Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

フラワーマスターのホワイトデー

2011/03/19 01:00:25
最終更新
サイズ
6.38KB
ページ数
1

分類タグ


※注意!
この作品は作品集82『フラワーマスターのバレンタイン』の続きになります。
そしてこの作品は世紀末並に暴走した深夜脳の影響でgdgdです。
それでもいいと言う方は↓よりどうぞ。

警告はしました。中傷の類は無しの方向でお願いします。



















 弥生に入り、幻想郷に春が訪れる。
 桜は芽吹き、蝶が舞い、数多くの花々が咲き乱れる。
 春告精が春を告げに飛び回り、幻想郷は本格的な桜の季節になっていた。

 そしてそんな日が続き、二週間程が経った頃。
 私、風見幽香は部屋の中をうろうろしていた。
 特に意味は無い。ただ、何となく落ち着かないのだ。

「……どうしよ」

 遂にこの日がきてしまった。
 そんな事を思いながら、壁に掛けられたカレンダーに目を向ける。

「ホワイトデー……」

 三月十四日、ホワイトデー。
 バレンタインに贈り物をされた男子が、贈り物をくれた女子へお返しを渡す日である。

「……うぅ」

 一月前、つまりバレンタインデーの日に私は贈り物をしている。
 それは今日お返しがくるという事になる。なるのだが……

「どうしよう……ホントに」

 呟きながら、ベッドに顔をぽすんと埋める。
 ……私は贈り物をした時、送った相手に一つ言った事がある。
 『ホワイトデーに欲しい物がある』……と。
 そして、その時に言った物。
 それは『左手の薬指に似合う指輪』。

「ふわぁ……っ」

 思い出すだけで顔が赤くなる。我が事ながら随分と思い切った行動をとったものだと、今になって思う。
 聡明な彼の事だ、その意味は分かるだろう。 

 その言葉の意味が、プロポーズである事ぐらいは。

 そしてその上で、彼はそれを了承してくれた。

「つまり……よ」

 つまり。
 私は今日、彼にプロポーズされるのだ。

「あぅう……」

 想像するだけで顔が赤くなる。
 分からないなら、知らないのなら。
 今日彼の所へ行くのがどれ程楽な事だろう。

「……でも、こんな事考えてもしょうがないわね」

 もう自分はその言葉を口にしてしまった。それはあの半獣でなければ変え様の無い過去。

「うん……行かなきゃ。彼にも失礼よ」

 そんな事を呟き、ベッドから顔をあげる。

「何時も通り、何時も通りでいいのよ……頑張れ、私」

 気恥ずかしさで赤い顔を抑えそんな事を呟きながら、私は静かに家を出た。





***





 弥生に入り、幻想郷に春が訪れる。
 桜は芽吹き、蝶が舞い、数多くの花々が咲き乱れる。
 春告精が春を告げに飛び回り、幻想郷は本格的な桜の季節になっていた。

 そしてそんな日が続き、二週間程が経った頃。
 特別何があるという訳でもなく、僕は何時もの様に店番という名の読書に耽っていた。

「フム……中々興味深い」

 呟きながら、本の中身を一冊また一冊と吟味していく。外の世界の教科書と呼ばれる指南書の類らしいそれは、中々に知識欲をそそられる内容だ。
 慧音辺りが喜びそうな物だとは思いつつ、頁をまた一枚ぱらりと捲る。
 一冊読み終わり、これらは非売品行きだな、等と思っていた時だった。

