Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

うら

2006/11/07 00:09:37
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あらすじ

 どすこい





 ちらほらと粉雪の舞う



 ―――――――――こどものころの―――――――――


 「ハクタクさーん、ハクタクさーん」
 「ん? どうした? モコゥ?」
 「47作目が見つからないんです」
 「ああ、47作目は創想話の方に投稿してあるよ」
 「あ、そうだったんですか」
 「ハハハ、モコゥはおっちょこちょいだなぁ」
 「あ、笑うなんてひどいですよぉ、ハクタクさん」
 「ハハハ、ごめんごめん」
 「えいっ、えいっ」
 「こらこら、フォークで突くんじゃない」
 「んもう…」
 「突くのは私の役目だろう」
 「?」
 「いや、忘れてくれ」
 「はい。で、今回のお話は47作目の続きなんですか?」
 「うん。裏話みたいなものだな」
 「そうなんですか」
 「それじゃあ、いってみようかモコゥ」
 「はい、ハクタクさん」


 ―――――――――――ゆめは―――――――――――



 師走も暮れの頃であったそうな。





  ―マーガトロイド―


 普通の魔法使いが鉄壁の構えに突撃した、少し後のこと。
 宴の席から少し離れたところに、七色の魔法使いと普通の魔法使いの姿があった。

 天を裂き地を割る「うー」を受けた普通の魔法使いのダメージは、大きい。
 先ほどまで普段の恥じらいもどこへやら、ドロワーズまるみえで地面に埋まっていたほどである。
 仮面が、いや、トレードマークの帽子がなければ即死だった、かもしれない。
 苦労して普通の魔法使いを掘り出してやった七色の何某は、ため息と共にその鼻を弾く。


「あの構えに突っ込んでいくなんて、死ぬ気なの? まったく」
「へへへ、私は今天国だがな」

 
 七色の何某の膝枕の上、だらしなくにやけた普通の何某はそう言って笑った。
 見上げれば金色の髪が雪明りを受け、星と共にまばゆく煌いていた。
 枕に敷いた腿の柔らかさが夢見心地に花を添える。この上ない、極楽である。
 酒精が回って赤らんだ顔により強い赤色が混じり、まるで鬼灯のように色づく。
 口にした言葉は酒の勢いを借りたとて、乙女の心には気恥ずかしいものであったらしい。


「……ばか」
「へへへへへ♪」


 言葉少なに答える技巧派人形使いの頬もまた、薔薇のように赤かったと言う。



  ―その頃 射命丸―


「わ、私をドロワーズ一丁で木箱に押し込めて、どうするつもりですか、レティさん!」
「ふふふ。射命丸 文、あなたはこれから地獄の苦しみを味わうのよ……」
「あああ、なんでこんなところに中華テーブルが…」
「さぁ、とくと味わうがいいわ! 私のテーブルターニングを!」
「いやあああああああ! ぎゃるんぎゃるんテーブルが回るー!?」
「ほらっ、ほらっ! ほらー!」
「目がっ、目がぁぁ!」
「チルノにいけないことをした罰よっ!」
「そ、そんな! ごかっ、誤解ですー!?」
「問答無用! 一晩中回し続けてやるー!!」



  ―リリカソロライブ―


 夜も更け、忘年会もたけなわである。少女たちの饗宴は衰えることを知らなかった。
 酒好きの鬼は小さく分かれ、少しでも胃の腑に酒を入れることに余念がない。
 鈴蘭の人形は、四季のフラワーマスターが咲かせる鈴蘭に上機嫌である。

 それぞれが思い思いに宴に興じる、その中心にあるのは天に向かい突き立つ6本の足。
 それは君臨した紅い悪魔に挑み、散っていった少女たちの墓標であった。
 宵闇、蛍、夜雀の三人は仲良くあの牙城へと挑み、見事に返り討ちにあっていた。


「ふ、やはり序盤ボスには任せておけないようね」


 愛らしい声と共に、未だスペルカード宣言を継続させる紅の王の正面。
 3つの墓標の最中に、悠然と腕を組み佇む影がある。彼女の名はリリカ。
 世に名高い騒霊姉妹、プリズムリバーの三女にしてキーボーディストである。
 難攻不落のスペルを前にして、彼女の顔には一片の恐れも迷いもなかった。


「そのスペルの弱点はすでに見切ったわ!
 ずばり、トリプルカウンターを放った後には大きな隙が出来ることよ!
 つまり三連撃に耐え切ればがら空きの本丸を攻め落とせる!
 
 ルナ姉さんで一撃、メル姉さんで一撃。
 二人一緒に最後の一撃を耐えてくれれば、私の一撃を直撃させられる!
 安地と決めボムのタイミングがわかりさえすれば、もはや勝ったも同然!」


 指を突きつけ得意げに弱点を指摘する彼女の姿に、歓声と拍手が飛ぶ。
 聴衆の注目をひとえに集め、三女は胸中で拳を握り、人知れず涙した。


(やった……やったわ、姉さんたち!
 折角宴会でお呼ばれしたのに、皆はBGMなんてそっちのけ。
 騒がしいのが存在理由の私たちなのに、誰も見向きもしてくれない。
 でも、でもそれも、もうおしまいよ! 私たちはこのスペルを破って主役に返り咲く!
 夜の王をしゃぶり尽くした上で姉さんたちを踏み台に、私は天下のリリカ=プリズムリバーとなる!)


