Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

森近旅行記 初日

2010/05/12 23:52:41
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過ぎてしまったゴールデンウィーク、後に残るは虚しさだけ…

ま、幻想郷に限ってそんなことありませんが

どうも、森近です。
この前みすち夜出前を頼もうとしたら何者かに店をつぶされていたみたいなんだ。
あそこの八目鰻重はなかなか絶品だったのに一体誰がそんなことを…

とりあえずそんなことは置いといて、ついおとといあたり八雲紫が来店して
何か仕入れたい商品はある?と聞いてきたな。
当然僕は身も心も休めるような奴がいいと希望したのだが
それには準備がいるからしばらく待って、と言ったきりである
あの人いまいち信用しづらいからな…本当に準備してるのだろうか?
まぁ、来なかったら来なかったで、別にどうってことが無いんだ。
今日は久々に旅行を楽しむ予定だし。
客人帳?この頃日付と天気だけだよ、悲しいけれどこれって不景気なのよね。

「金よし! 着替えよし! おやつのピーナッツよし!」

そろそろ集合時間になるかな……
荷物の最終点検をしていたら、何やら
黒い物体がこっちに近付いてきているのだが
大体予想はつく、きっとあの子だろう。

「やぁ、ひさしぶり」

「おやつのピーナッツをよこすのd…痛っ!」

バン!!

「きゅぅぅぅぅぅぅぅ……」
黒い物体…もといルーミアは店の柱に激突して早々に気絶したようだ。
一体何がしたかったんだか……おっと
さっさと荷物の点検をしなければ。

バゴン!

「一体次はだれなんだい?」

「ピーナッツをよこせー!」

「駄目だって! チルノちゃん!」

勢いよくドアを蹴っ飛ばしたチルノが店にやってきた
これは僕の夜のお供なんだ、渡すわけにはいかない!
とりあえず右手にはスイッチ、左手には手当て用の道具を構えた。

「あたい…参上!!」

チルノはやる気全開でヒーローのような決めポーズをとった
何気にポーズは決まっている、きっとかなり練習していたのだろう。

「だから、人から物を奪うのは駄目だって!」

「いいからやらして!」

大妖精が必死に止めているがどうやら聞く気が無いようだ。
人の物を勝手に取ってはいけないと習わなかったのか?彼女は、まったく…
バカへの薬用に今回はあらかじめトラップ展開しておいてある
あくまで彼女のためを思ってでありピーナッツのためではない、絶対に!

「なぁ…チルノ……」

「なに? 命乞いなら受けないわよ」

「やってもいいかい? ……答えは聞いてない!!」

僕は素早く右手に構えていたスイッチを押した。
チルノの真下に巨大な落とし穴が開くが…空を飛ばれて意味が無かった
普通落とし穴は空を飛べない相手に使ってこそなのだが、今回は違う。
落とし穴が開くと同時に他のトラップも連鎖するようにしてあるのだ。

「バーカ、きかないよー」

「ところがそうでもないんだな、これが」

ピコ!ピコ!ピコ!ピコ!   …ヒューーガンッ!!

「あうっ!! うわぁーーーー!」

彼女の頭上に大量のピコピコハンマーを落下させて牽制したのち、
落とし穴の真下に目掛けて落下した巨大な金ダライが脳天を直撃して
そのまま落とし穴へと叩き落し、タライが穴にふたをした。
おかしなコントのように引っかかるから名付けて、コントラップ!
空を飛べば大丈夫だと思っている奴に強烈な一撃を浴びせます。

「いたた……やってくれたわね!」

彼女は片手で頭を覆いながら落とし穴から這い上がってきた。
金ダライはクリーンヒットさせたはずなのだが少し詰めが甘かったのだろうか?
と、そんなことを考えている暇じゃない、さっさとこの場を切り上げなければ。

