Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

お仕事したいの!

2012/10/07 14:28:53
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 緩やかに流れる穏やかな風を受け、鮮やかな緑の髪を微かになびかせながら、風見幽香はふわふわと歩く。
 浮いているのではなく、無論、小粋に足を弾ませている訳でもない。
 けれど、その様を敢えて表せば、ふわり、ふわり。
 風は、辺り一面にも及び、近頃ぐんぐん伸び始めた花々を揺らす。
 揺られる度、その無数に咲く一種の花からは鮮やかな黄色の粉が舞った。

 幽香は歩く。粉が服に、髪に、肌につくのも構わず、歩く。

 一面を覆う花々を眺めながら、幽香は、太陽の畑の向日葵畑を日がな一日飽きることもなく、過ごしている。



「……暇ね」



 訂正。
 過ごしていた。
 歩みを止め口に手を当てる。

 ふぁぁと気の抜けた音が指の隙間から零れてさえいた。

 幻想郷でも有数の大妖である幽香は、事実、数年前まで、この黄色い楽園で飽きる事なく日々を重ねていた。
 来る日も来る日も、陽に焦がされ、風に揺られ、花を眺めていた。
 時には、戯れに人間の里へと出入りした事もある。
 極稀にそんな酔狂な行いもしたが、彼女は概ね、この地でヒトリ、過ごしていた。
 何もできないのではなく、何もする必要がない。

 漫然と流れる時間だけが友人だった。

(屋台に行ったのが一週間前……)

 幽香の静かな日々を変えたのは、小さなモノたち。

(三日前にあの子たちが来た……)

 可愛らしい宵闇の少女。麗しい蟲の王。賢しい夜雀。そして、そして。

(……うん。ルーミアっぽいのが夢に出てきたし、何かの暗示よね。今日は私から行きましょう)

 気がつけば、静寂と過ごす時間は短くなっている。

 ――ヒトリきりだった‘向日葵畑の風見幽香‘は、もういない。

(メディスンも誘って……いえ、あの子は確か、樹海の方に習い事だったわね。んー……?)

 傍にいるモノたちが軒並みちまっこい気もするが。

 首を振り、可愛らしくも麗しく、それでいて賢しい少女達たちを思い浮かべる。自然、微笑が零れた。

 ふわり。
 跳ねるように浮かびあがる。
 幽香は、‘向日葵の様な‘風見幽香は、穏やかな風に乗り、空を舞った。

 頭にぼんやりと浮かんだ小さな綻びは、胸をちくりと刺した微かな痛みは、とりあえず何処かの片隅に置いて――。





 暫くして。日が昇りきる前に、幽香は、半ば皆の寄り合い所と化している屋台へと辿り着く。
 空から見えるのは、屋台の椅子に座る宵闇の少女とその傍に立つ蟲の王。奥は見えない。
 風の流れを読み切り、幽香は静かに地へと足をつける。

「おはよう、ルーミア、リグル」

 とん、と軽やかな音が鳴った。

「あ! 幽香だ、幽香、おはよう、ゆーかぁ!」
「と。相変わらず呆れる程の熱烈な歓迎ね」
「ふふ。満更でもないんじゃない?」

 両手を広げ飛びついてくるルーミアを抱きとめつつ、挨拶の代わりとばかりに囃すリグルへと苦笑を浮かべる。
 前者には何時も通りの満面の笑みを、後者からは普段通りの優しい微笑みを返された。
 幽香は肩を竦め、首を振る。

 この程度の反応でどうこうなるのならば、端からどうもこうもならなかったのだ。

 頭りを止め、視線を奥に向ける。この場にいるもうヒトリと目が合った。

「あぁ……クールを気取ってた幽香も今ではこんなにもろりこ痛い痛い痛い!?」
「うふふ。まずは挨拶でしょう、ミスティア・ローレライ」
「はぅあーゆー!?」

 幽香より放たれた弾幕をカウンター越しで全被弾しつつ、夜雀が叫んだ。挨拶違う。

「I`m fine.And you?」
「No! I`m not in vigour!」
「Well very! でも、当然よね。弾幕浴びたんだもの」
「わかってるなら聞くな! おはよう!」
「ええ、おはよう」

 物騒な挨拶と思うなかれ。大体がこんな調子なのだから。

 ぷりぷり怒るルーミア――そう、ルーミアが怒っている。ミスティアは慣れたもので気にしてすらいなかった――の髪を撫で宥
めつつ、幽香は、そう言えば、と視線だけを左右に動かしつつ、問う。

「橙やチルノは?」

 化け猫、橙。氷精、チルノ。両名とも、この寄り合い所によく来るメンバーだ。例にもれず、ちまっこい。

「橙はお仕事だって。昨日、紫や藍に見てもらえるって喜んでたわ」
「結界の補修ね。仕事じゃなくて練習みたいなものだって」
「まぁ、そんな難しいのはまだできないみたいだしねぇ」

