Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

妖夢が風邪を引いた。

2010/11/17 21:43:45
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「やっぱりこたつはいいわねぇ~♪」


 炬燵に入りながら蜜柑を食べる。
寒いときといったらやっぱりこれだ。


「ね、妖夢?」


 正面に座る妖夢に問いかけるが、返事は無かった。


「・・・妖夢?」


 妖夢の目は虚ろで、ぼーっとしている。
これはまずい。


「ちょっと、大丈夫?」

「え・・・ああ、大丈夫・・・です」



 声を大きくして聞いてみると、ようやく返事が返って来た。
これは明らかに大丈夫ではない。 

 
「妖夢、おでこ触らせてみなさい」
「だいじょうぶですってば」

 生真面目な彼女の事だから、絶対そういうと思った。 

「いいから触らせなさい」
「・・・・・はい」

 強く言い過ぎてしまった気がするが、これくらいでないと妖夢は触らせようとしないだろう。

「最初からそうすれば良かったのに~」 
 
 手のひらで妖夢の額を触ってみる。


「あっ・・・」


 熱い。明らかにいつもの妖夢の体温を上回っている。
そしてこの時期だ。鼻水は出ていないが、恐らく風邪か何かだろう。

 しかし午前中はこんな状態ではなかった。
妖夢のことだ、熱があったが、我慢していたのかもしれない。
それで悪化してしまったのだと考えられる。


「妖夢!すごい熱じゃない!なんで言わなかったの?」

「・・・・・」

 妖夢は口を開こうとしない。
頬は赤く、呼吸は乱れている。

「・・・とりあえずあなたの部屋に行きましょう」

「しかし、まだ仕事が・・・」


「いいの、今のあなたは休まなきゃだめ」

  
 ひとまず、妖夢をおぶって妖夢の部屋へ向かった。 





~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「え~っと、このあたりかしらね~」

 妖夢を布団に入れ、寝付くのを確認してから、私は書庫へ向かった。
 
 ある本を探しているのだが、なかなか見つからない。



「あ、これかしら?」



 手に取った本には、「魂魄流料理本」と書かれていた。これが先ほどから探していた本だ。
字の書き方から、書したのは妖忌だと分かる。というより、本の裏に大きく名前が書いてあった。

