Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

盛り盛り守矢

2009/07/24 15:23:46
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ご存知の方、こんにちは。そうでない方、はじめまして。
へるわかめです。
ちょいとプチの方に顔を出してみようかと出張ってきてみました。お邪魔します。

さて拙作で御座いますが、ちょっとした注意がございます。

・キリスト教徒の方にとって若干不快な表現があるかと思いますので、ご遠慮ください。
・古事記というか、日本書紀と言うか、その辺りの造詣が深い方もご勘弁ください。作者の無能が知れます。恥ずかしいです。もし読んでも細かい処につっこまないでください。泣きます。
・すわかなは天地開闢
・                                                すわ              
                                                               かな                        
                  うま

以上です。
こちらをご了承いただいてから、スクロールいただけますよう。では。
























それは、まだ守矢神社が幻想郷に来る前の話。





境内に続く石の階段を、軽快なリズムで駆け上ってくる音が響く。

「八坂様、暫くお目見えできず申し訳ございませんでした」
「おぉ早苗、久しぶりだね。期末試験はどうだったね?」
「はい、お陰様で全教科それなりに点が取れそうですよ」
「それはよかった。境内が汚れていくのを我慢したかいもあったものだ」
「す、済みません!!すぐに掃除を」
「はは、冗談だ。近所の者が代わりにやってくれたよ」
「そ、そうでしたか」
ホッと胸を撫で下ろす早苗。心底安心した様子だった。
「それはそうと、茶の一杯も入れてくれんかね。早苗が淹れたのでないと、舌で味わう事が出来ないからね」
「はい、今すぐに」
屈託のない笑顔で頷く早苗に、神奈子もまた笑みで返した。



「今日の古典の問題で、国生みの物語が出ました」
「伊弉諾神様、伊弉冉神様か。久しく名も聞かぬようになってしまったな。これも時代か…」
「…私達の、根源の物語なのですよね」
「あぁ、そうだ。思うに現代の者たちはるーつ…だったか?興味がなさすぎるのだ。その上生きる意味もわからんと言うのだから、なんとも愚かなことだ」
「そう、ですね。…え、と。それで、一つ気になったことがあったのですが」
「ぅん?何ぞ」
「生むと言うのは、創るのとは違うのですか?」

「当然さね。愛と恋ぐらいには違うさ。
創り出す、と言うのはね、あくまで其処にあるものを使って、その形を創るだけなのさ。
尤も、神代七世以前の神々と我らでは、全く別の物とも言えるが。
例えば、私が土塊を使って人を創ったとしようか。成程、其れは確かに人として動くだろう。
しかしね、其れはどうしたって『人間』にはなれんのさ。どうしてかわかるかい?」

「…分かりません」
「そうか。いやいや、解らなくても構わんさ、そんな顔をするんじゃない。
結局のところな、其れは人の形をとった土塊にすぎんのさ。どれ程精巧にできていようとな。
何故か?
成長をしないのだ、其れは。初めから完成された形なのだよ、創り出すと言う事は。
我らは神であるが故に、未完の物など創ることはできんのだ。
これは、解るか?」
「…うぅん、なんとなく、は」

「好い、充分だ。
だからこそ我らは生みだす。男神と女神、双方その身何一つ削ることなく、全く新しい存在を」
「神様であらせられるならば、初めから完成されていても良いのではないのですか?」
「うむ、そうだ。だがな早苗。創り出すこともできる、確かにな。そうやって子を生した神も居られたよ。
だがね、どうしたってその子は、親神様を超える事は出来なんだ。育つという事がないのだからね」

「あ…」
「もう一度言おうか。"だからこそ、我らは、生み出すのだ。"
考えたことは無いか?日の本の神々は何故夫婦が多いのかと。それが理由さ。
耶蘇の神がそうしなかったのは、己を絶対の位置に置く為だろうな。己を超える子など必要なかったという事だろう」










既に辺りは宵闇に包まれている。神奈子は一人、社の表に座ってぽうと星を眺めていた。
では失礼しますと早苗が帰って、一分と経たないうちだ。

「名演説じゃないか」
「諏訪子、聞いていたの」
早苗に語っていたのとは一変、堅苦しい話し方を止めて、声のした背後に振り返った。
「聴いてたよ。んん、肩凝っちった。難しいことばっかり言ってさ」
「聞かなきゃよかったのに」
言って、苦笑する。聞かれてたんなら、もう少し違う言い方をしていればよかった。
「何となくね、気になってさ。どう思ってたのかなって」
諏訪子は神奈子の隣に腰を下ろした。
「……」
「一つだけ。足りなかったね。ちゃんと私達は愛し合ってあの子の先祖を生んだんだ。ちゃんと、愛があった」
「うん、そうね」
「あ、あともう一つ」
「『私達はどちらにもなれる』、かしら?」
「なに、忘れてた訳じゃないのね」
「忘れないわよ、自分達の事だもの」
「そう」
二人で並んで、星を眺める。

