この作品は「二人の思い」の続編です
私アリス・マーガトロイドはよく言われる。
周りに無関心過ぎるとよく言われる。
実のところ無関心ではないが興味がなければ関心を持てないのだけ。
そう…ただそれだけ。
「アリスが紫とねぇ…ピッタリってかお似合いなのかしらね~」
霊夢は何やらブツブツ言いながらも最後には「おめでとう」と言ってくれた。
魔理沙は…
「おっめでたいじゃないか。宴会しようぜ。宴会」
めでたいのは魔理沙の考え…とは口が裂けても言えはしなかったが。
「付き合うとは言っても何をすればいいのやら…」
付き合った事のない人にしてみれば左右が分からない、道が分からないといった所だ。
「…………」
いつも熱心にやっていたはずの魔法研究も今では熱が入らない。
「あぁ…紫のことが頭から離れない…。誰かを好きになるってこんな感覚なんだ」
今でも紫と交わした口付けの感覚、紫の唇の感触が蘇って来る。
顔が赤くなるのが分かる。
最近は紫と全く会うことが無かった。寂しいとは思っても紫に次に会えることを考えれば喜びの方が強かった。
こうなったのも紫がしばらくの間忙しいから会えないと言って来たからだ。理由こそ教えて貰えなかったけど身体壊してなければいいな。会えないと分かってからは霊夢の所に遊びに行
ったりして話をした。霊夢はあんたたちは馬鹿がつくカップルよね。と言っていたが好きなものを好きと言って何が悪い。
「あっ…霊夢が言ってたな。「クッキーとかお菓子でも作れば?」って」
お菓子か…久しぶりに作ってみようかな。
「材料は…ある」
とりあえずクッキーにしてみよっと。
まずは小麦粉…卵…砂糖はカロリー高いからやめ。
ムラのないようにしっかり混ぜて、あとは伸ばし棒で伸ばして型でとって焼けばオッケー。
焼く前に卵の残りを表面に塗って…よし。
クッキーは簡単だから楽だ。
「入れ物ももう用意しとこっと」
普通の小さな箱に紫色のラッピング用シートで包むことにした。
「あ~何か手紙でも入れとこうかな…動揺して変な事口走っちゃってもいいように」
そうして手紙を書いてるうちにクッキーは焼きあがった。
紫に会うんだから少し綺麗にしていこっと。
いつもの服じゃなくて…あっこれいいかも。
スカイブルーの膝丈までのスカートに白のブラウス、あとはチェックの肩掛け。
「クッキー持ったし。服も…変じゃないよね…。よし」
クッキー余ったし誰かに配ろっと。あっ霊夢とか魔理沙とかに毒味させよ。まぁ祝ってくれたし。
しばらくの間紫に会った時のために言葉を選んだりしてたら博麗神社についてしまった。
「あっ魔理沙」
「ギクッ…よ、ようアリス」
「何よ今のギクッって」
「い、いや何でもない」
「ふ~ん…まぁいいや。霊夢は居る?」
「いや今はゆ…出かけてるぜ」
「? まっいっか。霊夢が帰るまで居させて貰おっと」
「お、おい。アリ…」
「はい」
「何だこれ?」
魔理沙が何か言う前にクッキーを渡した。
「クッキー。余ったからあげる」
「サンキュー」
いつもの魔理沙に戻った。さっきまでは私を返そうとしていたのに…。
「美味しい?」
「あぁ美味いぜ。これ紫にはあげないのか?」
「あげるつもりよ。ほら」
ラッピングした箱を見せた。
「おっ。ちゃんと紫色だな。流石アリス。いいセンスしてるな」
「ありがと」
「だから今日はそんなにお洒落してるのか」
「そ、そうよ」
あぁ…恥ずかし…
ん?
階段の方から声がするな。霊夢帰って来たのかな。
「けど私も好きよ」
えっ?
「良かった。こんな事言うの初めてだから緊張したのよ」
「私で良かったらいくらでも付き合うわよ」
「ホント?」
「今日みたいなエスコートしてくれたらね」
…………
霊夢がこちらに気が付いた。紫も後に続いてこちらを見た。何か気まづそう…
「あぁアリス来てたのって顔色悪いわよ?」
「紫?今のって…」
「えっ?え~とアリスには秘密にしときたかったんだけどね」
「それって紫が霊夢と付き合ってるってこと?」
霊夢は呆れたような顔。魔理沙はおどおどしながらその場を見てる。紫は動揺した顔をしてアリスを見る。
「ア、アリス…違うのこれは…」
「嫌だ!!聞きたくない!聞きたくない!!」
嫌だ嫌だ…嫌だ!
