Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ハゲマルドンとか左様なら。

2006/09/12 14:00:47
最終更新
サイズ
4.12KB
ページ数
1



幻に聞く忌むべき力、数多居住まう郷や幻 一つ意志を違えれば、烈しく放つ破滅の舞台
幻想郷をして最たる強さと名を奏づ その威の一つと知れ渡る
それは 星視の魔りし普通の法 魔理沙 霧雨 魔砲を放ち 天地を震わす彗星となる。

しかし魔理沙は人なれば、その身に耐えぬ歯がゆき魔理力 己が自身を掠み削り行く
一つ魔砲を放つ毎 美しき黒は磨耗して 金色の沙が散ってゆくのだ
それは、少女の業にして 酷なる告知と巫女より知らしむ 
その刻、慟哭と相成った問題の言はこうだった!


「ねぇ魔理沙。今気がついたんだけど、貴女マスタースパーク打つたび髪の毛が抜けてるわね」


烈しく濃くまる禿げなる疑惑 ウスラハゲロウ、夕日に集い 晩夏の風が友情を剥ぐ
その日魔理沙は泣いたのだった。
更に沙らには不幸は続く その非が在るならば天に在り 日も既に亡くなる天だから 
晩夏初秋の決まり極まり 肝試さずにして食し給う 幽々たる霊がこの日 神社に音連れて居た。
後に、最たる終の字を飾る事となる争い事変はこれにより始まった。



翌日 白玉楼が早朝は 荘重なる朝礼の儀より 妖夢、幽々子に物申す。

「幽々子様 幽々子様……御髪以外の全ての部分が、僅かばかりズレてます」
「妖夢、ハッキリおっしゃいな。ヅラづらヅラづらズレてると」

応えた幽々子の桃色更沙 十五度六分時計回りて 右眉右上キラリと光る。
妖夢、幼き庭師には 朝日がまぶしいお年頃 頬を明めた赤まる妖夢 
ソワソワ文字モジ 擬態語と浮かべ 不安と疑問に胸逸らせて言った。

「何故ですか?」
「多分 魔理沙が攻めてくる。烈しく禿げ丸魔理沙の噂 聞いた私たちが神社であの子に何をした?」
「指差しアハハと笑いました。魔砲禿げ強く。魔理沙は丸沙」
「でしょう?」
「ですけど」

妖夢は昨晩のお茶目を思い出し 言われた魔理沙の心に思いを禿せ 迂闊でしたと涙した。

「まさか、幽々子様まで禿げ強いお方であったなんて」
「魔理沙は晴らしにやって来る 禿げ鳴る噂を屈辱を。 
 だから、魔理沙に私は問うの これを見て、まだ貴女に私を憎むことが出来て?」
「私には 出来ません!!」

妖夢は 更にぼろぼろと涙を流し崩れ落ちた 世の不幸を呪い 主の境遇と心を想う。
禿げ強く魔砲は天地に聞こゆ 遍く天泣く 破壊の権化
如何に冥界の明主なれ 実には実に気で抗して相立ち争えば 冥地空いた地と崩れ行くは必死の戦
それを避けるために 自ら秘密を曝して望む 和平を願うは幽々子の凛々しい ズレ姿
眩しくて 眩しくて 妖夢はまともにその御光を拝むことが出来なかった。




かくして魔理沙はやって来た 禿げ丸隠してやって来た
深くかぶりし尖った黒魔 残り貴重な金沙の下に 紅く燃え上ぐ瞳を光らせ
零れ落つ涙 鼻声 木枯らし 幽々子 相立つ。

「昨日はよくも私を侮辱してくれたな! 言っておくが私はっ!」
「待って! 魔って舞って よく聞いて! 幽々子様のお言葉を そのお姿をどうか見て聴いて!」

激昂する魔理沙の物言いを 横から妖夢の言が遮った
言われて初めて魔理沙は幽々子を凝視する

見立つは美立つ気高き姿 幽々子のズレたハレ姿
ゆの字の帽子は風に飛び 扇で口元を隠して 右頭頂部を見せびらかすは
我らが 我らが 我らが幽々子! やる事為す事 ズレ姿!

「魔理沙! 貴女はこれを見てまだ私を憎むことが出来るの!!!」

言った 射った 終に放った!
幽々たる秘密の暴露して 捨て身の覇気を魔理沙に浴びせた!

「幽々子……おまえ……その……」


「なぁんて嘘ぷー。ホントは右上の髪の毛を剃って左下に糊で貼り付けただけでした!」


幽々子は髪を鷲づかみ 強く引っ張り地毛をアピール
妖夢が目玉を丸くする中 顎を外さんばかりの魔理沙を指差し 幽々子は高らかに宣言した

「貴女と違ってね!」
「わーたーしーもー地ー毛ーだーー!!」

魔理沙は帽子を振り落とし 長い金沙を掴み広げる 魔理沙獅子舞う 髪振り乱す
そこに覇気あれ禿げは無し 禿げ話は実に 根も葉もなさげ 冥界の空に舞う二人の無実
巫女しめた指摘は真実なれど、この先三十年は魔る沙の薄まる心配は無し。

浮かぶ二人を地上から見上げ ポカリ唖然と口を開け 
当にこの時、気を抜いた妖夢 毛が抜けた 否 パサリとオカッパ滑り落つ。
残された庭師 その名は実に こんパゲ妖夢 頭頂ぴかり ヅラは足元ハラリラリ。

魔理沙はまたしても顎を外し 幽々子はおかしくてたまらない様子で 腹を抱えて 器用に宙で悶えた。
一拍遅れて事態に気がついた妖夢は 頭にぺたりと手をやって 泡を吹いて卒倒したのだった。



後に魔理沙は語った
寝ている間に妖夢の髪を剃り かつらをのせていたのだと幽々子が白状したと
しかしこの直後から 朝起きると丸坊主になっているという不思議な現象が幻想郷を駆け巡った
原因不明 綺麗サッパリツルツルの災いはハゲマルドンと恐れられ
妖夢の髪が元に戻るまで 続いたのだとか続かないのだとか……。



泣きながら 己が半身魂の上半分を墨で黒く染める妖夢が目撃されたのは余談である。




これはいったいなんだろう。
一つ分かっている事は最近私のおでこの右上が不安でならないという事です。

らららくらら
コメント



1.CODEX削除
腰まであった黒髪も今は昔。
ゆゆさま酷いよゆゆさまw
2.Fimeria削除
この先三十年は魔る沙の薄まる心配は無し。
ってことは四十路で彼女はハゲマルと成り幻想と生るわけだ。

うわぁぁぁああぁぁんっ!!!
3.らくがん屋削除
文章と台詞のギャップが超萌え。
不意打ちで嘘ぷーとか出してくるセンスに胸キュンしちゃいます。
4.らららくらら削除
いつもお礼のお返事を書かせていただいてましたが、今回遅れた事を申し訳なく思いつつ。
ギャップくらいしかとりえが…。
四十路で…ありそうじゃない?
ゆゆさまとようむはいつもこんないめーじ。
感想ありがとうございました。