女よ」

知慈「こんにちは、霊夢さん」

霊夢「あら、見ない顔ね」

魔理沙「無縁塚で倒れていたんだ、どうやら最近幻想郷に来たらしいぜ」

あぁ、あの風の心地良かった場所は無縁塚って言うんだ。

霊夢「(無縁塚?何故そんなところに?)で、なんでこの子連れて私の所に来たのよ」

魔理沙「いや、さっきも言ったが知慈はまだ幻想郷に来たばかりだからな、私が色々な所に案内しようと思ってな」

霊夢「あら、あんたがそんな思いやりのある行動をとるなんて意外ね」

魔理沙「そうか?私はいつでも相手を気遣っt…

霊夢「いやぁそれはないですはい」

魔理沙「ひどいぜ…」

霊夢「まぁ、変な奴しかいないけど幻想郷はいいところだから、楽しんで行ってね」

知慈「あ、はい、ありがとうございました」

魔理沙「次は紅魔館に行くか」

知慈「出来れば空飛びたくないんですが…」

魔理沙「?空飛んだ方が速いだろ?それに紅魔館は湖に浮かんでいるんだ、歩きじゃ行けないぜ?」

知慈「じゃあ、湖までは歩きで…」

魔理沙「?変な奴だな、まぁ私は構わないけどな」

知慈「(空を飛んで行くと空気抵抗で逝けるなんて言えない…)」

湖まで歩いて行くことになった。

歩き始めて少し経った頃、先の方から黒い物体がこっちに向かって来た。最初は本当に黒い物体に見えたがこっちに向かって来るにつれてなんとなくだが、中が見えるようになってきて、こっちに着く頃には黒い物体では無く小さな少女の形になっていた。

魔理沙「おっルーミア、どうしたんだ?」

ルーミア「人間の匂いがする〜」

魔理沙「お前…匂いで人間わからないだろ…?」

ルーミア「ばれたのか〜」

魔理沙「私は今幻想郷観光ツアーのガイドさんで忙しいんだ、弾幕ごっこはまた今度な」

ルーミア「魔理沙以外にも人間がいる〜、あなたは食べてもいい人類?」

知慈「食べてもいい人類って…いない様な…」

ルーミア「そーなのかー…」

ルーミアさんを後にしてついに湖に着いた。またあんな高速で空を飛ぶのか…と思い、ついため息を漏らすと、

魔理沙「どうした?疲れたのか?」

と、聞かれ、嘘を、ついても仕方ないと思い、正直に空を高速で飛ぶのをやめて欲しいと言うと、

魔理沙「まぁ、弾幕ごっこじゃないし多少は速度を落として飛ぶぜ」

最初に言えばよかった、、多少ってのがどのくらいかは気になるけど…まぁそこを言及しても仕方ない。

魔法の森から博麗神社に行った時に比べるとかなり速度を落としての飛行だった。

…なにかおかしい、今の季節は夏ぐらいのはずなのに湖の上を飛んでいるとものすごく冷える、上空にいるから、飛んでいて風が当たるから、と色々考えてはいたが、それを差し引いても異常な寒さだ。
魔理沙さんの様子を見てみるとやはりこの異常な寒さに気づいている、そしてなにか独り言を言っている様だ、とその刹那、僕達の進行方向に何かが現れた。

…人だろうか…いやそれにしては小さ過ぎる…でも、人の形をしている…青く大きいリボン、青いスカート、そして背中に何やら水晶の様な物がついている様だ。

魔理沙「あーまたあいつか…」

どうやら魔理沙さんはこの寒さの事情を知っているようだ、そして目の前の小さい人(?)がこの現象を起こしているらしい。

???「紅魔館へは行かせないよ!」

なんか、いかにもやられキャラが言いいそうな事を言っている。

魔理沙「チルノ…今私は急いでいるんだ、どかなきゃ1回休みにさせるぞ?」

あれ?急いでたっけ?それと魔理沙さんにしては珍しく高圧的な態度だ。

チルノ「あたいはさいきょーなんだから1回休みになんてなるものか!」

目の前の青いのもこれまたえらく挑戦的な態度だ、まぁ元はと言えばこの子が仕掛けてきたのだけれど…

魔理沙「さらば。恋符『マスタースパーク』」

その瞬間、凄い轟音と共に目の前から大きな光のレーザーの様な物が発射された、ひどい不意打ちを見た。

魔理沙「さ、行くぜ」

僕が呆気にとられているのにも関わらずまるで何も無かったかの様に魔理沙さんは再び空を飛び始めた

知慈「あの、さっきの小さい人、レーザーみたいなの浴びたっぽいけど大丈夫なんですか?」

魔理沙「あぁ、あいつは人じゃなくて氷の妖精だ」

妖精って実在したんだ…

魔理沙「妖精だから何回死んでも蘇るから大丈夫だぜ」

知慈「は、はぁ、そういうものなんだ…」

魔理沙「そういうもんだぜ、あ、ほらあそこが紅魔館だ」

魔理沙さんが指を指した方向を見ると島に大きくて赤い色の館が建っていた。


1章第3編 〜紅魔館〜

紅魔館に着いた。
改めて見るととても大きい館だ、庭も大きいけど手入れがしっかり行き渡っていて大変そうだなと思った。

そういえば庭の前に巨大な門があって門番らしき人がいたけど勝手に入って大丈夫なのかな、、
魔理沙さんは「門番はいつも寝てるから勝手に入っていいんだぜ」って言っていたけど、それなら門と門番はなんの為にあってなんの為にいるのだろう、と疑問を抱いた。
後であの門番さんの主人に聞いてみたいな。

魔理沙「何突っ立ってんだー?早く来ないと門番が起きちゃうぜ」

知慈「え?あの門番さんはいつも寝てるんじゃないんですか?」

魔理沙「あいつがなんであんな無防備な寝方をしているかわかるか?」

知慈「…わからないです」

魔理沙「あいつは気を使う程度の能力を持っているから人の気が分かるんだ、だからあんなに無防備でも不意打ちとかは効かないぜ」

どうやら中二病を発症しているらしい。

知慈「えぇ、能力なんて持ってるんですか?」

魔理沙「ん?何言っているんだ?みんな能力は持ってるぜ?自己申告制だけどな」

知慈「っえ?魔理沙さんや霊夢さんは人間なのに能力持ってるんですか⁉︎」

魔理沙「自己申告制だけどな」

なんという説得力のない言葉

知慈「ちなみに魔理沙さんと霊夢さんはどんな能力なんですか?」

魔理沙「私は魔法を使う程度の能力で、霊夢は主に空を飛ぶ程度の能力だな。………win版では」

知慈「うぃんばん?」

魔理沙「あぁ、なんでもない、こっちの話だ」

魔理沙「あと余談だが紅魔館にはそこの門番を始め結構洒落にならない能力を持ってる奴揃いだぜ」

知慈「どんな能力なんです?」

魔理沙「ここの主人が運命を操る程度の能力、そのメイドが時を操る程度の能力、主人の妹がありとあらゆるものを破壊する程度の能力、主人の友達が私と同業者だな」

知慈「即死安定ルート入りましたー……」

魔理沙「一応話は通じるし大丈夫だぜ」

なんという説得力の(以下略

覚悟を決めて館のドアを開けようとすると、

魔理沙「おいおい、正面から入ったら即串刺しだぜ?こういう時は図書館の裏口から入るんだ」

もし一人で来ていたら串刺し確定だった…
まぁ、一人ではここまで来れないけど…
それにしても、なんで正面から入ると串刺しなんだろう、魔理沙さんはなんで図書館の裏口を知ってるんだろう、と疑問が余計に増えてしまった。

斯くして何故か侵入する様な形で紅魔館に入った。

魔理沙「よっ、パチュリー、今日も本を借りに来たぜ」

パチュリー「盗むの間違いでしょ」

知慈「え⁉︎魔理沙さん本盗んでるんですか⁉︎」

パチュリー「あら、見ない顔がいるわね」

知慈「あっ、今は訳あって魔理沙さんについていっています知慈です。よろしくお願いします。」

パチュリー「あら、礼儀正しい子ね、誰かさんにも見習ってもらいたいものね」

魔理沙「ほんと、どこかのメイドにも見習ってもらいたいぜ」

魔理沙「それと知慈、私は盗んでるんじゃなくて死ぬまで借りてるだけだぜ」

魔理沙さんは天才だった。

魔理沙「まぁ、そんなことはどうでもいいんだぜ」

パチュリー「全然良くないわよ」

と、次の瞬間、突然何かが現れた。
メイド服を着た…人……なのかな?
でも、人って瞬間移動出来たっけ?あぁ、幻想郷だもんね、仕方ないね。
そういえば館に入る前に魔理沙さんが時を操るメイドがいるって言ってたけど、多分あの人だろうなぁ。

