Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

なんだかんだで

2010/06/27 00:19:49
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「あら冷害女」
「あらメルヘン女」



言った瞬間、女が笑っていた顔を歪めた。

勝った!
私は内心高笑いする。ああ、八雲紫に話を聞いてもらって良かった。
多分八雲紫自身は私の事情なぞには興味有らず、
この大妖に一泡ふかせたいという願望を面白がっただけだろう。
それでもいい。余裕綽々の顔を歪められただけでも満足よ。
「待ちなさいな」
「何よ」
「メルヘンって何メルヘンって」
「だってあなた、何時もお花とお話しているんでしょ。プークスクス」
決まった。
これぞ八雲紫から聞いた大スクープ。ブン屋もびっくり。
普段はマジで怖い花の大妖──風見幽香の実態は、とっても可愛い女の子!
春の間はたくさんの花に囲まれて色んなフラワーとお喋りしてるんだって。
ああ、私が冬季限定なのが嘆かわしいわ。是非拝んでみたかったのに。
「………ふふ、」
風見幽香が笑った。
可哀想に、笑うしかないのね。
花と喋ること自体は可笑しくないの。実際、私は殆ど見たことないけど花だって生きているんだから。
ただ、それをあの情け容赦無しの季節のドSマスター、
風見幽香が行っている姿を想像してみ「雪女さん、長生きはするものじゃないわね」
「え?」
風見幽香の傘が、開かれて此方を向いている。
え?あれ?嘘?何あれ?
「今年の冬は短かったわ、さようなら」
目の前が、眩い光に包まれた。

ああ、あれは、元祖、マスタースパー……






「無茶苦茶だわ!!!!」
「もう一発逝っておきましょうか?」
「断る」
紙一重で、私は風見幽香の光線を避ける事に成功した。
自機もびっくりのグレイズっぷりだったわ。次の新作は自機確定ね。
ふふん、こう見えても冬真っ只中の私はかなり力がある方なんだから。
え?春の異変の時?だってあの時、微妙に春だったじゃない。冬度63%減だったし。
「人の事は冷害だの何だのと言う癖に、自分の事になると怒るなんて…雪ん子と同じよ」
「二発ね、承りました」
「あらやだ、チルノとの約束思い出しちゃった」
さよならも告げずに私は背を向けた。あんな恐ろしい技を二度も喰らってやる必要はないのだ。
が。
「ぐっ!?」
飛び立とうとした私の足に絡み付く枯れた蔓。
「じゃあその前にうちでティータイムしていかない?」
風見幽香は優しいお姉さんの如く微笑んだ。だけどここで騙されてはいけないのだ。
よーく見たら後ろの方で、鈴蘭畑の毒人形が無邪気に踊っている。
去年ホイホイと釣られていった奴は、彼女の毒が混ぜられた茶を飲んで昏倒したそうな。

まあ、それ私なんだけど。

え?その後どうなったか?
あの優しい幽香さんに、
お湯をかけられそうになったり、密閉された部屋で温度をあげられたりなんかされる筈ないじゃない。
ましてや暖炉の前に座らされてティータイムとか。
チルノじゃないけど、気持ち溶けた気がした。おかげであの時は体重減ったんだけど。
「また眠らされちゃたまらないから遠慮しておくわ」
言うと、風見幽香は口許に人差し指を当てて艶やかに笑った。
けど、一瞬。
ほんの一瞬だけど、悲しそうな表情を浮かべた気がした。
「ふふ、それは残念だわ」
…気のせい、かな。
もう一度風見幽香を見ると、彼女は眼を細めてまた笑っている。
正直な話、私は風見幽香のそういう仕草が苦手である。
だって、同じ同性なのにこの色気。
白いブラウスから覗く白磁の肌に、深緑の髪。
そしてこの、余裕の笑み。
思わず、胸が高鳴ってしまうじゃないのよ。
「…何かしら、人の顔をじっと見て」
「な、何でもないわよ」
少し気を緩めると直ぐに凝視してしまうから気を付けなきゃ。
こんな美人なのがよくないのよ、うん。私がおかしいんじゃない。
風見幽香は私を怪訝そうに見つめていたが、やがて空を見上げて一つためいきを吐いた。
「まあいいわ、冬はまだ始まったばかりなのだから。今回は見逃してあげる」
私の足を拘束していた蔓が緩む。どうやら飽きたらしい。
今回は、って事はこの冬の間にまた何時元祖マスパを喰らうかもわからないという事なのだろうか。
「何で唯一起きていられる季節に死の危険を感じなきゃいけないのかね」
精一杯の皮肉も風見幽香はガン無視だった。
それどころかわざとらしく身震いして、
「早くどっか行きなさいよ、寒いんだから」
とまるで猫を追い払うかのようにシッシッと手で私を払う。
失礼な、私が寒くしてるんじゃない。寒いから私が居るんだ。
とはいえ、帰れと言われれば無傷のうちに帰るが勝ちだ。
「それじゃあご機嫌よう、花の大妖怪様。機会があったらまた会いましょう」
ただし今年はもう会わないわ。と心の中で付け足して。







