Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

頑張れ小さな女の子~4.初めてのお使い。前編

2009/02/16 15:34:45
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この作品は『頑張れ小さな女の子』シリーズの続きとなっております。


「霊夢~?」

 博麗神社を訪れると、そこに居るはずの人物が居なかった。

「神社留守にしてて大丈夫なのかしら?」

 とりあえずは、いつもどおり縁側までフラフラと闇を纏いながら行き、陽射しのあたらない場所まで来たら、それを解く。
 闇を解くと、見た目幼い女の子が現れた。リボン(本当はお札である)と両腕を広げたポーズが特徴的な少女、ルーミアだ。

「どうしよう……」


 ルーミアはとりあえず、霊夢が帰って来るのを待つことにした。
 仰向けに寝転がる。

「まぁまだそんなにお腹減ってないから待つのも良いけどね~」

 ん~、と体を伸ばして、大の字になる。
 目を閉じると、木々が揺れる音、柔らかい風、小鳥の囀り。なんとも言えない素晴らしい環境がそこにはあった。
 霊夢がいつも縁側でお茶を飲んでいるのは、こういうのを感じているからなのかもしれない、とルーミアは思った。

「わはぁっ!?」

 突然、ルーミアの顔を何かが覆った。
 慌てて目を開くが、視界は黒に染まっていて、何が起きたのか理解できなかった。

「なになに!?」
「気持ちよさそーに寝てんの見たら何か苛めたくなったから」

 霊夢の声がする。

「前が見えない~霊夢助けて」

 霊夢は、ジタバタ暴れるルーミアの顔から、覆っていた物を取る。
 ルーミアの世界に色が戻った。

「もうっ! 一体何するのよ!」
「怒るな怒るな。ほらこれ、あげる」
「わっ!」

 立ち上がって非難の声を上げるルーミアの頭に、さっきまでルーミアの顔を覆っていた物を被せる。それは――

「何これ?」
「麦藁帽子」

 麦藁帽子だった。
 ごく普通の一般的なデザイン。
 ただ少し大きめで、ルーミアが被ると言うよりは、ルーミアが覆われていた。

「何で私に?」
「あんた日光苦手なんでしょ? これなら平気かなって。闇を纏うよりも視界が良いだろうし」

 確かに麦藁帽子なら日光を遮りつつも、目の前が見える。自分から上を向いて日光を見ようと馬鹿な真似さえしなければ。

「それにこれなら外で仕事も出来るでしょう?」
「そうだけど……でも」
「んー何よ? もしかして嫌だった?」
「ううん! そんなことない! ただ、こういうの貰ったりするの初めてだから……その……本当に貰っていいの?」

 ルーミアは人から物を貰ったりするのが初めてだった。
 だから霊夢から麦藁帽子を貰ったが、どう反応していいか分からなくなっている。
 それを察した霊夢は、麦藁帽子を被ったルーミアの頭に手をポンと置き、

「私がわざわざあんたのために買ってきてやったんだから、あんたは受け取ればいいの」

 と言った。

「でも……」
「あんたはそれを被って、より働いてくれれば良いの。分かった?」
「……うん。あ、霊夢、その」
「何よ? まだ納得できないの?」
「違くて、その、ありがとう!」

 少し顔を赤くして言うルーミアに、霊夢は最初きょとんとしたが、すぐに優しい笑みを浮かべて、

「どういたしまして」

 とだけ言った。



◇◇◇



「では、今日の仕事を言い渡ーす!」
「おー!」

 朝ご飯を食した後、ルーミアは麦藁帽子を被った状態で外に居た。霊夢が目の前で腕を組んでいる。
 霊夢もルーミアも微妙にふざけた口調なのはわざとだろう。

「傷薬が先日切らしちゃったから永遠亭へ貰いに行って欲しいのよ」
「おー!」
「本当は私が行ければ良いんだけれど、一日に何度も神社を留守にするのもいけないから」
「おー!」
「永遠亭は分かり辛い場所だから、まずは人里から離れた場所にある妹紅ってやつの家を訪ねなさい。案内してくれるわ」
「おー!」
「理解した?」
「おー!」
「……私の名前は?」
「おー!」

