Coolier - 新生・東方創想話

パルスィが妬ましすぎて病む話

2009/08/04 13:58:00
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 妬ましい
 脈絡もなく、つい口からぽろりと出てしまう言葉

 妬ましい
 橋姫を象徴する言葉

 妬ましい
 私の全て

 妬ましい
 私の全て、これだけ

 妬ましい
 これっぽっち

 妬ましい
 たった四文字

 妬ましい
 ああ妬ましい
 妬ましい
 五・七・五にしてもこの有様

 妬ましい
 私にはこれしかない

 嫉妬が、私の全て
 何かにつけて妬ましいというのが、私のキャラづけ
 私のキャラづけ、それだけ

 同じ二ボスについて考えてみる

 某氷精
 語るまでもなく人気キャラ。新作に出演おめでとう。妬ましい

 某式神
 Exボスの式、Phボスの式の式、本人もEx中ボス。八雲一家の一員。妬ましい

 某夜雀
 某亡霊とセットで人気者。屋台ネタにも使われる。妬ましい

 某厄神
 厄と、ドリル。少なくとも妬ましい一つだけの私よりマシ。BGMも道中ボス戦共に人気。妬ましい

 それに比べて私はどうだ?
 地味だ。地味過ぎる
 なにがいけないのか

 暗いのがダメか
 厄神はどうなんだ
 夜雀も別の意味で暗い

 胸か
 二ボスで巨乳などどこにいる
 ぎりぎり厄神だ

 そもそも二ボスの地味さはなんだ
 三ボス同盟があって、何故二ボス同盟がない
 というか、何故三ボスはこうも優遇される
 体験版のラスボス?本家のラスボスはどうした
 絡みやすい?人形遣いがか?鬼に至っては絡みやすいどころか向こうから絡んでくる。迷惑だ

 そういえば新作の二ボスも破格の扱いである
 ネタバレ解禁前から早速カップリングがつくられている程だ
 いや、それを除いてもすごい勢いの人気だ
 何がそんなにいいのか?
 「うらめしや~」って言うのが可愛いのか?

「………………妬ましや~」

 不気味過ぎる。嫉妬通り越して殺気を感じるだろう
 それとも見た目か
 オッドアイか
 よろしい、ならばカラーコンタクトだ
 いや待て、私の目の色は嫉妬の緑、個性を表すものの一つだ。手放せない
 帽子か。ZUN帽か。リボンか
 無理だ。似合わない
 他に何がある
 カップリングか。よし





「まさかパルスィのほうから誘われるとわな」
「べ、別にあんたに会いたくて呼んだんじゃないんだからねっ!!」
「だったら何で呼んだんだ」
「そ、そんな事、別にどうだって……」
「よくない。私は嘘をついたり、騙したりするやつが嫌いなんだ」
「私は、私は、その、えと」
「……自分を偽っている目だ」
「え」
「お前は今、素直な自分でそこにいない。作り物の自分を相手に見せて、何が嬉しい」
「いや、あの」
「気分を悪くした。今日は帰るよ」
「え、待ってよ!ちょっと勇儀!」



「私の知ってるパルスィは、そんな事言わない」





 バタンッ









 何がいけなかった
 最近流行りのツンデレという奴をとりいれたんだが
 てか最後の勇儀の目が目茶苦茶怖かった
 改めてあれが鬼だと認識するくらい怖かった












 今日もボロ家に一人
 寂しくはない。もう慣れた
 とにかく退屈なのだ

 退屈なら、無意識に口から零れる言葉
 妬ましい
 妬ましい
 妬ましい
 捻られた蛇口のように溢れ出す言葉
 妬ましい
 妬ましい
 妬ましい
 黙らせるためにいつぞや勇儀が置いて言ったあたりめを噛む
 ぬたまひい
 だめだ、止まらない
 ところで何が妬ましいんだっけ
 自分は何が妬ましくて橋姫してんだっけ
 愛情の裏返し的なあれだっけ
 実はヤンデレだっけ
 知らん、忘れた
 覚えていて笑えるような話でもない
 ああ、あたりめの塩味はまるで涙の味
 そういえば最近泣かない
 涙腺が機能しなくなったか
 しかし、あくびをすれば涙が零れる
 以前に泣いたのはいつだろう
 火〇るの墓見た時だっけ
 あれ見ると自分がいかに恵まれているかとか思ってしまう
 思うだけだけど

