お久しぶりです、小悪魔です
私のお名前、ご応募がたくさん届いております
非常にうれしいんですが・・・
今のところ「小悪魔」と「こあ」の二択だけってどういうことなんでしょう
と、こんな呑気なことも言っていられません
パチュリー様が最近何かにはまったらしく、
数ヶ月場所も変えずに一心不乱に本を読みふけっていた所、ばったりと倒れてしまいました
いつかこうなるんじゃないかとずっと心配してはいたんですが・・・
「小悪魔、水をもらえるかしら・・・」
「あっ、はい」
持病の喘息まで出てきてかなり辛そうです
定期的に水を飲まないと咳が止まらないようです
うーん、どうしたものか
「ゴメンナサイね、魔法使いだからって迂闊だったわ」
「あまり強くないんですからもう少し気を使ってくださいね」
「教訓にするわ・・・ゴホッ」
「無理に話さないほうが・・・」
「そういうあなたもあまり一緒にいると感染るわよ？」
「悪魔族は風邪とは無縁なので大丈夫ですよ」
「あぁ、そうだったわね」
？ 教えた覚えは無いんですが・・・
「小悪魔、一つ頼んでもいい？」
「はい？」
「つんである本の上の三冊だけ、持ってきてくれるかしら
後は片付けていいわ」
「分かりました」
病床であろうと本は必須
流石はパチュリー様
これでもう少し体が丈夫ならいいんですけどね・・・
「この山ですね・・・うわわっ」
「小悪魔ー？ 大丈夫ー？」
「大丈夫ですー！」
また本の下敷きになるところでした
相変わらず量が・・・
あれ、上の二冊ってどれだろう
しまった、崩したから分からなくなっちゃった
「パチュリー様！ どれか分からなくなりました！」
「えー」
「どれですかー」
「もういいわ、私が・・・」
「そんな、寝てなくちゃだめですよ！」
「今まであなたに頼りすぎたわ」
「そんな事言わないで今は休んでてください」
「・・・あなたはいいの？」
「え？」
なんだかパチュリー様が変です
熱でもあるのかな・・・
「あなたはそれでいいの？ 私にこき使われ続けて」
「所詮は小悪魔ですから・・・」
「立場じゃないわ。一つの意思を持つものとしてよ」
そ、そんな難しい事言われてももも
「とっ、とにかく無茶しないでくださいっ」
「むぅ、仕方ないわね」
あらやだ、パチュリー様のふくれっ面かわいい
「どの本ですか？」
「・・・のせい・・・」
「え？ よく聞こえないんｄ」
「『悪魔の生態』よっ！！」
「はいはい、悪魔の生態・・・え？」
ちょっと待って
パチュリー様が悪魔のことについて興味を示したことなんてあったかな
うーん、これは一体どういう
「これですね」
「そう、これよ」
「・・・あの」
「なに？」
「私は構いませんよ」
「・・・さっきの質問の答え？」
「そうです
今こうしてパチュリー様のためにお仕事が出来る事が私の生きがいです」
「・・・そう、じゃぁこの本は要らないわね
片してもらえる？」
「え？」
「その・・・ね
たまにはあなたのために何か出来るかしら・・・って」
「そんなことのために・・・」
「どんくさいのは悪魔じゃなくてあなたの特徴だったみたいだけど
悪魔がみんなあなたみたいのだったらさぞ楽しかったでしょうに」
「・・・気持ちはうれしいです
でも私は今のままでも・・・」
「もういいわ、気を遣いすぎたかしらね
でも無理しちゃだめよ？」
「パチュリー様もですよ？」
「ふふ、そうね、私のほうが考え物ね」
こんな笑い方したのいつぶりだったかな
本ばっかり読んでて
全然人と話そうとしないパチュリー様
紅魔館の人達すらあまり眼中にないみたいだった
でもそれは思い過ぎだったのかも
現にこうやって下っ端の私を気にかけてくれた
・・・なんでかな
確かに良く考えたら私はただの使いっ走りだった
でも悪い気がしたことは一度もない
咲夜さんがお嬢様に何の気兼ねもなく仕えるのと一緒かな
でもなんか違う
一緒にいると・・・うれしい
友達・・・でもない
恋・・・人？
！？
「ななななな何を考えてるだあわわわわ」
「？ どうしたの？」
「なんでもっなんでもないないですっ片付けてきます！」
「あ、そんなに慌てたら・・・」
「きゃーっ」
「言わんこっちゃない・・・
やっぱりほっとけないわ・・・」
良いパチェこあでした！
嘘だッ！