「あら、冷害女。今日はお茶していくでしょ」
やつは、とても嬉しそうな笑みを浮かべて私の前にいた。

「ほ、ほほほ、もう夜だからうちに帰るわ」
昨日の今日だというのに、何故にまた遭遇してしまうのかしらね!
しかもあの女のテリトリーの花畑じゃなくてよりによってこの里の中で!!
そりゃあ、人間たちにいい顔されない私がいるのも変だけど、なんで風見幽香が里にいるのよ!!
「妖怪が夜に寝るなんて愚の骨頂だわ。それ以前に貴方は私たちの何十倍も長く睡眠を取っているのだから」
「私夢を見るのが好きなのよ」
「あらそう、じゃあうちで見ていったら?よく眠れるハーブティーを出してあげるわ」
風見幽香の鋭く切れた紅い目が私を映し出す。
まるで、宝石が填められたみたいな瞳。本人もこのくらい純粋ならいいのに。
ていうか、何よ、何よその怪しげな笑いは……!!
『来ないなら撃つ』って表情……どっかの黒白そっくり!!

……うう、でも、一応、一応は風見幽香も好意なのよね。あんなことはあったけど。
それに、あーだこーだ言っても、私は……。
「……毒とか混ぜるの、やめてよ?」
「あら、私がいつあなたに毒を混ぜたというの?」
「はいそうですわね。……マスパは無しよ?」
「お客様をもてなすのに、暴力なんて振るわないわ」
がっ、と腕を取られ、変な態勢で宙に舞う私。
風見幽香と言えば、そんな私を見やって一言、
「あなた、去年より重くなってない?」
「帰らせていただくわ!!!」
「帰らせないわよ」
腕を握る力が強くなる。このままへし折られそうな位に。
「痛い痛い痛いっ、行くわよ、行くから!」
「……………わ」
「え?」

「……去年のお茶会の、やり直しがしたいから。いてくれなきゃ困るわ」

なんだかんだで、風見幽香が。
嫌いじゃないのよね、困ったことに。
去年の冬
メディ「あ、間違えて毒入れちゃったよ」
幽香「メディいいいいいいい!!!!」

幽香「(取りあえず、部屋暖めてたほうがいいのかしら)」
レティ「ちょっ、やめ、しぬから!!」ガバッ!!

幽香「(汗もかいてるみたいだし、お風呂に入ってもらったほうがいいかしら)」
レティ「お湯ううううう!!!!!ひいいいい!!!」

幽香「(お、お詫びにお茶を出しておきましょう、暖炉も火を入れておいて、と)」
レティ「」



幽レティは俺の……冬虫夏草(キリッ
レティさんは本当は幽香さんと友達になりたいんですよ。
幽香さんも本当はレティさんと友達になりたいんです。
にしても、書いててなんですが、レティさんって暑い(熱い)の駄目なんですかね…?

*分類をリンクに入れてた/////はずかしや
ugg
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
ゆうかりん可愛いよ!!レティも可愛い!
幽レティ最高だ!!!
2.名前が無い程度の能力削除
幽レティは初めて見たけど、なかなかいいものですね。


ところで冬虫夏草だと虫(リグル)も入れて3ピ(マスパ
3.名前が無い程度の能力削除
これはいいカポー。
4.名前が無い程度の能力削除
幽レティも有りだな