Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

私は我慢する~魔理沙の場合~

2010/01/25 14:58:09
最終更新
サイズ
6.76KB
ページ数
1

分類タグ

「私は太陽の子! 仮面ライダーうにゅほRX!」

「お空、いきなりどうしたのさ!?」

「おにょれゴムゴムの仕業か!」

「ワンピ○スの主人公の仕業になっちゃった!?」



<私は我慢する~魔理沙の場合~>



私と、妹のこいしはビデオを見ていました。

こいしが私を後ろから抱きしめているので、私は身動きが取れなくて……

大体12時間ほどずっと抱きしめられているからか、背中に押し付けられているこいしの胸が汗ばんでいるのがパジャマ越しに伝わってきて、なおのこと身動きが取れなかったのです。

そして私はそのとき、第20関門くらいの危機的状態にありました。


「この変身前のギチギチがいいよね~♪」

「こいし、私おしっ…そろそろ寝たいのですが。さすがに休憩なく全話連続は……」

「出た! シャド○ムーンの滑り台キックだ!」

「こいし~お願いだからお手洗いに行かせて~(涙)」


結果を言うと、私は妹の前で本気で泣いてしまいました。

あぁ恥ずかしくて死にそうです……






「この話は幻想郷に住む少女たちが、我慢をする話だ。

 といっても少女から直接僕が聞いた話を"ぼいすれこーだー"なるものでこっそりと録音したものだけどね。

 僕かい? 僕はただのしがない商売人さ。

 それじゃあ始めようか。最初は……そうだな、僕と縁が深い子の話からにしよう」



――魔理沙の場合

我慢した話? いきなりだな。

私は我慢するって事が苦手だからなー。

あ、あれがあったか。でもあんまり面白い話じゃないぜ?