???「パチュリー様、紅茶とお菓子をお持ちしました」

パチュリー「ありがとう咲夜、ついでにそこの二人を…

パチュリーさんが言い終わらない内に咲夜さんはこちらを睨んで牽制してきた。
その迫力に思わず一歩下がってしまった。メイドさん可愛い。

レミィの所に連れて行って貰えるかしら?」

パチュリーさんがそう言い終えると、咲夜さんはきょとんとした顔をしたが、少し考えて、

咲夜「わかりました」

と、言った。
僕と魔理沙さんは終始きょとんとしていた。

〜〜〜

魔理沙「しかし意外だな、パチュリーがあんなこと言うなんてさ」

知慈「そうですよね、自分の本が盗まれているのにその主人に会いに行けって言うなんて」

咲夜「いや、そうじゃないと思いますわ、パチュリー様とお嬢様は主従関係ではなく古くからの友達としての関係なのです、恐らくパチュリー様には何か考えがあるはず…」

知慈「はぁ、そうなのですか」

魔理沙「多分お前をレミリアに会わせようと思ってるんだぜ」

咲夜「そういえばなんで魔理沙はその…えーっと…んー…

知慈「知慈です」

咲夜 知慈君といるのかしら?」

魔理沙「あぁ、こいつは無縁塚で(以下略」

咲夜「(無縁塚?)へぇそうなの、でなんで紅魔館に来たの?」

魔理沙「それはだな、(以下略」

咲夜「なるほどねぇ」

あれ、なんかどんどん説明が雑に…

知慈「咲夜さんは時を操る能力を持ってるんですよね⁉︎」

咲夜「えぇ?あぁ、まぁ…(あれ?そんこと言ったっけ?)」

知慈「どうやってるんですか⁉︎」

時を操るという仕組みをどうしても知りたくて好奇心が抑えられなくなってしまった。

咲夜「生まれつきから備わってた能力だから、どうやるもこうやるもないわよ」

魔理沙「あれ?時止めはその懐中時計に依存するんじゃないのか?」

咲夜「この懐中時計は私の能力を増幅させる物よ、、、、多分」

魔理沙「おいおい、自分の能力に関係しているものがわからないのかよ」

咲夜「仕方ないじゃない、公式資料に詳しく載って無かったのよ」

魔理沙「おまっ、それ禁句」

知慈「ま、まぁ能力が天性の物(?)だって事がわかったので大丈夫です、
ありがとうございます。」

咲夜「さっ、着いたわよ、今は妹様もいるから死なないようにね♪」

知慈「えっ?」

魔理沙「おぉ、フランもいるのか、紅霧異変以降あの二人も少しは仲良くなったんだな」

元々即死安定だったけど何故か死の宣告をされた僕が呆然としていると、いかにもRPGのラスボスの前の扉みたいな扉が開かれた。さぁ来い魔王

咲夜「お嬢様、妹様、お客様(と泥棒)をお連れ致しました」

???「あら?いらっしゃい」

???「魔理沙と…後もう一人は誰?」

魔理沙「よっ、レミリア、フランドール」

知慈「初めまして〜」

紅い魔の館の主人というからどんなに恐ろしい人かと思ったけど…一目見てその想像は崩れた、座ってる玉座は立派だが、、座っていたのは僕より少し小さいくらいの少女だった。
しかし、人間でないのはすぐにわかった。その少女の背中に自分よりも大きく黒い羽が生えていたのである。その近くに浮いているフランドールさんと思われる人はレミリアさんとは違う宝石がくっついてるような羽をしていた。なんであれで飛べるんだろう…。

レミリア「あら礼儀正しいわね、何処かの魔法使いにも見習ってもらいたいものね」

魔理沙「む、パチュリーの事か」

レミリア「違うわよ」

魔理沙「じゃあアリスか、確かにあいつは礼儀がなってないもんな」

レミリア「違う違う」

魔理沙「え?白蓮と私と今言った奴ら以外に魔法使いなんていたか?」

レミリア「なんで貴方が出てこないのよ…」

魔理沙「私は礼儀正しい……はずだぜ」

レミリア「まさか」

僕は二人の会話に完全に蚊帳の外だったが、

フラン「ねぇねぇ、貴方も魔理沙と同じ人間なの?」

知慈「は、はい、そうですけど…」

人間ですか?なんて尋ねられたのは煽り以外では初めてだ。煽られた事ないけど

フラン「ほんとに?騙したりしてない?」

知慈「ほんとですよ、騙したりなんかしてませんよ」

なんでこんなに念を押されているのかと、自分が情けなく思えてきた。

フラン「弾幕ごっこって知ってる?」

知慈「んー…聞いた事はありますけど、どんなものなのかは知らないです…」

フラン「じゃあ私が教えてあげる!ついてきて!」

知慈「わわっ!ちょ、ちょっと待って!」

僕より小さな女の子なのにすごい力だ、、全く歯が立ちそうにない…また自分が情けなくなった…

レミリア「あの子…知慈といったかしら、大丈夫なの?フランドールとなんかやるみたいだけど」

魔理沙「弾幕ごっこだとやばいな」

咲夜「お嬢様方、紅茶とお菓子をお持ちしました」

レミリア「あら咲夜、ありがとう」

魔理沙「遠慮なく頂くぜ」

咲夜「それにしても妹様と知慈は何をする気なんでしょう」

魔理沙「さあな、見てればわかるぜ」

フラン「ここら辺でいっか!」

知慈「は、はいぃ…」

フラン「弾幕ごっこっていうのはね!なんか色々出して その綺麗さを競うゲームなの!」

わぁ、すごい大雑把。

知慈「は、はぁ…」

フラン「試しに私が弾幕を出すから避けてみて!」

知慈「ん?え?避ける?」

フラン「行くよ〜!禁忌『クランベリートラップ』」

次の瞬間、大量の玉が出てきた。つまり即死

直感でヤバイと思って避け逃げたが相手は空を飛べるのだ、すぐに追いつかれてしまった。

フラン「あははっ!!避けるの上手いね!」

魔理沙「おいおい、弾幕ごっこじゃないか、まずいぞ」

レミリア「そうね、行ってみましょう」

咲夜「あの子人間でしょ?大丈夫なのかしら…」

知慈「し、死ぬーーーっ!」

フラン「大丈夫だよ!死なない程度にやってるから!」

死なない程度……ってことは死なせることもできるってことか…orz

フラン「それにしても避けるの上手いなー、全然当たらないや」

絶対に当たってはならない戦いがここにある。

フラン「んー…本気出しちゃおうかなー…」

なんかやばそうなことを呟いてる。
咲夜さんが言っていた「死なないようにね♪」とはこの事だったのか…。大丈夫です、今死にます。

みんな〜助けて〜!と、心の中で叫ぶと、タイミング良く魔理沙さん達が来てくれた。流石である

魔理沙「フランドール、そいつは弾幕ごっこはやったことがないんだ」

フラン「だから今教えてるのよ♪」

魔理沙「じゃあ私と弾幕ごっこしないか?」

フラン「えー……んー…まぁいっか!」

魔理沙「よし、場所を移動しよう」

フラン「そうだね!ここじゃ思いっきり出来ないもんね!」

魔理沙「知慈、少し待っててくれ」

フラン「えーっと…あ、知慈!またやろうね!」

こうして生命の危機は去った。と、思いたい。

魔理沙さんとフランドールさんが弾幕ごっこをしている間、レミリアさんと咲夜さんと幻想郷の事について色々喋っていた。
数時間後、魔理沙さんがボロボロになって帰ってきた、

魔理沙「相変わらず強いなー」

フラン「魔理沙も前よりずっと強かったよー」

結果はフランさんの勝利だったみたいだけど魔理沙さんも大健闘したらしかった。流石である
幻想郷中の人達があんなことを毎日やっているというのを考えるとよく死人が出ないなと思ったがフランさんの言ったとおり弾幕の美しさを競う事があくまで目的だから安心して戦えるのかなとも思った。
どちらにせよ僕にはまだまだ厳しいかな。

最後にレミリアさんに聞いておきたい事があった。
紅魔館の門番のことだ、

知慈「紅魔館には門番がいますけど寝ていると私達みたいに侵入を許しちゃうんじゃないですか?」

レミリア「なるほど、貴方は門番の役目を外敵から館を守ることだと思っているのね」

知慈「違うんですか?」

レミリア「いや、それもあるわ、だけどね私が思う門番の本当の役目は別にあるのよ」

知慈「え?」

レミリア「ただ外敵から館を守るくらい誰にでも出来るわ、違う?」

知慈「た、確かに」

レミリアさんも天才だった。

レミリア「私が思う門番の役目というのはね、送り出すことと迎え入れることよ」

知慈「?」

レミリア「私達が何処かに出掛ける時は門を通って行くわ、貴方達も門を超えてきたのでしょう?」

知慈「えぇ、まぁ」

レミリア「帰る時も門を通るのでしょう?」

知慈「そうですね……あっ…」

レミリア「つまりそういうことよ」

魔理沙「おいおい、結局何が言いたいんだ?」

レミリア「そうやってすぐに答えを求めちゃダメよ」

知慈「ありがとうございます、レミリアさん、勉強になりました」

レミリア「ふふっ、どういたしまして」

魔理沙「なんか釈然としないが知慈が満足したならそれでいいか、私も弾幕ごっこ思い切りやれて満足だしな、よし次のところに行くか!」

知慈「はいっ!」


1章第4編 〜白玉楼〜

魔理沙「次は白玉楼にでも行くか」

なんて美味しそうな名前、きっと雑煮に違いない……っ!!!!

知慈「白玉楼ってどんなところなんですか?」

魔理沙「白玉楼ってのは閻魔から冥界の管理を任されてる奴が住んでる所なんだぜ」

知慈「冥界とは…?」

魔理沙「冥界ってのは、、、まぁ、魂がいっぱいいる場所って認識でいいと思うぞ」

知慈「えぇ⁉︎幽霊がいるところに行くんですか⁉︎」

魔理沙「なんだ?幽霊苦手なのか?(ニヤニヤ)」

知慈「ダイジョウブデスヨ、ハハハ…」

どうしてこうも即死ルートに入ってしまうのか…

魔理沙「まぁ、すぐ慣れるだろ」

知慈「慣れちゃダメな様な…」

知慈「というか、冥界ってあの世ですよね?なんでそんな簡単に行けるんですか?」

魔理沙「冥界と顕界には大きい結界があるんだが、、、結界を飛び越えて入れるんだよな…」

知慈「結界なんてなかった…」

魔理沙「ま、まぁ逝くぜ」

字幕がフラグしか思わない
まぁ、冥界というのは興味があるし、いざとなったら魔理沙さんがどうにかしてくれるだろうと、完全に他人依存な考えになっていた。ドラ○もんである

魔理沙「それと白玉楼に住んでる奴らだが…」

知慈「やっぱり危険なんですか?」

魔理沙「危険というか、主人は死を操る程度の能力を持っていて、その庭師は剣術を操る程度の能力を持ってるんだぜ」

知慈「死を操るってことは生き物をすぐ殺せるんですか?」

魔理沙「あぁ、そうだな」

どう考えても即死安定です、本気にありがとうございました。

知慈「それってなんというか、その…ずるくないですか?」

魔理沙「まぁ、あいつは自分の能力を全然使わないけどな」

知慈「安心していいのかな…」

魔理沙「まぁ主人に何かすれば庭師がまず斬りかかってくるから大丈夫だな」

知慈「その時はライフで受ける」

魔理沙「それ以上はいけない」

まぁ、魔理沙さんが大丈夫って言うならそうなのかなと思いつつ、白玉楼の主人がフランさんみたいな人だったら幻想郷は滅亡だろうなぁと変な事を考えていると、

魔理沙「着いたぜ」

魔理沙さんの後ろからちょこっと覗くとそこには石の階段がずーっと続いていた。

知慈「え?着いたんですか?」

不思議に思い尋ねると、

魔理沙「この階段を登れば白玉楼だぜ」

知慈「飛んで行かないんですか?」

魔理沙「たまには運動しないとな」

知慈「そうですか、、そうですよね」

と、登り始めたはいいものの、とんでもなく長い階段だ、登りきれるのかさえ不安になってきた。
足が棒になるとはこの事なんだろうなぁと思いつつ、結構な時間をかけてなんとか登りきった。