 代わる代わる口を開く少女たち。
 聞きながら、幽香は密かに眉を顰めた。
 向日葵畑をたつ直前に感じた何かと同じように、胸が微かに締め付けられる。

「……そう。チルノも、今日は来ないのかしら?」

 気取られぬよう相槌を打ち、もう一名について尋ねる。

 問いに、ルーミアは首を振った。

「あ、撫でられるの、嫌だった?」
「相変わらず臆病も痛い痛い痛いっ!」
「じゃなくて、少ししたら来る筈よ。もう!」

 友人に対する乱暴な行為に、頬を膨らませる。

 幽香は口を覆い視線を逸らした。彼女とルーミアでは身長差があり、つまりは見上げられている。ちょっと直視できない。

「あの、幽香。ミスチーの残機がごりごり削れていってる」

 微苦笑しながら嗜めるリグル。
 視線を逸らしたとは言え、幽香は弾幕を放ち続けていた。
 ルーミアが本格的に怒る前、ミスティアがカウンターで突っ伏す直前、手を振り力を散らす。
 とは言え、小癪な夜雀に配慮をしたわけではない。
 ん、と小さく伸びをするリグルに気を取られたからだ。
 彼女の足元には、小振りな木製のアタッシュケースが置かれていた。

 ルーミアの髪を最後に一撫でし、幽香はリグルに話を振る。宵闇の少女は屋台の奥へと引っ込んだ。

「あー、リグルも、もしかして……」

 ちりちり、ちりちり。
 また、胸が小さく痛む。
 奇妙な焦燥感に駆られながら、幽香はそれでも平然とした態度を崩さない。

 大妖である幽香が意識して隠す感情など解る筈もなく、リグルは丸めた拳を己のこめかみにあて、応える。

「うん。私も是から、ちょっと……」
「じゃないでしょ? 新規さんとこにも行くんだし」
「まぁね。白玉楼の方に寄ってみようかなって思ってる」

 敵わないとばかりに首を振り、ミスティアに笑みを向けるリグル。
 ミスティアが、肩を竦めておどけて返す。
 『敵わないのはこっちだっての』――真意は未だ、伝わらない。

 ともかく、蟲の王たるリグルの、眷属の地位向上を狙った『蟲の目覚まし』サービスは、今尚続けられていた。

「……甲斐はあったのかしら」
「ほどほどにはね。でも、もっと頑張らないと」
「今年の流行、羽根型の模様だってさ。呑みにきた里の娘さんたちが言ってた」

 リグルは照れ笑いを浮かべる。

 普通の人間について平然と語るミスティアに軽く眩暈を覚えつつ、幽香は静かに近づき、耳打ちした。

「それ、女の子の?」
「にゃ、どっちも」
「人間って……」

 どこぞのなにがしに『気持ちの悪い妖怪』と無碍もなく評されたリグル・ナイトバグは、もういない。

 貴公子然としたリグルの言動は人妖問わず少女たちのハートを掻っ攫い、初めの頃はやっかんでいた少年たちをも虜にしていた。
 『自覚がないから性質悪いよねぇ』とはミスティアの弁。
 全くだ、と珍しく幽香も同意した。

 ひそひそと話すフタリだったが、ふと、同時に目を手で覆う。陽の光が突然、明るくなったように感じたのだ。

「ミスチー、幽香、それと、ルーミアも! ――じゃあ、行ってくるね」

 颯爽と浮かび上がり、微笑むリグル。太陽にさえ愛される蟲の王。フタリは同時に慄いた。

「……あー、ええ、行ってらっしゃい」
「最初何処だっけ。まぁいいや、気を付けてね」
「ありがと。――初めは、麗しの眠り姫を起こしに、だよ」

 永遠亭の姫君、蓬莱山輝夜の事である。
 何時の間にか落としていたらしい。
 訂正、契約していたようだ。

 輝く陽光にマントと彼女自身の薄い色合いの羽根を照らされるリグルを見送り、幽香は思わず、呟いた。

「あぁ……リグル、貴女が眩しいわ」

 低くした笑い声が向けられ、袖を引かれる。

「おや。幽香さん、惚れちゃった?」
「ご冗談を。貴女こそ妬いたんじゃなくて?」
「うーん、リグルにお姫様なんて言われても嬉しくないなぁ」

 軽口に軽口で応えると、その返答は割と素なものだった。

 そうだったわね――リグルが飛んでいった方へと未だ視線を向けるミスティアに、幽香は小さく肩を竦める。

 暫く互いに口を開かない。ミスティアはリグルを、幽香はそんなミスティアを、眺めていた。

「――と、私もぼぅっとしちゃいられない。今日、忙しいんだ」

 先に動いたのはミスティアだった。
 くるりと振り向き、「忙しい、忙しい」と声を出す。
 わざとらしい急きように、幽香は微かに目を細める――あぁ、貴女は本当に……。

 だが、笑えなかった。内心でさえ笑えなかった。
 じくりじくりと心が責められる。
 何に? 何故?