何も聞きたくない。
耳を塞ぎその場を去った。知りたくなかった。聞きたくなかった。
自分の家に帰りベッド上で啼いた…
――――――――――――――――――――――――――
「あ~あ紫どうすんの?」
「どうすればいいのよ?!」
今にも泣きそうな気持ちを抑えて霊夢に聞く。
「どうするもこうするも…魔理沙これは?」
「あっ…あぁそれはアリスが紫にって作ったクッキーだぜ」
「ふ~ん」
霊夢は何も言わずにその包を開けた。
「ちょ…霊夢それはまずいって」
「………はぁ…はい紫。これアリスから」
「えっ?」
アリスからのクッキーの入れ物には手紙が入っていた。
「読んで見なさい」
「……………」
(紫へ
もしも私が照れ隠しや、動揺をして伝えるべきことが伝わらないのは嫌だから一応手紙書きました。
唐突だけど私は昔から無関心って言われたの。これは自覚はないけど自分の興味のあることにしか私は熱中しないみたい。
自分の性格がこんなんだから私最初紫と付き合えるのかなって不安になってたけど今でも紫の事しか頭にない。気持ち悪いかもしれないけど一日中紫と一緒に居たいって考えちゃうくら
いよ。
好きで好きで堪らないってこんな感じかなって思ってる。
こんなに夢中になれたのも全部紫のおかげ。
紫が居なかったら多分私は恋なんてしてなかったと思う。
ありがと紫
そして…)
「今回のは紫が悪いわ」
「……」
「アリスを喜ばせようとして傷つけたんじゃ本末転倒よ」
「霊夢言い過ぎだって…」
「アリスもアリスで話を聞かないのは悪い。私のせいもある。だから行くよ紫」
「ど、どこに?」
「アリスんとこ」
――――――――――――――――――――――
「…………あっ…私寝てた…」
何だろ…凄い嫌なことが…
紫と霊夢が出来てることを思い出す。
「…いやいや……違う…紫はそんなこと…」
否定したい。分からないことだらけで希望もある。けど…霊夢はあんたたちって言ってた。最近紫とも会ってたんだ。
「やっぱりちゃんと聞かないとダメ!」
自分が紫に言ったんだ。一人で悩んでても解決しない。異変みたいにって…。
紫に会いに行こう。多分まだ霊夢の所にいるはずだ。
急いで家を飛び出した。
何時もよりも早いスピード。嫌われるのも嫌だけど悩む方が嫌だ。考えてる間にも時は止まってはくれない。
「霊夢!!」
「あ~?…なんと間が悪い…」
「紫は?!」
「今あんたの家に行ったわよ」
「え?」
「とりあえず色々説明するから座んなさい」
「まず私と紫はただの師弟に近い関係なだけ。あんたが思ってるような間柄じゃないわ」
「けど好きって…」
「いいから黙って聞く」
「は、はい…」
「最近紫が元気無く私に稽古つけるから気になってね聞いたのよどうしたのって。そしたらあいつアリスにあげるプレゼント何がいいかなって悩んでたのよ。それで今日それを買いに行
って帰りにほら階段のところのは紫が「これって好き嫌いが分かれるのよね。私は好きだけどアリスはどうかしら?」って言ったから私が「アリスの好みは分からないわ。けど私も好き
よ」って言っただけ」
顔が赤くなる…ただ単に私の勘違いだったのだ。
「紫は相談なんて初めてだから緊張したって。で私は今日付き合ったお礼にご飯を奢って貰ったから次もこんなのだったらいいって言ったのよ」
「じゃ、じゃあ私が一方的に紫傷つけたんだ…」
涙が溢れる。紫に贈る始めてのプレゼントで私紫を傷つけちゃった…
「うっ…。喜んで…貰いたかった…だけなのに……グズッ…」
「あんたらはどこまで息が合ってるのよ。あいつも同じこと言ってたわよ」
「ふぇ?」
「すぐにでもアリスの誤解を解きたかったのにあいつ今のアリスみたいに泣いてね。さっきまでこんな顔じゃアリスに会えないとか訳わかんない事行ってようやくアリスの家に行ったと
思ったらあんたはこっちに来るし…」
霊夢と目があってお互いに吹き出した。やっぱり行動あるのみ。
