空の思い出

「さとり様、私っていつさとり様に拾われたのですか？」

「急にどうしたの？」

地霊殿ではさとりと空がこんな会話をしていた。

「さとり様が私を拾ったときの話をしてくれないから気になっちゃって。」

「まあ、いいわ話しましょう。少し長くなるけれどいいわね？」

「うにゅ、大丈夫ですよ。」

「じゃあ話すわよ。それはそう、今日みたいにとても寒い日だったわ・・・」







私がそう、暇だったから散歩をしていたときだったわ。まあ、人に会うのは嫌だからあまり人のいない所を歩いていたの。
そうしたら大きな木の下で小さく震えている鴉がいたの。その鴉は心の中で「助けて」って叫んでたわ。

でも私は無視してそのまま家に帰ったのよ。そのときはあまり動物を飼っていなかったからね。動物でも心を読めてしまうのは嫌だったの。



そして次の日は雨が降っていたの。だからかしら。昨日の鴉のことがすごく気になって昨日行った大きな木の下に急いで向かったわ。
そうしたらね、まだいたのよ。ずぶ濡れになりながら「助けて」って言っている鴉がね。それを私は飼うことに決めたの。


「・・・これがあなたを拾ったときの話。」

「私、さとり様に拾われなかったらどうなってたのですかね？」

「もしかすると死んでいたかも知れないわね。」

「・・・ありがとうございます。」

「いいのよ今では大切な家族なんだから。」

そういってさとりは空の頭を優しくなでた。

「うにゅ・・・ついでだから私が人型になれるまでの話も聞いていいですか？」

「いいわよ。」







いつから話そうかしら。じゃああなたが地霊殿に来たときから話しましょう。あなたは元気になるとすぐにまわりに溶け込んだわ。
特に猫。ああ、今のお燐と特に仲良しでね、二人のやんちゃぶりには私も手を焼いたわ。


それでね、ある日、お燐が人型になれるようになったのよ。それを見てあなたはとても驚いていたわ。その日を境にお燐には仕事をしてもらったわ。
だからあなたの遊び相手がいなくなっちゃったからあなたも心の中で「人型になりたい」って何回も言っていたわ。人型になって大切な人を守りたいって。


ある日、その願いがかなったのでしょうね。あなたは人型になったわ。はじめは驚いていたけれど、その後すごく喜んでいたわね。うれしかったわ。家族が増えたのだからね。




「こんな感じかしら。」

そこまで話を聞くと、空は急にさとりを抱きしめた。

「ちょ、ちょっと空！？」

「・・・私は、いつまでもさとり様を守ります・・・大切な人を、どんなことがあっても。」

「空・・・」

そのまま二人は少しの間深い眠りに落ちた。

初投稿になりますvolteckです。いい話にしようとしたら微妙になってしまいましたorz
こんな作品ですが楽しんでいただけたら幸いです。