「君の負けだよ、ピーナッツを奪うのはあきらめることだね」

「まだいけるのにうぅっ……」

まだまだやる気の彼女に僕はそう言って勝負を切り上げさせた。
はっきり言ってまともな勝負にでもなったら負けは見えている。
(そもそもスペルカードを持っていない!!)
なので最初にトラップに引っかかったその時だけが僕のチャンスである。
もっとも今回のようなお馬鹿には後2チェインほどは組み込めたと思うが、
香霖堂のトラップ…もとい商品の力は甘く見てもらっては困るな。

「しかし、店が少し散らかってしまったな…はぁ」

このトラップ、引っかかる姿は見ていて楽しい代わりに
使った後、ピコピコハンマーが店を散らかすのが欠点なんだよな、
まぁ、妖精に暴れまわられるよりかは、はるかにキレイに済むけど。

「片づけ手伝いましょうか?」

「それよりもまずはルーミア達の手当てを優先してくれてもいいかい?」

「森近のバーカ! べーだ!」

……カチッ!!  ガンッ!!  あべしっ!!



「あ、ありがとう…」

「まったく、また僕に特大絆創膏を使わして…」

僕はルーミアの頭の方のタンコブに特大絆創膏を貼った。
おでこに張り付いている姿がちょうど冷えピタのようになっている
これでタンコブの治療に関してはおおよそ3回目あたりになるかな。

「くそう、最強のあたいがこんなところで……」

「はいはい、チルノちゃんも少しは反省しなさい」

あっちでは大妖精がチルノの手当てをしている。
まぁ、僕がやるよりも彼女に任せた方がいいだろう。

「さてと…」

僕の方は絆創膏を貼り終えたので店の片づけに取り掛かることにした。



「ようやく片づけが終わったわけだが、もう出る用意はできたかい?」

「こっちも大丈夫ですよ」

後は行くだけかな?
それにチルノとルーミアは既に楽しみでたまらないみたいだ。

「「そーらにはおっひさーま あーしもっとに……」」

「スキーマ」

「「「え!?」」」

驚いて前を見たらそこにはスキマ運送の八雲紫が立っていた。
なぜこのタイミングで来る?しかも本当に足元にスキマが広がっている!!
せっかくの旅行の時ぐらい空気を読んで来ないでもらいたい。
しかしそんなことはお構いなしに彼女は笑顔で僕に手を振る。
待て待て待て!! 僕+αをどこに連れていく気なんだ!

「それでは」

「「「「「うわぁぁぁぁぁ!!」」」」」




…………!!

「ここは一体……」

山の中腹辺りだろうか、気がついた僕はあわててあたりを見回すと
そこにはいくつかの一軒家が建っていた。
幻想郷にこんなところは無いはずなんだが……

「ここはどこ? あたいはだれ?」

「落ち着いて、チルノちゃん!」

「お、おはぎはどこにあるのかー?」

「いたた…ストーking、じゃなくて取材をしようと思ったらこのざまですか。」

いきなりの事で他のみんなもどうやら戸惑っているようだ、
というよりもなんか1人余計なのが混じってきたような

「呼ばれて飛び出てババババーン!!」

隙間の中から八雲紫が顔を出してきた。
そういうネタは歳を考えて使ってもらいたい
古い! 気持ち悪い! 空気を読め!
まぁ、口に出して言ったら僕の生涯が幕を閉じるから言わないけど。

「あのな…こういうドッキリはやめてもらいたいのだが?」

「あら?別にいいじゃないの減るもんじゃないし」

「もれなく僕の寿命が減る! ところでここで何をするつもりなんだい?」

「何って、ここのペンションに泊まるに決まっているじゃない」

そう言って彼女は目の前の家を指差す まさか、居候? そんなはずないか。

「あのな…またの機会にしてくれないか? 今日は予定が入っているんだ」

「あら、どうせ旅行なんだからいいじゃない? それにもうとっくに予約したわ。」

「そうそう、外の世界に行くことなんてそうそうないことですし」

そう言いながら射命丸は笑顔でカメラのフィルムを巻いている、
やっぱり本心はそっちか!

