この作品は「兎兎何見て跳ねる~私を見て跳ねて逃げる~。って何で逃げるのよ。怪しくないように、せっかくうどんげの耳を抜いて頭につけたのに 」の続き(後半)となっております。
できれば先にそちらからお読み下さい。
「にとり~そろそろお昼にしましょう?」
「ふっふっふ……にとりは此処にはもういない」
「っ! 貴女は誰! にとりを何処へやったの!?」
「にとりは頂いたぜ! 返してほしくば博麗神社にお願いするがいい!」
「な、なんですって!?」
「私の名前は河代ちゆりマン! 又の名を……」
「で、何をしているのにとり」
「いや私は河代ちゆ……」
「髪の色変えてへそ出しルックにしても、私が貴女を間違えるはずがないでしょう?」
「そ、そんな……最新作のカモフラージュ変装スーツが……また失敗作かぁ」
「そうね。だって見た目が変わっても」
「ひ、雛? いきなり押し倒されると、私にも心の準備ってものがさ!?」
「ほら、にとりの香りがするわ。優しくて可愛くて、とても落ち着くのにどきどきする香りが」
「雛……うん、雛からもいい香りがする。甘酸っぱくてショワショワして……って雛、胸からCCしモンが零れてる!」
「えぃ! CCしモン目潰し」
「ぎゃぁあぁぁあ目がぁぁぁんむぐぅ!?」
「ん……それに、にとりの味がするもの」
「今日の雛、すごく積極的だね」
「だって春ですもの」
「そうか。春なら仕方ないよね」
「えぇ。仕方ないついでに」
「うん、もう一回……」
「もう一回CCしモン目潰し!」
「ぎゃぁあぁぁあ目がぁぁぁ!!」
<- 月明かりふんわり落ちてくる夜はー。さて、決して欠ける事の無い満月を肴に一杯飲みましょうか。そして一緒に舞いましょう? 輝ける夜と共にね ->
偽りの月の異変を解決して、まだ幾日かも足っていない早朝の博麗神社。
まだ生き物が寝ている時間に、玄関をドンドンと叩く音が響いた。
神社周りの動物や、妖怪たちも一体何事かと神社の周りに集まってくる。
彼らの視線が突き刺さる先には、黒い髪をした一人の少女が居た。
口からは何も発さず、ただ玄関の扉をドンドンと叩き続けている。
それは壊れるほどの勢いで、そのうち蹴り倒してしまいそうな剣幕である。
しかし神社の巫女であり、この家に住んでいるはずの博麗 霊夢は出てこなかった。
何故出てこないのか。何故出てこれないのか。
その謎を解くべく、視点を家の中に入れてみよう。
ドンドン!
「ん……ふぁ~。何この音?」
玄関から聞こえてくる音で、霊夢は目を覚ました。
布団ごと体を起こして、玄関の方を半目で見つめている。
しかしその目は真っ赤で、髪の毛は誰にも見せられないほどに爆発している。
脳もまだ睡眠を求めているようだ。
「……寝よ。そのうち諦めて帰るでしょ」
「れいむぅ寒いわ、布団もどして」
「はいはい」
「ん~ぬくぬく~♪」
「こら変なとこ触るな。あとそんなにくっつく……な?」
「ぱふぱふは出来ないけれどフニフニして柔らかいわぁ」
「な、ななななな」
「れいむのあせのかおり~スーハースーハー」
「紫! なんであんたが布団で私の裸が一緒に寝てるのよ!?」
一瞬で目が覚めた。
立ち上がって布団を弾き飛ばすくらい、目が覚めた。
でも言葉が前後するくらいには混乱していた。
「れいむぅ寒いわぁ、足を絡めあって抱き合いましょ?」
「うわ寒。良く見たら私まで裸じゃない。とりあえず布団の中で詳しい話聞くわよ」
しかし寒さからか、霊夢は一瞬で我を取り戻し、頭まで布団に潜り込んだ。
ついでに紫と足を絡めて、お互いの控えめな胸をくっ付け合った。実にぬくぬくである。
今は初夏と呼ばれる時期だとか、服が布団の横に畳まれて置かれているとか、端っこで氷精が大口あけて寝てるとか、
そのような小さな事に気が付かないくらいには、霊夢は冷静なようだ。
「で、昨日の昼くらいから記憶が無いんだけど」
「其処からのことを話すと~、とても長くなるわ」
「いいから話なさい。もしかしたら、もしかするかもしれないし」
「ふぅん……もしかしたら、如何するのかしら?」
