「こんばんは。皆様のお口の恋人パチュリー・ノーレッジです…今宵も、極上の怪奇譚をご用意しております……皆様はアブダクションという現象をご存知でしょうか?外ではあまり聞かなくなって久しい言葉ではないかと思います。…けれど、それは本当に幻想と化したのでしょうか…?はてさて、今宵のお話は一晩の記憶を失った少女の身に起こったお話です…それではどうぞ、最後まで…」
「なんだこりゃ。何が面白いんだ?」
霧雨魔理沙はそう言って読んでいた本をぽいと放った。
表題は『宇宙人大進攻』なるタイトル。完全なる印刷本。外の品だ。
表紙のド派手なイラストに魅かれて手に取ってみたが…これがまた何が言いたいのかも理解できないさっぱりな本だった。
「外じゃこんな意味解らん本も作られてんだなぁ…」
「ちょっと、魔理沙本棚に戻しといてよ…」
離れたところで読書をしていたパチュリーが目ざとく魔理沙の行動を叱責した。
「…なんだ。見てたのか…」
仕方なく魔理沙は本を拾って本棚に戻す。…が、その前にちょっと気になった。
「パチュリー、お前この本読んだのか?」
「…どれ…?あぁ…それ。読んだわ」
「これってどこが面白いんだ?こんな不確かなことを堂々と書いてどうすんだろうな」
しばらく黙っていたパチュリーだったが、一言、こう言った。
「それにはそれの、価値がある…」
「へぇ…?」
なんだか妙な空気を感じた魔理沙だったがそれ以上は何も聞かないことにした。
図書館に入り浸って、気付けばもう外は深夜だった。
「どうりで眠いわけだぜ…あの図書館は全然時間の経過がわからんから困る…」
ふわ…と、あくびをする。眠い…早く帰って寝よう…。
魔理沙はしょぼしょぼする目をこすりながら、箒を飛ばした。
しばらく飛んでいると、魔理沙は何やら前方に人影を見つけた。
「…誰だ…?」
魔理沙は目を細める。
しかし、生憎の月のない夜。目の前に居るのが誰かも解らない。
もっと近づいて確認しようと思った瞬間、突然目も眩むような強烈な光が前方で起こった。
「うわっ…!」
魔理沙は帽子の鍔でなんとか光を凌いだ。
その時魔理沙は見た。
逆光の中、確かに目の前にいる人物の姿を目撃したのだ。
「あぁ…お前は…え
霧雨魔理沙は自宅のベッドの上で目を覚ました。
「……あれ…?」
身体を起こす。…いつもの寝間着をきっちりと着込んでいる。
「…昨日…どうやってうちまで戻ったっけ…?」
…全然憶えていない。
「…っあっれ~?」
魔理沙は首を捻る。
これはおかしい…昨日は図書館に行って…それだけだったはずだ。酒も呑んでいないのに記憶が飛ぶなんてあっていいのだろうか?
すわ、何かの脳障害かと思ってぎょっとしたが、それ以外のことならばすらすらと思い出せるのだ。
それに、何やら引っ掛る断片的な記憶がある。
手術台…カシオペア…長いへにゃへにゃしたもの…紅い何か…北斗七星…そして、さらさらと何かが擦れる音…
「まぁいいか」
遊びにいこぅっと…と、魔理沙は三秒で気持ちを切り替えて外出をした。
今日は博麗神社。
朝早くだというのに神社の巫女の博麗霊夢は何やら妙な道具をもって楽しそうにしていた。
「何だそりゃ」
「あら、魔理沙。昨日霖之介さんのところで凄く良い物を借りて来たのよ」
「へぇ、盗んだのか」
「あんたじゃないわよ。借りたの」
霊夢はむっとする。
「それは兎も角、一体何なんだ?」
棒のような物の先端にリングがついている。一体なんのおもちゃだ?
「玩具じゃないわよ。これは金属探知機って言って外の世界じゃお宝探し何かに重宝してる道具らしいの」
「お宝探し!」
魔理沙は俄然興味が沸いたかのようにその道具に食い入る。
「このリングを翳して…音が鳴ったらそこに金属があるということらしいわ。地面に埋まってたって発見する優れものなんだから」
「面白そうだな!ちょっとかしてみ!」
「あっ!ちょっと!」
魔理沙がその道具を取ろうとして棒を掴んだ瞬間…
ビ~~~~!
「…え?」
音が鳴り響いた。
リングの先は…丁度魔理沙の腹部近くにある。
「…あんた…鉄でも食べたの?」
「食わないぜ」
となると何か金属でも服に入っているのか?
