Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

お姉ちゃんなんてのとはちがう

2010/08/27 12:42:06
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かげひとつ。青と緑が交錯して、絡み合う。
自分の頭半分くらい背の高い青い給仕服に身を包んだ少女の胸に頭を預けて、奇
妙な巫女服の少女はため息をついた。
ふわふわと、優しくその頭を撫でるのは給仕服の少女―咲夜の手。咲夜の、夢で
も掬うかのようにうっとりとした手つきに酔っているかのように、
巫女服の少女、早苗の目つきは緩やかに覚束ない。

はあ、と早苗がため息を再びつくと、咲夜はくすぐったそうに身体をよじる。
でも拒絶の色は皆無で、その証に早苗の頭を撫でる手はやまなくて。まるで擦り
寄って来る仔犬を愛でるかのような、そんな手つき。
内心、早苗はこんな関係が気に入っているようで、微妙に気に入っていなかった。


さ、く、や、さ、ん。
唇を動かして名前を呼ぶと、言葉はなくとも、何?どうかしたの?と、問うよう
な雰囲気が伝わる。
大好きですよ、だなんて、ちょっとだけ頑張って言ってみても、私もよ。と咲夜
の眼差しは、変わらない。
その視線は暖かくまるで仔犬に向けるみたいな。歳の近い妹に向けるみたいな。
そうして視線を向けてもらえないよりかはずっとずっと良いけれど、何だか一人
で空回ってずっこけてる気分になる。
嬉しいけど、寂しくて。幸せだけど、ちょっとだけ痛くて。何だか少しせつなく
て。不意に喉元まで出かかった言葉を唾と一緒に飲み込んだ。


「今日は、帰りますね」
そういって早苗が身体を離しても、咲夜は頷いてそれに従うばかりで。
引き止めてくれてもいいのになあって、あからさまにしょぼくれてみると、咲夜
は困ったように笑って、早苗の手を掴んだ。

咲夜の白い手が、早苗の手に重なる。きゅっと掴んで裏返して、てのひらを見せ
るような形になると、握った咲夜の手が乗せられる。早苗はそのてのひらに小さ
な重みを感じた。手が離れる。重さを逃さないように握って、そっと拳を開く。

濃紺のリボンの上にとりつけられた咲夜のの月光を映したような髪の色をを思わ
せる銀の台座に翠のストーンが嵌め込まれているそれは、
「……ブローチ?」
「人里で見つけたのよ。ほら、お揃い」
そう言って咲夜は髪を掻き上げて耳を見せた。早苗に渡したそれとは色違いで、
そっくりのデザインをしたピアス。咲夜の耳にシルバーの細い鎖で繋がれた小さ
な深緑のリボンと、蒼のストーンが揺れる。
きらきらと光を零して振り子みたいにゆらゆらと揺れ動くそれの周期に合わせる
ように、早苗の鼓動はうるさいくらいに脈打つ。

「……い、いんです、か?」
「いいの。受け取っておいて?滅多に人に贈り物なんてしないのよ、私」
「ありがと、ござい…ます」
「よろしい」
ふっと仄かに笑んだ気配を残して咲夜はヒールで床を打ち鳴らし、踵を返して部
屋を出てしまう。


かつんこつん、とフローリングを鳴らす音が、聞こえる。かつん、かつん、こつ
ん。
ぱたり、その音が途絶えて、咲夜が立ち止まって、振り向く。

「いいの?そのうち山の神様が大騒ぎして迎えに来るわよ」
悪戯っぽく目を細めた笑みに、最早早苗は金魚みたいにぱくぱくと口を動かすこ
としかできなくて。再び近づいてきて、差し出された咲夜の手を取るのがやっと
だった。

◇◇◇


その夜の守矢神社。
「神奈子様、諏訪子様」
「どうしたんだい、早苗」
「んー?なになにー」
「誤解しても、いいですかね」
「「……何を」」
「いいですよね!だってあの顔、だってあの行動!!ああそうでした、常識はぶち
壊すものだった。見ててください、早苗は必ずや…!」
「……あー、うー…さなえぇ」
「私たち、展開についていけないんだけど」
「早苗は必ずや手に入れてみせます!」

話が噛み合わない。

◇◇◇


その夜の紅魔館。
「お嬢様、お呼びで?」
「ああ咲夜、来たわね」
「何でしょうか、紅茶に砂糖入れすぎましたかね」
「いや、いつも通りの甘さだったわ。それよりも咲夜」
「マドレーヌよりもスコーンだったかしら…」
「あ、あのねさくや…」
「はい、なんですか」
「絶対わざとでしょ」
「……?」
「さっきの風祝の子」
「ああ。妹みたいでかわいいですよ」
「愛犬の紹介みたいな口調で話さない。絶対あの子貴女に気が、うむーー」
「それ以上言ったらだめです。咲夜は本気になってしまいます」
「なればいいじゃない。咲夜のナイフが火を噴きますよってね」
「……どういう意味かは敢えて質問しませんが、ナイフに火炎放射機能はついて
ません」
「もうやだわかってるくせに」

いろんな意味で確信犯?



とりあえず終われ
さなさく、来い!(あいさつ)
すいみんぐです。
れーめいとかめーれみとか書きたいけどさなさく!(落ち着け)
何でか知りませんがさなさくが来てます。次点でえーさくが来てます。ん、えー
てる?ずっとだぜ。

いちゃいちゃあまあまが書けません。砂みたいな糖分を口から吐ける技能を習得
するべきですかね?

それでは読んでくださりありがとうございました!
感想批評指摘なんでも待っております。

※タイトル変えました。
すいみんぐ
コメント



1.けやっきー削除
さなさく、来い!

頑張れ早苗、常識なんて何のその。
お姉さん咲夜を落とせるその日まで。
2.奇声を発する程度の能力削除
さなさく万歳!!
3.すいみんぐ削除
けやっきーさん さなさく、来いよ……!
これくらいの距離も美味しいですがくっついちまえさなさく。

奇声を発する程度の能力さん さなさく万歳!

コメントありがとうございました!
4.名前が無い程度の能力削除
さなさく流行れ!
早苗さん頑張れ! 咲夜さんが落ちる日は近いぞ