それにしても、もう予約済みか…弱ったな、
そういうことならできれば他の日に1人で行きたかったのだが
そうすれば休養としては最高になるのに、残念だな。

「よやくっておいしいの?」

「チルノちゃん…もしかしてお菓子やなんかと勘違いしている?」

「お菓子っておいしいよね、たまに食べるけど」

まぁ、あっちはあっちの方で盛り上がっているようだし、
せっかくの予約を無にすることもないかな。
ちなみに最後の発言は僕ではない、ルーミアだ。
彼女だっていつもそーなのかーでしゃべっているわけではないのである。

「さて、もう入りましょ」

はぁ…しょうがないことになったな。
紫がドアを開いて中へと入って行くのに続いて僕らも中へと入った。



「いらっしゃい」

ペンションの中には主人とその女将さんが出迎えをしてくれた。

「このペンションを予約した八雲紫です」

「えっと…予約の方だね、少しここの説明をさせてもらうよ」

そうして僕らはこのペンションについて少し説明を受けた、
とはいっても大した内容ではないので省略させてもらう。
その後僕らは2手にわかれて部屋へと向かうことにした。

「部屋はここか…で、なんでお前らがいるんだ?」

「ま、いいじゃないですか、こんな機会なんですから」

「このおやつは頂いていくのだー」

部屋の振り分けは…
僕とルーミアと射命丸
紫と大妖精とチルノの振り分けとなった。

ルーミアはともかく、うるさい天狗が混じってしまったのが
残念なところかな。 まぁ、しょうがない。
しかし、なかなかきれいな部屋だな、僕の店とは違って
それに色々なものが置いてある、後であさってみるかな…

「わはーふっかふか!」

ルーミアがベットをトランポリンのようにして飛び跳ねて遊んでいる。
僕もやってみたいとは思ったがさすがに恥ずかしいのでやめた。

「お、こっちの世界にも新聞があるみたいですね、どれどれ…」

射命丸の方はどうやらここの世界の新聞を読むのに夢中になっている。
今のうちならトラップにもはめれそうだ…っと雑念が入った。
さて、僕はこのテレビというものを見て見るかな、多分動かせるだろう。
…ってどこをどうすればいいんだ?これは、

青年苦戦中……

カチャカチャ……よし! やっと動いた

「あの、もう夕食ができているから食堂へ行きませんか?」

隣の部屋の方から大妖精たちが迎えに来た、
せっかくテレビが見れるというのに、もうそんな時間か…

「わかった、すぐ用意するよ」

「まってましたー」

「ああ、まだ読み途中なのに…まぁ後で読みますか」

僕たちは少し部屋を片づけてから食堂の方へと向かった。



「わはー食糧がこんなにたくさんある」

「見ろ! 人間どもがゴミのようだ!!」

「やめようってチルノちゃん!」

大妖精が止めているものの相変わらず彼女たちははしゃいでいた。
初めてのペンションなんだ、無理もないか。
でも他の人に迷惑をかけるようだったら制裁を加えておかなければな。

「意外と人がいるものですね…」

そう言いながら射命丸はカメラを片手に次々と周りの人や物を撮り始める。
早撮り0.2秒、フィルム替え0.5秒、まさに神業ものだ

「さて、淑女らしくそろそろ席に座ろうかしら」

そんな中、紫は席に座って全員がそろうのを待ち始めた。
こういうところでは結構礼儀正しいな、彼女は
さて、僕も席に座るとしよう。

「「「「「いただきまーす!」」」」」


「これがマグロというものなのかー」

「まぁ、幻想郷には海が無いからね」

ルーミアが刺身を食べて目を丸くしながらそう言う。(意外に箸の使い方が上手い)
確かに僕も知っているのは名前だけだったな実際に食べるのはこれが初めてだが
重すぎない味で個人的には好きだ、少なくともキノコよりかははるかにいける。
ちなみに向こうの方では…

「はっはっは、この牛肉は私が冷凍保存してやったわ!」

「食べ物を粗末にするのは良くないと思うよ」

「あんまりうるさくするとスキマに放り込むわよ?」

チルノが牛肉を凍らせて保存しようとしているみたいだが、何やってるんだか
それに何気にタッパーを持ってきている、どこでそんなことを学んだんだ?
と、いうより周りの視線がこっちに寄っている気がする…しかも目が冷たい
頼む、恥ずかしいからやめてくれ!