「じゃあ紫に会ってくる」
「入れ違いに…いやアリスストップ」
「え?」
すると霊夢の横に隙間が開いて。
「霊夢どうしよう。アリス居な…かっ…た……の…」
「今度は入れ違いにならなかったでしょ?」
「そうだね」
霊夢が紫に入れ違いの説明をした。誤解も解けたと言った。紫はこちらを見て謝ろうとしていたが霊夢が止めた。
「今回はアリスが勘違いしたのもあるし、紫と私の会話のせいもある。ごめんねアリス」
「あっ…こっちも勘違いしてごめん」
「よし。じゃ後は二人でゆっくり話し合いよ。邪魔者は風呂に入るから」
霊夢は空気を読んで先に謝り退散してくれたのだ。
「「…あの」」
ハモった…
「紫。今日は色々ごめんなさい…」
「私もアリスを不安がらせっちゃってごめんなさい」
沈黙…。
ガラッ
「紫。クッキーとアリスお洒落してるんだからちゃんと褒めないと嫌われるわよ」
ピシャ
「もしかして私に会うために?」
「……カァァァ…」
「アリス…」
「だって久しぶりに紫に会えるから…綺麗な姿の方が…」
「可愛い」
「も、もぅやめてよ恥ずかしいんだから」
やっといつもの感じに戻った。今度霊夢には何かお礼しなくちゃいけないな。
「フフッ。手紙読んだわ」
「あ、あはは…恥ずかし…」
「私も同じこと考えてたわ。居れるなら一日中アリスと一緒に居たいって思ってる。それとあなたが手紙の最後に書いてた事私にも言わせて」
「う、うん」
紫は改めて姿勢を直した。私も吊られて姿勢を直した。紫とはもう手の届く距離。お互い目を見つめたまま動かない。そして紫はゆっくりと穏やかに…
「私が好きになれたのがアリスで良かった」
「私も好きになれたのが紫で良かった」
お互いに抱きしめあった。温もりと癒しと相手がここに居るという安心感を確認するために。
「ねぇアリス」
「何? 紫?」
「これ私からのプレゼント」
「なに?」
「開けてみて」
私のクッキーを入れていた箱と変わらない大きさの箱。綺麗なラッピングを丁寧に剥がし、箱の中を見てみる。
「これは…」
「香水よ」
「なんで?」
「前にアリスの洗濯物を干したときに薬品の臭いが付きっぱなしのがあったから」
「あぁ…臭い落ちないのよね…。それで香水を?」
「そうよ。嗅いでみて」
「……。あっいい匂い…」
「あんまり派手な臭いじゃなくて花とかがベースの香水なの。好き嫌いがあるけど気に入ってもらえた?」
「うん。すっごい気に入った」
「よかった」
紫の笑った顔も、仕草ももう全部が好き。
「アリス。相談なんだけど…」
「何?」
「私とずっと一緒に居たいって思う?」
「もちろん」
「じゃあ一緒に暮らさない?」
「え?」
「そしたら今日みたいな誤解も生まれないでしょ?」
「…同棲って事?」
「アリスさえよければ…」
「嬉しいけどき、緊張するな…」
「そこは慣れていきましょ。私も同じだから」
「二人なら…」
「えぇ二人なら…」
「「怖くない」」
―――後日談―――
「あの二人はうまくいったみたいだし良かった良かった…何これ?」
博麗神社の縁側に小さな包が置いてある。
「え~と…あぁ紫か」
「お~い霊夢~アリスが前のお詫びにこれ渡してくれってさ」
「なに?」
二人で開けて中身を見る。
「あの二人一緒にこれ買ったのか?」
「いやそれはないでしょ…」
紫とアリスから送られてきたのは指輪。
紫からの手紙(霊夢をよろしく)
アリスからの手紙(魔理沙をよろしく)
「何時気づいたんだろ?」
「さぁ?わっこれサイズピッタリ」
「まじで?ホントだ私のもピッタリだ」
「ある意味あの二人って最強コンビかもな」
「そうね…敵わないわ」
追伸:いつも二人でいるからバレバレよ
私アリス・マーガトロイドはよく言われる。
周りに無関心過ぎるとよく言われる。
実のところ無関心ではないが興味がなければ関心を持てないのだけ。
そう…ただそれだけ。
「アリスが紫とねぇ…ピッタリってかお似合いなのかしらね~」