魔理沙「ここが白玉楼だ、こいつをどう思う?」

驚いた。楼というよりは平安時代の貴族の屋敷みたいなところだ。

知慈「すごく…大きいです…」

魔理沙「だろ?ここに2人だぜ?広過ぎるぜ」

知慈「庭師さんめちゃめちゃ大変そうですね…色々と…」

???「めちゃめちゃ大変なんで庭を荒らさないで下さいね」

知慈「わかりました、気をつけます〜…………っえ?」

振り返ると白髪の女性がいた。驚いたのはその人が背負っている刀である、1つは一般的な刀の長さだけど、もう一本の方の刀がどう見ても長い、その人の身の丈程の長さである、しかもなんか隣にはお餅みたいな生物(?)がいる。

魔理沙「みょんみょん、庭掃除頑張れ〜」

妖夢「みょんじゃないですよ、ここは人間が来ていいところじゃないですよ、帰ってください」

魔理沙「まぁまぁ、そうツンツンするなって」

妖夢「貴方だけならまだしも、人間まで連れて来てるじゃないですか」

魔理沙「私も一応その『人間』なんだがな…」

妖夢「で、何しに来たんですか?」

魔理沙「あぁ、今こいつと一緒に幻想郷を巡っているんだぜ」

知慈「やっぱり冥界は生きてる人間が来ちゃダメですよね…」

妖夢「………。まぁ、魔理沙さんと一緒ならいいんじゃないですか」

魔理沙「お、デレたぞ、デレみょんだ」

妖夢「叩き斬りますよ?」

魔理沙「来いよ妖夢、刀なんて捨ててかかってこい、と言いたい所だが、弾幕ごっこならまた今度な、フランドールと一戦やってきたからな」

妖夢「よく戦えますよね、あんな破壊神と」

魔理沙「主人公補正だな」

妖夢「………」

知慈「魔理沙さん早く行きましょうよ、妖夢さんの仕事の邪魔ですよ」

妖夢「お、どっかの白黒魔法使いさんとは違って『思いやり』がありますね思いやりが、どっかの魔理沙さんとは違って」

魔理沙「私この言葉何回言われるんだろう」

妖夢「まぁどうせ幽々子様に会って帰るんでしょう?なら、とっとと行ってとっとと帰る」

魔理沙「はいはいわかりましたよー」

???「あらあらお客さん?」

魔理沙「おっ、中まで行く手間が省けたな」

妖夢「あ、幽々子様、出てきたんですか」

幽々子「騒がしかったからね〜」

幽々子さんの近くにもお餅がいた。
二人ともお餅がついてるので気になって、食べたくて

知慈「お二人の近くにいるお餅ってなんなんですか?」

と、聞くと3人とも笑ってしまった。

妖夢「私は半人半霊なのでこれは私の半身ですよ」

食べたら殺人である

幽々子「私のは何だったかしらねぇ」

3人「知らないの!?」

天才はここにいた。

幽々子「まぁなんでもいいじゃない、それより貴方…何処かで会ったことないかしら…」

知慈「え?僕ですか?……いやないと思いますけど……」

魔理沙「急にどうしたんだ?」

幽々子「………」

知慈「……あの」

幽々子「あ、あぁごめんね、勘違いだったみたいだわ」

妖夢「……(幽々子様…一体どうしたというんだ?あんなにおどけて)」

魔理沙「変な奴だぜ、見間違いだろ?」

幽々子「そ、そうね」

知慈「それより、幽々子さんって死を操れるんですよね?」

幽々子「えぇそうよ、それがどうかしたの?」

知慈「それって自分が思えば生かすことも殺すことも出来るんですか?」

幽々子「そうよ〜、死んじゃえ〜って思えば殺せるわよ〜」

知慈「こいつはひでえや…」

幽々子「まぁ、私の能力が効かない子達もいるわよ〜」

魔理沙「永遠亭か」

妖夢「永遠亭ですね」

知慈「永遠亭ってそんなにすごいところなんだ…」

魔理沙「そうだな…次は永遠亭にいくか」

幽々子「あらあら、もうお帰り?」

魔理沙「あぁ、こいつに幻想郷中を案内してるからな」

幽々子「そう…」

妖夢「どうしたんですか?幽々子様?」

幽々子「いいえ…なんでもないわ」

妖夢「はぁ……?」

魔理沙「じゃあな〜」

知慈「ありがとうございました〜」

幽々子「ふふふ、また来なさいね〜」

妖夢「ちょ!幽々子様!」

幽々子「わかってるわよ〜、はいはい庭仕事に戻る〜」

妖夢「もう〜」

…………。

幽々子「いるんでしょ?紫」

紫「あらあら、ばれてしまいましたわ」

幽々子「……いた?あの…」

紫「……似……わね…あ……の…に…」

幽々子「で…、どう…う…とか…ら…」

紫「そ……ね、前に……郷を……寸…に………い……だ……ね…」

幽々子「……も……いわ…、でもあ……封……た……じゃ…し……あ…………な……わ」

紫「な…で……て⁉︎」

幽々子「…え…正……はわか……いけど、…の…力では……な…わ」

紫「ま…か……が……て……も…に戻……なんて…や…り……が必……様ね…」

幽々子「ね…紫、も…あの…が…うな…だ……たら…」

紫「……郷……の…機ね…」


1章第5編 〜永遠亭〜

魔理沙「さて、次は永遠亭だぜ」

知慈「名前すごいですよね、永遠亭って」

魔理沙「紅魔館や白玉楼も充分すごいと思うけどな…」

知慈「確かにそうですよね…、ところで永遠亭ってどんなところなんですか?」

魔理沙「永遠亭はまず普通の人間じゃ行けないところなんだ、……いや、あいつがいるから行けるか」

知慈「あいつってどんな人なんですか?」

魔理沙「(そうだな、今回は折角だし竹林は歩いて行くか)」

魔理沙「普通の人間、、まぁ空を飛べない奴だな、そういった奴で永遠亭に行きたい奴は迷いの竹林っていう名前そのまんまな竹林を通って行かなきゃならないんだ」

知慈「(やっぱり普通の人間は空飛べないよね…)でも、うろうろしてればいつかは着くんじゃ…」

魔理沙「甘いな、迷いの竹林はどういう訳かは知らんが竹の伸びる速さが速いんだ、だからすぐに景色が変わってしまう」

知慈「でもさっき魔理沙さんが言ってた人は迷うことなく永遠亭に行けるんですよね?」

魔理沙「それは私もよくわからないから、これから本人に会うから聞いてみろ」

知慈「そうですよねー、あっ、あそこですか?」

魔理沙「お、そうだな、本当は飛んで行った方が楽なんだがまぁ今回はいいか」

知慈「あ、誰か居ますね」

魔理沙「あぁ、あいつだぜ」

魔理沙「おーーーーーい!!!」

どうやらこちらに気づいたみたいだ。

???「どうしたの?永遠亭なら飛んでった方が早くない?」

魔理沙「まぁ、細かい事は気にするな」

???「お、おう。おや、その子は…」

〜少女説明中〜

妹紅「へぇ、それは大変だったね」

魔理沙「と、言う訳で永遠亭に連れてってくれ」

妹紅「はいはい」

知慈「妹紅さんってなんで竹林で迷わないんですか?魔理沙さんが皆迷うから竹林には滅多に入らないって言ってましたけど」

妹紅「私はここに何百年も前からいるからね、土地勘ってやつじゃないかな?」

土地勘最強説が浮上した。

知慈「えっ!?何百年も前からいるんですか!?」

妹紅「そうだよ」

魔理沙「あれ、言ってなかったか?妹紅は不老不死なんだぜ?」

知慈「初めて聞いた…」

妹紅「まぁ幻想郷なんて何百年も生きてる奴だらけだけどな」

知慈「不老不死って良いですよね〜」

魔理沙「そうか?私は嫌だけどな」

妹紅「私も嫌だな」

知慈「え?なんでですか?死なないし老いないなんていいじゃないですか」

魔理沙「逆に考えるんだ、どんなに死にたくなっても死ねないんだぞ」

妹紅「しかも私の場合は死なないけど痛みは感じるよ」

知慈「で、でも、時間が沢山あるのっていいじゃないですか、やりたい事いっぱい出来るし」

魔理沙「やりたい事なんて何千年もあれば無くなるだろうけど、不老不死は無くならないからな、やる事が無くなりそうだぜ」

知慈「確かにそうかもしれません…」

妹紅「知慈は死ねない苦しみは知らないだろうね。私は好きな人が死んでも、親友が死んでも、宇宙が無くなっても生き続ける。私の他にも永遠亭に2人不老不死がいるけどそいつらも同じだ。一見不老不死は魅力的に見えるかもしれないけど、そんな事は無い。一人で永久に生きて行かなければならないんだ、寂しくなって皆のところに行こうとしても行けない。さっき魔理沙が言ってたけど、死にたくても死ねないんだ。
いや、、正確にはもう生き死にの概念から私達は外されているんだよ。」