 取り敢えずページをめくり、目次を見てみる。

「魂魄流目次・・・なんでも魂魄流ってつければいいってもんじゃないわよ・・・」

 上から、チーズケーキ、アップルパイ、タルトなど作り方の乗っているページが書いてある。
あとで読もうかしら。なんて思ったが、今は探している料理がある。

「あった」

 それは、目次の一番下にあった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~




 そ~っと襖をあけ、布団で眠る妖夢に近づき、枕元に座る。
座る際、小声で「よっこいしょ」なんて言ってしまい、少し恥ずかしくなってしまった。

 
 妖夢の寝顔を見てみると、安らかな顔で眠っていた。
呼吸も安定したものになっているので、おそらく明日にでも治るだろう。


「ん・・・あれ、ゆゆこさま・・・?」

「あら、起こしちゃった?ごめんなさいね」

「あの・・・すみません」 
 
「なにが?」

「幽々子様に迷惑を・・・んむ!」

 妖夢の口を唇で塞ぐ。
そのまま押し倒してしまおうと思ったがやめた。

「ゆゆこさまっいきなり何をっ!?」

「あなたは何も気にしないでいいの。今は体を休ませないと」

「・・・分かりました」

「っと、そういえば、はい妖夢」


 体の影になって、妖夢からは見えないように隠しておいた、お椀を妖夢に渡す。

「ん・・・これは・・・お粥ですか?」
「そう、本を見て作ってみたんだけど・・・」


 さっき探していた料理とは、お粥の事。
彼女の今くらいの体力があれば食べられるはず。


 きゅるるるる
 

 妖夢の腹の虫が鳴いた。

「あはは、お腹がなっちゃいました」

「ふふ、かわいい音。早く食べないと冷めちゃうわよ?」

「そうですね。では・・・頂きます」

「あ、ちょっと待って」

 食べ始めようとする妖夢を静止する。

「何ですか?」

「私が食べさせてあげる」

 私がそう言うと、妖夢は一瞬ぽかんとしたが、そのあと、顔を秋の楓の様に紅くしながら、

「・・・おねがいします」 

「へ?」

 正直「いやです」と断られるかと思っていたので素っ頓狂な声を出してしまった。

「本当に?」

「・・・はい」

 こくり、と頷いた。

「じゃあ、お椀かして」

 妖夢からお椀を渡してもらい、匙で掬う。
それをふうふうと息を吹きかけて冷まし、妖夢の口へ運ぶ。


 お粥を少しづつ、口に入れてゆく。食欲もあるようだし、まずは一安心。
粥を取って口に入れるのを数回繰り返すと、お椀の中のお粥は無くなっていた。


「どうだった?」

「すごくおいしかったです。ごちそうさまでした」

「はい、おそまつさま」


「いや~、ゆゆこさまって料理できたんですね~」 

「ちょっと、それじゃあ私が全く料理できないみたいじゃないの~」

 指で妖夢のほっぺたをつまんでむに~っとやさしく伸ばしてみる。
妖夢が「やめてくでゃひゃいよ~」と言いながら笑っているを見て、心の中でほっと胸を撫で下ろした。




~~~~~~~~~~~~~~~



「妖夢、服脱いで」
「え・・・・?」


「体を拭いてあげるのよ」

 じゃばじゃばとたらいに入れたお湯で手ぬぐいを濡らす。
お風呂に入れない妖夢を拭いてあげようとしているのだが・・・・・

「じ、自分で拭きますよ」
「だ~め、あなたは病人なのよ?」

「でも・・・」
「嫌なら無理やりにでもやっちゃうわよ~?」

「わ、分かりましたよ~」



+  +  +  +  + 


 
「ん~ん~♪」

「・・・・」

 体をタオルで拭きながら鼻歌なんて歌ってみる。
妖夢は顔を真っ赤にして何もしゃべらない。恥ずかしいのだろう。


「ん・・・」 

 拭くところが背中から腋の下あたりになったころ、妖夢が声を漏らした。

「どうしたの?」
「あの・・・・くすぐったいです・・・ひゃっ!」
 

 なるほど、くすぐったかったのか。
よしもっとくすぐってやろう・・・と思ったが、止めておいた。
妖夢の体調を忘れてはいけない。

「・・・上半身は終わったわね・・・次は下半しn」「自分でやります」

 あら残念。



