Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

禁忌

2007/10/06 08:50:00
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ページ数
1

 ※未熟者の練習作です。









幻想郷に佇む屋敷、紅魔館

この話は更に深く、地下でのお話……

それは、長きに渡って幽閉されている、ある少女のお話








その日も少女は幽閉の身、外の世界を感じたいと思いつつ、暗く湿った部屋に閉じ込められる。

一人で遊び、屋敷の中を歩く事も許されない。

彼女は外へ出たかった、せめて紅魔館の中だけでも見てみたかった。

しかし、その思いとは裏腹な物もある。それが彼女が幽閉されている理由。


破壊衝動、殺人願望と似た様な物で、時折何かを破壊したくなってしまうと言う精神的な病と言えよう。

外に出て壊したい、本当の望みなのかは解らない、少女は自分が解らなくなる。

この全てを壊す者が本来なのか、純粋に外へ出たい姿が本当の姿なのか、それは誰にも解らない。

唯一つ解っている事、それは 彼女が畏怖の眼で見られている事 だった。

故に屋敷の者は誰一人として寄ろうとしない。

それは彼女の姉であり、現・主であるレミリアスカーレットも同様だった。

食事は一定の間隔で部屋に運ばれている。誰が置いていくかは彼女にはわからない。

でも、彼女にはそれを食べて一人で遊ぶ事しかなかった。知らなかった。

誰も教えてくれない、問い掛けても答えてくれない。

一応置いてある本も読みつくしてしまった。新しい本が欲しくなって来た。

その要求も誰にも聞こえない。少女は段々と考える事を止めた。








しばらく経って、また食事が置かれた時の事。

食事の横に本があった。

何だろうかと手に取ってみれば、その本には面白い魔法が書いてあった。

「四人に分身する魔法、禁忌、フォーオブアカインド……」

その後、本は開きっ放しになり、少女は魔法の練習をした。

初めての努力は、最初はつまらなかったが、段々と楽しくなってきた。

久しぶりの退屈の無い時間、段々と疲れてくる体も久しぶり。

ゆっくりゆっくりと、少女は魔法を覚えていく。






やがて3日もすると、少女の部屋からは楽しそうな声が聞こえて来た。

破壊力の高さに恐れられ、禁忌の名を冠した魔法

少女はそんな事を気にはしていない。

楽しい時を過ごしていた。たくさんの自分と遊んでいた。

でも……

「やっぱり私は一人だけ」

分身を破壊すると、少女はまたベッドに横たわってしまった。

少女の興味は外ばかり。今日もまた、代わり映えの無い湿った部屋の中で眠る……





























「フ…… フ……ン… フラン……」

「うぁ……?」

しばらくの時が経ち、少女は瞳を開いた。

瞳が捉える小さな少女、少女は薄い笑みを浮かべていた。

「あ、お姉様……」

「さぁフラン、食事にしましょう」

「………」

少女は黙っている。

「どうしたのかしら?」

「……んーん、何でもないよ、お姉様」

「そ、なら行きましょ、折角作って貰った物を粗末にするのはいけない事だわ」

「そだね」

少女達は歩いていく。今は紅魔館の中で自由に動き回っている。

外の世界に何人かの友達も出来ている、少女も幸せそうに過ごす。

そう、ありきたりな普通の人生

それですら幸せと感じ取れる少女の事を狂っているとも言えるのだろうか……?
全てを消し去りたい狂気があるなら【決して失いたくない】と言う狂気もあると思ってみました。
フォーオブアカインドはきっと一人が寂しい為に考えたのだと思ってました。
レミリアは内心フランを可愛がっていて、咲夜に頼んで色々としてあげていたんだと思いました。
会っても嫌われると思って、レミリアは近付かなかったのだと妄想しました。
乱咲夜桜
コメント



1.名無し妖怪削除
あまり多くを必要とせず、語らない文章。良いんでないかと