思わず絶句してしまった。
1人の苦しみは痛い程わかるからだ。
そんなに不老不死という事を真剣に考えた事なんてなかった…

妹紅「ほら、永遠亭に着いたよ、私はこの後友人と待ち合わせしてるからこれで失礼するよ」

魔理沙「おう、ありがとな、、色々と」

知慈「ありがとうございました」

魔理沙「さ、入るか」

知慈「紅魔館も白玉楼も永遠亭も建物がすごい立派ですね」

魔理沙「確かにな、私もこれくらいの家が欲しいぜ」

???「あら?お客さん?」

魔理沙「お客さんだぜ」

???「違うじゃない」

魔理沙「む、うるさい兎だ、マスパで消されるか、マスパで跡形も無く消されるか選べ」

???「両方とも変わらないじゃない、ってその子誰?」

知慈「あ、知慈です、よろしくお願いします」

鈴仙「鈴仙よ、よろしくね」

鈴仙「魔理沙、この子がどうかしたの?」

魔理沙「死にそうだから永琳に診てもら…」

鈴仙「死にそうじゃないでしょ、どう見ても」

魔理沙「全く、人の話は最後まで聞くもんだぜ」

鈴仙「じゃあ続きどうぞ」

魔理沙「こいつと今幻想郷を巡ってい…」

鈴仙「話違うじゃん」

魔理沙「人の話は最後まで聞けよ」

鈴仙「はいはいその子に幻想郷を案内してるのね、じゃあ中に入るといいわ、皆いるから」

魔理沙「お前は薬の配達帰りか、お疲れだな」

知慈「魔理沙さん、なんで鈴仙さんはウサ耳つけてるんですか?」

魔理沙「可愛いアピールじゃないか?」

鈴仙「付け耳じゃないわよ!可愛いアピールなんかしてないし!」

知慈「本物の兎さんなんだ」

魔理沙「ウサ耳にブレザーって可愛いアピールじゃないのか?この兎!」

鈴仙「あんたの方が可愛いアピールしてるでしょ!だぜだぜ言って!」

魔理沙「あれ、八卦炉何処にしまったっけな」

知慈「まぁ、その辺にしときましょうよ(苦笑い)」

???「なんだか騒がしいわね」

鈴仙「あ、師匠大変です、永遠亭が消し飛びます」

???「どういうことなの…」

魔理沙「お、永琳、邪魔するぜ」

永琳「もうしてるじゃない」

永琳「あら…あなたは……」

気の所為か永琳さんから一歩引かれた気がした。

魔理沙「?なんだ?知慈の事知ってるのか?」

???「なによ〜うるさいわね〜、また妹紅?」

魔理沙「お、輝夜、久しぶりだな」

輝夜「あら〜久しぶりね〜異変以来かしら?」

魔理沙「異変の後にも来たけどな」

永琳「姫…ちょっとこちらへ…」

輝夜「なによ、永琳?」

〜〜〜

鈴仙「師匠達どうしたんだろう、普段あんなに動揺することなんてないのになぁ」

魔理沙「どうも気になるな…あの反応、さっき白玉楼に行った時に幽々子も同じ反応してたな…紅魔館ではなにもなかったんだが…」

鈴仙「あの亡霊嬢もそんな動揺する人には見えないけどね」

知慈「私みたいな人間って珍しいのでしょうか?」

魔理沙「うーん、それはないと思うんだがなぁ…」

〜〜〜

魔理沙「いつまで話し込んでるんだ?」

知慈「待ちくたびれました…」

鈴仙「うーん、師匠達話し込んでて来ないし先に別の場所に行ってれば?また来なよ」

魔理沙「そうさせてもらうぜ」

知慈「そうですね」

〜〜〜

鈴仙「師匠〜師匠〜、帰っちゃいましたよ〜?………あれ?どこにもいない」


第2章 〜動き出す異変〜

魔理沙「何処に行くか〜」

知慈「………」

魔理沙「人里とか行ってみるか?」

知慈「………」

魔理沙「おーい!知慈!聞こえてるのか?」

知慈「…え!?あっ!はい?」

魔理沙「どうしたんだ?白玉楼や永遠亭の様子がおかしかったから気にしてるのか?」

知慈「え…あはは〜、ばれちゃいますよね…」

魔理沙「……あまり気にするなって」

知慈「…なんかおかしいんです」

魔理沙「何がだ?」

知慈「自分が何者か、まだ思い出せないんです…」

魔理沙「………」

知慈「それに自分が自分じゃないような気がして…」

魔理沙「……知慈」

知慈「はい…」

魔理沙「難しい事は私はわからない、だけど私と知慈がこうして今ここにいる、それは事実だろ?」

知慈「…その通りです。急に取り乱してすいません…」

魔理沙「でも、お前が何者かは私も気になる、だから私の出来る範囲でお前の事を調べてやるよ」

知慈「ほんとですか!?ありがとうございます!!」

魔理沙「さっ、人里に行くぜ」


2章第1編 〜白玉楼(夜)〜

紫 「……という訳で貴方達に集まってもらった訳よ」

レミリア「あんな可愛らしい子がそんな力を持ってる様には思えないけどねぇ」

輝夜「あんまりなめない方がいいわ、今はまだ記憶が曖昧らしいから大人しくしてるっぽいけど…」

神奈子「記憶が戻るのは時間の問題ってことかい?」

永琳「いえ…わからないわ…そもそもあまりにも強大だったので肉体を幻想郷に、精神を魔界に別々に封印したのよ」

さとり「では、誰の精神が宿っているのでしょうか……」

萃香「それは私達にもわからないねぇ、でも、肉体が解けたって事は魔界ももう解けてるかもしれない」

聖「精神と肉体が一体化したらどうなるんですか?」

文「何故天魔様でなく私が来てるのかわからないですけど、肉体、精神が融合して記憶を取り戻せばスペルカードルールで成り立ってる今の幻想郷では恐らく誰も太刀打ちできないかと…」

紫「天魔はこの幻想郷の危機に何故か貴方を連れてけって言ってたわ」

文「はぁ…」

神子「そんなに強大な力を持つ妖怪が復活しようとしてるのね…」

幽々子「理論上死なないから妖怪などの生死の概念を持つ生物とは違うわ」

霊夢「…とにかく!私達はどうすればいいの?」

紫「…………あの子の記憶が戻る前に消す…」

レミリア・神奈子・さとり・聖・神子・霊夢「!!!!!」

幽々子「再封印したところでまた今回みたいに復活してしまったらいつまで経っても埒が明かないわ…」

輝夜「最も脅威なのはあの子の能力よ」

霊夢「能力が脅威な奴なんて幻想郷に沢山いるわよ」

永琳「能力を封印する程度の能力よ」

レミリア「はぁ?」

文「一つだけじゃ無いですよ、質量を操る程度の能力も持ってます」

神奈子「能力が二つもあるのかい…それは強そうだねぇ」

紫「いえ、恐らく1つ目の能力を封印する能力は1人に対してしか発動出来ないわ、1000年前は幽々子に対してしか能力封印はしてこなかったわ」

さとり「質量を操る能力というのはどんな能力なんですか?」

幽々子「私達も見ただけだから汎用性についてはわからないけど、質量を操る能力で幻想郷の重力がめちゃくちゃになって全ての生態系が崩れたわ」

聖「聞いてる限り能力依存の敵っぽいですが体術などでは圧倒出来ないのですか?」

萃香「我々、鬼と同じくらいの力を持ってるからそれは厳しいかな」

霊夢「よくそんな化け物を封印出来たわね…」

紫「………」

幽々子「………」

霊夢「?どうしたのよ」

映姫「当時の博麗の巫女が自分ごと封印したのですよ」

一同「!!!!!」

紫「貴方は今回どうするの?」

映姫「私は幻想郷管轄ですから出来る限りのことはしようと思ってますよ」

紫「…そう、心強いわ」

2章第1.5編 〜人里〜

魔理沙「もう夜だな〜」

知慈「そうですね〜、夜空が綺麗です」

魔理沙「神社から見る星空は物凄く綺麗なんだ、今度お前にも見せてやるぜ」

知慈「わぁ、楽しみです♪」

魔理沙「じゃあ今日最後はあいつに会いに行くか」

知慈「こんなに沢山の人がいるところにも妖怪っているんですか?」

魔理沙「結構いるぜ?」

知慈「ええっ、食べられたりしないんですか?」

???「紫が管理してるからな、食べたくても食べれないよ」

知慈「(紫…)紫さんって人は偉いんですか?」

魔理沙「幻想郷の管理人ってとこだな」

知慈「……あれ?」

???「やぁ」

知慈「わわっ!!」

魔理沙「よっ、慧音」

慧音「こんばんは」

知慈「こ、こんばんは…」

魔理沙「おいおい、あまり怖がらせるなよ?」

慧音「そんなつもりじゃなかったんだけどなぁ、でもごめんね」

知慈「い、いえいえ、こちらこそ」

心肺停止なう。

慧音「こちらこそ、って君は私に対して何かしたのかな?」

知慈「え…そ、それは…」

慧音「ふふっ、君は優しい子だね、誰かとは違って」

魔理沙「妹紅か」

慧音「お前だ」

知慈「妹紅さんは優しい人でしたよ〜」

慧音「なんだ、妹紅にも会って来たのか」

知慈「妹紅さんが言ってた友人は慧音さんの事だったんだ」

慧音「そうだよ、って私が言うのもおかしいかな」

慧音「まぁ、今日はもう遅いから泊まっていくといい、また明日話を聞かせてくれ」

魔理沙「そうさせてもらうぜ」


2章第2編 〜知慈の世界〜

んん……。
ここは…何処だ…。

「おい」

……………誰?

「俺はお前だ」

何を言っているの?

「正確に話してやる、今お前が自分だと思ってるその体は俺の体だ」

えっ
な、なにを…

「何も覚えてないのか、わずか1000年前の事を」

わずか?貴方は…

「まぁいい、体を返して貰うぞ」

待って、

「なんだ」

貴方から邪悪な気質を感じる、何を企んでいるの?

「俺が考えてることはただ一つ、幻想郷への復讐だ」

なんで?どうして復讐をするの?

「本当に何も覚えてないんだな、いいだろう、話してやる、どうせお前はもう精神だけの存在だ、何もできまい」

「あれは今から1000年前の事だ」

「俺、デヴァスは幻想郷の見るに堪えない有様を見て確信した、今の賢者共に幻想郷を任せるのはあまりにも危険過ぎる。だから誰かが変えなくてはならないとな」

「人間は度重なる天候不順の凶作で餓死が多発していた。一方妖怪は賢者共が愚かだった為に月に攻め入った時に大勢死んだ。そうして賢者共は人間と妖怪の均衡を崩した。」

「…我慢出来なかった。俺を含めた幻想郷の聖人3人で幻想郷の均衡を戻す為決起し、まずは賢者共を一掃するために革命を起こした。」

「計画は順調にいっていた……はずだった。賢者の中枢にいた八雲紫はこれを幻想郷の妖怪の全勢力を使って阻止してきた。徐々に俺達は追い込まれざるを得なかった。そして俺以外の2人は死んだ。」

「俺は自分の命に代えてもこの幻想郷を、人間を、仲間の思いを守らなければならないと思った。そして禁忌の術を使った」

「ただの妖怪だけが相手ならこの術は使う必要はなかった…何故俺がこの術に手を染めたと思う」

…あぁ、全てわかったわ…

「どうやら記憶が戻ったらしいな、ならこれ以上は言うまい」

………私は…

「あ?」

私は貴方の体で今の幻想郷を見てきた、だけど今の幻想郷は当時とは違うわ、妖怪も人間も平等に暮らしてた。

「関係ないな」

!?………

「俺はさっき復讐と言ったはずだ、俺はただ幻想郷を滅せればいい」

何故、それはただの八つ当たりよ!

