Coolier - 新生・東方創想話

東方昔話 短編集

2003/10/05 02:57:25
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『したきりすずめ』

むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんはすずめを飼っており、わが子のように可愛がっていました。

     紫「zzzzzz・・・・・・。」
   魔理沙「・・・・・・・・・・・・。」
     紫「zzzzzzz・・・・・。」
   魔理沙「おい、起きろ。」
     紫「zzzzzzzzzzzzz・・・・・。」
   魔理沙「寝るな。起きろ。」
     紫「zzzzzzzzzzzzzzzz~・・・・・・・・。」
   魔理沙「・・・・・・駄目か。」

すずめは、寝てばかりでした。

   魔理沙「お~い、ばあさん。こいつ起こしてくれ。」
    幽香「ぐ~・・・・・・・。」
   魔理沙「・・・・・・・・あんたもか。」
    幽香「ぐ~・・・・・・・・。」
     紫「zzzzzzz・・・・。」

おじいさんとおばあさんとすずめは、今日も平和に時を過ごしましたとさ。

  魔理沙「『寝たきりすずめ』じゃねえか・・・・・。」

 めでたしめでたし




『こぶとりじいさん』

むかしむかし、あるところに、じいさんが住んでいました。
じいさんは、ばあさんと二人暮しでした。

   レティ「あれ、私が主役?」
   魔理沙「そうみたいだな。何でかは分からないけどな。」
   レティ「やっと世間に、私が黒幕だったっていうことを知らしめるときが・・・・。」
   魔理沙「何の黒幕だよ?」
   レティ「で、これは何のお話?」
   魔理沙「台本読んでおけよ。こぶとりじいさんだ。」
   レティ「何で、私が抜擢されたのかな?」
   魔理沙「謎だ。あんたなんて『くろまく~』って台詞を除けば、ちょっとポッチャリ系なただの一面ボス・・・・・。」
   レティ「あんたなんて、っていうのは聞き捨てならないわ。」
   魔理沙「・・・・・・・・・。」
   レティ「どうしたの?」
   魔理沙「謎は全て解けた。」
   レティ「そうなの?」
   魔理沙「ああ。」
   レティ「教えて。」
   魔理沙「世の中、知らない方がいいこともあるんだ。」

ばあさんはそう言うと、じいさんの前から立ち去りました。

   レティ「ちょっと、教えてよ。気になって、冬まで眠れないじゃないの。」
   魔理沙「あ~、冬は来なくていいよ。寒いから。」
  
ばあさんは、かなり投げやりでした。
このあと、じいさんが真相を知ったかどうかは、知らない・・・・・。

   魔理沙「『小太りじいさん』かよ・・・・・。」


 おしまい

注:ちょっとポッチャリ系と小太りは別物です。多分。



『おむしびころりん』

むかしむかしあるところに、じいさんが住んでいました。
じいさんは、山へ薪を取りに行くのが日課でした。
今日もじいさんは弁当を持って、山へと出かけました。

    霊夢「さて、ちょっと早いけど、お昼ごはんにしましょうか。」

誰も聞いていないのにそう言うと、じいさんは弁当を広げました。

    霊夢「今日の弁当は、魔理沙から奪ってきた米で作ったおむすびと・・・・。」

盗みはいけません。

    霊夢「略奪よ。あとは、魔理沙から奪ってきたいなり寿司とか、いろいろ・・・。」

そんなわけで、じいさんはご機嫌で食事をとりはじめました。

    霊夢「ん~、一働きしたあとの食事は最高じゃ。」

一働きとは、あくまで薪採りのことです。
じいさんがおむすびを一個平らげたそのとき、

 ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

    霊夢「!?地震・・・・。」

突然地震が起こりました。
しかし、そんなに大きな地震ではなかったので、じいさんはそのままでした。

    霊夢「唐突よの。・・・・・・・あ!?」

じいさんがぼんやりしていると、なんとおむすびが一個、地面に落ちてしまいました。
地面に落ちたおむすびは、山道をころころと転がっていきました。

 コロコロコロ・・・・・

    霊夢「待て~!私のお昼ご飯!」

じいさんはおむすびを追いかけました。
ところがおむすびは、地面に開いた隙間に入り込んでしまいました。

    霊夢「あ~あ・・・。もったいない。」

じいさんはがっかりしました。
そのとき、隙間から声が聞こえてきました。

     紫「おむすびころりん、すっとんとん。」

じいさんは何事かと思い、頭に?マークを浮かべています。
隙間からは、さらに声が聞こえてきます。

     橙「わ~い。おむすびだよ、おむすび。食べていい?」
     藍「落ちてた物を食べるのは、駄目。」
     橙「三秒ルールっていうのがあるから大丈夫だよ。」
     藍「そんな迷信、信じちゃいけません。」
     橙「そんな~。もう三日、何も食べてないのに・・・・・。」
     藍「武士は食わねど高楊枝。我慢しなさい。」
     橙「式神だから、我慢できない・・・・。」
     藍「とにかく。いくらうちが貧乏だからって、落ちてた物を食べるような真似しちゃいけないぞ。」
     橙「う~・・・・・・。」

一方のじいさんは、隙間から声が聞こえてくるのを不思議に思って、もう一つ何かを入れることにしました。

    霊夢「ええと、それではこのいなり寿司を・・・・・。」

いなり寿司を隙間に投下しました。
すると

     紫「おいなりころりん、すってんてん。」

また、声が聞こえてきました。

     藍「ああ!これはいなり寿司。何でこんなところに・・・・?」
     橙「藍様~・・・。お腹すいた・・・・。」
     藍「・・・・・・・・。(うう、おいなりさん、食べたい・・・・。)」
     橙「おむすび、食べちゃ駄目?」
     藍「・・・・・・・・・。(しかし橙の手前、そんなこと言えない・・・。)」
     橙「駄目・・・・?」
     藍「・・・・・・・・・。(ああ、視線が痛い・・・・。)」
     橙「くすん・・・・。」
     藍「・・・・・・・仕方ない。今回だけだよ。」
     橙「いいの?やった~!」
     藍「すまないねえ。うちが貧乏なばっかりに・・・・。」

どうやら隙間の中の生物は、じいさんが落としたおむすびといなり寿司を食べ始めたようです。
じいさんは隙間の中が気になりましたが、

    霊夢「・・・・・人の家庭の事情に首を突っ込むのは、よくないわね・・・・・。」

そういうわけで、山を降りて家に帰りました。

     橙「なんで、うちは貧乏なの?」
     藍「働かない人がいるからだよ。」
     紫「zzzzzzz・・・・・・・。」
  
 おしまい

 

 キャスト

 したきりすずめ

じいさん 霧雨 魔理沙
すずめ  八雲 紫
ばあさん 幽香


 こぶとりじいさん

じいさん レティ・ホワイトロック
ばあさん 霧雨 魔理沙


 おむすびころりん

じいさん  博麗 霊夢
隙間の生物 八雲ファミリー





 
 昔話短編集。でも三つしかありません。
 上二つは、なんというか、寒いの一言につきます。
 おむすびは、藍の帽子→ツギハギっぽいのがある→ビンボー、という式が頭で成り立ってしまったので、こんなんになりました。
 こぶとりじいさんについては、リベンジ作品を執筆中。話は全然ちがうものになってきてますけど。 
Piko
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コメント



0.920簡易評価
1.30すけなり削除
短編物も読みやすくて良いですね。更なる作品に期待
2.50AR削除
レティが主役、主役だけど・・・。リベンジでの出番はあるの?(笑