 あたりめを噛んでいたら酒が欲しくなってきた
 日本酒を出してくる
 一人酒。虚しい。寂しい
 博麗神社ではよく宴会を開いているらしい
 それはもう沢山の人と酒を飲んで騒いでいるのだろう
 羨ましくなどない
 妬ましい
 どう違うんだ
 ああもう妬ましい
 この世の全て……までは妬ましくない
 もし、宴会に私が混ざったらどう思われるだろう
 嫌な目で見られるだろうか
 テンションを下げてしまうか
 ……いや待て、何だこのハブられっこみたいな感じ
 私は暗いが、卑屈ではない
 そうだ、今度勇儀に連れていってもらおう
 連れていってもらった先で……何をしろと
 口下手な私に、宴会で何をしろという
 いっそ自分をイメチェンするか

「んも~超パルCって感じなんですけどぉ~」





「(ギロッ)私の知ってるパルスィは、そんな事言わねぇ」





 フィードバックした(誇張気味に)
 うん、いくらなんでもキャラ替えはダメだ
 妬ましい。キャラ改変でウケてるキャラが妬ましい

「パルスィ~飲みに来たよ~」

 勇儀だ
 この前の事からまだ二日しかたっていないというのに、随分と……いや、いつもどうりか
 いや、まぁ不自然なのは同じなんだが
 酔うと忘れっぽくなるのだろうか
 どちらにしろもうあんな目に会うのは嫌だし、こちらもいつも通りの対応をすればいい
 忘れてくれているのなら、無理につっつく事もないのだ
 ……いつもの対応ってどんな感じだっけ
 普段無意識にやっていることは、いざ意識的にやろうとすると混乱しがちである
 地霊殿の妹が妬ましい
 とりあえずグラスを出す
 つまみは……ああ、あたりめがあったか
 出すものを出して勇儀の顔を伺う
 これで


「(ギロッ)私の知ってるパルスィは、そんな事しねぇ」


 ってなったらどうしよう
 首でも吊るか
 いやいや、いくらなんでも勇儀に迷惑か

「何をそわそわしてるんだ?」

 かえって不自然がられた
 ともあれ、これでいいということか

「別になんでもないわ」
「そうか」

 勇儀がゲラスに日本酒を注ぐ
 勇儀のグラスに
 そして私のグラスに
 追究してこないのは、本当になんでもないことが分かっているからか
 鬼というのは呑気に見えていろんな所を見ているらしい

「まぁなんだ。あんまり気に病むなよ」
「?」

 なんだその何もかもお見通しみたいな
 妬ましい

「酒の肴はなにもツマミだけじゃない。愚痴るなら愚痴りなよ。全部酒が流してくれるからさ」

 ……その笑顔も妬ましい
 成る程、忘れたんじゃなく、勇儀なりに水に流してくれたか
 言ってることは正論なのだ
 私は勇儀に最近悩んでいたことを打ち明けた



 おおよその話を聞いた勇儀は、グラスの酒を一気飲みし、一言

「私は三ボス同盟にいながら人気投票では40代、テキスト組と同レベルだ」

 …………そうだっけ

「パルスィは一応30代だろう?好成績じゃないか」

 のわりには随分と飄々としている
 ようするにとくに気にしていないのだ
 ああ、呑気だ
 ここまで物事に無関心になれるのが妬ましい

「あたしにゃ胸も無いわよ」
「無くても上位のやつは上位だし、あっても私は下位だ。霧雨魔理沙なんか二位だぞ」
「なんであれ、私が世間にお呼ばれする存在じゃないのは確かよ。内気だし。橋姫だし。何人も殺したし」
「卑屈だなぁ。病的なまでに卑屈だ」

 む、少し酒が入りすぎてしまったか
 病が気からなら、鬱も気から
 当たり前だ
 もうすこしアップに

「そうかもしれないわね」
「いや、そうだね。物事なんてのは考えようで良いようにも悪いようにもなる。自分のいい所を相手に見せてやるんだよ。なんなら多少飾り付けたっていい」
「飾り付けって、いいの?鬼がそんな事言って」
「なにも化粧してる奴を片っ端からどつくような真似はしないさ」