「八つ当たりだと?俺は大勢の人間、妖怪を殺し、俺の仲間でもあった2人を死に追いやったこの幻想郷を許しはしない、これが八つ当たりだと本気で言っているのか?」

…………

「最早議論の余地はないな、さぁ、体を返して貰おう」

……いいわ…だけど貴方は負ける…

「ほう」

…私にはわかる…あの子達は必ずやってくれると…

「ふっ、まぁいい、冥界から幻想郷の滅びゆく様を黙って傍観してるんだな」


2章第2.5編 〜人里(昼)〜

魔理沙「んん……はっ!」

魔理沙「もう昼か……、あれ?知慈は?」

慧音「お、起きたか」

魔理沙「あぁ、ところで知慈はもう起きてるのか?」

慧音「それが私が起きた時にはもうどこにもいなかったんだ」

魔理沙「なんか嫌な予感がするぜ…」

慧音「なんで?」

魔理沙「人里に来る前にあいつ結構なんか色々悩んでたみたいなんだ!」

慧音「そういえば昨日、幻想郷の各勢力の長が集まって話し合いをしてたみたいだぞ」

魔理沙「……まさか!?」

慧音「思い当たる節があるのか?」

魔理沙「白玉楼と永遠亭に行った時に知慈を見た幽々子や永琳、輝夜の様子がおかしかったんだ!」

魔理沙「やっぱりどうも悪い予感がしてならない、私はこれから霊夢んとこに行って来るぜ!」

慧音「お、おぉ、気をつけて」

魔理沙「世話になったな!」


2章第3編 〜博麗神社〜

霊夢「うーん…紫はああ言ってたけど本当なのかなぁ、だとしたら魔理沙にも伝えておかないとなぁ」

魔理沙「霊夢!」

霊夢「わっ!びっくりしたっ!いるなら言ってよね!」

魔理沙「知慈がどこにもいないんだがここに来たか?」

霊夢「いや…来てないけど…」

魔理沙「そうか…邪魔したな…」

霊夢「あぁ、待って」

魔理沙「ん?なんだ?」

霊夢「よく聞いてね…」

〜少女説明中〜

魔理沙「……なるほどな…これで繋がったよ…」

霊夢「え?なにが?」

魔理沙「昨日言ってたんだ、自分が自分じゃないみたいってさ…、恐らくその魔界で精神に何かがあってそれが影響していたのかもしれない…」

霊夢「何かって何よ」

魔理沙「それはわからない…だけどもう既に復活してるかもしれない…そいつは…」


2章第3.5編 〜八雲家〜

紫「……非常にまずい事になったわ…彼はもう復活しているわ…」

藍「…どうするんですか?」

紫「私の見たてでは今の私達では彼は以前より段違いに強いはずだわ…」

藍「まだスペルカードルールがなかった頃ですもんね」

紫「一番大きいのはそこね…スペルカードルールで緩みきった今の幻想郷に彼を倒せる者はいないわ…」

藍「そんな…それでは幻想郷は…」

紫「…大丈夫よ…私には考えがあるわ…藍と橙はこの幻想郷に……結界を張って頂戴」

藍「でも………….わかりました…」

紫「最早幻想郷滅亡は時間の問題だわ…みんなを呼び出すわ…」


2章第4編 〜無縁塚〜

霊夢「……なんでここ?」

魔理沙「そうだぜ、ここに知慈が来るとは限らないぜ?」

紫「いや…あの子…デヴァスならきっとここに来るわ…」

…そう。彼はここに来るわ…

霊夢「なんでわかるの?」

永琳「…ここは1000年前の戦場地であって彼が封印された所…」

レミリア「そのデヴァス(?)って奴はスペルカードルールわかるの?…ここに全勢力来てる時点でそれはないか…」

紫「恐らく彼は我々や幻想郷を殺しに来ると思うわ」

一同「!!!!!」

魔理沙「冗談じゃないぜ、妖怪はまだしも人間が勝てる相手じゃないぞ」

萃香「私達でもかなり厳しいと思うけどね」

霊夢「あんたがそんな事言うなんて珍しいわね」

文「力は鬼とほぼ同等ですからね…」

魔理沙「あの体でか?それはいくらなんでも……」

幽々子「あれは戦闘形態ではないわ」

レミリア「ド○ゴンボール…?」

霊夢「まぁ、そいつをぶっ飛ばして異変解決ね」

紫「…霊夢…今回は今までとは訳が違うわ…デヴァスは消さなくてはならない…これは’’異変”ではなく”危機”よ」

霊夢「……」

紫「…みんなも理解しておいてね、自分が殺されるかもしれないという事を……」

一同「…………」

レミリア「……勝機はあるの?」

幽々子「相手の力量にもよるけどないこともないわ」

霊夢「しっ‼︎…なにか来るわ‼︎」

紫「あぁ…来るべき時が来たのね……」


第3章 〜怒れる復讐神〜

紫「…遂にこの時が来てしまったのね…」

デヴァス「1000年ぶりだな………八雲紫…!!!!!」

幽々子「間違いないわ…1000年前の……彼」

魔理沙「こいつがデヴァス…知慈の見る影も無いな…」

霊夢「なんて禍々しい気質なの…」

場にいたほぼ全ての人妖が感じ取れる程の絶大で禍々しい気質だ。さっきまでの晴天が嘘の様に太陽が雲に顔を隠す。

紫「も、目的は何なの?」

デヴァス「ふん、そんなものはとっくに知ってるだろう。ここに幻想郷の勢力の中枢が集結しているのが何よりの裏付けだ」

デヴァス「俺の目的は……幻想郷の滅亡だ!!!!」

一同「!!!!!」

紫「何故?何故なの?1000年前の事が憎いなら私を殺せばいいわ」

デヴァス「!お前の失態でどれだけの命が奪われたか…最早お前の命程度で代償を満たせられるものではない」

幽々子「でも、今の幻想郷を滅ぼすのは今貴方が言っていた事と変わらないわよ?」

デヴァス「それはどうかな。1000年前に月に行き犠牲を出し、人間の凶作にも対応せず、人妖の均衡を崩した。さらにその事実を隠蔽し、妖怪に手を借り、我々聖人3人の中の2人を殺した。実際に幻想郷を破滅まで追い込んだのは………」

紫「……」

霊夢「それがどうしたっての?」

デヴァス「なんだと?」

さとり「どうやらそれは事実の様ですが、今の我々の統率を乱す為の口実で言っていますね」

デヴァス「!?」

神子「なるほど、昔紫さんが妖怪達に事実を隠蔽して協力を請った様に今回もそうだと踏んだわけですね」

デヴァス「……どうやら当時とは様子が違うようだな」

輝夜「流石の貴方も動揺している様ね」

デヴァス「確かに読心術を持ってる奴がいたのは予想外だな、だが無心になれば関係のない事」

神奈子「無心なんてなろうと思ってなれるものなのかねぇ」

デヴァス「(スゥ…)…どうだ、心を読んで見ろ」

さとり「……深層心理まで真っ白なんて…」

文「これはスクープになりそうです!タイトルは…『驚愕!心が読めない怪物現る!』って所でしょうか」

永琳「……この絶望的状況で何を言ってるの貴方は…」

文「すいません…でも私、思うんです。きっと今回も“なんとかなる”って、だから…いつもの私でいたいなって」

萃香「おぉ〜!それでこそ盟友だ!よし!この“異変”が終わったら今までで一番の宴会を開こう!!」

聖「やっぱり私がいない間に幻想郷って随分変わったんですね……いい方に」

レミリア「能天気なだけだと思うけどねぇ〜」


デヴァス「今世最後の話は終わったか?では、絶望の始まりだ…!!!」


3章第0.5編 〜賢者の責任〜

なんて邪悪な気質なの!?これではあの時みたいに…みんなを……

大丈夫よ…紫…

そんな根拠のないこと言わないで…

大丈夫…前の私達と今の私達は違うわ…きっとデヴァスを…

無理よ!みんな…1000年前の様に…

紫…過去の事に囚われていては前に進めないわ…今貴方がそんな状態だと困るの…

そんなに私を頼らないで…私には責任が重過ぎるわ…

紫……

今度みんなを失ったら私……もう耐えられない……

…紫…今、本当に貴方が幻想郷を救いたいのなら貴方はこんなにくよくよしていないわ…

…………

貴方は今、1000年前の惨劇を今の幻想郷に当てはめているだけだわ

…………

貴方の秘策を信じて今幻想郷に結界を張ってる藍と橙はどうするの?みんなをほったらかしていいの?

…………

貴方は先代が命を懸けて守ったこの幻想郷の崩壊をただ見ているの?

