Coolier - 新生・東方創想話

Freeloader

2010/04/20 03:04:03
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 ※作品集108の『Run away』の続きとなります。良かったらこちらの方も覗いてみて下さい。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「ちょっ…ちょっと大丈夫!?」

鳥みたいな羽に多少唖然とはしたけど、急いで駆け寄る。服の白い部分が妙に赤く染まっていて……私を現実に戻したからだ。
雨の中子供が倒れてるのだから、どっかにドッキリのプレートを持った人がいて、
その辺から出て来てくれたのなら良かったんだけどね。もしくはお人形だったでも可。
けどちょっとばかり様子が違う。
近くのガードレールはねじ曲がってるし、人形だったら口から血を吐かない。
もしかしたら━━……生きてないかもしれない。
なんて思ったけど胸が上下に動いてくれてるので取り敢えずは大丈夫だろう。
この後は普通だったら救急車を呼べば良いのだけど……


「この羽……作り物じゃないわよね……?」


羽の先を辿ってみると肌に直接繋がってるのだ。見た感じまず人間ではない。
この宝石だって浮いてるし。大体羽の生えた少女なんて━━……神話が物語の中以外で見た事ないしニュースなんかで見た事もない。
怪我してるハズの部分の肌には傷なんて無いし、人で説明するには無理がありすぎる。
突拍子な話だが『境界の向こう』の住人と考えて良いと思う。直感がそう告げてるし。
しかし思ったより柔らかい。このまま堪能していたかったけど……


「寒い…寒すぎよ……」


もう春とはいえまだ肌寒いし、ずぶ濡れなら尚更だ。それにこの女の子も心なしか私より冷たい。
最近異常気象で、この前なんか雪が降った。前日は8月並みの暑さだったとか騒いでたくせにだ。
最近こんなのばかりである。急いでどうにかしないといけない。だが何よりも……


「下着が……」


そう……服が透けてる。これは私にとってどんな事より優勢する事で何よりも死活問題だ。
ここまで来る途中、何度か通行人とすれ違った。
雨だからと言って人がいない訳ではないし、このまま濡れ続ければ確実に下着が透けて見える。


「……」


そんな状態で異性に見られたら恥ずかしくて死んでしまう。
そうならない為にも早く帰るのが一番なのだが、


「この子も……よね。」


このまま放置したら可哀想だ。それに二度とこんなチャンスは無いだろう。
後は人形みたいに可愛いからである!
最後のは理由になってない気もするけど、理屈と感情は別物である。
ただ家に連れて帰る為には幾つか苦難がありそうだ。
足の擦り傷に捻った手首、女の子に次いで水を吸って重くなった服、透けそうな下着にカバン……


「前途多難だわ……」














☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


「お邪魔するぜ~。タオルと温かい飲み物くれ!」


勢い良く扉を蹴飛ばして堂々と入ってきた。来て早々にこの態度である。
毎度の事ながら自分の家のように扱われるとね……


「……この嵐の中、わざわざご苦労様ね」


かなり迷惑だ。


「おう、本当にご苦労様だぜ!それと咲夜はどこだ?ケーキも頂戴しようと思ってたんだがな」


本当に図々しい限りだ。
呆れて物も言えない。まぁいつも通りだから慣れた物だが。


「咲夜さんならお嬢様のお遣いで出払ってますよ。」


変わりに小悪魔が答えた。タオルを律儀に渡している。
今紅茶を用意しますね、と歩いていったが、小悪魔は私の使い魔のはずである。
いつから魔理沙の使い魔になったのか……?


「それで……何のようかしら?また盗みにきたの?」


「盗みとは心外だな。アレは借りてるだけだ。
今回わざわざ来たのはフランとの約束だよ。弾幕しに遊びに来たんだけど、このずぶ濡れの姿だと少しばかり寒いからな。咲夜がいない以上こっちしかないだろ?」


小悪魔が持って来た紅茶を貰ってはそうは答える。おお悪いな、と言葉を付け加えて一気に飲みだ。
一体何がこっちしかないのか徹底的に追求したかったけど、止めた。


「……そう」


私は静かに本が読みたいのだ。後は小悪魔に任せれば多分問題無いだろう。


「んで、フランはどこにいるんだ?」


「妹様は御自身の部屋にいらっしゃいますよ。今日を楽しみにしていらっしゃいました。」


「そうか。それじゃ案内してくれ☆」


来た時と同様に堂々と箒で飛んでいった、小悪魔が答えるより前に手を引っ張って。
大図書館に悲鳴が木霊したのはきっと気のせいだろう。














☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


「疲れた……死ぬ……」

倒れ込むように部屋に戻って来た。実際本当に倒れ込んだけど。
普段使わない裏路地を駆使したお陰で、人とすれ違わなかったのは幸運と言える。代わりに1時間近くも掛かったのだが……。
明日の筋肉痛は覚悟して良いかも。高校のマラソン大会でもこんな苦労はしなかったと思う。
それに頭がガンガン痛い。風邪薬が欲しい所だ。
明日は金曜日だがサボ……じゃなくて休みたいけど、こういう時に限ってレポート提出しなければならない。ここに来てわざわざ単位を落としたくはないし、今日は神を呪ってばかりだ。
まぁ、明日の事は後で考えるとして、

「クシュンッ!」

……

今すぐにシャワーに入りたい。
このまま冷えた体では絶対寝たくないし、後で温かい物も飲みたい。
メリーに軽くメールを打った後、女の子を連れて風呂場に直行した。






△▼△▼△▼△


「さて……」

服を脱ごうかと思ったけど今更濡れた所で変わらない。
というより脱ぐまでの時間が寒くて辛いので、そのまま着て入った。
座り込んで女の子を抱き寄せた体制だが、栓を全快にして浴びるシャワーのお湯の気持ちよさと来たらもう……最高である。
擦った足は染みて痛かったけど暫くはこのままでいよう━━━……━━━━ちょっとの休憩……だ?