 それもそうだ
 物事も考えよう、か
 成る程、プラス思考というやつだ
 一度、なんでもいいほうに捉えてみる



 個性が少ない
 書きやすい

 影の薄い
 いざ出た時に注目を浴びやすい

 貧乳
 一部の人に需要あり

 根暗
 一部の人に需要あり


 おおお、なかなかいいぞこれは
 楽しくなってきた
 自分が誇らしく思えて来た

 もっといろいろあるはずだ
 自分をもっと表現しろ
 嫉妬するしか脳がないなら、嫉妬で売れればいい
 嫉妬で売れるには…………



























 翌日



 不意にノック音が響く

「パルスィ~」

 勇儀だ
 またいつものように飲みに来た
 大丈夫、今日から私は生まれ変わるのだ
 私が考えた嫉妬キャラで売る方法
 それは、ギャップだ
 某死神もおおいに使っている技だ
 普段江戸っ子気質(?)なお姉さんが「きゃん!」と言うことによるギャップ萌えというやつだ
 私は"嫉妬の姫"という暗いイメージを捨てる
 そして"陽気な橋姫"というキャラに生まれ変わるのだ

「勇儀!まってて、今グラスを出すわ」
「ん、ああ」

 うむ、いいかんじだ
 勇儀が少しと惑っているが、まぁ仕方ない

「勇儀。私思うのよ」
「何がだ?」

 昨日考えた、想いの丈をおもいっきり弾けさせる
 生まれ変わった私を存分に勇儀に見てもらうのだ

「確かに私は橋姫。嫉妬の姫ともなれば、マイナスイメージだらけで嫌われ者にもなるわ。でも、そこで待ってほしい。嫉妬とは何か。妬ましいとは何か。何かを妬むということは、羨む事なの。そして、羨むということは、劣っているものを、不満を、劣等感を感じる事。纏めて言えば、夢を持つの。あの人のようになりたい……!とか、そういう憧れと一緒なのよ。むしろ、そういう憧れを無くした人間に、いえ、この地球上生きる全てに、未来なんてない。生きるという事は、人生というものは、夢を追うことに外ならない。言い換えれば、生けとし生きるもの全ては、常に何かを妬みながら生きて然り!つまり、橋姫とは、永遠に夢を追い続けるドリーマーなのよ!いや、むしろ人の夢を象徴し、それを操る力を持つ私はまさしく、神にも等しい存在ッ!!」

 おおお、言いながらどんどんヒートアップしていく!
 ここまで来たら勢いに任せて言い切るのみ!
 最高にハイってやつだァァァァァァァァ!!

「さぁ願え妬め人の子よ!夢を追え!掴め!我は、それを成す汝らをいくらでも支えよう!そして私は……」

 一息おいて



「新世界の、神になるッ――――――!!」



 と、言い切った時には、勇儀はすでに玄関のドアに手をかけていた


「私の知ってるパルスィは、そんな事言わない」


 バタンッ
























































































そりゃねーよ
 明るいパルスィが書きたかった
 書けた?どうだろうねぇ
 こんなパルスィはありですか?
 俺は・・・ねーよwww
 気分を悪くされた方はすいませんでした

 ちなみに人気投票時は俺も姐さんに入れたんだけどねぇ
 惨敗してたねぇ
 無念

 ところでグリーンアイドモンスターって一々ダイアモンドに見えるのは俺だけか
過剰睡眠摂取症候群
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コメント



0.1560簡易評価
16.90名前が無い程度の能力削除
パルスィかわいいよパルスィ
17.80名前が無い程度の能力削除
>明るいパルスィ
斜め上だよwwwwww
30.無評価名前が無い程度の能力削除
「ぬたまひい」が何故かどうにもかわいくて死んだ
36.100名前が無い程度の能力削除
最後の喪失感。最高でした畜生俺は根暗なんだぐわあああ
こんなパルスィ…いい、訳ない!と言いたいところですが確かに前向きなパルスィもありっちゃあり、か?むしろ前向きなのかこれは…?明るいというよりかは吹っ切れたというか妬ましさのあまり暴走しているというか…いやはや楽しいssでしたぁ!私が書くと、どうにもパルスィが
天邪鬼になってしまうんですよね…あなたの能力をください!明るいパルスィを書きたいよ!
読んでいるときに腹筋が筋肉痛になりました。楽しいssありがとうございました。