……!私はこの幻想郷を守りたい…だけど…

大丈夫よ…貴方だけが悩む必要も、責任を感じる必要もないわ…

幽々子…

貴方の道は…


「もう!しっかりしてよね!あんたはいつも一人で抱え込み過ぎなのよ!」

「全くだな、そろそろ私達を信用して欲しいものだぜ。まっ、紫らしいけどな」


あの子達が開いてくれるから…

…ありがとう


3章第1編 〜紫の秘策〜

霊夢「で、どうするの?紫」

魔理沙「結構やばそうな奴だぜ」

紫「……秘策はあるわ…」

永琳「秘策?まさかまた封印するとか言わないわよね?」

萃香「いたちごっこだよー」

紫「今、藍達が幻想郷に巨大な結界を張っているわ」

レミリア「?それでどうするのさ」

文「まさか幻想郷に閉じ込めるなんてありませんよね…」

紫「いいえ逆よ、外に追い出すのよ」

聖「どうやってですか?確か幻想郷には2つの結界が…」

神子「結界を壊さずに外に出すのですか?」

紫「私が張った結界は無くなっても別に困らないわ、だけど博麗大結界が無くなったら幻想郷が閉鎖空間では無くなってしまうわ、だから今藍達には博麗大結界を守る結界…即ち守護結界を張ってもらっているわ」

幽々子「それでどうやって外に出すの?スキマ?」

神奈子「理解が追いつかない…」

輝夜「同じく…」

紫「要約すると博麗大結界を藍達が張る守護結界で守って私がデヴァスを結界に閉じ込め、スキマで私が張った幻と実体の境界まで移動させてそこで幻と実体の境界の結界を割りそのまま外に出すの」

さとり「それでは守護結界の意味がないのでは?」

紫「私が外に出した後にデヴァスが博麗大結界を破ってまた入ってくる可能性があるわ、それを防ぐ為に幻想郷に入るもの一切を拒絶する強力な守護結界を張ってもらっているわ」

霊夢「あれ?博麗大結界ってそんな簡単に破れちゃうの?」

紫「ここは無縁塚よ、博麗大結界が緩い場所なの、意志がなければ簡単に入ってこれるわ、だから物が多いのよ」

魔理沙「でも、知…デヴァスは意志はあるだろ、というか生き物にはあると思うが」

紫「さっき、デヴァスは心を読まれた時に擬似的に無心になっていたわ、無心は意志が無いもの同然よ」

永琳「流石は幻想郷の賢者ね…そこまで状況を読んでいるなんて…」

わかっていたわ…こうなるって…
…だけどこの作戦は恐らく……


3章第2編 〜激突する人妖と魔人〜

霊夢「じゃあ紫と藍達
が結界を張る準備が出来るまでにあいつを抑えておけばいいの?」

紫「 そうね…藍達の結界が張り終わって私が術式を編み終わればデヴァスに結界を展開して外に出せるわ」

萃香「ん?なんか簡単っぽい?」

紫「だけど…もし失敗したら恐らく幻想郷は……」

文「私、幻想郷や魔界、彼岸などに知らせてきます」

紫「確かに数が多いに越したことはないけど…なるべく皆は巻き込みたくないわ…」

神奈子「でも、無縁塚であいつを止められなかったら幻想郷はどのみち巻き込むことになるよ」

紫「そうね…、じゃあお願いするわ」

文「わかりました!」

デヴァス「いつまで話している、さっき今世最後の話をしただろう」

霊夢「あんたは知らないかもしれないけど、今の幻想郷にはちゃんとルールに則った戦いをしなきゃいけないのよ」

デヴァス「何?ルールに則った戦いだと?」

霊夢「そうよ!スペルカードで戦わなくちゃなの!」

デヴァス「笑止、ごっこ遊びは地獄に行ってからするんだな」

魔理沙「確かに遊びかもしれないがこれが幻想郷のルールなんだぜ」

デヴァス「自分達の状況がわかっていないようだな」

霊夢「うっさいわね!これがルールなのよ!」

デヴァス「ルールは破り破られる為にある…1000年前のようにな!」

紫「!………」

幽々子「いい加減にしなさい、貴方は1000年前の事に囚われ過ぎているわ」

デヴァス「……当たり前だ、そのために復活したのだからな」

幽々子「何故未来を見ようとしないの?」

デヴァス「前に進むだとか未来を見るなどという戯れ言は本当の絶望に直面していない者が言う言葉だ!…さて、いい加減に話は終わりだ…」

幽々子「そう…わかったわ…」

霊夢「どうやらあんたの頭の中には復讐しかないみたいね」

魔理沙「復讐に囚われた奴の末路は悲惨だぜ」

レミリア「過去に縛られてる貴方に運命は変えられないわ」

神奈子「貴方がどれ程の実力かはわからないけど気持ちでは負けない!幻想郷は何があっても守るよ!」

聖「私も少し間違えれば貴方の様になっていたかもしれません…だから貴方を必ずその復讐心から救い出します!」

神子「私は貴方の心の欲を聴く事が出来ない、復讐は欲ではないからね」

さとり「私は戦いは苦手なんですけどね…この状況じゃそうも言ってられませんね」

萃香「久しぶりの強敵だ、わくわくするねぇ」

永琳「例え最後に一人になろうともこの幻想郷を守り続けるわ」

輝夜「貴方も不老不死ならわかるはずよ、過去も未来も無限にやってくるわ、過去に囚われる貴方はとても惨めよ…大切なのは今この瞬間よ」

紫「確かに私は1000年前に大罪を犯したわ…それでも!…私達の愛するこの幻想郷を壊すなら例えこの魂が朽ちようとも阻止するわ…それが皆の…貴方達の…幻想郷の為と信じているから!」


デヴァス「我々の1000年の時に積もった、この憎悪…悔恨…怨念を抱きこの地と共に眠れ!!!」


3章第3編 〜秘策の犠牲〜

紫「(なんとしても守護結界が張られるまで持ちこたえなければ…だけど…どうやって…)」

魔理沙「紫!危ないっ!」

デヴァス「まずは貴様からだ!八雲紫!………!?」

…?足を止めた?

デヴァス「……結界か…」

霊夢「そうよ」

デヴァス「…行動を読んでいたのか…流石だな」

霊夢「あら、それはどうも、じゃああと少しそこに居てくれない?」

デヴァス「残念だが、それは出来ないな」

デヴァスの周りに張られた結界が消えている…?あの子にそんな能力はないはず…寧ろ結界が苦手なはず…だからあの子の結界が…

霊夢「なっ!私の結界が…」

デヴァス「自分の弱点は全て対策済みだ」

なっ…!?…想像以上にまずいかもしれないわ…

魔理沙「よそ見してると危ないぜ!恋符『マスタースパーク』」

霊夢「ちょ…危なっ!」

デヴァス「ぐっ…!?」

霊夢に気をとられたわね…いくらデヴァスでも、魔理沙の十八番を喰らえばかすり傷位は…

魔理沙「やったぜ」

霊夢「私もろとも撃とうとしないでよ」

魔理沙「霊夢ならわかってくれるって信じてたぜ」

霊夢「全く…あんたは…」

デヴァス「今のは流石に効いたな…」

霊夢「……えっ?」

え?デヴァスの腕が…無い…?まさか魔理沙…

霊夢「ちょっと!どういうことよ魔理沙!もし私が当たってたら……」

魔理沙「(驚くところそこかい…)私はお前を信じてる、それだけだよ」

霊夢「……はぁ…呆れた…」

幽々子「いえ、魔理沙は間違っていないわ…あの子にいつも貴方達が使ってる“弾幕”なんて物は無力よ」

永琳「貴方の結界もいつものでしょ?だからすぐ破られたのよ」

霊夢「………わかったわよ…本気でやればいいんでしょ!」

さとり「魔理沙さんは本心から霊夢さんを信じている、そうよね…だから撃てたのよね…あの二人の心は読むまでもないわね」

デヴァス「(しかしどうしたものか…あの魔理沙とかいう人間…一体どうやってあの高密度高威力なエネルギーを瞬時に…八雲紫が後ろにいるのも気になるな…)」

魔理沙「どうしたんだ?あいつ」

霊夢「考え事でしょ」

魔理沙「あぁ、もう何がきたって驚かないぜ…」

デヴァス「…(禁術は……使うわけには行かないな)」

魔理沙「げっ、腕再生してるぜ…あいつ」

霊夢「そんな簡単にはいかなそうね」

幽々子「う〜ん、やっぱり不死っぽいわね」

萃香「でも、復活したてだからかな?鈍い様な…よし、レミリア、神奈子、畳み掛けるよ!鬼気『濛々迷霧』」

レミリア「私に命令しないでよね!紅符『スカーレットシュート』」

神奈子「はいはい、わかったよ。天竜『雨の源泉』」

デヴァス「……復活したてでも計算上では貴様らを倒すには充分の力量だ!重力『グラビティユニバース』」

…何故避けようとしないの?レミリアと神奈子の本気の弾幕を喰らえば………


くっ…凄い轟音ね…耳を劈く様だわ…

デヴァス「……なんて甘い攻撃だ…相手にならん」

レミリア・神奈子「!!!」

直撃で無傷!?そんな…魔理沙の攻撃は通ったのに…。いやまだ萃香がいるわ…だけど…

萃香「甘いのはお前だよ!」

デヴァス「気づいて無いとでも思っていたか?」

やっぱり接近戦は危険過ぎる…!!

紫「萃香!引いて!!」

萃香「ここまで来て引けないね!鬼神『ミッシングパープルパワー』四天王奥義『三歩壊廃』」

デヴァス「ぐっ…流石鬼と言ったところか…だがやはり当時より力が衰えているな!」

萃香「ぐぬぬ…」

デヴァス「…終わりだ!『ダウングラビティ』」

萃香「なっ…!?なん…て力…やはりこいつは……」

紫「萃香!!永琳!直ぐに手当てを…」

永琳「言われなくても……っ!!」

萃香「はぁ…はぁ……やっ…ぱり接近…戦では無理だ…ね…」

藍…まだなの…っ…早くしてっ!……

デヴァス「俺は今は死ぬ訳には行かない…例え倫理に背こうとも必ずこの幻想郷を滅ぼす!」

神子「……貴方は仮にも聖人だったはず…何故…何がそこまで貴方を…」

デヴァス「聖人…か…、そんな時期もあったな…思えばあの時が一番楽しかった…」

神子「貴方は幻想郷を本気で滅ぼすつもり?それを本心から言っている?」

デヴァス「当たり前だ、この幻想郷を許す訳には行かない」

輝夜「それは過去の話…終わってしまった事は仕方ないわ、時間は待ってはくれないもの」

デヴァス「そんなことはわかっている…ならば復活した俺はどうすればいい?今の俺には山にも里にも地底にすら俺の居場所はない!」

輝夜「それは…」

デヴァス「確かにあれは過去の話だ…だが俺の時間は1000年前で止まったままだ!ずっと、ずっと!ずっとな!!!終滅『万物終焉の儀』」

幽々子「!!あの攻撃はまずいわ!」

〜〜〜〜〜

それはほんの一瞬の出来事だった。
一瞬でそこは地獄絵図に変わった。
地形は原型を留めてなく、空は見渡す限りの暗曇、それはまるで幻想郷の終わりを告げる様だ。

幽々子「……皆、大丈夫?」

紫「数人はスキマで避難できたわ…でも…」

永琳「迂闊だったわ…」

聖「なんて無慈悲な攻撃…」

……霊夢、魔理沙、神子、輝夜、レミリア、神奈子…無事だといいのだけれど……

霊夢「あー!もう!なんなのよ!あいつ強過ぎじゃない!」

魔理沙「流石に今のは無縁塚以外にも被害は出てるよな…」

輝夜「当然よ、当時の幻想郷のほぼ全勢力でやっと封印出来たくらいなんだから」

霊夢「あれ?他はどうしたのよ」

魔理沙「でも、この瓦礫の山じゃ調べようがないぜ…」

あの子達は…いえ、今は信じるしか…。?瓦礫の音?