顔が近い。あと数センチ動かしたら唇と唇がこんにちわするくらいに。
だからか霊夢の顔が赤く、眼には戸惑いが現れていた。
そんな状態で霊夢が出した答えに、何故か美鈴の泣いている姿が映った。
「えっと、美鈴が泣く?」
「む……どうしてそこであの門番が出てくるのかしら?」
「なんだか分からないけれど、そんな気がしたのよ」
「えぃ!」
「いったぁぁぁい!」
紫はとりあえず、霊夢の秘密のさくらんぼを抓った。
あにすんのよ! と言う霊夢に、噛まれなかっただけでもありがたく思いなさい。と返す。
「残念だけど、なにも無かったわ」
「当たり前よ」
「貴女が泣きつかれて寝てしまったから、服を脱がして布団に入れて、私も一緒に脱いで布団に入ったまでは良かったものの、暑かったから氷の妖精を隙間経由で部屋に入れておいたら、大きな妖精も付いて来て、邪魔だったから夜雀の屋台の八目鰻がめいっぱいみっちり詰まってる保存用鍋に頭から下を入れておいただけよ?」
「長い。一行にまとめなさい」
「霊夢と一緒のお布団で寝たかったのよ」
「よし、レイムブリーカー!!」
「タップタップ! 背骨からギシギシ音が! でも胸が押し付けられて気持ちいいからやめないで!」
――ポキッ☆
――バキィ!!
それは背骨がイッちゃう音と同時に鳴った。
おそらくは玄関の扉が壊れた音だろう。
暫くの静寂の後、足音が近づいていることが分かった。
まっすぐ霊夢の寝室へと向かっている。
「紫、この状態を見られると色々と面倒だから、隙間で早朝のお客さんを帰して……あ」
「ピクピク」
紫は白めを向いて痙攣していた。
どうも愛が強すぎたらしい。
でもどこか幸せそうな顔をしているので、多分数刻の内に復活するだろう。
問題はその数刻をどうやって稼ぐか。
と考えているうちに、部屋の前で足音が止まった。
人の気配が、それも殺気ににた気配が戸の前から伝わってくる。
「ちょっとしたホラー活動写真ね」
まだ幻想郷には映画という言葉は無いらしい。
霊夢はとりあえず布団の四隅に札を貼り、結界とした。
これで並みの妖怪程度ならば、布団に近づくことすら出来ないはずだ。
睡眠を邪魔するものは馬に蹴られて死ね。と部屋の前に張り紙をしてあるので、きっと寝ていると思うはずだ。
完璧である。なにも落ち度はない。衣類が布団の外にある以外は。
――コンコン
今日始めて聞く控えめのノック。
いや、もしかしたら玄関でも、ちゃんと普通にノックをしていたのかもしれない。
それで反応が無いもんだから、ぶち壊してきたのだろう。きっとヤ○ザキックで。
つまりはこのまま無視し続けたら、間違いなく部屋に侵入してくる。
―コンコン……ドンッ!
どうやら玄関の時ほど待ってはくれないらしい。まさに恐怖。
ここは着替えてるから少し待ってほしいと、声を掛けるべきだろうか。
だが声をかけたら最後、すぐに部屋の風通しがよくなると勘が告げている。
ついでに言うと、もう遅いと勘が告げている。
――ガラガラ
まぁ鍵つけてないからそうなるよね。
普通に壊されずに扉は開けられたました。
そして……
「今は貴女の趣味をとやかく言うつもりは無いわ」
「私はいきなり結界を布団ごと燃やそうとした、あんたに文句は言いたいわね」
「燻り出しは、かの有名は天照大神を天の雨戸から出すときにも使われ……」
「そんなグロイ日本神話の裏話なんて知りたくないわ!」
「嘘だけどね? 多分」
「一回死んでこい!」
「死んだ回数なんて、百から先は覚えてない」
「とりあえず服着たいから、紫抱いてて」
「ついでに此処に落ちてる服着せておくよ?」
太陽が顔を出し始めた時間に現れた訪問者、月の姫で先日の異変のヘッドである輝夜は、戸を開け部屋を見渡し、寒いという理由で火炎瓶を投げた。
なんで持っているのかとか、スペカ使えよとか思うけど、結果として霊夢が起きたので良いらしい。
幻想郷に普通に起こすという選択肢は無いのだ。
ちなみに結界のおかげで布団も衣類も燃えなかったが、気が付いたら氷精は居なくなっていた。南無三。
