Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

雨音響き、霧雨待つ

2010/10/15 20:08:48
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「すごい雨ですね」

雨の音が響き渡る図書館。小悪魔が呟くように言う。

「えぇ。夏が終わったと思ったら、なかなか天気が落ち着かないわね」

私は手元の本から顔も上げずに言う。

「……今日は魔理沙さん、来ませんよね?」

「さすがにあいつもそんなに馬鹿じゃないでしょ」

私の隣の席は空いている。

いつもならうるさい魔法使いが座っているその席。

流石に雨の中、彼女はわざわざここまで来たりはしないだろう。

「明日も来るぜ」

そんな彼女の声が頭の中で再生される。

別に期待なんかしていない。

ただ、その言葉を無意味に思い出しているだけだ。

無意味に、その言葉を期待してしまっているだけだ。

どうせ来ないだろうけど、貴方は約束を守らないし。

借りた本も、返しに来ない。

別にいいけどね。読書に集中できるし。

外からはざあざあと雨の音が聞こえてくる。

こんな雨の日は気が滅入る。

少しは彼女のあの元気さを分けて欲しい。

その時、入り口の扉が乱暴に開かれた。

小悪魔は小さく笑って私を見る。

何よ、その顔は。

「おっすパリュリー。約束通り今日も来たぜ」

びしょ濡れの彼女は箒を持って元気そうに笑う。

「はぁ……、静かに本が読めると思ったんだけど……。小悪魔、何か拭くものを」

「はい、分かってます」

小悪魔は奥の方へ下がっていく。

「雨が強いから来ないと思っただろ?来るんだよこれが」

「あぁもう、濡れたまま歩かないで。本が濡れるわ」

私は本を閉じて立ち上がり、彼女に近寄る。

「パチュリー様、タオル持って来ましたよ」

小悪魔はにこにこ笑いながらタオルを私に手渡した。

「早いわね」

「小さくたって悪魔ですから」

そしてにこにこしたまま再び奥に下がっていった。

「お、ご苦労」

「私が拭くから動かないで」

彼女の頭を、タオルで乱暴に拭いていく。

「どういう風の吹き回しだ?」

「本が傷むのが嫌なのよ。全く……なんでこんなびしょ濡れになりながら来たのよ?」

「そりゃあ、私は正直者だからな」

「その発言がすでに嘘じゃない」

先ほどよりも乱暴に彼女の頭を拭く。

彼女は「痛い痛い」と声を出す。

「まぁ……今日はこんな天気だし、ゆっくりしていってもいいわよ」

「言われなくてもそうするぜ」

ほんと、減らず口を叩くんだから。

けれど、雨の音より彼女の声を聴いていた方がいい。

今日ぐらいは、大目に見てあげる。
今日は天気が悪くて、昼頃に大雨でした。
そんなこんなからこれは生み出されたり。

雨の音と魔理沙の声。
どちらがいいかは気分にもよるでしょうけど
鹿墨
https://twitter.com/kaboku013
コメント



1.ヒロスケ削除
もちろん、魔理沙の声です。
パチュリーがかわいい。
2.名前が無い程度の能力削除
今日も来たぜ

カッコイイ
3.奇声を発する程度の能力削除
もちろん魔理沙の声!
4.名前が無い程度の能力削除
パチュマリ……
久しぶりのパチュマリだ。
世話焼きパッチェさんかわいい。
そして魔理沙なんかかっこよかったw
5.けやっきー削除
何と言うイケメン魔理沙…
雨の音も好きなので、魔理沙の声と同時にお願いします。