神奈子「今のは……参ったなぁ…はは……は…」

霊夢「ちょっと神奈子!大丈夫なの!?」

神奈子「私より…この…二人を…」

魔理沙「レミリア!神子!2人共重傷じゃないか…永琳!」

永琳「わかってるわ!早く2人をこっちに!」

神奈子「私も少し…休ませ…てもらうかねぇ…」

幽々子「まずいわね…このままじゃ…」

霊夢「あいつの姿も見えないわよ?」

魔理沙「…!?上だ!」

デヴァス「…流石に今は負荷が大きいな…」

…藍っ!早くして!このままだと…

???「紫様!」

紫「藍!?」

藍「時間がかかりましたけど終わりました」

紫「わかったわ、直ぐに結界を…」


3章第4編 〜失策と苦悩〜

藍「私がデヴァスの動きを止めますのでその隙に…」

霊夢「私も協力するわ」

魔理沙「おっと私を忘れてもらっちゃ困るぜ」

藍「では、3人で止めますのでお願いしますね」

紫「わかったわ…チャンスは1度ね…」

デヴァス「何を隠してるかは知らんが今更何をやっても無駄だ!」


藍「そんなもの、やって見なきゃわからない!式輝『狐狸妖怪レーザー』」

魔理沙「仇は取らせてもらうぜ!魔符『スターダストレヴァリエ』」

霊夢「やることはやるわ、結果なんて後からついてくるわよ!夢符『封魔陣』」

デヴァス「くそっ…やはりあの技は重過ぎたか…ぐっ…」

霊夢「今よ!紫!」

紫「デヴァス…貴方の野望もここで終わり…これで最後よ!!悠久『不滅八重結界』」

デヴァス「何!?結界だと!?…うがあああぁぁっっ!!!」

…………

藍「上手くいったのでしょうか…」

紫「手応えはあったわ…」

…………………

霊夢「…大丈夫みたいね」

魔理沙「やったぜ!異変解決だ!」

…………ま……だ…

転生『生死の倫理崩し』

デヴァス「…まだ死ぬ訳にはいかない…ここを滅ぼすまでは…っ!!」

紫「…そ…そんな……馬鹿……な…」

藍「どうやってここに…」

デヴァス「なるほど…今のが秘策の様だな…ならばこれで形勢逆転といったところか」

……参ったわ…私のあの結界はあの子以外には誰にも破れないはずなのに…それに、今デヴァスと戦えるのは治癒要員の白蓮、さとり、輝夜、永琳以外の5人…確かに形勢逆転ね…

デヴァス「さぁ、万策尽きた今、潔く滅べ…!」

霊夢「嫌よ、あんたなんかに幻想郷を滅ぼされるなんて私は嫌よ!神技『八方鬼縛陣』」

魔理沙「そうだな、幻想郷を滅ぼすってなら最後まで抵抗するさ!魔砲『ファイナルスパーク』」

デヴァス「ふっ…昔の俺でもそう言うと思うな……なら、全力でぶつかって来い!!!神格『マスターオーラ』」

紫「……やれやれ、やっぱりこうなるのね…」

藍「……紫様…」

紫「……私にもう一度だけ時間を頂戴…」

藍「ですが………わかり…ました…」

大丈夫よ…藍…いつか報いを受ける時が来るのは…わかってた……わかってた……から…

霊夢「痛っ!」
魔理沙「うわっ!」

デヴァス「相当修行を積んでいる様だが所詮は人間だな」

藍「それはどうかな。『狐狗狸さんの契約』」

デヴァス「なっ…ぐっ!」

霊夢「あんた…」

魔理沙「助かったぜ」

藍「(なんとかして時間を稼がないと)…私も加わる…」

霊夢「当たり前でしょ!大体来るのが遅過ぎるのよ!」

魔理沙「素直じゃないなー」

デヴァス「…ふっ…おもしろい…貴様らを見てるとあの時を思い出すな…」

霊夢「あんただって…道さえ間違えなければ…。体現『八百万の守護』」

魔理沙「私はお前と神社で夜空を見たかったぜ…でも…これも運命なのかな…。煌煇『太陽にも似たプラズマスパーク』」

藍「…幻想郷の事を考えての行動をとっている紫様とただ復讐しか考えていないお前を一緒にしないでもらいたい。幻神『飯綱権現降臨』」

デヴァス「そんなことはわかっている、だが俺はどうすればいい?貴様らとは違い仲間も、名誉も、未来もない…幻想郷は窮屈な場所だ。だが無駄死にしていった人、妖怪、そして仲間の仇を討たずしてどうして死ねようか、俺が死んでもここは滅ぶ、いや……滅ぼすっ!!!『重き惨めな棺』」

霊夢「なんて力…3対1なのに…このままじゃ押し負けちゃう…」

デヴァス「当然だ…今の俺には幾人もの人妖の怨念が宿っている」

魔理沙「くそっ…これまでか…」

〜〜〜〜〜

デヴァス「遂にこの時が来た…」

紫「…そんな…みんな……」

デヴァス「八雲紫!貴様を殺し、この世界を消し去れば、俺の役目も終わりだ…」

藍「そんなこと……させて…たまるか………」

デヴァス「何っ!?…ふっ…随分としぶといがもう戦えないだろう」

藍「……そんなこと…」

紫「藍…もういいわ…後は私に任せて」

藍「ですが…」

紫「いいの、それより霊夢と魔理沙を連れてここから離れて頂戴…」

藍「……無理はなさらず…」

デヴァス「逃がすと思っ…」

紫「させないわ。亡境『過去の時間旅行』」

………紫様………どうかご無事で…


最終章 〜過去の巫女〜

デヴァス「……また結界か…」

紫「あら、結界に何か思い入れでも?」

デヴァス「おかげさまで、どっかの人間の所為でな」

紫「私はあの子みたいな結界を張ることは出来ないけど、貴方をこの世界に閉じ込めておくくらいは出来るわ」

デヴァス「なんだと?閉じ込める?」

紫「…そうよ…ここは永遠の過去を遡る空間…貴方はここで永遠に生き続けるのよ!!!」

デヴァス「馬鹿か、貴様はどうする?」

紫「馬鹿よ、馬鹿だからこんなことしか出来ないのよ」

デヴァス「…これで罪を償ったつもりか?」

紫「まさか、これは幻想郷を守る為よ」

デヴァス「償う気はさらさらないということか…貴様は…」

紫「そうはいってないわ、私は裁かれなければならない…だけどあの子達が一人前になるまでは…まだ無理なの、それに貴方の裁きは強引過ぎるわ」

デヴァス「1000年もあって今更何を言い出すかと思えば……」

紫「あら、不老不死の貴方にとって1000年なんてあっという間だと思ったけど…」

デヴァス「俺が不老不死だと?何を言っている」

紫「え?……どういうこと?幽々子は確かに……」

デヴァス「何故だかは知らないがもう俺には能力は残っていない」

「……私よ」

紫・デヴァス「!?」

紫「初夢…!!!…貴方…どうしてここに」

デヴァス「まさかお前!俺の体を使って……!?」

初夢「お久しぶりね紫ちゃん、質問は一つずつにしてもらいたいねー」

紫「どうしてここに?貴方はもう…」

初夢「映姫ちゃんに我儘いっちゃった」

デヴァス「お前が俺の能力をあの亡霊姫に使ったのか…?何故そんなことを…」

初夢「そうよ、私が幽々子ちゃんに貴方の能力を使ったのよ、……貴方を死なせない為にね」

デヴァス「……あれは全て演技で最初から全部わかってたという訳か」

紫「死なせない為?……何故そんなことを…その所為でみんなは…」

初夢「全部見てたわ、後悔はしてた、だけど、どうしても復讐心の底にいる貴方を助けたかった」

紫「でも…」

初夢「まぁ、みんな助けたいんだけどね、だってみんなが傷つく理由なんてないんだもん、だけど私じゃ力不足だったよ」

デヴァス「…戯けが…皆が傷つかない平等な世界などあるものか」

初夢「そう、平等は不平等だからそんな世界はない、でもね、だからこその幻想郷だと思うの」

紫「どういうこと?」

初夢「私は幻想郷は平等だと思ってるよ、今も、昔もね」

デヴァス「さっきから意味のわからないことを…時間稼ぎをしてなにになる」

初夢「そういうつもりはないけど、貴方が幻想郷を滅ぼすっていうなら私は平等な世界を守る為に不平等な事をするって事よ」

紫「貴方と私がいればきっと…いや…やって見せるわ!」

デヴァス「確かに昔は貴様らに苦戦させられたものだ…だが片や魂だけの神霊…片やルールに縛られ落ちぶれた賢者…。俺の復活したてというビハインドを入れても俺の勝ちはわかり切っているな」

初夢「貴方はいつもそう…物事の本質が…本当にやらなきゃいけない事が見えていない…。倫理『無明世界の常識』」

紫「私の愛する世界を壊させはしないわ。勝ち負けなんてどうでもいいの、…これで本当に最後…。非常識『光明世界の道徳』」

デヴァス「裁きを受けるや助けたい…貴様らが並べる言葉はいつだってそんな事ばかりだ。無能な貴様らの所為で……決して赦しはしない……っ!!!時空終焉『力の犠牲よ、天元へ』」

