Coolier - 新生・東方創想話

■Thanks Despair■

2013/10/20 10:27:59
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【その昔:どこかの森】





『アアアアアアアアアアアア!!』


消えていく

右腕が大きな、増悪の限りを込めたかの様な半人半竜の黒い異形が消えていく

名前は知らない 聞く暇もなく襲われ、撃退したのだから


「……」


自らが放った魔力の奔流の消え失せた跡には、大蛇が這った様に真っ直ぐ焼け抉れた地面


三日月と呼ぶにはボロボロの“弧”を先端に付けた、ボロボロの杖が残った


「……」


魔力を放ち、異形を焼き付くした、しかし杖だけは焼き残した女はそれに触れ、掴み、持ち上げ、月明かりにかざして吟味する

夜空の三日月は綺麗だった


「……もらっていくか」


彼女は手持ち無沙汰だった








Thanks Despair




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