 ――カランカラッ。

 扉の鈴が控えめに来客を告げた。

「ごきげんよう、霖之助」

「いらっしゃ……って、君か。久しぶりだね」

「え、えぇ……そうね」

 やって来たのは幽香。香霖堂の常連であり、日傘の修理や肥料の購入等、ちゃんと金を払う上客でもある。

「今日はどういった用事だい?」

「ぇ……べ、別に? ただの暇潰しよ」

「そうかい。まぁ、ゆっくりしていくといい」

「え、えぇ……」

 言いながら、幽香は勘定台近くの椅子に腰掛けた。

「……ねぇ、霖之助」

「うん?」

「最後に私が来たのって、丁度一月前よね?」

「……あぁ、そうだったな」

「その日は確かバレンタインデーで、私は貴方にチョコをあげたわよね?」

「あぁ」

「……で、今日は一月後のホワイトデーだから、貴方は私に渡す物があるんじゃないの?」

「ん? あぁ、ある事にはあるが……って」

 思わず、手元の本から顔を上げた。

「……今日は暇潰しと聞いていたんだがね」

「違いは無いわよ。……別に、今日がホワイトデーだったから、お返しを貰いに来てあげただけよ」

 そう言う幽香の顔は、薔薇の様に真っ赤だった。

「……まぁいいか。僕としても渡しに行く手間が省けた」

「……その言い方は無いと思うわ」

 その言葉に何故かと思いながらも、後ろの棚から幽香へのお返しの品を手に取る。

「幽香」

「……な、何?」

「ホワイトデーのお返しだよ」

 言って、幽香に箱を手渡す。

「ぇ、えぇ。有難う」

 言いながら、幽香はそっと箱を開けた。


「……?」

 箱を開けた幽香の表情に表れた感情は、『疑問』だろうか。

「……ねぇ、ちょっと」

「うん?」

「これ……何?」

「何って……見ての通り、マシュマロだが」

 ホワイトデーにはマシュマロやキャンディ等のお返しが一般的だとの事なので、外の世界から流れ着いた材料とレシピ本を頼りに、足りない物は幻想郷の物で応用して作った物だ。
 味見もしたが、十分人に出して誇れる出来であると自負している。
 これなら、幽香から貰ったチョコレートには十分匹敵するだろう。

「外の本物に比べれば劣るんだろうが……味は保障するよ」

「………………」

「……幽香?」

「……何でよ」

「?」

「何で……何でよっ!?」

 そう言うと、幽香は立ち上がり僕の胸倉を掴んできた。

「ゆ、幽香!?」

「何で? ねぇ、何でよ! 貴方、あの時分かったって言ってくれたじゃない!」

「……それは」

「何よ! 一人で勝手に告白されるって思い込んで! 今日どんな顔して貴方に会えばいいか悩んで! 私が馬鹿みたいじゃない!」

「……幽香」

 疑問から激怒の色に塗り替えられた幽香の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。

「ねぇ……何で? 私は、本気なのよ? 本気で、貴方が好きなのよ……」

 そう言って、幽香は僕の胸元に顔を埋めて、背中に手を回す。
 殴られると思っていたのもあり、色々な意味で少し驚いた。

「分かったって言ってくれたじゃない……あれは嘘だったの? ねぇ……」

 呟きながら、幽香は腕に力を込める。

「幽、香……」

 予想外の事に多少狼狽しながら、僕は幽香の肩に手を置いた。



「あの言葉は嘘じゃあないよ」

「ッ……じゃあ、何で……!」

「いや……まぁ」

 言うべきかどうか躊躇ったが、僕は言葉を口にした。




「こういう物は、ホワイトデーのお返しなんかで気軽に渡す物ではないだろう?」

「ぇ……?」

「結婚というのは人生においても重要な事だからね」

「……!」

「渡すならしっかりと吟味した上で君に渡したいというのもあった」

「え、じ、じゃあ……」

「あぁ。……だから、今度二人で選ぼう。君の意見も聞きたいしね」

 僕がそう言うと、幽香は一瞬きょとんとしていたが、やがて再び僕の胸に顔を埋めた。

「……馬鹿、馬鹿ぁ……! 霖之助の、馬鹿……!」

 そう言いながら、幽香は腕に力を込め、僕を抱きしめる。

「……やれやれ」

 馬鹿、と言われるのも今回は仕方が無いだろう。
 自分の勝手で彼女を怒らせてしまったのだ。当然の結果だと思う。
 そんな事を考えながら、僕は幽香の背中に手を回した。