初夢・紫「はああああぁぁぁっっ!!!!」

デヴァス「うおおおぉぉぉぉっっ!!!!」

〜〜〜〜〜

霊夢「う、う〜ん…」

魔理沙「霊夢ー起きろー」

霊夢「…はっ!紫っ!?」

藍「紫様は…」

〜少女説明中〜

魔理沙「嘘……だろ…」

霊夢「……そんな…」

永琳「……仕方ないわ…」

霊夢「仕方ないってどういうことよ!紫は死んでもいいの!?」

永琳「………」

輝夜「でも、紫が囮になってくれなければ被害はさらに拡大してたよ」

魔理沙「なんだよ…それ……幻想郷か紫を選べってのかよ…」

輝夜「私だってどうしたらいいかわからないよ…」

幽々子「あの時から紫はずっと自分を責めていたわ…。先代を死なせてしまった事…幻想郷の均衡を崩した事…そして…彼を絶望の淵に落としてしまった事…」

聖「今度は自分が命を犠牲にしてあの方を絶望の淵から救うといった所でしょうか…」

幽々子「差し詰め、そうでしょうね…」

霊夢「なによ…それ……私は認めないわよ…っ!!『夢想天生』」

永琳「霊夢っ!だめよ!」

魔理沙「待て永琳…行かせてやるんだ…」

永琳「お前は霊夢まで死なせるつもり!?そんなこと…彼女は望んでない!」

魔理沙「そうじゃない!」

輝夜「永琳…言っても無駄だと思うよ…」

永琳「………わかったわ」


最終章1編 〜二つの約束〜

霊夢「どこなの紫…っ!…………!強い妖気!向こうね!」

〜〜〜

紫・初夢「…………」

デヴァス「……俺が…」

紫・初夢「!」

デヴァス「俺が間違っていたのか…?」

紫「えぇ、そうよ」

デヴァス「ならば、俺はどうすればよかったんだ…」

紫「……それは…」

デヴァス「復活した時…俺には記憶以外何も残っていなかった…」

紫「…」

デヴァス「…どうすればよかったんだ…みんなを守るには……二人を…守るには…」

初夢「いや、貴方は何も悪くないわ。悪いのは全て私達よ、1000年前も…今も」

デヴァス「…そうか……悪い奴は…倒されなきゃいけないのがこの世のルールじゃなかったのか……全く…頭に来るな…自分の無力さに…」

紫「………ごめんなさい…」

デヴァス「謝罪なんて聞き飽きた…俺は羨ましかったんだ…幻想郷で…自由に生活している…お前らが…だけど…もう……いいんだ…」

紫「……約束する…貴方の愛した幻想郷を…必ず私が守る…」

デヴァス「…約束…か…。…ふっ、破ったら今度こそ幻想郷を…滅ぼすから……な…」

初夢「その時は私も協力するよ」

デヴァス「……ははは…それは心強いな…、……そろそろ二人の所に逝くかな…」

………………

初夢「終わったわね…」

紫「私は…また…罪の無い者を殺めてしまった……」

初夢「過去には戻れないよ、でも私達とは違って紫ちゃんには未来がある…。貴方は1000年前の事…今日のことを背負い続けなければいけないよ…それが罪滅ぼしだからね、後、幻想郷を二の舞にしない事だね。今度やったらほんとに彼の味方しちゃうからね!」

紫「……わかってる…貴方もありがとう…まさか死後も助けて貰えるなんて思わなかったわ…それと…ごめんね…」

初夢「いいって!気にしないでよ!それよりどうやってここから出るのん?」

紫「あ…」

初夢「あちゃー…そこまで考えてなかったの」

紫「どうしよう…」

初夢「うーん…方法はあるけど…さっきので力使い切っちゃったよ…」

「………り…っ……」

紫「ん?何か聞こえない?」

初夢「なんか聞こえるね」

…………………

霊夢「紫っ!」

紫「れ、霊夢っ!?」

初夢「あら」

紫「なんでここに…」

霊夢「藍から聞いたわ…デヴァスは?」

紫「…全く藍は…まぁ今日は大目に見るわ…」

初夢「お涙頂戴の所悪いけどちょいいい?」

霊夢「あれ?あんたがデヴァス?」

紫「えっとね…」

〜少女説明中〜

紫「…ということなの」

霊夢「……そうだったんだ。デヴァスは……いや、なんでもない」

初夢「彼なら大丈夫だよ、まぁ紫ちゃんが約束破ったら幻想郷消えるけど」

霊夢「えええええ!?ってか約束って?」

紫「内緒よ」

霊夢「またあんたは一人で抱え込んで…」

初夢「そうよそうよ、いつも一人で抱え込んじゃって」

霊夢・初夢「ねー」

紫「いつの間に仲良くなったのよ貴方達…」

霊夢「…まぁ、それで?どうやってここから出るの?」

初夢「えっとね…」

〜少女説明中〜

初夢「…というわけよ」

紫「…(あれ?デジャヴ?)」

霊夢「あーなるほどね、それなら私にも出来る」

初夢「じゃ、頑張ってねー」

霊夢「え?あんたはどうするの?」

初夢「……私はちょっと用がねー…」

霊夢「……そう…」

初夢「そんな暗い顔しないでよ、霊夢ちゃん!また会えるよ!」

霊夢「……わかった…じゃ…う、初夢…。帰依『愛しき幻想郷』」

初夢「ばいばい!霊夢ちゃん!紫ちゃんもお元気でね!」

紫「…貴方こそ…元気でいなさいよっ……!」

霊夢「さぁ、帰るわよっ!」

……………

霊夢「お、上手くいったみたいね」

紫「あぁ…幻想郷だわ…」

魔理沙「二人とも帰ってきてよかったぜ!」

聖「ご無事だったんですね!!」

永琳「本当に…よかったわ…」

紫「心配かけてごめんなさいね…」


最終章最終編 〜異変の後といえば…〜

紫「……という事よ」

霊夢「……で、なにこれ」

魔理沙「あぁ、お前が行った後に文が帰ってきたんだ」

霊夢「幻想郷最速とはなんだったの、それでなんでこんな事になってるのよ」

魔理沙「あぁ、帰ってきたのは文だけど、来たのは幻想郷全員だぜ」

霊夢「そこじゃなくて」

魔理沙「まぁ酒の席だ、細かい事は気にせずに飲もうぜ」

霊夢「もう、大変だったのに」

魔理沙「でも、話を聞くとあいつも可哀想な奴だったんだな…」

霊夢「そうね…魔理沙は正義ってなんだと思う?」

魔理沙「なんだよ、藪から棒に」

霊夢「いいから」

魔理沙「正義……ねぇ、正しい事を言う奴が正義じゃないかなぁ」

霊夢「そうよね…でも、今回は違ったわ…」

魔理沙「まぁ、正義の定義ってのは人それぞれって言うしな」

霊夢「個々の正義と正義がぶつかったらどうなるんだろう…」

紫「あらあら、難しい話なんかしちゃってどうしたの?」

霊夢「紫はどう思う?正義について」

紫「随分と漠然とした質問ね…」

魔理沙「じゃあ、紫にとっての正義って何なんだ?」

紫「私にとっての正義……強さと……優しさかしらね…」

霊夢「強さと優しさ…」

魔理沙「紫らしいな(前者は)」

紫「はいはい、みんなの所に行くわよ、待ってるんだから」

萃香「おー!やっときたー!」

レミリア「吸血鬼を炎天下に待たせるなんていい度胸ね」

霊夢「あれ!?あんたら大丈夫なの!?」

幽々子「仙z…

魔理沙「それ以上はいけない」

永琳「幸い急所に傷はなかったから特効薬を大急ぎで作って、治したわ」

輝夜「えーりん頑張ってたよねー」

紫「………(やっぱりあの子は…)」

幽々子「どうしたの?難しい顔しちゃって」

紫「え?えぇ、な、なんでもないわ」

幽々子「今私、紫と同じ事考えてる気がする」

紫「……そう…」

幽々子「思い詰めても仕方ないと思う…今を楽しみましょ」

紫「そうね…そうよね!よ〜し今日は飲み明かすわよ〜!」

幽々子「ふふ、付き合うわ」


……………

デヴァス「全く、紫の奴、あんなんでいいのか?」

初夢「心配ないって、紫ちゃんが道を間違えそうになったら仲間が導いてくれるよ」

デヴァス「仲間……か…。全く…本当に羨ましい奴だよ…お前は」


〜完〜
終わりです!
まぁ、初だし初心者だし色々と仕方ないよね、よね…
前半に調子乗って後半身動き取れなくなったのは内緒。
駄菓子菓子!これも計画通り()
結構原作崩壊だったです
最後は難しい事書いて〆ようとしたら見事にパターン入りました
矛盾も多かったです…。
聖、輝夜、文は本当にすいません…

でもまぁ、最後まで読んでくれてありがとうございました!!
みずあめ一心
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
良かったです
結構面白かった
2.名前が無い程度の能力削除
良かったです
結構面白かった
3.名前が無い程度の能力削除
良かったです
結構面白かった
4.名前が無い程度の能力削除
最後なんか中高生の時に妄想したなぁってかんじ。懐かしかったよ。でも東方二次創作サイトで次つぎにキャラクター紹介みたいなのをやられたらやっぱ疲れちゃうね。必要だったんだろうけど。

あと、独特な句読点の打ちかただよね。
あなたの文章はすぐにあなただってわかっちゃいそうだねうん。
5.名前が無い程度の能力削除
すみません、初めの方でもう読むの断念したんですが、「知慈」って何て読むべきなんですか?
主人公の名前の読みが分からないってのが、私にはすごく苦痛で……オリキャラの一般的でなさそうな名前はよほどの伏線がない限りは、読み仮名を最初に振る方がよいかと。(そんなに気にならないという人は多いかもしれませんが)

あと、最後の方だけ観察したんですけど、地の文が無さすぎて……そんなに地の文嫌いですか?
戦闘シーンこそ地の文で丁寧な描写をすることが必要だと思います。
スペカの名前だけ飛び交っている意味の分からないシーンが面白いと主張できる人はそう多くはいないと思います。

設定自体は悪くなさそうだと思いました。せっかくのキャラクター達ですから、深い描写をしないともったいないんじゃないですかね?
6.みずあめ一心削除
知慈は「かずし」と読んで頂ければいいです。わかりにくくてすいません…
助言ありがとうこざいます!地の文の練習をしようと思います。
7.みずあめ一心削除
知慈は「かずし」と読んで頂ければいいです。わかりにくくてすいません…
助言ありがとうこざいます!地の文の練習をしようと思います。