~~~~~~~~~~~~~~~


 ご飯も食べた。体も拭いた。寝巻きも着せた。
あとはもう妖夢を寝かせるだけだ。


「妖夢、調子は?」
「おかげさまで、昼間よりは良くなりましたね。明日にはきっと治りますよ」

 そう言って妖夢は胸をぽん、と叩く。

「まぁ頼もしい。でも無理はダメよ?」
「気をつけます」


「じゃあもう寝ましょうか」
「え、ここでですか?」
 
「そう、添い寝してあげる」

 体調が悪い時の夜は何故か孤独感が強くなる。
子供が風邪を引いたときは添い寝してあげると良い、と何かの本に書いてあった。

「私は子供じゃないです」
「私からしたらまだまだ子供よ~」


「ほらほら、もう寝ましょう」
「もう布団に中に入ってるし・・・」



+  +  +  +  +  +



「・・・・あの~幽々子様?」

「なぁに」

「抱きつかないでいただきたいのですが・・・」

「い~や~よ、妖夢は体を暖めないとだめだもの」

「でも、もしうつしてしまったら・・・・」

「だいじょうぶよ~」



~~~~~~~~~~~~~~~



 すうすうと寝息が聞こえる。妖夢はもう寝付いたのだろう。
呼吸は荒くは無い。熱はまだ少しあるものの、苦しそうな表情もしていない。
飲んだ薬が効いたのだろう。


「妖夢」


 小さな声で声を掛けてみる。
返事が返ってくることは期待していない。ただ声に出したかっただけ。

 
 ふと妖夢の顔に手のひらを当ててみる。熱は平熱の少し上あたりのまま。
私の手が冷えた手が気持ちがいいのか、目を細めている。


 次に、髪に触れてみる。妖夢の銀色の髪は、さらさらして手触りが良い。
こうして頭を撫でていると妖夢の母親になったような気分だ。いつもそのつもりだが。

 
 妖夢の胸に手をそっとあててみる。
トクン、トクン、と規則正しいリズムで動いている。





「あら?」
  
 暫く胸に手をあてていると、なにかに手を握られた。



 妖夢の手だった。
おそらく寝ぼけて握ったのだろう。
なぜか、動かないはずの私の心臓がどきん、と動いた気がした。







「・・・ん・・・はぁ」


 誰も見ていないことを良いことに大きな欠伸をしてしまった。
いま何時だろう。そろそろ眠くなってきた。





「さて、もうそろそろ私も寝ようかしら」





 妖夢の顔に顔を近づけて耳元で囁いてみる。



「早く良くなってね」

 

 妖夢の頬にそっとくちづけをしてみる。 
良くなるようにおまじない。
明日になったら妖夢の元気な顔が見られるだろう。







「おやすみなさい、妖夢」
「幽々子様、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないわ・・・・くしゅん!」
「だから言ったのに・・・」
「でも、昨日は良く眠れたでしょう?」
「それは・・・まぁ、おかげさまで」

「はい、幽々子様お粥です、あ~ん」
「あ~ん・・・・・・ん、おいし」 
「食欲は落ちないんですね」
「食欲が落ちる時、それは、私が死ぬ時よ・・・くしゅん!」

え~、どうも、ながれだま。です。

 風邪は怖い、インフルエンザはもっと怖い。です。私は風邪を引きました。皆さんもお気をつけて。

 関係ないですが、自分は風邪薬の糖衣(無いのもありますが)が結構好きです。えぇ、どうでもいいですね。

 読んでくださった方、ありがとうございましたッ!
ながれだま。
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
この時期は怖いですからねぇ…
ほのぼのしてて良かったです。
2.名前が無い程度の能力削除
血糖値上がった
3.名前が無い程度の能力削除
妖忌さん、レパートリーがお茶目w
4.名前が無い程度の能力削除
幽々子様あんた既に死んでますやんww
5.名前が無い程度の能力削除
ゆゆ様、お母さんは娘にナチュラルキッスしたりしないと思うのですw
でも親子っぽいゆゆみょんもいいですねえ。

お大事になさってくださいねー
6.ながれだま。削除
>>1.奇声を発する程度の能力 様
 怖いですよ~。忙しい時期ですから。

>>2.名前が無い程度の能力 様
 血糖値上がっちゃいましたか・・・ありがとうございますッ!!

>>3.名前が無い程度の能力 様
 妖「そうじゃろ!?、そうじゃろ!?」

>>4.名前が無い程度の能力 様
幽「私だって死ぬときは死ぬわよ~。妖夢~!おかわり~」
>>5.名前が無い程度の能力 様
 ゆゆ様は妖夢がかわいすぎてどうしようもないんですよ。きっと。
風邪のほうは良くなりました。ありがとうございます。

読んでくださった皆さん、ありがとうございましたッ!!
7.こーろぎ削除
久しぶりにこんなに甘い話をみたなあ
最近、この二人が好きになってきてたけど、これをよんでもっと好きになりました!
8.非現実世界に棲む者削除
ゆゆみょんはこういう関係が一番です。そして私の理想!
ありがとうございました。