「保存保存っと!」

隣を向いたら射命丸が食べ物を片っ端から写真に撮っている。
いや、気持ちは分からなくはないが、おいしいうちに食べた方がいいと思うよ、僕は
それに、はたから見たら幼稚な子供に見えるし。

結局そんなこんなで僕は周りが心配でロクに食事が進まなかった。
ああ、せっかくの夕食が……



「ふぅー食った食った」

「さてと記事をメモと…」

「君たちは今のうちに温泉にでも行ってきたらどうだい?」

僕はゆっくり読書をしたいので彼女たちにそう提案をした。
食後の読書もなかなか悪いものではないし、それに
1人で楽になりたいのもある、正直精神的に疲れた。

「まぁ…空いてるうちにでも行きますか」

「おやつは食べるなよー」

「はいはい、行ってらっしゃい」

そうして彼女たちを部屋から見送った。
ちなみに天狗の方の荷物にカメラが見えたような…気のせいかな

さて、彼女たちがいない間に僕はゆっくりと本を読もうと思うのだが

「これは少し危ないかな……」

僕が今読もうとしているのはこの前魔法の森でたまたま拾ったやつで
とある人形遣いが書いたとされる日記を本にしたものである。
通称”夢日記”と呼ばれるそれはどうやら男性諸君や一部の女性の心に対して
致命的な一撃を加えるとても強烈な内容が書きしるされているらしい…
はたして読むべきか…読まざるべきか…

「……やっぱりやめておこう」

その本をあきらめて風呂に入ることにした、触らぬ神にたたりなしだ
今度魔理沙が来た時にでも引き取ってもらおう。きっと喜ぶだろう。
僕は入浴用の荷物を持って入浴場へと向かうことにした。



……カポーン

「ふぅ、入るのは久しぶりだけどやっぱり温泉はいいなぁ」

僕は湯船につかって日頃の疲れを取っていた。
たまにはこういう息抜きでもないと僕の体が参ってしまう
いやーやっぱり霊夢たちのいない平和っていいなぁ。
でも、あと100ほど数えたら温泉から出ようかな。
っと湯気でメガネが曇って前が見えない……いてっ!



「……何があったんだい?」

僕が部屋に戻るとそこには布団にくるまったまま出ようとしないルーミアと
血だらけで倒れている射命丸がいた。
これは殺人事件! …なわけではなさそうだが一体…

「…その質問には…答えられません…ゲフッ!」

その血だらけの手には死んでも放さないという感じでカメラが握られていた。
確か彼女たちも温泉から帰ってきたハズだろう……まさか。
まぁ予想がつかないわけではないが、都合により推理は省略させてもらおう。
それにまだそこまで遅い時間でも無いのだが、疲れたからもう眠りたいんだ。

「先に寝てるよ…」

「…おやすみー」

「どうぞごゆっくり……」

一瞬、無邪気な邪念を感じたが、気にしないことにしよう。
僕は一足先に布団に入って眠りについた……

2日目へと続く。
眠っている間…

射命丸 「ふっふっふ、寝顔をもれなく盗撮なのです…」
ルーミア「ついでに顔に落書きをしてやるのだー」
チルノ 「あたいもやるやるー」
大妖精 「それはやめ…無くてもいいよチルノちゃん」
紫   「おもしろそうね、早速ペンと最新のカメラを取り寄せてくるわ」
紫以外 「「「わーい」」」

パシャパシャ…キュッキュッ…


そういう悪夢を見ているのだが、本当にされているようなような気がしてならない。
うっ、うーん……


追記 寝ぼけて作者名がひらがなになってました(汗

ご意見ご感想がございましたらお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
rapisu
コメント



1.奇声を発する程度の能力削除
面白かったです。
そして、紫は自重しろww

…あ、何か違和感があると思ったら平仮名になってたのか。