 賑やかなミスティアに気取られぬよう、幽香は小さく息を吸い、吐く。少しばかり楽になった。

「そう、忙しいの」
「あ、うん、急に暑くなったじゃない?」
「兆候はあったわよ。梅雨が明けて向日葵が咲いて」

 やかまし、と苦笑で遮られ、ポケットから一枚の半紙が取り出される。

「えっと、一時から『呑んべ友の会・里支部』、三時から『商店連合』、五時から」
「いい。もういい。人間って……」
「まぁまぁ」

 額に手を当て大きく息を吐く幽香に、ミスティアはにこりと笑う。

「夜雀屋台は大繁盛、ってね」
「当初の目的、忘れてない?」
「ドレスにはまだ届かない」

 違うでしょ――刺すような半眼は受け流され、かかと鳥が笑った。

 夜雀ミスティア・ローレライは、同胞が鳥たちの危機を救うため、『焼き鳥撲滅』を掲げ八目鰻の蒲焼を提供する屋台を立てた。
 知力の面で鳥頭とも揶揄された彼女だったが、それはもう、今は昔。
 知識の半獣、策士の九尾の教えを受け、既に経営者としては十分な能力を持っている。

 何かある度に口を出し、その都度、打ち倒され吹き飛ばされもがき喘いでいるのは、ご愛嬌。

「なんやかんやと原価もあがってきているこのご時世、価格据え置きだとなかなか貯蓄に手が回りませんわ」

 違うってば――刺すような弾幕が幽香の掌で蠢き、放たれる。

「どぅどぅ」

 手で制止を示され、幽香は力を散らした。

「勿論、忘れてないけどさ。
 一旦根付いた文化って、そうそうなくなるもんじゃないからね。
 特に、食ってのは三大欲求の一つなんだし、息まくだけじゃどうもならんよ。
 だから、むしろ、地道に地道にやるのが一番いいと思うんだ。
 うん、根気勝負だね」

 事の成否はどうあれ、彼女は彼女なりの考えがあり、実行している。
 故に、幽香は手を数度打った。嘲笑でも揶揄でもない。
 称賛の意志だけが込められていた。

 ずきん、ずきんと再び痛みだした心は、無理をして無視する。

「や、あはは、格好つけたけど、実際、お客さんに来てもらえてるから余裕もあるんだと思う。
 妖怪でも人間でもさ、やっぱり、美味しいって言ってくれると嬉しいからね。
 あぁ、忙しいんだってばこんちくしょう、氷箱も用意しておかないと!」

 照れを隠し、まくしたてるミスティア。言うが早いか、どたばたと屋台の裏側に向かう。

 幽香は叫ぶように、声をかけた。

「そ、そぉ! ねぇ、良かったら、私、氷を持って――」
「や、チルノが来てくれるから大丈夫だよ?」
「チルノまで!」

(チルノまで――と言うの!?)

 幽香の心は、もっと正確に捉えると鼓動は、今や早鐘の様に忙しなく鳴り続けている。
 痛みは遂に頭にまで上り、叩きつけられた銅鑼もかくやと言う音を立てていた。
 ずきんずきんずきんずきん、ぐわぁんぐわぁんぐわぁんぐわぁん。

 堪らず額を押さえる幽香だったが、ぷんと甘い匂いが鼻を掠め、視線を向ける。
 先には、ミスティアと代わる様に屋台から出てきたルーミアがいた。
 心配げな表情で此方に歩み寄ってくる。

(あぁ! そう、そうよ!
 私にはルーミアがいる! 可愛らしい宵闇の少女!
 さぁ、今日は何をして遊びましょう、弾幕ごっこがいいかしらん!?)

「それとも、八目鰻の蒲焼屋ごっこ……って、え?」

 感極まり抱きしめようとした両腕は、しかし、避けられた。

 ルーミアが、手に持つ少しばかり歪な蒲焼を振り、口を開けるよう示した。

「あーん」
「はい。――ね、幽香、どうかな? 美味しい?」
「んぅ……少し炙り過ぎかしら。それに、タレもつけ過ぎね」

 評価に、ルーミアはむぅと唸り、珍しく眉根を寄せる。
 手厳しい言葉に怒りを抱いている訳ではない。
 自身の未熟に向き合っているのだ。

 口を拭う幽香の動きが止まる。
 この時点で、彼女はもう、気付いていた。
 ルーミアの表情の意味を。その先にある、眩し過ぎる決意を。

「あ、ルーミア、今日はいいよ?」

 ミスティアがひょいと顔を出し、ルーミアに視線と言葉を向けた。
 屋台の陰からの狭い視界では、宵闇の少女の後ろ姿と花の大妖の顎ほどしか捉えられない。
 だから、賢しい彼女にして、幽香の表情はわからない。見えてすらいないのだから仕方ないだろう。