霊夢は何やらブツブツ言いながらも最後には「おめでとう」と言ってくれた。
魔理沙は…
「おっめでたいじゃないか。宴会しようぜ。宴会」
めでたいのは魔理沙の考え…とは口が裂けても言えはしなかったが。
「付き合うとは言っても何をすればいいのやら…」
付き合った事のない人にしてみれば左右が分からない、道が分からないといった所だ。
「…………」
いつも熱心にやっていたはずの魔法研究も今では熱が入らない。
「あぁ…紫のことが頭から離れない…。誰かを好きになるってこんな感覚なんだ」
今でも紫と交わした口付けの感覚、紫の唇の感触が蘇って来る。
顔が赤くなるのが分かる。
最近は紫と全く会うことが無かった。寂しいとは思っても紫に次に会えることを考えれば喜びの方が強かった。
こうなったのも紫がしばらくの間忙しいから会えないと言って来たからだ。理由こそ教えて貰えなかったけど身体壊してなければいいな。会えないと分かってからは霊夢の所に遊びに行
ったりして話をした。霊夢はあんたたちは馬鹿がつくカップルよね。と言っていたが好きなものを好きと言って何が悪い。
「あっ…霊夢が言ってたな。「クッキーとかお菓子でも作れば?」って」
お菓子か…久しぶりに作ってみようかな。
「材料は…ある」
とりあえずクッキーにしてみよっと。
まずは小麦粉…卵…砂糖はカロリー高いからやめ。
ムラのないようにしっかり混ぜて、あとは伸ばし棒で伸ばして型でとって焼けばオッケー。
焼く前に卵の残りを表面に塗って…よし。
クッキーは簡単だから楽だ。
「入れ物ももう用意しとこっと」
普通の小さな箱に紫色のラッピング用シートで包むことにした。
「あ~何か手紙でも入れとこうかな…動揺して変な事口走っちゃってもいいように」
そうして手紙を書いてるうちにクッキーは焼きあがった。
紫に会うんだから少し綺麗にしていこっと。
いつもの服じゃなくて…あっこれいいかも。
スカイブルーの膝丈までのスカートに白のブラウス、あとはチェックの肩掛け。
「クッキー持ったし。服も…変じゃないよね…。よし」
クッキー余ったし誰かに配ろっと。あっ霊夢とか魔理沙とかに毒味させよ。まぁ祝ってくれたし。
しばらくの間紫に会った時のために言葉を選んだりしてたら博麗神社についてしまった。
「あっ魔理沙」
「ギクッ…よ、ようアリス」
「何よ今のギクッって」
「い、いや何でもない」
「ふ~ん…まぁいいや。霊夢は居る?」
「いや今はゆ…出かけてるぜ」
「? まっいっか。霊夢が帰るまで居させて貰おっと」
「お、おい。アリ…」
「はい」
「何だこれ?」
魔理沙が何か言う前にクッキーを渡した。
「クッキー。余ったからあげる」
「サンキュー」
いつもの魔理沙に戻った。さっきまでは私を返そうとしていたのに…。
「美味しい?」
「あぁ美味いぜ。これ紫にはあげないのか?」
「あげるつもりよ。ほら」
ラッピングした箱を見せた。
「おっ。ちゃんと紫色だな。流石アリス。いいセンスしてるな」
「ありがと」
「だから今日はそんなにお洒落してるのか」
「そ、そうよ」
あぁ…恥ずかし…
ん?
階段の方から声がするな。霊夢帰って来たのかな。
「けど私も好きよ」
えっ?
「良かった。こんな事言うの初めてだから緊張したのよ」
「私で良かったらいくらでも付き合うわよ」
「ホント?」
「今日みたいなエスコートしてくれたらね」
…………
霊夢がこちらに気が付いた。紫も後に続いてこちらを見た。何か気まづそう…
「あぁアリス来てたのって顔色悪いわよ?」
「紫?今のって…」
「えっ?え~とアリスには秘密にしときたかったんだけどね」
「それって紫が霊夢と付き合ってるってこと?」
霊夢は呆れたような顔。魔理沙はおどおどしながらその場を見てる。紫は動揺した顔をしてアリスを見る。
「ア、アリス…違うのこれは…」
「嫌だ!!聞きたくない!聞きたくない!!」
嫌だ嫌だ…嫌だ!
