Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ハッピーハロウィン

2011/10/31 20:58:45
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 霊夢さん、お菓子ありがとうございましたー」
「「ありがとうございましたー」」
 そう言いながら去って行く妖精たちの後ろ姿を霊夢は眺めていた。
 今日はハロウィンであり色々な者たちが霊夢のもとを訪れた。その度に霊夢は人里で買ったお菓子をあげていた。次は誰が来るのだろうかと霊夢が考えていると足音が聞こえて来た。今度は誰が来たのだろうと霊夢は思い振り返った。
「こんばんは、霊夢」
 そこには霊夢の恋人である風見幽香が立っていた。
 
 霊夢は幽香を居間に案内するとお茶の用意をして湯のみを幽香に手渡す。
「はい、お茶」
「ありがとう」
 幽香はお礼を言ってから湯のみに口をつける。
「やっぱり霊夢が入れてくれるお茶は美味しいわ。私への愛が詰まっているからかしら」
 幽香の言葉に霊夢は飲んでいたお茶を吹き出してしまった。
「ごほっ、ごほっ。い、いきなり何を言い出すのよ」
「あら、私は霊夢に作る料理だけじゃなくて霊夢に入れるお茶にも愛情をこめているのだけど霊夢は違うの?」
「そんなことはないわ。ただ、いきなり言われたから驚いただけ」
「そう。嬉しいわ」
 幽香はそう言って再び湯のみに口をつける。幽香がお茶を飲み終わるのを確認すると霊夢は口を開いた。
「幽香、その……あんたのその衣装似合っているわ。すごく綺麗よ」
「今日はハロウィンだからね。いつもと違う服を着てみたの」
 幽香はいつものチェック柄のスカートではなく漆黒のドレスを着ていた。さらにその上に漆黒のマントを羽織っており、曰く魔女のような姿をしていた。
「あっ、そうそう。ハロウィンだからクッキーも作って来たのよ」
 そう言って幽香は霊夢にクッキーが入った袋を手渡す。霊夢はそれを受け取り中身のクッキーを食べる。
「相変わらずあんたが作るお菓子はなかなか美味しいわね」
「霊夢への愛情をこめているから美味しいのは当然よ」
 幽香の言葉に霊夢は軽く吹き出してしまう。
「ま、またあんたは恥ずかしいことを言うわね」
「だって、本当のことだもの。ところで霊夢、私へのお菓子は無いの?」
「ちょっと待ってね。今用意するから」
そう言って霊夢は棚から人里で買ったクッキーが入った袋を取り出して、幽香に手渡した。幽香は袋からクッキーを取り出した。
「ねえ霊夢、これって人里で買ったお菓子よね?霊夢の手作りのお菓子は無いのかしら」
「え……とそれは……その」
 幽香の言葉に霊夢は動揺してしまう。霊夢はハロウィンのために手作りのクッキーを用意しようと思っていた。しかし、霊夢は洋菓子を作るのは初めてで上手く作れず失敗してしまった。だから、霊夢は手作りではなくて人里で買ったクッキーを幽香に渡すことにしたのである。
「一応作った。でも、上手く作れなかったの。だから、その人里で買ったクッキーを食べて」
「嫌よ。私は霊夢の手作りのクッキーが食べたいわ」
「でも、上手く出来なかったから美味しくないと思うわ」
「霊夢が私のために心をこめて作ったクッキーが美味しくないはずないわ。だから、ね?」
 幽香の言葉を聞いた霊夢は手作りの、失敗してしまったクッキーが入った袋を幽香に手渡す。袋を受け取った幽香はクッキーを取り出すと食べた。
「やっぱり美味しくないわよね」
「そんなことないわ。美味しいわよ」
「そんなはずない。だって、分量も間違えたし、焼く約時間も間違えたしだから美味しいはずない」
「霊夢、こういうのは気持ちが大事なのよ。貴女は私に食べさせるために一生懸命クッキーを作った。このクッキーにはそんな貴女の思いが込められている。だから、例え上手くできなかったとしても私にとってはこのクッキーは市販のものよりもずっと価値のあるものなのよ」
 幽香はそう言ってクッキーをもう一枚食べた。
「やっぱり美味しいわ」
 幽香はそう言って笑った。霊夢はその笑顔を見て心が温かくなるのを感じ、幽香が作ったクッキーを食べ始めた。
 しばらくの間二人は寄り添いながらお互いが手作りしたクッキーを食べていた。
 そうして最後のクッキーを食べ終えた。それから二人はしばらく見つめ合った後、長い口付けを交わした。
 恋人になってからの初めてのハロウィンは霊夢と幽香にとって思い出深いものになった。
今日はハロウィンなのでハロウィンを題材にした話を書いてみました。
友好的な処刑機械十一号
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
幽香のコスプレ姿想像したら悶えました
2.名前が無い程度の能力削除
ドS(優しさ)
ほのぼのしてていいなぁ