Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

てんぱん

2008/06/16 22:23:10
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博麗神社(新)の縁側。
そこに二つの人影がある。
一人はこの神社の巫女、博麗霊夢。
一人は竜宮の使い、永江衣玖。
霊夢は普段どおり茶を啜り、誰も居ない境内を眺めている。
一方の衣玖は、霊夢の横に正座をして膝に風呂敷を乗せている。

「今日は、総領娘様に謝罪の品なるものを持たされまして」
「あの天人が、ねえ」

一度神社を壊され、要石を挿して新たに建てられ、また壊されて直されて。
当然霊夢には好印象などない。
同時に紫の好感度もガタオチであるが。

「まぁ一応私が謝罪をしろと頭の桃を羽衣でちょっと抉ったので大丈夫だと思いますが」
「あんた、見かけによらず容赦ないのね」
「それほどでも」
「褒めてないわよ」
「何か問題ある品でしたら、私が散々電気流したあとで連行してきますし」
「容赦ないわね」

衣玖は、風呂敷をそっと霊夢に差し出した。
霊夢は気乗りしないながらも、一応受け取った。

「すっごく軽い……」
「持ってるときもほとんど感触が無かったので、衣の類かとも思ったのですが」
「あんたの羽衣みたいなのだったりしてね」
「天人と天女と私は全く別物ですし、天人も羽衣は持ってないはずですけど……」

二人して悩む。
悪戯ということも、二人とも思いついた。
中に「ひっかかったー」とでも書いた紙が入っていようものなら、霊夢はまた天界へ攻め込むことを決意した。

「とりあえず、開けてみてから今後のことを決めても……」
「そうね、開けないと始まらないわね」

意を決して、包みを開く。
そこには























淡い水色の三角形の布が。

















「……」
「…………」

何も言わずに包みなおした。

「何これ」
「下着ですね」
「それはわかる」
「もしくは襦袢」
「そうじゃなくて」
「総領娘様のぱんつです」
「言わんでいい!」

霊夢は改めて、風呂敷を開く。
どうみても下着だった。
肌触りは衣玖の羽衣に勝るとも劣らず。
裏地も地上には無い素材の布で作られ、最上級の下着である。
まさに、天からもたらされた至高品。

「……これは宣戦布告かしら」
「私に殺気を向けられても困ります」

衣玖は考えた。
九割九分九厘、悪戯だろう。
そして、霊夢の怒りの矛先は今自分に向いている。
霊夢の怒りを治め、自分の身の安全を確保し、天子の面子を保つ方法。
ぽくぽくぽくぽくぽく。
ピシャーン!

「あ、わかった」
「何が」
「天人って妖怪にとっては毒肉なわけですよね」
「あー、確かそうらしいわね。で?」
「服にも僅かながら、妖怪除けの効果があるのでは?」

天人の肉を食えば、妖怪は死に至る。
天人が妖怪に襲われないのはそのためであり、異変も無ければ大抵の妖怪は天界には近づかない。
例外の鬼などは除いて。

「あるかもしれないけど、それでどうしろっていうのよ」
「これをですね。あーしてこーしてチョキチョキチョキ」
「手先器用ね」
「ありがとうございます。と、これでどうでしょう」
「なるほど、これなら問題ないわね」
「あとは御祓いの文でも貴女のほうで準備してください」
「そうね、そのくらいはやるわ」






天界に戻って、衣玖は天子に報告をしていた。

「無事、荷物は届けました」
「そう、どうだった? 怒ってた?!」

桃を抉られても天子は天子だった。
ここまでやられても悪戯をすると、湖の氷精と似たモノを感じざるを得ない。

「ええ、にこやかに受け取って頂けました。よかったですね」
「え? なんで?」
「有効に使わせてもらうと言ってました」
「どういうこと?」

衣玖は、小さな布切れを取り出す。
指先に乗る程度の、小さな水色の布。

「これが何かお分かりですね?」
「私の……アレでしょ?」
「はい。これを妖怪除けのお守りに使いました」
「話が見えないんだけど」
「要点だけ申し上げますと」


「お守りの中に総領娘様のぱんつを入れて、博麗神社で妖怪除けとして販売します」

「壊れた神社の謝罪には到底足りませんが、一応針千本の刑だけはやめてくれるそうです」

「……」
「結果として、総領娘様は幻想郷に貢献したわけですね」
「ということは……」
「はい、不特定多数の住人は総領娘様のぱんつを大事に肌身離さず持って生活することでしょう!」
「いやあああああ!! そんなのいやああああああ!!」

天子の大絶叫が、妖怪の山にまで響いたとか響かなかったとか。





おわってしまえ。
天人の加護付き妖怪除けお守り ¥1000円
ただいま品切れ中です。次の入荷は未定です。
                         博麗神社


俺はすごく疲れてるんだと思います。
小宵
http://koyoi1986.blog113.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
この天子は怒られたかったのだろうか?
この結果は自業自得っぽいなw
2.名前が無い程度の能力削除
怒られたかったと言うよりただ単に怒らせたかったんでしょうね、きっとw
さーて、俺も買いに……

品…ぎ…れ……?チクショウ!!再入荷はまだか!?
3.名前が無い程度の能力削除
くっ、このいぢられてんこはまさに正義!
で、お守りは……売り切れ!?
……ころしてでも うばいとる
4.名前が無い程度の能力削除
衣玖さんは色んな意味で優秀すぎる。
5.名前が無い程度の能力削除
俺の中で、衣玖さんのカリスマ値がどんどん上昇している。
6.名前が無い程度の能力削除
次の販売日は何時だw
7.名前が無い程度の能力削除
少々お尋ねしたいのですが、ぱん…博霊神社の御守りはこちらで委託販売されてますか?
8.名前が無い程度の能力削除
もし再入荷することがあったら、それはテンコがまた悪戯して、
お仕置きにぱんつ脱がされたときでしょーか。
9.名前が無い程度の能力削除
勿論使用済ですよね。
お守りでしたかね、ティーパックでしたかね。はて忘れてしまいました。
仕方ないので拝みながら美味しくいただくことにします。