何も聞きたくない。
耳を塞ぎその場を去った。知りたくなかった。聞きたくなかった。
自分の家に帰りベッド上で啼いた…
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「あ~あ紫どうすんの?」
「どうすればいいのよ?!」
今にも泣きそうな気持ちを抑えて霊夢に聞く。
「どうするもこうするも…魔理沙これは?」
「あっ…あぁそれはアリスが紫にって作ったクッキーだぜ」
「ふ~ん」
霊夢は何も言わずにその包を開けた。
「ちょ…霊夢それはまずいって」
「………はぁ…はい紫。これアリスから」
「えっ?」
アリスからのクッキーの入れ物には手紙が入っていた。
「読んで見なさい」
「……………」
(紫へ
もしも私が照れ隠しや、動揺をして伝えるべきことが伝わらないのは嫌だから一応手紙書きました。
唐突だけど私は昔から無関心って言われたの。これは自覚はないけど自分の興味のあることにしか私は熱中しないみたい。
自分の性格がこんなんだから私最初紫と付き合えるのかなって不安になってたけど今でも紫の事しか頭にない。気持ち悪いかもしれないけど一日中紫と一緒に居たいって考えちゃうくら
いよ。
好きで好きで堪らないってこんな感じかなって思ってる。
こんなに夢中になれたのも全部紫のおかげ。
紫が居なかったら多分私は恋なんてしてなかったと思う。
ありがと紫
そして…)
「今回のは紫が悪いわ」
「……」
「アリスを喜ばせようとして傷つけたんじゃ本末転倒よ」
「霊夢言い過ぎだって…」
「アリスもアリスで話を聞かないのは悪い。私のせいもある。だから行くよ紫」
「ど、どこに?」
「アリスんとこ」
――――――――――――――――――――――
「…………あっ…私寝てた…」
何だろ…凄い嫌なことが…
紫と霊夢が出来てることを思い出す。
「…いやいや……違う…紫はそんなこと…」
否定したい。分からないことだらけで希望もある。けど…霊夢はあんたたちって言ってた。最近紫とも会ってたんだ。
「やっぱりちゃんと聞かないとダメ!」
自分が紫に言ったんだ。一人で悩んでても解決しない。異変みたいにって…。
紫に会いに行こう。多分まだ霊夢の所にいるはずだ。
急いで家を飛び出した。
何時もよりも早いスピード。嫌われるのも嫌だけど悩む方が嫌だ。考えてる間にも時は止まってはくれない。
「霊夢!!」
「あ~?…なんと間が悪い…」
「紫は?!」
「今あんたの家に行ったわよ」
「え?」
「とりあえず色々説明するから座んなさい」
「まず私と紫はただの師弟に近い関係なだけ。あんたが思ってるような間柄じゃないわ」
「けど好きって…」
「いいから黙って聞く」
「は、はい…」
「最近紫が元気無く私に稽古つけるから気になってね聞いたのよどうしたのって。そしたらあいつアリスにあげるプレゼント何がいいかなって悩んでたのよ。それで今日それを買いに行
って帰りにほら階段のところのは紫が「これって好き嫌いが分かれるのよね。私は好きだけどアリスはどうかしら?」って言ったから私が「アリスの好みは分からないわ。けど私も好き
よ」って言っただけ」
顔が赤くなる…ただ単に私の勘違いだったのだ。
「紫は相談なんて初めてだから緊張したって。で私は今日付き合ったお礼にご飯を奢って貰ったから次もこんなのだったらいいって言ったのよ」
「じゃ、じゃあ私が一方的に紫傷つけたんだ…」
涙が溢れる。紫に贈る始めてのプレゼントで私紫を傷つけちゃった…
「うっ…。喜んで…貰いたかった…だけなのに……グズッ…」
「あんたらはどこまで息が合ってるのよ。あいつも同じこと言ってたわよ」
「ふぇ?」
「すぐにでもアリスの誤解を解きたかったのにあいつ今のアリスみたいに泣いてね。さっきまでこんな顔じゃアリスに会えないとか訳わかんない事行ってようやくアリスの家に行ったと
思ったらあんたはこっちに来るし…」
霊夢と目があってお互いに吹き出した。やっぱり行動あるのみ。