それでもいいって? よほど暇なんだな。まぁいいけど。

んー私ってさ魔法使いだからさ、やっぱり研究とか徹夜でするんだけど。

あれは確か1ヶ月前だったかな……



魔理沙は行き詰っていた。

普段は弾幕勝負の為にスペルカードの研究を行なっている彼女だが、

今は魔法使いとしての研究の為に試験管と格闘していた。

格闘と言っても、試験管を咥えさせて顔を殴るとかではない。

この幻想郷はそんなデンジャーな場所ではないのだ。


「あとはこの中身の余計な水分を飛ばせば……とりあえずは寝れるな」


魔理沙は現在3日目の徹夜に入っていた。

研究は調合時の都合上、どうしても寝るわけにはいかないことが多い。

食事やトイレに行くことも惜しいほどだ。といってもそれは仕方ないので簡単に済ませていたが。

それほどにも、この研究に打ち込んでいた。

そしてなかなか結果もでなかった。


「ふわぁ……っとと、危ない危ない。一瞬意識失いかけたぜ」


試験管を運ぶ足取りはかなりふらふらとしている。

タダでさえ足の踏み場が無い部屋の散らかりよう。

魔理沙が無事に試験管を運び終えたのは奇跡だったのかもしれない。


「あと10分。いいか私絶対に寝るなよ」


自分に言い聞かせるように試験管をミニ八卦炉にかける。

コポコポと緑色の液体が泡を立て始めた。

今は試験管の上のほうまで液体が入っているが、その半分程にまで水分を蒸発させなければならない。

それで薬的にも魔法的にも安定するはずだ。

試験管をまるで親の敵でも見るかのような目つきで睨む魔理沙。

髪の毛はぼさぼさで、目の下には乙女には似合わない隈が暗い部屋の中でもはっきりと分かる。


「……あと5分、いやこの火力だと4分か。焦るな私、失敗は許されない。もう約束の時間まで日がないんだ」


魔理沙がここまで真剣になっている研究。それは紅魔館に住む吸血鬼の為だった。

夜の王、レミリアスカーレット。

悪魔の妹、フランドール・スカーレット。

フランは少し前は心にある狂気のため、目に映るものを破壊しつづける鬼と化していた。

今は魔理沙を始め、霊夢やアリス、おそらくもっと沢山の人との交流で大分自制できるようになっている。

レミリアもフランをもう地下に閉じ込めるようなことはせず、一緒のベッドで毎日寝るほど仲良くしているそうだ。
まるで失った時間を取り戻すかのように。

そんな姿の姉妹を見て、魔理沙はとある提案をしてみた。


「ひなたぼっこをしてみないか?」


フランは困った顔をした。

レミリアは羽をピンと張り、目を点にした。

紅魔館の動かない図書館、パチュリーはため息をついて本の角で魔理沙を殴った。

殴られた魔理沙は地面にぶっ倒れたが、それでも言った。重要なことだから。自分の思いだから。

――夜のお姫様に見せてやりたい。生き生きとして草花を。

――夜の王に感じてもらいたい。太陽のぽかぽかとした暖かさを。


昔、パチュリーも同じことを考えていた。そして魔法はすでにほぼ完成させていたのだ。

それは幻想郷に来るよりずっとずっと前。親友を守るため、弱点を減らすために。人間からの攻撃に備えるために。

ある程度薬が完成した時パチュリーはレミリアに聞いた。太陽の光を浴びれるようになってみないかと。

レミリアは苦しそうに答えた。

「妹を閉じ込めるような悪魔には太陽はまぶしすぎる」


そしてパチュリーとの共同研究が始まった。

といっても魔理沙は主に材料集めと加工中心だ。

そしてその9割の準備が終わった。

あとはこの緑の液体だけ。

残り1分。

試験管に付けた目印の線まで。そこでミニ八卦路を停止させる。そして試験管に栓をする。それで終了。

朝には小悪魔が材料を取りに来てくれる。そしてパチュリーが後はやってくれるだろう。

残り30秒。

バタン! と扉が急に開けられる。

残り20秒。

小悪魔が息を切らせてそこに立っていた。

そして息を整える事もなく、小悪魔は叫んだ。

残り15秒。

「パチュリー様が、パチュリー様が!」

残り10秒。

その小悪魔の必死さに、魔理沙は玄関に向かって走った。地面に散らばる魔法道具を蹴散らしながら。

残り1秒。

そして魔理沙は玄関に立てかけていた箒にまたがり、一番星の輝く空へと飛び出した。





今思うといろいろと余裕がなかったんだな私は。

徹夜で頭回ってなかったからミニ八卦路そのままにして……

いや違うかな。徹夜してなかっても私は飛び出していたかもしれないな。

それからどうなったのかって?

なんてこと無い、いつものように失敗だぜ。

水分を蒸発させすぎたんだから当たり前だよな。出来たのは産業廃棄物Aってところか。

小悪魔がすぐに気が付いてミに八卦路を止めてくれたけど、とき既に遅しってやつさ。

ちなみにパチュリーは魔術式を完成させて寝てただけだったぜ。

レミリアとフランには悪いことをしたぜ。

あんなに楽しみにしていたのに。

まぁだから今は失敗しないように紅魔館のパチュリーの研究室で一緒に準備してるんだけどな。

ん? 我慢の話じゃないのかって?

我慢してるじゃないか。吸血鬼のお嬢様達は早く外で遊びたいって言ってるんだ。

言葉にしなくてもフランなんかすぐ顔に出るし、レミリアは羽がピクピクしてるしな。

私たちも、咲夜や美鈴だってそうさ。みんなで外で遊びたいんだよ。早くな。

でももう少しの我慢さ。一ヶ月伸びたけどその分精度も上がってるしな、っと随分と長いこと話し込んじまった。

じゃぁな、ありがたく材料は頂いていくぜ。

研究でまた寝不足にならないよう?

さんきゅ! でも心配御無用だぜ。夜は小悪魔に任せて寝るようにしてるし。

それじゃぁまたな!


ガタガタ……バタン!

カチャ。






「以上が魔理沙が我慢している話だ。

 この話の後、しばらく日が立ったら一家全員で店に押しかけられたよ。

 昼間に傘も差さずに平気で歩いてると本当に吸血鬼なのか疑いたくなったね。

 おっとお客さんだ。申し訳ないが他の子の話は今度にしてもらえるかな。

 すまないね、ありがとう。また来てくれ。

 ……いらっしゃい。今日は何をお探しかな?」







カチャ

ボイスレコーダーから小さな音が鳴っている。

とても小さくて聞き取りにくいが、幼い女の子の声が二人分聞こえる。

「パチェの……いい加減……して……」

「でもお姉さ……ないんじゃないかな?」

「パジャマパーティ……廊下から響く……煩くて我慢ができ……」

「それ……私達…声も……じゃない?」


ザザザ……カチャ
メイド「防音材って置いてないかしら? できたら二部屋分頂きたいのだけれど」
門 番「咲夜さん、三部屋分なんと私達の……」

堅く鋭く冷たく光放つこじろーです。
あの歌は声がでませんというか東方曲のほとんど声でないんですけおーけおー!
関係無いけれどブログでWドライバーのペパクラ始めました。

自由な幻想郷でも我慢しなければいけないことって沢山あると思うんですよね。
霊夢はどんなことを我慢してるのだろう? アリスは? 早苗は? 天子は?
次のキャラのリクエストを受け付けながらいつもの言葉を。

それではまた将来にお会いいたしましょう。またんご~♪
こじろー
http://maira001.blog113.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
こいし「あててんのよ」

ですね、分かります。(死語かな、これ……)
両姉妹とも仲良くてなによりです、なごむ。

次は幽香などいかがでしょう。
2.名前が無い程度の能力削除
さとりんが泣いたのはどっちの意味でなんだろう。
次はアリスが読みたいですね。
3.こじろー削除
>こいし「あててんのよ」
無意識のうちに幻想入りした言葉を実践するこいしちゃんかわいいよこいしちゃん

>次は幽香などいかがでしょう
さっそくのリクありがとうございます!

>さとりんが泣いたのはどっちの意味でなんだろう。
実はこのシリーズの前書きは繋が……おっとネタバレ自重やな

>次はアリスが読みたいですね
アリス・ガーマンドロイドですね分かりました!
アリスはやっぱりアレでがまんさせるか……ブツブツ
4.ずわいがに削除
おかしいな。
凄く良い話なのに、ある要因のせいで感動出来ない。
店主てめぇーっ!!
5.こじろー削除
>店主てめぇーっ!!
あの場所は博麗神社の次に人が集まると思うんだ
それも神社とは対照的に個々で。
だから店主と少女が仲良くなるのも自然に…店主てめぇーっ!!