「ついでに聞きたいんだけど」
のんびりと、しかし唐突に。
「ん?」
神奈子は首を傾げる。
「最初に言ってた、愛と恋の違いって何?」
「…なんでそんな処覚えてるのよ」
「だから、聴いてたんだってば。ね、神奈子が考える、愛と恋の違いは?」
「んん…、そうね。『愛』は求めあうもの、『恋』はただ只管想い続ける事…かな」
「ふぅん。じゃあついでに好きと愛してるの違いも」
「えぇー…?『好き』は返事が欲しいけど、『愛してる』は多分、囁けることだけで十分幸せ」
何を言わせるんだと、少しだけ照れた。
「そう。じゃ、私は神奈子が『好き』だね」
「へ?」

「嫌だもん、私が言うだけなんて。ちゃんと返事が欲しいから」
「…ばか」
「返事」
「………好き。私も、諏訪子が」
「よくできました」
恥ずかしいとは思う、お互いに。顔が同じだけ赤くなっていたから。
ただ視線を外した神奈子と、それを諏訪子が嬉しそうに見つめていたというだけの違い。
「しよっか、久しぶりに」
「……此処で?」
「見えないしね、誰にも」
「それも、そうね」
それは自嘲でもあったし、この場においては全く好都合でもあった。









































「と言う訳だったのサ」
説明を終えた諏訪子は満足げに頷く。その頭には、何故かたんこぶ。ついでにいうと、隣で小さくなってる神奈子にもたんこぶ。
「ほう、それが昼間っから境内で乳繰り合ってた言い訳なのね?」
目から針が飛び出しそうな勢いの形相で諏訪子と神奈子を睨み付ける霊夢。
「いやだからね、こっちだと丸見えだっていうの、つい忘れてて」
「神奈子が可愛いのが悪いんだ。っていうか、今説明したとおり神聖な儀式なんだよ邪魔すんn」
がぽっ。
「ちょぉっと黙っててくれるかしら諏訪子」
神奈子は拳を口に突っ込み諏訪子を強制的に黙らせた。

「…あんたらに聞いてもしょうがないわね。早苗」
「はい?」
「あんた、自分とこの神様ぐらいちゃんと躾けときなさいよ」
霊夢の怒声などどこ吹く風の早苗。
「仲が良くっていいじゃないですか」
「良くないわ!!幻想郷の風紀が乱れまくりよ!!用があって飛んできたら現場に遭遇した方の身になってみなさい!!」

神すら怯むその気勢に、しかしにっこりと笑って。

「良いんですよ。お二人が幸せで、私が嬉しいんですから」

怒れる霊夢すら呆れさせるような極上の笑顔を返すのだった。
乙女神奈子最高
へるわかめ
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
前書きがくどい。
2.名前が無い程度の能力削除
早苗さんはかなすわ夫婦の子孫だと信じてやまない俺歓喜w
ちょいと前書きが長かったかも
3.名前が無い程度の能力削除
プチにはプチなりの作法があるって事ですね。私は気にしませんが。

そんな事より結構なすわかなをお持ちで。乙女かなちゃん最高です。
4.名前が無い程度の能力削除
早苗はすわかなの間接的娘説の俺勝利!

「どこ吹く風の早苗」
何故かこの部分が二つ名みたいに見えてしょうがない。
5.名前が無い程度の能力削除
愛という字は真心で、恋という字は下心
by桑田佳祐
6.へるわかめ削除
貴重なご意見ありがとうございました。

そうか…前書きが長いのはいけないんですね。次回があったら気を付けます。
今回は、自分への戒めということでそのままにしておきたいと思います。
ねちっこく前書きに書いたとはいえ、実は心配してたキリストなめんな的なコメがなかったのは幸いでした。
それでは、ご縁があればまたいつか。
7.名前が無い程度の能力削除
キリストなめんな!!


まぁ、俺は神道なんだけどさ。
すわかなは俺のジャスティス!!