「よくない。約束だもん」

 一方、声をかけられたルーミアもくるりと振り向いた。故に当然、幽香の表情は視界に入らない。

「そう、うふ、ルーミアも、そうなのね。うふふ」

 つまり、虚ろな微笑みを浮かべる幽香を、幸か不幸か、誰も見ていなかったのであった。

 瞳すら色をなくしていく幽香の耳に、しかし、彼女の愛する少女たちの会話は否応なしに飛び込んでくる。

「いやうん、有難いんだけどね。でも」
「ミスチー、……私じゃ、ダメ? ダメなの?」
「うぉ、誰だ、ルーミアにこんな煽情的な言い方教えた奴ぁ!?」
「困ったら使ってみなさいって。大ちゃんが」
「ちくしょう、やっぱりか!」
「ミスチー、私、遊びじゃないの、本気なの」
「わかった! わかったから目を潤ませないで!?」
「えへへ、ありがとう、ミスチー! 大好き!」

 ちりちり、ちりちり。

「へいへい。ま、有難いのはこっちなんだけどね」
「忙しいもんね。うん、頑張る!」
「あはは……対価、払えるかなぁ」
「もう、そんな事気にしていたの? いらないってば」
「だぁめ。幾ら友達でも、そういうのはきっちりしないとね」
「むぅ」
「ほっぺた膨らまさない」

 ずきんずきんずきんずきん、ぐわぁんぐわぁんぐわぁんぐわぁん。

「ん。ミスチー、でもね、お礼を言うのは私なんだよ?」
「なんでよ」
「だってね、だって!」

 言葉は杭に、表情は鎚となり――



「お仕事をした後のご飯って、とっても美味しいのよ!」

 ――打ちつけられ、幽香の核を、貫いた。



「あ、だから、対価は蒲焼でいいよぅ?」
「元からお金取ってないって。それにさぁ、酷いね。仕事してからじゃないと美味しくない?」
「あ、あ、そんな事ないわ、美味しいわ。ね、幽香、お仕事しなくても、ご飯、美味しいわよね!?」

 駄目押し。

「ね、ね、幽香? ――大変! 口から血が!?」
「是はタレですわルーミア。ウフフ」
「……どったの、幽香?」

 尋常でない気配を言葉から察知し、ミスティアが訝しげに尋ねた。
 だが、応えるモノは大妖である。幾ら賢しくなったとはいえ、妖怪の中でも若年のミスティアに、早々後れを取ることはない。
 つまり、幽香は、ミスティア及びルーミアの怪訝な表情を真っ向から受け止める。しかも、尚、平然とした態度を保っていた。

 来た時と同様に軽やかに浮かび上がり、幽香は、言う。

「なんでもないわ。――貴女たちは忙しいようだから、今日は他の連中の所に行くわね。それじゃあ、また」

 手を振り、右に揺れ、左に揺れる。
 結局、進路を東に定めた。
 幽香は、飛んだ。



 その速度が、何時ぞやの事件の時とはうってかわって、‘天狗もかくや‘程度だったのは、彼女にして不可抗力であった――。





「遊びじゃないの! 本気なの! ねぇ、お願いよぉ!」
「煩い。喧しい。目が回るから揺らすな!?」
「聞いているのっ?」

 屋台から離脱し、幽香が一目散にやってきた所は、幻想郷の最も東。

「霊夢!?」

 ――結界の社こと、博麗神社だった。

 何時も通り縁側で茶をすすっていた神社の当代巫女、博麗霊夢に、幽香は両手を広げ突っ込んだ。
 接近に気付き顔を上げる霊夢の肩を掴み、前後に揺さぶる。
 鬼気迫る表情であったと言う。

「あー……とりあえず、情けない顔してないで、ちゃんと話しなさいよ」

 幽香の目にも涙。え、泣いてる?

 鼻を一度鳴らし、俯きながら、幽香は事情を語りだす。

「ミスティアが……屋台をやっているのは知っているわよね?
 ルーミアやチルノも、手伝いをするそうなの。
 橙は、八雲の紫と藍に連れられて、結界の補修作業。
 リグルも自分の仕事をしているわ。
 無名の丘のメディスンは、てってこてってこ樹海に行って、おべんきょ中」

 震える声が次第に軽やかになり、最後の下りは、さも歌うようになっていた。

 しかし、一旦ぴたりと口を閉じる。

「……で?」

 半眼の霊夢に促され、幽香は続けた。



 否、叫んだ。

「聞いていたでしょう!?
 知り合いとは言え妖怪とは言え、あんなちまっこい子たちが働いているのよ!
 なのになのに、この私、風見幽香はどうだと言うの!? だから――お仕事したいのよーっ!」