「で、何の用なのよ。永琳に関すること以外なら聞くわよ」
「永琳が部屋から出てこないのよね」
「相変わらず人の話を聞かないわね……」
「いつもなら呼んだら薬を調合しながらでも来るのに。時々落として爆発するけど」
「あんた達の死因の半分以上はそれじゃないの?」
「まさか巫女服を着て帰って来たら、部屋から出なくなるだなんて思わなかったわー」
「私もまさかあんたが朝っぱらから、放火しに来るとは思わなかったわよ」
にらみ合う神社の巫女と永遠亭の主。
そして永遠亭の主の手には櫛が握られていた。
「なぜに櫛?」
「頭ぼっさぼさよ。そんなかっこ悪い人を私の屋敷に入れることなんて出来ないわ」
「いや、あんたの家に用事なんてないし」
「良いから後ろ向きなさいって。そのままでいるつもり?」
「むぅ……これは櫛がそれしかないからなんだからね。自分で解けないから仕方が無いからなんだからね!」
「さて、梳いている間に説明してもらうわよ。貴女なにをしたの?」
霊夢の髪のに櫛を通しつつ、輝夜は聞いた。
「足の刻印。その意味を考えないまま無神経な事を言った。それだけよ。それだけの事を私はしてしまったの」
「へぇ、あのガードの固い永琳のそこまで見るだなんてやるじゃない。私でも一回しか見たこと無いのに」
「正直な話、今でも永琳の罪の重さなんて分からないわ。月を捨てて輝夜、あんたを選んだって事くらいよ」
「それだけ知っていれば十分だと思うけど。だって永琳の罪なんてそもそも存在しないもの」
火であぶられたからか、霊夢の毛先がチリチリになっているのが目立つ。
輝夜は袖からか鋏を取り出し、布で毛が散らばらないようにしながら、刃を滑らせた。
「永琳の罪ってなにかな。蓬莱の薬を作った事? 月を裏切って私の傍に居ること? それとも穢れた大地にいることかしら」
「月の民に言わせたら全部って言いそうね」
「私に言わせたら全部関係ない話よ」
伸び放題だった霊夢の髪が整えられていく。
毛先を整えているだけだが、それだけなのに柔らかな本来の髪質が表に出始めた。
「これは永琳が罪と勝手に思ってるだけ。はぁ……なんで私がこんな事で、こーんな遠いところまで来なくちゃいけないのよ」
「いや、意味が分からないのだけど?」
「それくらい自分で考えなさいよ。なんか無駄足だったなぁ。ムカつくからもうちょっと髪の毛弄らせなさい」
「言われなくてもちゃんと考えるわよ。てかちょっと、変な髪形にしないでしょうね!?」
「ふっふっふ……久々に上物の髪の毛に出会ったんだもの。色々ためさせてもらおうかな」
耳の後ろでチョキチョキなる鋏が異様な光りを放った。
ポニーテールか、ツインテールも悪くないなどの呟きが、霊夢の背筋を凍らせる。
アフロという単語が聞こえたが気のせいだろう。気のせいにしてあげてほしい。
「私の髪の毛より、永琳を引き込みりから開放するほうが先じゃないの!?」
「大丈夫よ。整え終わるまでにはこっちに来るでしょ。これでも永琳とは長いながーい付き合いだもの」
「ま、これで貴女もちょっとは考えて話すようになったでしょ?」
「……あんたに言われると釈然としないというか。なんか腹が立つわね」
「それはお腹がすいてるからね。はいツインテールの完成っと」
「むー頭のバランスに違和感があるわ」
霊夢が頭を動かすたびに、ぴょこぴょこと髪の毛が揺れる。
いつも頭につけているリボンはいつの間にか右手首に結ばれていた。
「あ、そうだ! 貴女たしか整体師目指してたって聞いたけれど」
「それは針の扱い方を教えてもらうついで……いえ、そうよ。目指してるわ。幻想郷一の整体師をね」
「じゃぁ永琳にそれ教えてよ」
「は?」
頭をかしげる霊夢。
さらさらと、いつも以上に滑らかに流れる髪の毛が自分の首元をくすぐる。
今までに無い感覚にちょっと戸惑ったものの、霊夢は続けた。
「私もまだ勉強中なんだけど」
「永琳って肩もみへったくそなのよね。ツボに対して死にそうになるくらい執拗に攻撃してくるし」
「じゃぁ足ツボマッサージしてもらいなさいよ」