 数秒の沈黙。そして、

「おらぁっ!」
「痛い!?」

 麦藁帽子ごと頭を殴った。

「冗談よ~」
「あんただと冗談に見えないのよ」

 へらっと笑うルーミアに霊夢は言う。

「ま、最後に確認。知らない人には?」
「ついてかない!」
「一人でも?」
「大丈夫!」
「永遠亭で貰ってくるのは?」
「妹紅って人!」

 スパーンと軽い音を立てて霊夢が殴る。

「妹紅貰ってどうすんのよ!」
「冗談よ~」
「だからあんただと冗談に見えないのよ」

 溜め息を吐く霊夢。不安はやはり拭えない。
 ルーミアは、にぱっと笑顔を浮かべている。麦藁帽子を被っているせいか、本当にただの少女にしか見えない。

「それじゃあ行ってくるよ」
「気をつけて行きなさいよ」
「うん!」

 ルーミアの遠ざかる背中を見ながら霊夢は、

「無事に着くかしら……不安しかないわ」

 小さく呟いた。



◇◇◇



 妹紅の家は案外すぐ見つかった。
 人里から離れた場所に、ぽつんと庵があったから。恐らくはそれだろう。

「妹紅さーん!」

 ルーミアは、とりあえず大声で呼んでみることにした。しかし、何の反応も無い。

「妹紅さーん! もこもこもこもこもこもこもこもこもこもこさーん!」
「えぇい! うっさいわ!」

 ルーミアは霊夢から教えられた、もこもこ叫んでいれば出てくるということを実行した。
 ただし、怒った様子の妹紅が出てきた。
 モンペと頭につけた紅い大きなリボンが特徴的な人物。ルーミアが霊夢に教えられた人物と一致していた。

「妹紅さん?」
「あぁ、私は確かに妹紅だ」
「永遠亭に連れてって?」

 突然呼び出され、永遠亭に連れてけと言う。妹紅としては何なんだこいつは、と言った感じだ。

「あのなぁ、まずお前は誰なんだ」
「ルーミアよ」
「……あぁそう。で、ルーミアとやらは何で永遠亭に行きたいんだ?」
「霊夢のお使い! 傷薬を貰いに行く!」
「あの巫女の?」

 霊夢の名前を聞いた妹紅はピクッと反応した。かつて妹紅をボロボロにした人物だから、かなり印象に残っていた。

「……分かった。案内しよう」
「ありがとう妹紅さん」
「妹紅でいい。さん付けは慣れない」

 ここで案内しないで後々あの巫女から文句つけられても困る、そんな気持ちで妹紅は溜め息を吐いた。

「何で溜め息吐いてるの?」
「いや……別に」
「迷惑だったら永遠亭の場所教えてくれるだけでも良いよ。そうしたら私一人でも大丈夫だし」
「お前良いヤツだなぁ。ま、でも案内はするさ。ついてきな」
「うん!」

 妹紅の後についてくルーミア。
 妹紅は、先程からの態度といい、そんな純粋なルーミアを見て不思議に思った。

「あの巫女との接点が全く分からない……」

 と小さく呟く。
 ルーミアが「どうしたの?」と訊いてきたが、妹紅は「何でもない」と返した。

「永遠亭はここさえ抜ければすぐさ」
「ふぇ~」

 見渡す限り竹林。迷いの竹林と言われるこの場所は、確かに案内がなければ迷うのは必至だろう。
 しばらく歩いていると、建物が見えてくるのが分かった。

「あれが永遠亭?」
「あぁ、そうだ。後は用件を言えば傷薬をくれるだろう。帰りは永遠亭のやつが案内してくれる」

 永遠亭前まで来ると、妹紅が説明をする。
 ルーミアは素直にそれを頷きながら頭に入れていた。

「それじゃあな」
「ありがとう妹紅」

 説明を終えた妹紅がその場から立ち去ろうとすると、

「先手必勝よ妹紅!」

 長い黒髪の着物を着た少女――蓬莱山輝夜が突然飛び出してきた。

「なっ!? 輝夜!」
「くらいなさい!」
「え? なになに?」

 輝夜が手始めに軽い弾幕を放つ。
 不意打ちとはいえ、簡単に避けられるであろう軽い弾幕。

「ふんっ」

 妹紅は軽く避ける。そして反撃のための弾幕を張ろうと構えるが――

「きゃぅ!?」
「え?」
「は?」

 ルーミアは避け切れず被弾してしまった。突然の事態に状況を飲み込めないルーミアは、突っ立っていただけで、輝夜の弾幕に巻き込まれてしまった。

「お、おいルーミア!?」
「きゅう……」

 運悪く頭部に被弾してしまったため、ルーミアは気絶していた。

「おいこら輝夜!」
「だって普通避けるでしょう!? あの程度なら! 大体一発被弾で気絶って何よ!?」
「知るか! 無防備だったんだろ! あ~もう喧嘩してる暇じゃない! 輝夜、運ぶの手伝え!」
「わ、分かったわ」

 頭部だから下手に衝撃を与えないように、二人で丁寧に運ぶ。
 こうしてルーミアは、無事ではないが永遠亭に到着した。
インドと似でコンニチワ。喉飴です。
『インドと似でコンニチワ』を知っている方がいたら私と美味しい三ツ矢サイダーが飲めそうです。
そんなわけでやっと4話です。遅筆ですみません。
しかもまだ続きますよ。いつまで続けんだコレ、と思った方、すみません予定では10話くらいまでです。
読んで下さってる方、もうしばらくお付き合いして下さると嬉しいです。
では、一人でも楽しんで下されば幸い。

