Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

第二回パチェフララジオ 

2011/07/20 22:10:02
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 「さぁ、今日もやって来ました。パチェフララジオの時間です。パーソナリティーは私、フランドールスカーレットと!」

 「……またやるのね、これ。パチュリー・ノーレッジよ」

 ふぅと溜息を吐いて、目の前に座るフランを見つめる。前回同様、楽しそうな笑顔で、カチャカチャと機材を弄っている。前も思ったんだけど、これどこから持って来て、いつの間に準備してるのかしら?

 「そうみたいだねぇ~、私も驚いたよ」

 「あら、貴女が決めたんじゃないの?」

 フランは暫く何かを思い出すように、視線を空中に泳がせるとフルフルと首を振った。

 「何かリクエストがあったんだって」

 「……物好きも居たものね」

 「あ、それと今日から生放送だってさ。編集できないから、発言には気をつけてね?前回みたいになったらフォローできないよ?」

 「何か私が悪いみたいになってる!?問題発言してたのはフランの方でしょう!?」

 ケラケラと声を立てて笑うフランに思わず頭を抱える。て言うか、本当に生放送で大丈夫なの?言っとくけど、私フォローとか無理よ?……何でかって?引きこもり舐めんな!そんな気が回せたら、宴会とかもっと楽しんでるわ!

 「今日もそんなこんなで始まったわけだけど、実は今日はゲストを呼んでるんだよー」

 その言葉にパチパチと瞬きをする。ゲスト?これも私聞いてないんだけど?どういう事?ラジオって、こんなにパーソナリティが知らない事があっていいものだっけ?

 そんな私の考えを見透かしたように、にんまりとした笑みを浮かべた吸血鬼の顔が私を見ていた。どうしよう、凄いムカつく。今すぐ本の角であの頭叩きたい……こんな所に百科辞典があった。

 「ねぇフラン、いい子だからちょっと私に近づいてくれる?」

 「あはは、パチュリーのやりたいことが痛いほど解るから遠慮するよー……それよりもゲスト呼ばないとね。どうぞ、入って来てください」

 むぅ、そんなに顔に出てたかしら?これでもポーカーフェイスが売りだったのだけれど。まぁ、確かにゲストをいつまでも待たすのも悪いわね、番組も進行しないし……言っておくけど、前回の放送が意外と楽しかったから、やる気になってるわけじゃないわよ?

 「あははは、下界の愚民共!悦びなさい、この私が来てあげたわよ!さぁ、跪いてぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 台詞の途中でフランの見事なドロップキックを食らって、再び廊下に吹っ飛ばされる馬鹿天人がいた。アレが今日のゲストか、それにしても見事に吹っ飛んだなぁ、なんて考えているとフランが素早くマイクを切って、吹っ飛ばした相手に駆け寄る。

 「ねぇ、アンタ何考えてるの?これ生放送なんだけど?」

 「え?い、いや、だって……」

 「だって?だって何?」

 「ふ、フランさんがあの登場しろって言ったんじゃないですか!私の性格だと威厳が無いからって……」

 廊下から聞こえて来る会話に眉を顰める。ん?どういう事?またフランが何かやったのかしら?にしてもあの天人、何か妙にしおらしい気がするんだけど……
 話が終わったのか、不機嫌そうな表情のフランに続いて、天人も入って来る。若干涙目で。
 フランは席に着くと、横目で天人を睨むとマイクのスイッチを入れ直す。その間ずっと天人は涙目で小さくなっている。

 「はい、皆ゴメンね?ちょっとした手違いがあって……改めまして、ゲストさんでーす」

 「あ……初めまして、比那名居天子と申します。えっと、パチュリーさんとは以前もお会いしましたね」

 「ええ、そうね。尤も私の記憶の中の貴女は、そんなに大人しくなかったと思うけど?」

 「ああああああああ!!あ、あれは違うんです!魔が差したというか何と言うか!あああああああ!穴があったら入りたい!そしてその上から土を被せられて埋もれ死ねばいいんだ、あの時の私なんて!あはははははは!」

 いきなり笑い出すと、虚ろな目でガンガンと頭を机に叩きつけ始める。
 
 ちょ!?何、私が悪いの?き、聞いちゃいけないことだったのかしら?兎に角止めないと!だけどどうすればいいの、これっ!?