「親指を根元まで埋められるのは、マッサージとは呼ばないと思わない?」
「私が悪かったわ……」
薬を調合したり、医者としてもやっていける永琳にそんな不器用な部分があったとは。
霊夢の頭の中になぜか座等○チという文字が浮かんだが、すぐにひし形のツボにしまい込んだ。
「じゃ、言う事言ったしスッキリもしたし、私は寝るわ」
「なに自然に私の布団に潜り込んでるのよ。帰って寝なさい!」
「この抱き枕借りるね」
「あ、紫まだ伸びてたんだ。じゃなくって、こら布団から出なさい!」
「むにゃむにゃーもこたん、もう食べられないよー」
「寝つき早! あぁもう勝手にしなさい」
すやすやと眠る輝夜に布団を掛け直し、一応永琳が来たときの為にメモを残し部屋を後にした。
外に出て空を見上げると、雲ひとつ無い快晴の青空が広がっていた。
いつの間にか太陽の出勤時間はとうの昔に過ぎていたようだ。
「朝ごはん作るのめどい。レミリアからご飯をたかろうかしら」
紅魔館という言葉を出すと、なぜかそわそわする。
お腹がすいているからかしら? と自分のお腹をさすりながら、自前の針を用意。
もちろんレミリアを脅してご飯を用意させるためだ。
日ごろからがんばっているメイド長や門番にぶっ刺すと脅せば、フルコースくらい用意してくれるだろう。
「整体師がんばるって、美鈴に言ったら喜んでくれるかな?」
美鈴のオーバーアクションな喜びを想像すると、自然に笑みがこぼれた。
ちがうちがう、目指すって決めたのは美鈴に喜んでもらうためじゃない。
自分でそうありたいと思ったからなんだ。そもそもなんで美鈴の顔が浮かぶのよ。
美鈴は師匠、美鈴は師匠、美鈴は……まぁきっと師匠。
霊夢はよし、と気合を入れるとゆっくりと宙に浮かんだ。
まっすぐ、空を登っていく。
どんどん上空へ、幻想郷全てを見渡せるくらい上空へ。
そして、緊急停止したのち、地上へ向かって叫んだ。
「私は博麗 霊夢! 楽園の巫女にして、楽園の守護者。又の名を……」
『 整体師 霊夢!! 』
霊夢がメイド長に針を刺していた頃、静かな博麗神社に一人の女性が降り立った。
手には年季の入った巫女服を抱えている。
「霊夢ー玄関壊れているから、勝手にお邪魔するわよ? ……あら姫様、家にいないと思ったらこんな所にいたのね……これなにかしら?」
女性が布団から出た輝夜の足を直そうとしたところ、上においてあったメモが目に付いた。
そこには立った一文。5文字で構成された言葉が書いてあった。
「ふふ……わざわざ昨夜部屋に乗り込んできたお節介妖怪さんと、同じ事言ってるわ」
胸にメモをそっとしまうと、女性は布団に潜り込んだ。
中にお節介妖怪が居ると分かると、少し考えたのち、輝夜と一緒に抱きしめる。
一人だと広い布団も、3人だとちょうどいい大きさだった。
まるで最初から3人で寝ることを計算されていたかのように。
家族で寝る為に作られていたかのように。
それは暖かく、彼女達を包み込んでいた。
――ありがとう
是非家の按摩師(M師)の天子も使ってやって欲しいぐらいです
ちなみに、激痛を与えたいのなら殿筋(尻の方の筋肉)に親指を突き立てたら
どんなに我慢強い人でも激痛でしゃべれなくなりますよ?
まあ、うまく解れたら慢性腰痛に効くらしいんですけどねw
凄く悩ましい…!
続きが楽しみじゃー!
石の隙間じゃなくて何の隙間だろう
良かったぜ・・・今回も
ゲスト出演許可でた!?
いつか是非使わせていただきます!
よかったら家の子も使ってほしいなんて贅沢いってみたり
>くっ…!ゆかれいむなのかめーれいむなのか!
ゆかりんの押しの強さが勝つのか、めーりんの包み込む母性が勝つのか
もしかしたら第三者の介入が……我もどきどきなんやな!
>石の隙間じゃなくて何の隙間だろう
きっとそそわと何かの隙間だとんんんんんんんんんんこれ以上はデンジャー
きっと上着と下着の隙間だよ!
お下品なのになぜか許せてしまう不思議なアニメだったなぁ
今ではなぜか笑えなく‥‥‥というか見てすらいない我が此処に
えまだ続いてたっけ? あれ?