しかし、服を捲り上げてみてもそれらしい物は何も見つからなかった。
「…おかしいわね。どこか壊れたのかしら…昨日は正常だったんだけど…」
霊夢が口を窄めながらこぼす。
「お前の使い方が荒いから壊れたんだろ」
言いながら魔理沙は自分の腹部をみた。
そこには、うっすらとではあるが、何か切り傷のような痕があった。
「…あれ…こんなところに傷あったっけ…?」
それはいつ付いたのかも解らない、謎の傷だった。
「人間と言うサンプルは大切にしないとね…」
《???》
「なんだこりゃ。何が面白いんだ?」
霧雨魔理沙はそう言って読んでいた本をぽいと放った。
表題は『宇宙人大進攻』なるタイトル。完全なる印刷本。外の品だ。
表紙のド派手なイラストに魅かれて手に取ってみたが…これがまた何が言いたいのかも理解できないさっぱりな本だった。
「外じゃこんな意味解らん本も作られてんだなぁ…」
「ちょっと、魔理沙本棚に戻しといてよ…」
離れたところで読書をしていたパチュリーが目ざとく魔理沙の行動を叱責した。
「…なんだ。見てたのか…」
仕方なく魔理沙は本を拾って本棚に戻す。…が、その前にちょっと気になった。
「パチュリー、お前この本読んだのか?」
「…どれ…?あぁ…それ。読んだわ」
「これってどこが面白いんだ?こんな不確かなことを堂々と書いてどうすんだろうな」
しばらく黙っていたパチュリーだったが、一言、こう言った。
「それにはそれの、価値がある…」
「へぇ…?」
なんだか妙な空気を感じた魔理沙だったがそれ以上は何も聞かないことにした。
図書館に入り浸って、気付けばもう外は深夜だった。
「どうりで眠いわけだぜ…あの図書館は全然時間の経過がわからんから困る…」
ふわ…と、あくびをする。眠い…早く帰って寝よう…。
魔理沙はしょぼしょぼする目をこすりながら、箒を飛ばした。
しばらく飛んでいると、魔理沙は何やら前方に人影を見つけた。
「…誰だ…?」
魔理沙は目を細める。
しかし、生憎の月のない夜。目の前に居るのが誰かも解らない。
もっと近づいて確認しようと思った瞬間、突然目も眩むような強烈な光が前方で起こった。
「うわっ…!」
魔理沙は帽子の鍔でなんとか光を凌いだ。
その時魔理沙は見た。
逆光の中、確かに目の前にいる人物の姿を目撃したのだ。
「あぁ…お前は…え
霧雨魔理沙は自宅のベッドの上で目を覚ました。
「……あれ…?」
身体を起こす。…いつもの寝間着をきっちりと着込んでいる。
「…昨日…どうやってうちまで戻ったっけ…?」
…全然憶えていない。
「…っあっれ~?」
魔理沙は首を捻る。
これはおかしい…昨日は図書館に行って…それだけだったはずだ。酒も呑んでいないのに記憶が飛ぶなんてあっていいのだろうか?
すわ、何かの脳障害かと思ってぎょっとしたが、それ以外のことならばすらすらと思い出せるのだ。
それに、何やら引っ掛る断片的な記憶がある。
手術台…カシオペア…長いへにゃへにゃしたもの…紅い何か…北斗七星…そして、さらさらと何かが擦れる音…
「まぁいいか」
遊びにいこぅっと…と、魔理沙は三秒で気持ちを切り替えて外出をした。
今日は博麗神社。
朝早くだというのに神社の巫女の博麗霊夢は何やら妙な道具をもって楽しそうにしていた。
「何だそりゃ」
「あら、魔理沙。昨日霖之介さんのところで凄く良い物を借りて来たのよ」
「へぇ、盗んだのか」
「あんたじゃないわよ。借りたの」
霊夢はむっとする。
「それは兎も角、一体何なんだ?」
棒のような物の先端にリングがついている。一体なんのおもちゃだ?
「玩具じゃないわよ。これは金属探知機って言って外の世界じゃお宝探し何かに重宝してる道具らしいの」
「お宝探し!」
魔理沙は俄然興味が沸いたかのようにその道具に食い入る。
「このリングを翳して…音が鳴ったらそこに金属があるということらしいわ。地面に埋まってたって発見する優れものなんだから」
「面白そうだな!ちょっとかしてみ!」
「あっ!ちょっと!」
魔理沙がその道具を取ろうとして棒を掴んだ瞬間…
ビ~~~~!
「…え?」
音が鳴り響いた。
リングの先は…丁度魔理沙の腹部近くにある。
「…あんた…鉄でも食べたの?」
「食わないぜ」
となると何か金属でも服に入っているのか?
しかし、服を捲り上げてみてもそれらしい物は何も見つからなかった。
「…おかしいわね。どこか壊れたのかしら…昨日は正常だったんだけど…」
霊夢が口を窄めながらこぼす。
「お前の使い方が荒いから壊れたんだろ」
言いながら魔理沙は自分の腹部をみた。
そこには、うっすらとではあるが、何か切り傷のような痕があった。
「…あれ…こんなところに傷あったっけ…?」
それはいつ付いたのかも解らない、謎の傷だった。
「人間と言うサンプルは大切にしないとね…」
《???》
そんなことより、お口の恋人パチュリーが欲しい