Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

アリスが、わ、あリス

2012/08/05 20:53:19
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 アリスがリスだった。

「いぢめる?」
「いぢめないぜ」

 アリスの家。
 魔理沙を出迎えたのは、リスの着ぐるみを着たアリスだった。

「なんだよその格好」
「リスよ」

 くるみを抱えて、平然とアリスは答える。

「いや、なんでそんなもの着てるんだよ」
「解らないわ……ただ、この着ぐるみを見ていると無性に着たくなったよ。いや、着なければならない、という使命感を感じた……と言う方が正しいかもしれないわ」
「使命感?」
「ええ。そしてこうして着てみると、これが妙に落ち着くのよ。うまく言い表せないけど、あるべき姿であるという安心感というか、私は本来この姿であったのだという確信に満ちた、安らぎのようなものを感じるの」
「安らぎ……」

 陶然と語るアリスに、魔理沙は引きつった笑みを浮かべる。

「わからない?」
「さっぱりわからん」
「なら魔理沙、貴方も着てみなさい。そうすればわかるわ」
「わかりたくないぜ」

 魔理沙がきっぱりそう答えると、アリスは「そうね」とあっさり引き下がった。

「貴方は魔理沙だもの。リス要素は無いわ」
「どういう意味だよ」
「私はあリス。あリス・マーガトロイドなのよ」

 ああ、と魔理沙は思い至る。
 そういえばパチュリーのところに行ったら、レミリアや小悪魔が熊の着ぐるみを着て「あ熊」とか言っていたっけ。アリスもどうやらアレに感化されてしまったらしい。

「いぢめる?」
「いぢめないぜ」

 くるみを抱えて首を傾げるアリスに、魔理沙は肩を竦める。

「んで、リスになってどうするんだよ」
「とりあえず、くるみを食べようかしら」

 抱えたくるみを見下ろして、アリスはそう呟く。

「そんなでかいくるみ、どこで拾ってきたんだ?」
「湖の方に落ちてたわ」
「そうか」

 アリスが納得しているなら、自分が言うことは何も無い。

「邪魔したな。あリスとして達者に暮らせよ」

 魔理沙はそうひらひらと手を振って、アリスに背を向けて歩き出す。

「いやちょっとスルーしないで助けてやめて私は食べられないからぎゃー!?」

 箒に乗って飛び立った魔理沙の背後で、哀れな吸血鬼の悲鳴が森に響き渡った。
「アリス、何食べてんだ?」
「フルーツポンチのフルーツの代わりにくるみを使ってみたの。名付けて『くるみポンチ』」
「おいやめろ」
浅木原忍
[email protected]
http://r-f21.jugem.jp/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
アリスがシマリスの声で脳内再生されてすげえシュールだったww
2.奇声を発する程度の能力削除
良かったです
3.名前が無い程度の能力削除
そうか、そうきたか
4.名前が無い程度の能力削除
くるみってそっちかw
5.名前が無い程度の能力削除
霧雨な魔理沙が鮫になる可能性もあるということか…!
6.名前が無い程度の能力削除
ふむ、裸蛇か
7.名前が無い程度の能力削除
なるほど、くるみちゃんでしたかwww
8.名前が無い程度の能力削除
くるみちゃんを食べちゃう? そうしたらエリーや幽香が黙っちゃ…あれ?
9.名前が無い程度の能力削除
待ってました。面白いです!
10.名前が無い程度の能力削除
今度はそろそろ俺達ネタが出るんじゃないかと踏んでます。
11.名前が無い程度の能力削除
首を傾げるあリスかわいい
12.名前が無い程度の能力削除
その発想はなかった。これに尽きます。
ところでラッコやアライグマの着ぐるみは誰が着るのでしょうか。
13.名前が無い程度の能力削除
面白かった。