 同時、幽香は顔を上げ、再び霊夢の肩を激しく揺さぶった。がっくんがっくん。

「私だって一日の苦労を語りながら、
 『大変だけど、やりがいもあるし悪くはないわ。この一杯も含めてね』
 とか微笑を浮かべて〆て、気前よく『釣りはいらないわよ?』って大人の対応をしてみたいの! わかるでしょう!?」

 因みに、ルーミアたちと同じく、普段、幽香は屋台での飲み食いの代金を請求されていなかった。

「……はっ!?
 しかも、しかもよ、霊夢!
 わ、私、このままじゃ、『幻想郷のフサさん』って呼ばれちゃう!?」

 浮かんでしまった自らの閃きに、幽香の目が、かっと見開く。

「誰よフサさん」
「ロリ・オタ・プーの」
「あ、いい、いいわ。聞きたくない」

 頭を抱える幽香に返ってきたのは、冷たい拒絶の言葉だった。

 少し検証してみよう。
 前述の通り、普段、幽香の傍にいるのは、軒並みちまっこい者たちだ。
 また、彼女は屋台を経由して、幻想郷の外の書物、所謂漫画を暇つぶしによく読んでいる。
 そして、自身が散々言っているが、取り立てて何かの仕事をしている訳ではない。
 ……さて、お解り頂けただろうか。

 つまり、幽香は、‘向日葵の様な‘風見幽香は、『幻想郷のフサさん』と呼ばれるに値する存在だったのだ――!

 おぅ、しっと。

「いぃぃぃやぁぁぁぁぁ!
 だからお願い、お仕事頂戴!
 助けると思って、ねぇレイやん!?」

 がっくんがっくん。

 頭を前後に揺らされつつ、どうしたものかと悩む霊夢。
 流石に、この有様の幽香を放ってはおけない。
 仮にも彼女は大妖と呼ばれる者なのだから。

 自身を、そう納得させる。恐らく彼女は、誰であっても、何らかの理由を探しただろう。

 小さく息を吐き、両肩を掴む手を払い、霊夢は真っ直ぐに視線を合わせる。

「……あんた、何ができるのよ?」

 とは言え、ぬけぬけと『弾幕』などとほざいたら、一刀の元に切り捨てる算段ではあった。

 幽香の表情が輝く。
 希望の光を見出して、それはもう嬉しそうだ。
 その様に、呆れや悲しみがごっちゃになった感情を、霊夢は抱いた。

 どうにか押し殺し、返答を待つ。

「家事なら任せて!
 そうだ、貴女が雇ってくれたら万事解決じゃない!
 お昼御飯に境内の掃除、風呂焚きまで、なんでもするわよ!?」

 意外な事実だ。
 だが、霊夢は顔を逸らした。
 『最凶の妖怪』とまで呼称される幽香が、喜んで家事手伝いをすると言っているのだ。

 ちょっと涙を禁じえない。

「あー……それ無理」

 しかも――そう、しかも、ここまで言わせておきながら、霊夢に幽香を雇うことはできなかった。

「境内、もう掃除しちゃったのよ。
 ……って言うだけじゃなくて、家事手伝いで人を雇えるほど、ウチも潤沢って訳じゃないし。
 あんた、仕事をすることだけが目的じゃないでしょう? その結果として、お給料が出なきゃ意味がない」

 違う?――問う代わりに首を傾げると、幽香も言葉なく頷きを返した。
 だけでなく、項垂れてしまった。
 しょんぼりしている。

 デモンストレーションではなく、霊夢は目頭を押さえた。

 じぃ、じぃ、と蝉が鳴く。
 一匹一匹の場所がある程度把握できるほど、静かだ。
 無為に過ぎる時間が数秒か数分なのか、一人と一妖にはわからない。

「あー……」

 先に、嘆息混じりの言葉を発したのは霊夢だった。

「私の仕事を代わりにやってもらえるようなら、お願いしたいところなんだけど……」

 尻すぼみになっていったのは、酷なことを言っていると自覚しているからだ。

 霊夢の仕事とは、巫女の務め。
 それも普通の巫女のようなものではなく、博麗の巫女の務めだ。
 つまりは、幻想郷と外との結界の管理や補修のことを言っている。
 彼女が知る限り、そんな芸当ができるのは八雲一派だけ。
 しかも、彼女たちにしたところで完全に同じ質の仕事をするのは、恐らく無理だろう。