 野心である。野心がモルヒネのように姉たちへの愛を麻痺させているのだ。
 必勝の策を下げ、更なる喝采と賞賛の想像に酔い痴れた彼女は意気揚々と叫んだ。


「さぁ、ルナ姉さん! メル姉さん! 出番よ!
 私たちの美しきプリバエクスクラメーション!
 コンチェルトグロッソで今こそ駆け抜けるとき!」



  ―メルランソロライブ―


「いやっ、いやぁ! もう堪忍してぇ!」
「あははははははははははははは♪」
「君が! 泣くまで! 回すのを! やめない!」
「あははははははははははははは♪」
「ご、誤解です! チルノさんは、チルノさんはー!?」
「あははははははははははははは♪」
「あの子の胸が自然にふくらむものですかー! あんたがなんかしたに決まってるー!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「あははははははははははははは♪」
「あんな、あんな清らかな子にっ! あんたって人はー!」
「いつのまにかメルランさん隣に居るゥー!?」
「あははははははははははははは♪」



  ―ルナサソロライブ―


「みょみょみょみょ」
「あー、やっぱり鈴仙の波長治療は落ち着くなぁ」
「お客さーん、だいぶ鬱が凝ってますね~」
「あ、分かる? 寒くなってくるとどうもねぇ」
「今日はちょっと長めにやっときますね」
「ありがとう」
「割り増し料金はこんなものでどう?」
「うわ、これちょっと高すぎない?」
「お客さーん、鈴仙はうちの売れっ子なんですよ~?」
「ううん、売れっ子じゃあ仕方ないか」
「こーら、てゐ、あこぎな商売しないの」
「はぁーい。鈴仙が言うんじゃ仕方ないや」
「後で一曲サービスするよ。もちろんタダでね」
「「やったぁ♪」」



  ―再び リリカソロライブ―


「あれちょっと姉さんたちどこー!?」


 「うー!!」


 リリカは星となった。その散り様に、誰もが涙した。



  ―大妖精―


「レティとぶんぶん、どこ行っちゃったんだろう」


 そんな宴の片隅で、氷精は最愛の夫と保護者が居なくなり、意気消沈していた。
 元気のない恋娘をなだめるのは、長年の親友である名もない妖精の娘。


「きっと二人で大人の話をしてるんだよ」
「うー」
「もうすぐ帰ってくるから、ね?」
「うー」


 むくれる友人の頭を撫でながら、しかしその胸中は複雑であった。
 彼女は見た。風神少女を連れて行く黒幕の目を。その輝きを。


(――アレは覚悟を決めた目だったな…)

 
 新婚早々に未亡人になるやもしれぬその不幸に、その視界がかすんだ。
 目尻に浮かぶ涙を友人に気づかれぬようにそっと拭い、彼女は友人を抱きしめた。
 怪訝な顔をするも、その久しぶりのぬくもりに安心したか、氷精は身を摺り寄せる。


「――無事に帰ってきてくださいね、文さん…」
「? 何か言った?」
「ううん、なんでもない」


 ブン屋の無事を願う無垢な少女の祈りは天に届き、風神少女は翌朝、生還を果たした。
 一晩でげっそりとやつれた射命丸の何某は、その後しばらく、外での惚気をやめたそうである。
 風聞のもたらす個人のイメージと言うものを、我が身でつくづく実感した結果であった。


 ちらほらと粉雪の舞う、師走も暮れの頃であったそうな。
いろあせない~らくが~きで♪
じょにーず
コメント



1.名無し妖怪削除
らじお吹いた
2.名無し妖怪削除
やっぱり
けいねぇさんは
さいこうだ
3.名無し妖怪削除
ドロワーズ一丁で回すあたりが実に怪符ですね
4.暇人削除
もう、素敵過ぎます!!
突っ込みどころがありすぎて困ります^^
とりあえずハクタクさんに突っ込まれておきます(ぇ
5.名無し妖怪削除
素晴らしき天地魔闘。
レミィの将来は魔王で安定か!
6.Jのひと削除
いろいろ吹いたw主に三姉妹w
あとじょにーずさんのマリアリは初めてじゃないかな?
アリスかわいいよアリス
7.名無し妖怪削除
やっぱりレティは黒幕だな
8.名無し妖怪削除
いい声のハクタクさん吹いた
9.名無し妖怪削除
> 「どうしたんだいモコゥ?」

ん? どうした? モコゥ? のほうがよかったなぁ
10.じょにーず削除
あい(・ω・)ゝ
11.削除
>ぶんぶんはチルノのおっぱいを育てた罪で一晩テーブルターニングの刑です。
私には未来視の能力があったらしい。でも吹いた。
12.CACAO100%削除
>あとじょにーずさんのマリアリは初めてじゃないかな?
>アリスかわいいよアリス

おお友よ・・・!
13.草月削除
中華テーブルフイタwwww
14.TNK.DS削除
中華テーブルでぐるぐる、これがホントのテーブルターニングw
初となるマリアリも凄く甘くて個人的にはツボでした。

15.名無し妖怪削除
らじお ということは
慧音が妹紅の名前を間違えたりするのか
16.名無し妖怪削除
あらすじで頭捻り吹いたw
17.あざみや削除
ラジオよりたまにあるシグルイネタの方がさりげなさすぎて笑っちゃいました(汗
18.名無し妖怪削除
一晩中テーブルターニングって……まるでプサンだな(古
しゃめ子頑張ってしゃめ子、そして嫁さんに何したのかkwsk(テーブルターニグ
19.悠祈文夢削除
>ハクタクさーん
Coolieのみなさーーん、じょにーずさんの新作ですよーーーー!!
20.削除
ずぶねり!
それはそうと文はドロ派じゃないと信じている俺様。
21.名無し妖怪削除
>「突くのは私の役目だろう」

あんたオープニングからいい声で何言ってんだwww
22.NEOVARS削除
レミリア様は最強だなw
23.Q-turn削除
こんなに輝いてるレティは初めて見たかもしれません。