Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

Dear my Sister - For my Sister

2010/12/25 09:47:48
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「親愛なるお姉さま。

Merry Christmas.

地下の暗い部屋にいても、この日だけはわかります。

上から、とっても楽しそうな、ピアノの音やみんなの声が、聞こえてくるのだもの。

そしてこの日だけ、渡される飲み物が人間ではなく、ワインになるのだもの。

同じ赤い色でも、いつもよりとっても甘くて、すっぱくて。

特別な気分には、なれるのだけど……。

ねぇ、お姉さま。

私は、まだ、上に行っちゃあ……ダメですか?

私は、まだ、アブないですか?

私も、お姉さまや咲夜、パチュリーや美鈴と一緒に、Christmasを過ごしたいよ。

ねぇ、まだ?

お姉さま……

まだ、ここを出ちゃダメ?

お外に行っちゃダメ?

みんなと、楽しく遊んじゃダメ……?

いつかみんなと遊ぼうと思って、ひとりでずっと研究していた弾幕は、もうお姉さまでも避けられなくなっちゃった。

暇潰しにと思って、研究していた魔法の威力は、地下室の壁を壊すほどになって、パチュリーの手を煩わせることになってしまった。

そしてその研究の結果、すべてを壊してしまう、禁断の魔法を生み出してしまった……

……私は、イケナイ子ですか?

……私は、ダメな妹ですか?

……私は、もう、外に出てはイケナイのですか……?

ねぇ、お姉さま……


……今年も、Merry Christmasを、暗い地下室から。

来年は、明るい会場で、手紙を渡せるといいな。

495回目の、私の願い。


From your sister,Frandle Scarlet.」












今年も、Christmasに妹が手紙をくれた。

しかし、その内容はいつもと違い、悲痛な叫びに満ちていた。

いつもなら、最近の研究の進み具合とか、いついつにまた遊んでくれる?とか書いてあるのに。

……こんなにも、追い詰めていたのか。



妹は、よっぽどでない限り、理性を保てている。

なのに、もしもを心配し、閉じ込め続けた。

知らず知らずのうちに、妹に辛い思いをさせていた。

そんな自分に、深い憎悪を感じた。

……できるだけ早く、地下室から出してやろう。

きっともう、あの子は大丈夫だ……。



翌年の始め、紅魔館にいる人間や妖怪のメイド(咲夜を除く)を、全員解雇し、メイドは妖精だけで揃えた。

妹と遊んでも誰も死なないように。

もちろん、解雇したメイドたちは、戻った先で差別されないよう、運命をいじっておいた。

彼女たちは元気でやっているようで、たまに手紙なども来る。

こっちのわがままで追い出したも当然なのに、それを責められたことは、誰からも、一度もない。

感謝している。





春が来て、館内だけではあるが、妹の自由行動を許してあげた。

妹の喜び方を見ていると、今まで自分なりに妹を愛してきた、その方法はやはり間違っていたのではないか、と自責の念にかられる。

でも、とにかく今は、妹に本当の幸せを与えることだ。





春も終わりになると、妹は窓から外を眺めていることが多くなった。

やはり外の世界も見たいのだろう。

とはいえ、屋敷のなかとは勝手が違う。

外には人間もいるし、日光か雨かが降りそそいでいることも多い。

殺してしまうかもしれないし、死んでしまうかもしれない。

いくらなんでも、危険が過ぎる。





……では、それらを無くせばどうか?


私なら、できる。


私の力で、妹に外を見せてやろう。


今まで閉じ込めていて、ごめんなさい。


贖罪の意味も込めて。


あなたにとって、安全な外にしてみせる。


私が。




そして夏。

私は、幻想郷を紅く染めた。
咲夜「いらっしゃい。メリークリスマス。……え?妹様ですか?はい、パーティー会場で元気に遊んでいらっしゃいます」



紅霧異変の真相、みたいな。
Christmasあんまり関係ないねw
Merry Christmas! です!
ケトゥアン
http://twitter.com/ketoxuan
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
フランちゃんと一緒にクリスマスを過ごしたい
2.名前が無い程度の能力削除
Merry Χριστος
…昨日だったけど