「私にだって、結界の一つや二つ……」

 だから、幽香の返答に、霊夢は心底驚いた。

「できるの? 防御結界とかじゃなくて、境界を弄ったりよ?」
「そ、そうね。厳密に言えば、結界じゃなくて境界よ」
「だったら、一度……って、ちょっと」

 勢い込んで続けると、後ろめたいことでもあるのだろうか、幽香が顔を逸らす。

 ぷぃす。

「少年と男の境界、とか」
「一方通行じゃないのソレ!」
「し、少女と女の境界もいけるわよ!?」

 何がいけると言うのだ。
 どちらにせよ、一方通行なのは変わらない。
 加えて、ソレらは『子どもと大人の境界』で一括りにできるのではなかろうか。

 頭に浮かぶ反論を飲み込んで――

「なんだったら今この場で貴女を女に!
 大丈夫やらしくするわ博麗霊夢!?
 カモナマイバスト!」

 ――ベストのみならずブラウスまで開く、おかしなテンションの幽香に、霊夢が弾幕を見舞う。

「神霊‘夢想封印‘」

 何時もより心持ち強めのスペルカードは、オープンガードの幽香を容易に庭へと叩きだしたのであった。



 暫くの後。

「本気で撃った……霊夢が本気で撃った……!」
「悪いのはあんたでしょうが」
「そうね。ごめんなさい」

 樹齢うン百年程の大木に激突したのにも拘らず、然程の時間をかけずして、幽香は復活した。

「そも、ダメージあんまりなさそうだし」

 半眼で呟く霊夢に、上半身を起こし肩を竦めて返す。

 両手を地につけ立ち上がろうとした幽香だったが、かさ、と乾いた音に視界を下に向ける。
 自身を中心にして、幾十枚の葉っぱが落ちていた。
 ぶつかった故の結果だろう。

 幽香は、そのままの姿勢で息をつき――ほんの少しだけ、‘力‘を使った。

 途端、辺りの葉は干からびて、音もなく崩れ去り、そよ風に流された。

「……出鱈目ねぇ」
「あら、褒め言葉。だけど、何の説明もなしにそう捉える貴女も、大概じゃない?」
「‘花を操る程度の能力‘の応用でしょ? あんたを知ってりゃ、勘じゃなくても想像くらい……ふむ」

 言葉を止め、霊夢が俯く。

 何を考えているのか見当はつかなかったが、推測する時間も惜しい。
 幽香は、立ち上がり、スカートの埃を払った。
 次に向かわなくてはいけない。

 何処に行けばいいかとか誰を頼ればいいかとか、そう言う具体的なことは脇にどけ、とりあえず次に行かなくてはいけないのだ!

「邪魔をしたわね。
 もう立ち去るから、許して頂戴。
 それじゃあ、御機嫌よう、博麗霊夢」

 踵を返し、幽香はふわりと浮かび上がった。

 ――数秒の後、振り返り、吠える。

「あ、挨拶をしないのは悪い子なのよ霊夢、ぁ痛っ!?」
「喧しい。ソレ、書いてたのよ」
「へ……?」

 非を咎め、詰め寄る直前、一枚の符が投げられた。

 額を撫でつつ、幽香は、二つ折りにされた符を開く。
 墨で描かれた文様の上に、鉛筆の細い文字が上書きされていた。
 記されているのは、処遇の嘆願と、彼女の署名――『面倒を見てあげて頂戴 霊夢より』。

 ぶっきらぼうに、霊夢が続ける。

「さっきも言ったけど、ウチじゃ雇えない。
 だけど、家事手伝いができるってのは本当みたいだし。
 少なくとも、その‘力‘の使い方ができるなら、助かると思うのよね」



 視線が幽香を捉え、促すように、北西へと向けられる。

「早苗……じゃなくて、守矢神社で雇ってもらえば?」



「風祝を女にするのね」
「七回殴るから動くな、プー」
「聞こえない、聞こえなーい!」

 流石は博麗の巫女。
 的確に大妖の弱点を突く。
 幽香は耳を塞ぎ、ぶんぶか頭を振った。

 瞬時の判断でどうにか撃墜を免れた幽香の視界に、肩を竦めた霊夢が映る。

「えーと、ありがと」
「気紛れよ。……じゃあね」
「だったら、その気紛れに感謝するわ」

 頭を下げる。
 既に霊夢は背を向けていた。
 本当にその通りなのだろう――思い、幽香も再び浮かび上がる。

 北西に針路を取ったその時、ねぇ、と声がかけられた。

 首を捻る。
 声はとても小さかった。
 まるで、気付かなければそれでいい、と思える様な声量。

「なに、霊夢?」
「……さっきの。早苗に変なことしたら」
「しないわよ。性質の悪い冗談だったわね。謝るわ」
「神奈子や諏訪子が黙っちゃいないわよ」
「そ」

 黙っていないのは貴女もでしょう?――意地の悪い質問を飲み込み、代わりに、率直な意見を述べる。

「貴女にしては、随分、気にかけているのね」
「友達だもん」
「そ」

 含みのある言葉に返されたのは、とても単純な答えだった。

 ちらりと振り返ると、様子を窺っていたのだろう、霊夢も幽香を見ていた。
 しかし、浮かんでいるのは、はにかんだ笑み。
 年頃の少女らしい可愛げのある表情。



 珍しいものを見た。思う幽香は、符を握りしめ、空を舞うのだった――。





 紅葉はまだ遠く、緑緑した妖怪の山を、幽香は飛ぶ。

 途中、より鬱蒼とした一角――樹海にて、視界と速度を下げた。
 メディスンが‘習い事‘をしに来ているのを思い出したのだ。
 尤も、彼女からすれば遠征という意識だろうが。