 「さてと、最初のコーナーです」

 「スルーかよっ!?」

 すると、フランは先程までの表情を更に歪めて、睨んで来る。
 いや、だってこれはスルーしちゃ駄目でしょう?ほら、段々頭のスピードが上がってるせいで、ガガガガガガッてしか聞こえないし!本当に大丈夫かしらこの子……ふと目があう。何でかしら、嬉しそうな表情をしてる気がする……きのせいよね、うん。

 「だって、番組進めないと時間が無くなっちゃうんだよ。ほら、もう半分くらい使ってるし」

 「そうですよ、パチュリーさん!早く進めないと、リスナーさんに失礼です!」

 「復活してる!?そしてお前が言うなっ!」

 いつの間にか冷静になっていた天人を、百科事典で思い切り殴る。ゴンと鈍い音が響き、叩かれた相手は頭を抑えて呻いている。勿論、殴った場所は角だ。

 「えーと、もういいかな?じゃ、最初のコーナー。教えて、パチュリー先生!このコーナーはね、リスナーさんの疑問にパチュリーが答えていくコーナーだよ。質問は日常の些細な疑問から哲学的問題でも何でもよし」

 「成る程、確かにパチュリーさんにぴったりのコーナーですね!」

 「まぁ、このラジオにしてはまともなコーナーね。で、最初の質問は?」

 するとフランはどこにしまっていたのか、巨大な箱を出すとその中に手を入れ、ガサガサと中を探る。ああ、最初から決まってるんじゃなくて、番組中にランダムで決めるのか。まぁ、そっちの方が面白いって言えば面白い。

 「よし、これ!フラパチェーム、KYのサタデーナイトフィーバーさんから頂きました。ありがとうございます。『私の知り合いの方が、数ヶ月前から人が変わったようになりました。それまではわがままで傍若無人だったのが、今ではオドオドして敬語で話されるようになりました。ぶっちゃけ気持ち悪……何かあったのかと心配です。どうすればよろしいでしょうか?』だって」

 「フラパチェームって何っ!?……私の目の前にも、同じ現象の起こってる奴がいるわね。貴女はどうしてそうなったの?」

 「ええ?い、言いたくないんですけど……昔の私って、客観的に見て物凄く痛かったじゃないですか。ある日突然、急に恥ずかしくなって」

 ああ何だ、自覚はあったのか。いや、自覚したと言った方が良いのか。どちらにせよ、その反動で大人しい性格になったという所か。まぁ、それだけでこんなにすんなり変われるとは思わないから、元々無理してたのかも知れないわね。

 「だ、そうよ?KYのサタデーナイトフィーバーさん。その子も今までの自分の行いを恥じているだけだと思うわ。だから、今まで通りに接してあげなさい」

 「じゃ、二通目のお便り。て言っても、この二通しか来てないんだけどね。えーとフラパチェーム、伊吹萃香さんから頂きました。ありがとうございます。『そっちに天子が行ってるだろう?何か欲しい物がないか聞いといてくれ。短い付き合いでもないし、色々世話にもなってる……それに好きな奴にはプレゼントの一つでもしたいからね』」

 「ふぇ!?べ、別にそんな気を使って貰わなくても、ほ、欲しいものなんてありませんし……わ、私は萃香が居てくれるだけで良いですよ?」

 呟くようにそう言うと、顔を真っ赤に染めて俯く。何この子、可愛い……そんなことを考えていると、フランが手紙をぐしゃりと潰し天子に向かって、ポイと放り投げる。

 「はいはい、ラブラブでよかったねぇ~。あっと、時間が来てしまいました。本日のフラパチェラジオはこれで終了となります。それでは皆さん、またお会いできる事を楽しみにしています。提供は小悪魔ステーションでした」


































 「天子さんも天子さんだけど、相手の人も分かってるのかな?この放送が幻想郷の全域で放送されてるって事……ま、私には関係ないからいいか」

 さて、次の放送の台本作らなきゃ。ああ、コーナーも増やさなきゃいけないし、ゲストも見つけてこなきゃな。
 気まぐれだったけど、生放送にして良かったかも。これで、編集もだったら死んじゃうもん。












こうして小悪魔の夜は更けていく。
はい、パチェフララジオ二回目です。
本当は単発にする予定だったんですが、シリーズ化を希望してくださった方がいらしたので、やっちゃいました。

ラジオなので、会話文を多くしてみたのですが、如何だったでしょうか?
ゲストやコーナーについては随時募集中なので、希望のある方はコメントくださると嬉しいです……尤も、読んで下さってる方がいるのかどうかは分かりませんが。


それでは、ここまで読んでくださった方々に最大の感謝と敬意を込めて。
天川 紅
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
オドオドしてる天子ちゃん可愛いよ!

魔女繋がりで、魔理沙、アリス、白蓮辺りの誰かがゲストにきたら何か魔法トークするのか気になりますw
2.名前が無い程度の能力削除
やった! シリーズ化ありがとうございます!

ゲストには紅魔館繋がりで咲夜さん、美鈴。あと魔法使い繋がりで魔理沙、アリス、白蓮。
会話が巧みそうな文、面白い発言してくれそうな早苗さんなどゲスト希望。
3.名前が無い程度の能力削除
うーん、ラジオネタねぇ……喉飴さんのあやみこラジオやパチェフラのラジオ講座の二番煎じの感じだなぁ。
まぁ嫌いじゃない、嫌いじゃないんだけど……とりあえず過去2年分くらい見たほうがいいんじゃないでしょうかね
ネタ被りほどつまらないものはないし