「じゃあ紫に会ってくる」
「入れ違いに…いやアリスストップ」
「え?」
すると霊夢の横に隙間が開いて。
「霊夢どうしよう。アリス居な…かっ…た……の…」
「今度は入れ違いにならなかったでしょ?」
「そうだね」
霊夢が紫に入れ違いの説明をした。誤解も解けたと言った。紫はこちらを見て謝ろうとしていたが霊夢が止めた。
「今回はアリスが勘違いしたのもあるし、紫と私の会話のせいもある。ごめんねアリス」
「あっ…こっちも勘違いしてごめん」
「よし。じゃ後は二人でゆっくり話し合いよ。邪魔者は風呂に入るから」
霊夢は空気を読んで先に謝り退散してくれたのだ。
「「…あの」」
ハモった…
「紫。今日は色々ごめんなさい…」
「私もアリスを不安がらせっちゃってごめんなさい」
沈黙…。
ガラッ
「紫。クッキーとアリスお洒落してるんだからちゃんと褒めないと嫌われるわよ」
ピシャ
「もしかして私に会うために?」
「……カァァァ…」
「アリス…」
「だって久しぶりに紫に会えるから…綺麗な姿の方が…」
「可愛い」
「も、もぅやめてよ恥ずかしいんだから」
やっといつもの感じに戻った。今度霊夢には何かお礼しなくちゃいけないな。
「フフッ。手紙読んだわ」
「あ、あはは…恥ずかし…」
「私も同じこと考えてたわ。居れるなら一日中アリスと一緒に居たいって思ってる。それとあなたが手紙の最後に書いてた事私にも言わせて」
「う、うん」
紫は改めて姿勢を直した。私も吊られて姿勢を直した。紫とはもう手の届く距離。お互い目を見つめたまま動かない。そして紫はゆっくりと穏やかに…
「私が好きになれたのがアリスで良かった」
「私も好きになれたのが紫で良かった」
お互いに抱きしめあった。温もりと癒しと相手がここに居るという安心感を確認するために。
「ねぇアリス」
「何? 紫?」
「これ私からのプレゼント」
「なに?」
「開けてみて」
私のクッキーを入れていた箱と変わらない大きさの箱。綺麗なラッピングを丁寧に剥がし、箱の中を見てみる。
「これは…」
「香水よ」
「なんで?」
「前にアリスの洗濯物を干したときに薬品の臭いが付きっぱなしのがあったから」
「あぁ…臭い落ちないのよね…。それで香水を?」
「そうよ。嗅いでみて」
「……。あっいい匂い…」
「あんまり派手な臭いじゃなくて花とかがベースの香水なの。好き嫌いがあるけど気に入ってもらえた?」
「うん。すっごい気に入った」
「よかった」
紫の笑った顔も、仕草ももう全部が好き。
「アリス。相談なんだけど…」
「何?」
「私とずっと一緒に居たいって思う?」
「もちろん」
「じゃあ一緒に暮らさない?」
「え?」
「そしたら今日みたいな誤解も生まれないでしょ?」
「…同棲って事?」
「アリスさえよければ…」
「嬉しいけどき、緊張するな…」
「そこは慣れていきましょ。私も同じだから」
「二人なら…」
「えぇ二人なら…」
「「怖くない」」
―――後日談―――
「あの二人はうまくいったみたいだし良かった良かった…何これ?」
博麗神社の縁側に小さな包が置いてある。
「え~と…あぁ紫か」
「お~い霊夢~アリスが前のお詫びにこれ渡してくれってさ」
「なに?」
二人で開けて中身を見る。
「あの二人一緒にこれ買ったのか?」
「いやそれはないでしょ…」
紫とアリスから送られてきたのは指輪。
紫からの手紙(霊夢をよろしく)
アリスからの手紙(魔理沙をよろしく)
「何時気づいたんだろ?」
「さぁ?わっこれサイズピッタリ」
「まじで?ホントだ私のもピッタリだ」
「ある意味あの二人って最強コンビかもな」
「そうね…敵わないわ」
追伸:いつも二人でいるからバレバレよ
気まずそう?
この組み合わせって本当に凄いですよね
例えば赤面を表現したいのならカァァァという擬音ではなく
顔が熟したリンゴのように真っ赤になったみたいな表現にすると
もっと文章の見栄え良くなるかも。
あと、ゆかアリ同棲編も見たいですね。
今後のゆかアリ話にも期待します