Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

我ら何時までも共に在りましょう

2009/11/18 01:08:18
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幻想郷の人間の里

ここでは不思議な事が起こります





ある日の事です

寺子屋の生徒が、家に宿題を忘れて来てしまいました
このままでは先生に怒られてしまいます
ああどうしようどうしよう
そう思っていた時です
自分の真後ろで、ぱさりと音がしました
何だろうと振り返って見て、吃驚仰天
そこには自分の宿題があるではありませんか
少しついてる歯形が気になりますが、これで先生に怒られずに済みます

生徒は宿題を持って来てくれた誰かに感謝しました


ある日の事です

女の子がお使いに出た時、財布を何処かに落としてしまいました
幾ら探しても見つかりません
どうしようどうしよう
そう思った時です
自分の足元で、ぽとりと音がしました
何だろうと下を向いて、それはそれは驚きました
そこには落としてしまった財布があるではありませんか
周りの小さな足跡が気になりますが、これでお使いをすることが出来ます

女の子は財布を届けてくれたと神様に感謝しました


ある日の事です

老夫婦が散歩をしていました
するとその時強い強い風が吹いて、お婆さんが被っていた帽子が飛ばされてしまいました
お婆さんは慌てて追いかけようとします
それは昔にお爺さんから貰った大事な帽子でした
ですが帽子は風に乗り、上へ上へと行ってしまいます
その時です
大きな鳥が飛んで来て、風に乗っていた帽子を咥えました
そのままお婆さんの所に行くと、頭に帽子を置いてあげて、すぐ飛んで行ってしまいました

呆気に取られていたお爺さんとお婆さんですが、少し経つと手を合わせ、不思議な鳥に感謝しました


ある日の事です

里の男が、里の外に山菜採りに来ていました
それを狙うのは、一匹の妖怪
久しぶりにご馳走へと有り付けそうなのです、それはそれはじっと見つめて隙を窺っていました
その時です
ぐるるるる、と妖怪の後ろで唸り声がしました
なんだろう、そう思い振り返ります
そこに居るのは、一匹の獣
大きな白い犬のような獣が、妖怪を威嚇していました
なんだこの犬コロは
そう思い、人間から目を離し、獣の方に体を向けます
刹那、獣が妖怪の視界から消えました
なんだなんだと辺りを見回し、妖怪は落胆します
人間も消えていました

その晩、里の男とその家族は山の幸に感謝しました





やれやれ、今日も働いた。なぁ相棒。
……あぁ、全くだ。今日も疲れて机に伏せて眠ってしまうまで働いているのだから。
全く我らなんか比にならん。せめてきちんと布団で眠って頂きたいのだがな。
おかげで今日も最後の仕事は枕だよ、はっはっは。
……そこの、陰から覗いてるお前達、そう、お前達だよ。
向こうの部屋に布団を敷いておくれ、その後はもう今日は好きにしていいぞ。
ん、大丈夫だ、今日も病で倒れたとかではないから、最後の仕事をしておいで。
……あぁ全く、本当に困ったお方だ。これで朝起きたら自分が何時寝たか覚えていないのだから。
もっと御自愛していただきたいのだがな。

なぁ、慧音様。

寝間着に着替えているのはいいのですが、このまま寝たら風邪を引いてしまいますよ。
そんなに抱え込まずとも、もっと我らを頼って下さればいいのに。
そりゃあ、所詮我らはたかが獣です。
最初は霊獣様の元というだけで集まった者もいるでしょう。
ですが、今は皆、慧音様自身を好いているのですよ。
あの鷹だって、怪我をしたところを慧音様に助けられ、それからずっと敬愛しているのです。
それなのに慧音様と来たら、我らに何も任せてくれやしない。
非常時に戦闘の手伝いをするだけで十分だなんて、我らは十分ではありません。
だから勝手に家事だってしますし、里の見回りだってします。
慧音様の為ならば、雲の上にも地の底にも行きましょう。
獣といえど、好いた相手に毎日食事を貰うだけの生活も嫌なのです。
慧音様は我らに無償の愛を下さります。
我らはそれだけで幸せです。
ですが、慧音様はどうしたら幸せになって下さるのですか。
何時だったか、ご友人の藤原様に話していましたね。
私は、人が幸せである事が幸せなんです、と。
その時の藤原様の困った顔、我らと同じ思いだったのでしょう。
慧音様、貴女はその『人』には含まれていないのですか。
永夜の晩、満月じゃなければ人間だとムキになって言っていたではありませんか。
それが本音ではないのですか。
慧音様は何時だってそうです。何処かに壁を作るのです。
慧音様は親しい者にほど敬語を使います。
自身の深いところ、何時も隠されてしまいます。
慧音様は何時も里の者達の為に一生懸命です。
ですが、里の者達が楽しそうに笑うのを遠くで眺めているだけです。
どうしてその輪に入って下さらないのですか。
最初からそこに居たらいいではありませんか。
眺めている顔、確かに幸せそうです。嬉しそうです。
ですが、どうしてその顔に悲しみの色が見え隠れするのでしょう。
我ら獣は、そのような事には敏感なのです。
そして、獣は人より欲に忠実です。
だから我らには、慧音様が分かりません。
何時か一度だけ聞いたときも、ただ笑っているだけでした。
そうしてまた貴女は壁を作るのです。
何故ですか、何故我らにも話して下さらないのですか。頼って下さらないのですか。
ですが、我らは結局使い魔なのです。慧音様に使える身なのです。
慧音様は気にされないでしょうが、口答えなどできるはずもないのです。
だから我らは、貴女の言葉をそのまま受け取る事しか出来ないのです。
人の幸せが慧音様の幸せならば、我らは人の幸せの手伝いをしましょう。
それが本当に慧音様の幸せに繋がると信じて、そうする事しか出来ないのです。
そして、これは慧音様の命ではなく、我らが勝手にしている事。
だから、眠っている貴女にこう話しかける事しか出来ないのです。
……ん、布団の用意ありがとう。
相棒、背中に慧音様押し乗せてくれないか……うん、ありがとう。
やれやれ、こんなに獣に頭を使わせるなんて、本当に困ったお方だ。

なぁ、慧音様。

届いてますか?





幻想郷の人間の里

そこの寺子屋、その教師

その傍らには、何時も獣が二匹居ます

大きな白い犬のような、体に淡く赤い光を纏った獣です

彼らの他にも、獣が何匹か教師の側にいます

彼ら使い魔は、常に上白沢慧音の側にいます
要するに、使い魔萌え



(12/1 追記)

コメントありがとうございます
使い魔達も立派な東方内の登場キャラクターなのです
当て嵌めただけだとしても、彼らは強力な力を発揮してくれる従者なのです
天河らん
http://tengaran.blog10.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
マスター慧音……だと?
なんて粋なやつらなんだ
2.名前が無い程度の能力削除
慧音の弾幕の使い魔はこいつらか.
毎回ボムで吹っ飛ばしてごめん.
3.名前が無い程度の能力削除
ありえそうな話だ