Coolier - 新生・東方創想話

「いいかっ!! 妖夢!!」

2010/10/11 22:19:52
最終更新
サイズ
3.91KB
ページ数
1
閲覧数
1822
評価数
13/66
POINT
3130
Rate
9.42

分類タグ


「はい、師匠!!」
「白玉楼の楼といふ字は、木の横の女に米と書く!!」
「その通りです!!」
「では西行妖の横で米を研ぐのだ!!」
「はい、師匠!!」

 妖夢は研いだ、一心不乱に。
 ただ、一心不乱に、米を研いだのだ……

「うぉぉぉぉぉ!!」
「よし、そこまで!! 飯にする!!」
「はい、師匠!!」














「馬鹿者ぉ!!」
「くっ……」

 食事が終わり、幽々子がお昼寝タイムに入った頃、妖夢は台所の前で正座をさせられていた。
 
「水加減を間違えたなどと、そんなことが言い訳になるかっ!! 先ほどの幽々子様を見たか!? ええ!! 10合しかお米を召し上がりにならなかったではないか!!」
「返す言葉も御座いません!!」
「どうするのだ、妖夢!!」
「……かくなる上は、腹を切って幽々子様にお詫び申し上げる所存に!!」
「馬鹿者がぁぁぁぁ!!」
「っ!!」

 妖忌ははあっとため息を付くと、手を伸ばし、お気に入りのハート柄エプロンを身に着けた。

「妖夢よ……腹を切れば美味い米が炊けるのか……? 腹を切れば、幽々子様がお喜びになるのか?」
「いえ、幽々子様はそのようなお方ではありません!!」
「ならば見ておけ……米は!! こう!! こうしてっ!!  研ぐのだっ!!!!!!!」
「こう!! こうですか!!」
「違う!! こう……ここうだ!!」
「こうっこここうですか!!」
「そうだ!!」
「こうっここう!!」
「こうっここう!!」

「「こうっここう!!」」

「「仕上げに!!」」

「「そいやっさ!!」」




───────────




「師匠!!」
「なんだ妖夢」
「剣の修行はいつになったらしてくれるのですか!!」
「……妖夢よ」
「はい、師匠!!」
「大抵のものは、それこそ森羅万象は、だ。 とりあえず斬ればわかる」
「…………」
「しかし、米は水を切っても駄目なのだ……ならば、何を切ると思う?」
「……わかりません」
「それはな……シャリを切るのだ……」
「!?」

 この時、妖夢の目から涙が零れ落ちた。
 何故涙が出てくるのか、妖夢自身にもわからない。
 ただ、わけもわからず涙は止まらなかった。

「シャリを切ることにより米粒と米粒の間に空気が入り、ふっくらと、かつ粘りの少ない絶妙な塩梅となる……そう、シャリ切りを制するとき、お前は剣の道を極めることとなるのだ」
「師匠……師匠!!」
「なんだ?」
「私が、私めが間違っておりました!! この妖夢、シャリ切りも極めずして剣を指南して貰おうなどと……」
「いいのだ、いいのだよ妖夢、これでお前にもう教えることはない……」
「し……師匠!! どこへ向かわれるのですか!!」
「サラダバー、妖夢……」
「師匠ぉぉぉぉ!!」


















「ふぁ~、おはよう妖夢、あ、そうそう、あのね、お米飽きちゃったから明日からパンがいいなー」
「いいかっ!! 妖夢!!」
「はい、師匠!!」
「白玉楼の白といふ字は、小麦を粉とする臼と書く!!」
「漢字が違います!! 師匠!!」
「……………………」
「……………………」
「白玉楼の白といふ字は、小麦を粉とする臼と書く!!」
「その通りです!!」
「では西行妖の横で臼をひくのだ!!」
「はい、師匠!!」

 妖夢はひいた、一心不乱に。
 ただ、一心不乱に、臼をひいたのだ……

「うぉぉぉぉぉ!!」
「よし、そこまで!! 飯にする!!」
「はい、師匠!!」














「あ、やっぱり今日はお蕎麦が食べたいかも」
「いいかぁぁぁぁぁぁ!! 妖夢ぅぅぅぅぅぅ!!」
「はいぃぃぃぃぃぃぃ!! 師匠ぉぉぉぉぉぉ!!」




結局剣の修行はしてもらえなかったとか

ハリー























「あとがきが来ると思ったか!! 甘いぞ妖夢!!」
「申し訳ありません、師匠!!」

 妖夢は油断していた、あとがきさえ過ぎれば私の役目は終わりだと。
 もう米を炊く修行をしなくてすむと……

「どんぶり勘定だったようだな、米だけに!!」
「はは、師匠の冗談はいつも面白いですねー、いつも笑わせてもらってます死ね!!」
「ヘーイ、どうしたどうしたへなちょこ剣士~」
「うわぁぁぁぁ!!」
「片手で防ぎきられる妖夢たん可愛いよ妖夢たん、もっと修行積んだら相手ちてあげるからね、じゃあ後のことはよろしくプー」
「どちくしょぉぉぉぉ!!」

こうして妖忌は去った……
その日から妖夢は修行に修行を重ね、今に到る。




「あれ、幽々子様。 ここに冷ましてあった酢飯シャリ切りしといてくれたんですね、ありがとうございます」
「えー、知らないわよー?」
「え?」
「え?」
 紅楼夢に参加した皆様、お疲れ様でした。
 このネタは紅楼夢の帰り道、紅楼夢の楼の字を眺めてたら3分でおもいついたネタです。
 米食いてえ。
ハリー
http://kakinotanesyottogan.blog66.fc2.com/blog-entry-67.html#more
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1920簡易評価
2.90名前が無い程度の能力削除
うわあああ、二段底あとがきとかなんて発想!
ああ、なんて平和なんだ……
6.100名前が無い程度の能力削除
全力でワロタwwwwwwww
8.100名前が無い程度の能力削除
は、謀ったな!
13.100奇声を発する程度の能力削除
やべえ盛大に笑ったwwwwwwww
まさかの二段wwwwww
16.100名前が無い程度の能力削除
畜生だまされた
23.90コチドリ削除
エクスクラメーション・ポイントの釣瓶撃ち。テンション高いなぁ。
腹切りシャリ切りする前に血管切るなよ、魂魄二人。
32.90幻想削除
僕には読めていた。
だって枠小さかったもの。
そして僕は思った。
エンドレス魂魄コンビはいいものだ・・・と。

妖忌は大事なことだから2回言ったんだ!
決して気まずいからとかではなく・・・げふんげふん
34.90名前が無い程度の能力削除
クッソワロタwwwww
35.100謳魚削除
半人半霊ってとても躁な気性をされていらっしゃるんですね、幽々子様もさぞ毎日が楽しいでしょうて。

二段後書きに、負けたぜ。
37.80たて削除
もう、ほんと凄い勢いで来る。心に来る。
幕ノ内一歩のボディブローみたい。
41.70ずわいがに削除
もうこのセンスは絶対に真似出来ませんわww
43.100名前が無い程度の能力削除
後書き二段攻撃にやられたwww
45.100汗腺が壊れてる程度の能力削除
ジジイwwwwww