 しかし、休憩中だったのか、両名の姿は見当たらなかった。

 それもまた、常のこと。
 雛の腿を占拠し、すやすやと寝息を立てているのだろう。
 その様をぷっくりとした頬で語るメディスンが頭に浮かび、幽香は小さく笑みを浮かべた。






 妖怪の山の頂にある、山の神を祀る守矢神社。
 人であろうが妖怪であろうが、辿り着くのは程々に骨が折れるだろう。
 それでもなお、境内に至る階段には多くの人妖が行き来した形跡が見られ、ある程度の盛況ぶりがうかがえる。
 祀られる者の威光か、仕える者の尽力か、或いはその両方か。
 どちらにせよ、これから世話になろうとしている幽香には結構なことだと思えた。

 だけど――階段を登り切り一つ目の鳥居をくぐる時、幽香は躊躇いを覚える。

 博麗の巫女ならばいざ知らず、守矢の風祝とは既知とさえ言えない間柄。
 度々行われる何処其処の宴会で軽く挨拶はすれど、話し込むことはない。
 祀る神にしても同じことだ。
 斯様な状況で唐突に訪ねても、断られるのが道理ではなかろうか。
 所謂、『お祈りします』。



「ウィナーイズサナァエ……は、違うわね」
「神の御加護が、あらんことを」
「何処ですか!?」

 目の前にいた。



「こんにちは……風見幽香、さん?」

 境内を掃いていたのだろう、箒を手に持つ早苗。
 目を数度瞬かせた後、微笑みが浮かべられた。
 営業スマイルだ。
 しかし、箒を握る力が僅かながら増している。
 博麗の巫女の友人だけあって、なるほど、活きの良い人間だ――対峙する少女に、幽香は薄く笑んだ。

「それに、ノリもいいみたいだし」
「『お別れです』」
「待って、それはちょっと待って」

 すかさず右手を掲げられ、幽香はぶんぶか頭を振った。

 さて、どうしたものか。
 早苗と言う個人とは気が合いそうだ。
 けれど、雇う雇わないの話となると楽観視など出来る訳もない。

 ――考え、幽香は微苦笑を零す。

「遅れたけれど、こんにちは、東風谷早苗」
「はい……あ、早苗で構いません」
「そうさせてもらうわ」

 来訪したのは自身なのだ。
 身構えていては話にもならない。
 嘘や誤魔化しはもってのほか、正直に話そう。

 博麗神社で渡された符を差し出しながら、幽香は、口を開いた。

「これ、霊夢からの紹介状。
 ……私ね、今、訳あって仕事を探しているの。
 特別な、そう、風祝にしかできないようなことは無理だけど、雑事ならこなせると思うわ」

 受け取り開く早苗に、一息を吐いてから、続ける。

「だから、よければ、私を雇ってもらえないかしら」

 腰の引けた言葉は、早苗に対する配慮だ。

 自身は大妖、扱いが難しいと感じていることだろう。
 加えて、親しい友人からの紹介状まで携えている。
 断わりたくてもそうしにくかろうと推測した。
 だが、雇ってもらいたいと言う思いもまた事実。
 ――複雑な心境を胸に、幽香は、ただ返答を待った。

 背が向けられた。

「ちょっと早苗、断るのはともかく、せめてお祈り位してくれてもいいんじゃないかしら!」
「あ、ごめんなさい、符を読んでいてよく聞いていませんでした。ついて来て下さい」
「酷っ!? 流石は霊夢の友人だけあって……え?」

 本当に意識していなかったのだろう、振り返り、早苗が小さく頭を下げる。

「正式な採用は神奈子様に伺わなくてはいけませんが、とりあえず、仕事内容を説明しようかと……。
 此処で話すのもなんですし、中に入りませんか?
 それとも、今日はお帰りになられます?」

 問いに、幽香は暫し、目を瞬かせた。

「え、と……雇ってくれるの?」
「ウチも基本的には私で足りていますので、土日くらいになりますが……」
「それは構わないのだけれど」
「良かった。――ええ、進言するつもりです」
「……なんで?」

 割と素で聞いている。
 甚だ失礼なことだと思いつつ、尋ねずにはいられなかった。
 しかし、幽香の疑問にも一理ある。
 面接らしき問答もなく、ただ希望を伝えただけで雇ってもらえるものだろうか。
 知人の関係ならば理解もできるが、前述の通り、彼女は守矢の陣営と既知とは言い難い。