 さぁて、次回もサービスサービスぅ!
喉飴
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
投稿してから10分立っていない話があり、
そのタイトルと作者名見てクリック余裕でした。 
ルーミアかわいいょぉ・・・
続き待ってます
2.名前が無い程度の能力削除
ルーミアが良い子過ぎて泣いた。
3.名前が無い程度の能力削除
麦藁帽子www
なるほど、あややややにゅーすの時のですねw

楽しませていただきましたw
4.薬漬削除
待ってました!!!!!!!!!!!!
5.無在削除
>ルーミアは霊夢から教えられた、もこもこ叫んでいれば出てくるということを実行した。
何を教えてるんだ、霊夢w
意外にしっかりしているルーミア。まあ、決して頭は悪そうじゃないですしね。
それにしても喉飴さんのSSは和むなぁ。次回にも期待させていただきます。
6.欠片の屑削除
4コママンガ劇場って一時から見なくなったからなぁ……

さておき、こんな適当な来訪者にも優しく接するやさしさライセンスをお持ちの妹紅さん。
ステキやわぁ……
7.喉飴削除
>>1様
にゃんと嬉しいお言葉でぃす!
ご期待に添えられるよう、さらに修行します!

>>2様
ルーミアって普通に良い子だと思うんです。

>>3様
あややややにゅーすも読んで下さった方ですねw? 地味な伏線を張っていましたw
楽しんで下さって幸いです!

>>薬漬様
ありがたいお言葉でぃす!

>>無在様
ルーミアはそれなりに良識だと勝手に思ってます。
ありがとうございます。そのお言葉でさらに頑張れます!

>>欠片の屑様
知ってる方がいらっしゃるとはww感動しましたw
妹紅も普通に良い人だと勝手に思ってます。
8.名前が無い程度の能力削除
「初めてのお使い」BGM能内再生余裕でした。ルーミア好きなんで夢のよふですwww
9.ふぶき削除
お初です

喉飴さんの作品は毎回欠かさずCheckしてます。
るみゃ好きな自分にはかなり好きな話なので楽しみにしています。
後編が待ち遠しいです。


追伸

堀口○オとは、また懐かしい挨拶を出して来ましたなwww
10.名前が無い程度の能力削除
4コママンガ劇場なつかしいなw
あの人のシュールな絵とネタは大好きでしたよ

後編楽しみに待ってます
11.謳魚削除
霊夢さんはお礼を言い慣れないルーミアを見てニヨニヤしたかったんだよ!(な、なんだt
最終的にルーミアをぴちゅらせた事が霊夢さんに知れてしまうと
1:「ふぅん、そう」と素っ気無く夢想封印
2:「謝罪を要求するわ」とジリジリと封魔陣連打
3:「貴女達、生きて帰られるかしら?」と容赦無く博麗二重結界を二十四日耐久戦
4:「我、全身全霊問答無用也」と夢想天生を常時発動しながら全スペカでサタデーオールナイトフィーバー\キャーイクサーン/
と予想(むしろ妄想)
>>インドと似でこんにちは
〇オさん!?レ〇さんじゃないか!
まぁスタオーセカンドとヴァルキリープロファイル位しか覚えておりませんが。
最後の台詞は三石さんヴォイスの永琳先生ですね分かります。
12.名前を表示しない程度の能力削除
>「永遠亭で貰ってくるのは?」
>「妹紅って人!」
妹紅もらっちゃらめえええぇぇぇぇ!!
しかしこれを良く考えると霊×ル×妹の3……おやこんな時間に誰k(無何有浄化

しかし堀○レオとは懐かしいwww
唐突にTOD2あとがきの「部屋がトラッシュマウンテン並」を思い出しました。
13.喉飴削除
>>8様
喜んでもらえて嬉しい限りでぃす!

>>ふぶき様
お初じゃない気がしますw
な、なんと嬉しい! ご期待に添えられるよう後編を書きたいです!
堀口レ○さんを知ってるとはww

>>10様
意外にみなさん分かる方がいて驚きでぃすww
なるべく早く書き上げます!

>>謳魚様
堀口レ○さん知ってるとはww私と美味しい三ツ矢サイダーが飲めそうですww
三石さんボイスの永琳先生が脳内再生されましたw

>>名前を表示しない程度の能力様
私は妹紅欲し(ry
懐かしいネタなのによく分かって下さいましたwww
14.名前が無い程度の能力削除
相変わらずルーミアは可愛いなあ。あとがきの最後ってもしかして、サービスマン?
15.喉飴削除
>>14様
私なんかの技量でルーミアの可愛さが伝わって嬉しいです。
いえ、エヴァンゲリオンの次回予告ですw