「……霖之助」

「……何だい」

「幸せにしなかったら……許さないわよ」

 僕の腕の中で、幽香がそんな事を言ってきた。

「許さない……ね。具体的には何をされるのやら」

 独り言のつもりでそう呟くと、幽香はそれに答えた。

「貴方が、幸せにしてくれなかったら……」

 そして僕の胸に顔を押し付け、消え入りそうな小さな声で僕に呟いた。








「……私が、貴方を幸せにしてあげるわ。貴方の幸せが私の幸せだもの」
それ見た事か。
ネタ無いって言ったのに書いたらこんな内容だし大遅刻だよ。
しかも出来上がった作品は糖分なんて欠片も無い。どうしようもないね。



どうも、唯です。
大遅刻のホワイトデーSS(バレンタインデーの方も大遅刻でしたが)、幽香霖を書かせてもらいました。

前作でホワイトデーをやたらと期待されたのですが……自分にはこんな物しか書けないのです。
何か……もう原作の幽香からかけ離れてる様な気がしますが、これはいいのだろうか。
そして何時もの様に深夜脳の影響でgdgdで申し訳ありません。

今回も誤字脱字その他ありましたらご報告下さい。
最後に、ここまで読んで頂き有難う御座いました!

http://yuixyui.blog130.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
なんだこのかわいいゆうかりんは…
リアルに悶えてゴロゴロしてしまったうわぁぁ!
作者の深夜脳に乾杯
2.名前が無い程度の能力削除
深夜脳万歳!
遅刻なんて気にする気もない

だって、こんな作品が読めたのだから!
3.名前が無い程度の能力削除
甘ぇよ、ラカンカより甘ぇ…
4.名前が無い程度の能力削除
はい、甘いのごちそうさまでしたー
ゆうかりん可愛いですバッキャロー!
5.投げ槍削除
起き抜けにこの甘さはヤベぇ
6.名前が無い程度の能力削除
こっ・・・これが伝説の深夜脳か!
甘いな、うん甘いわ
7.奇声を発する程度の能力削除
最近のジェネは甘い物が多い!
だがそれは良い事だ!!
8.名前が無い程度の能力削除
GJですよ!
9.俺式削除
ザババババババババ←砂糖吐く音

なんかコーヒー飲んでるのに口の中が甘ったるいです。乙女ゆうかりん可愛いよ。
10.おぅ削除
髪を振り乱して悶えた
11.日間賀千尋削除
結婚式には呼んでくださいね。                     待ってますよ!
12.名前が無い程度の能力削除
おい、ブラックコーヒーの代わりに佐藤の山がカップに現れたぞ。どうしてくれる。
13.たおふこ削除
そんな唯さんの深夜脳ほしいです
ゆうかりんがこんなにも可愛いなんて……って甘いッ!
14.淡色削除
暴走だなんてそんなハハハ。
いいぞ、もっとやってくださゴパァッ!(砂糖を吐く音
15.削除
コメント返信ですよー

>>1 様
悶える程の糖分は入れていなかった筈なのですが……そんなに甘かったですかw

>>2 様
そう言って頂けると嬉しいです!

>>3 様
ラ……カン……羅漢……?
ぼくらの魔法戦士が大魔法の前に使う困った時のアレですか?

>>4 様
ゆうかりんは可愛いですよね!

>>投げ槍 様
そんなにですかw

>>6 様
別に伝説でも何でもないですよっ!w

>>奇声を発する程度の能力 様
甘いのが多いのは良い事ですよね!

>>8 様
そう言って頂けると嬉しいです!

>>俺式 様
そんなに甘かったですか!?
乙女なゆうかりんを最初に考えた人は天才だと思うんです。

>>おぅ 様
髪を振り乱してっ!? そこまでですか!?

>>日間賀千尋 様
残念! 結婚式は2008年の春に終わっています。         とか書けないから言ってみる。

>>12 様
佐藤の山……リアル鬼ごっこか何かですか?w

>>たおふこ 様
深夜脳は夜中寝ないで書き続ければ自然と出来上がりますよw

>>淡色 様
もっとですか……って大丈夫ですかぁー!?

読んでくれた全ての方に感謝!
16.絶望を司る程度の能力削除
ふふふ・・・命拾いしたな。本気でとぼけてたら瞬獄殺だったぞ森近君よぉ。