 応えは、一拍の後に返された。

「風見幽香。字名は‘最凶の妖怪‘、‘四季のフラワーマスター‘。
 花を操る程度の能力を持つ妖怪だが、それよりも本人の出鱈目な妖力・身体能力が取りざたされる事が多い。
 花の妖怪と言うよりは自然の権化のような存在で、危険度が桁違いに高い。
 ……阿求さんの家で読ませて頂いた『幻想郷縁起』には、そう記されていました。
 ですが、此方に来て日が浅いからでしょうか、私は貴女に関して、然程の悪評を聞いた覚えがありません」

 思い出しながら、或いは考えながら、続けられる。

「むしろ、個人的には、愉快な妖怪のおヒトリだと思っています」

 それはそれで複雑だ、と幽香は苦笑した。

「能力は申し分なし。
 無茶も結構して頂けそうですし。
 あ、あと、お綺麗ですから、参拝客アップも見込めるかも」

 指を折り曲げ、問いの応えを告げる早苗。

 妥当な理由を探しているのだろう、と幽香は推測する。
 自身を、そして、彼女を納得させられるだけの理由。
 恐らく申し出された時には決めていただろうに。

「それに――」



 改めて、幽香は巫女の気紛れに感謝した。

「――霊夢さんが、私に出鱈目なお願いをしてくるとは思えませんし」



 笑む早苗に微笑みを返しつつ、問う。

「随分と、彼女を信用しているのね?」
「友達ですから」
「……そ」

 符を胸に抱く早苗。
 その笑みは、既に営業用のものではなかった。
 霊夢と同じような、けれど何故だか完全に同質とは思えない、柔らかな微笑。

 理由を尋ねる前に早苗は歩き出し、結局、幽香も深くは追求しなかった――。



「そう言えば、神奈子、今日はいないの?」
「諏訪子様もですが、頭領天狗の方と会談中です」
「あー……呑んでるわね」
「あはは、まぁ、恐らく。道中、警備が厳しくありませんでした?」
「椛がいたから、軽く世間話をしたわ」
「お知り合いでしたか。椛さん、お休みの筈だったんですけどね」
「そうなの?」
「ええ。『あ射命丸様のお手伝いを頼まれているんです』って」
「『あ』まで再現しなくても……」
「とても嬉しそうだったんですが、残念なことになっちゃいましたねぇ」
「まぁ、あの子が新聞で困っているのは何時ものことだから」
「んぅ? ……あ、そうか、『あの子』って文さんのことですか」
「たかだか千歳ちょいのちょこちょこ動く雛烏、だもの」
「あ、あはは……流石と言うか、何と言うか」



 世間話を交えつつ、幽香と早苗は歩を進める。



「それにしても、ありがとうね。助かるわ」
「今更ですが、どうしてお仕事を?」
「一言で言うなら、『フサさんからの脱却』かしら」
「はぁ……?」
「土日は埋まるとして……あー、聞きにくいんだけど」
「勿論、掛け持ちして頂いて構いませんよ」
「ありがと。あてがあるなら、後で教えて頂戴」



 今回のベストは無論、定職を見つけることだった。
 しかし、幸先のいい出足に、幽香の足取りは軽かった。
 経験を積んでいけば、そのうち何時か、手に職を持てるだろう。



 その結果、『気前の良い大人の対応』ができるかどうか――それはまた、別のお話にて。







《お仕事したいの!》

「あ、衣装も合わせないといけませんねっ」
「いや正直、貴女や霊夢くらいの年頃ならともかく、その格好はちょっと……」
「背は幽香さんの方が高いですが、まぁ私のなら」
「も、問答無用なのね。そー言う所は、霊夢に似ない方が……」
「そうだ、神奈子様のをお借りしましょうか!」
「……え? 彼女も普段、その衣装だったっけ?」
「いいえ。私が寝る前に何度か見たことがあるので、とりあえずお持ちだと思うのですが」
「あー……いいわ、貴女のを貸して頂戴」
「?」

《盛矢編/》
・段々、幽香りんの扱いが鳥なみになってきました。お読み頂きありがとうございます。

・他のお話を書いている時に思ったことなのですが、私のって何らかのお仕事をしていることが多いんですね。
・文中にもある通り、ミスティアは屋台、リグルは目覚ましサービスなどなど。
・で、幽香りん。
・……夢幻館? う、頭が……。

・あと。隙あらばサナレイ。ウチの霊夢はほんっとに早苗さんを大事にしてますねぇ。

いじょ
道標
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
あれ?いつから自分はアフタヌーン読んでたっけ?www
2.名前が無い程度の能力削除
どうしよう。とんでもなく続きが気になる。
3.名前が無い程度の能力削除
かわいいなあこの幽香さんww
4.奇声を発する程度の能力削除
可愛いw
5.名前が無い程度の能力削除
みんながいつも通り可愛らしかったので大満足です。
6.名前が無い程度の能力削除
まさかのゲーニッツwwww
7.絶望を司る程度の能力削除
幽香が可愛すぎるww