「やっと起きたのね。こんな所で寝ちゃって……しかも服着てシャワーだなんて……」


目を開けると、何故か目の前に親友がいた。


「え……あれ…?」


2秒3秒目を閉じた間に瞬間移動でもして来たの……?


「そんな訳無いでしょ。」


頭に軽いチョップを貰った。
口に出てたみたいだ。それ程私は呆けたのだろうか?それとも、


「……夢?」


「あらそう……じゃあきっと…」


一旦言葉を区切るとにっこり微笑んで、ゆっくり手を伸ばしてきた。
その笑顔だけで世界を救えるのでは?と誰もが思える程可憐なのだけど、
いつも一緒にいる私からすれば大抵は嫌な目にあう兆候と見ていい。


「これも夢なのかしらね~♪」


思った通りぎっしり頬をつねって来た。
当然後ろに逃げようとしたけど壁があってはまず逃げられない。


「痛い痛い!?痛いってば~!!?」


上上下下…と、実に子供の遊びのように抓られて、暫く悲鳴を上げるハメになった。






△▼△▼△▼△


「ごめんなさい、やりすぎたわ♪」


「そう笑顔で言われてもね……」


あれから3分程みっしり抓られたのでかなり痛い。頬も真っ赤だ。
因みに私は風呂場で2時間寝てたらしい。


「ふふっ、お詫びに今度美味しいケーキ奢るから許して。」


意地悪してくるとその後に物で釣ってくる。実にうまい戦術だ。
こうやって最近メリーに遊ばれている。絶対漫画かドラマの影響でも受けたのだろう。


「なら飛びきり美味しいのを頼むわよ?マエリベリー・ハーンさん?」


「御任せて下さいませ、宇佐見蓮子様」


ふざけたやり取りをして何時ものペースに戻す。これ以上弄られ続けるのは勘弁だ。
いい加減座ってる訳にもいかないので立ち上がるが……違和感を感じた。
そういえば何で服来てシャワー浴びたんだっけ…………確か傘を忘れて……………あっ!?


「女の子は!?」


膝の上所か周りにもいない。脱衣場も覗いて見たが見当たらないのだ。


「女の子?私が来た時は誰もいなかったけど?」


「嘘!!?」


私の意識が無かった間に目を覚ましたのだろうか!?まだ遠くに行ってないかも……


「ウ・ソ♪」


再びあの全世界を救える笑顔で言ってくれた。
奢って貰う時、飛びっきり高いケーキを頼んでやろうと心に誓った日だった。






△▼△▼△▼△


「メールの返事が来なかったから心配して来たのよ。『境界の向こう』の住人って、内容だったからね。そしたらシャワーを浴びながら寝てたから逆に驚いたわ……呆れを通り越してね」


ドア越しから声が響く。私は今着替え中だ。


「しょうがないじゃない、傘無しであの子背負って帰って来たんだから。1時間掛かったのよ?下着見られたく無かったし。」


脱いだ服をカゴに入れていく。その中にはあの子の服も入ってる。


「忘れたって……天気予報見てなかったの?雷を伴う大雨になるって3日前から報道してたのに……寝坊でもした?どうせ財布も忘れたんでしょ、ベッドに置いてあったし。」


「うぐっ……しょ、仕方が無いでしょ。布団が気持ち良いんだから。」


流石親友。私の事を良くわかっていらっしゃる。
別に寝るのが遅かった訳ではないが、こればっかりはしょうがない。神様が悪いのだから。


「なら次は布団無しで寝てみたら?」


クスクスと笑い声が聞こえる。こんな肌寒い時期にそんな事はごめんである。


「夏頃にそうしてみるわ、冷房でも掛けてね。扇風機のオマケ付き。
それよりあの女の子は?」


体の水気を拭き終える。タオルが実に気持ち良い。


「蓮子のベットに寝かしてるわ。着替えなんて無いし、そのままよ。」


つまり裸のままね。ぶかぶかだとは思うけど、私の服でも着せようか。


「じゃあ見たんでしょ?あの羽っぽいの何だと思う~?」


メリーに持って来て貰ったパジャマに着替える。青と紺で彩られた水玉模様の可愛いパジャマだ。


「鳥の骨みたいなアレ?宝石が付いてたしオシャレで付けたんじゃない?」


そんな馬鹿な……とは大概に言い切れない。
『境界の向こう』の住人なのだから私達の常識が通じるとは思えない。服装だってあまりにも違うし。


「まぁ、あれが飾りかそうじゃないかは兎も角、ちゃんと調べてみる必要があるわね。後本人からもちゃんと聞いてみたいし。」


言い切ると同時にドアを開けて、女の子が寝てる元へと私達は向かった。














☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


「こ…この部屋です……」


もう髪がボサボサで酷い事になってると思う。必死の抵抗も虚しく部屋へと着いた。


「助かったぜ。フラ~ン?入るぞ?」


ノックも無しに開ける。返事を待たないのも流石というべきです。


「それじゃあ……私はこれで……」


少しばかり千鳥足なのはしょうがないですよね。引っ張って貰ってたのにかなり疲れ……


「待った!」


「ひゃう!?」


いきなり尻尾を引っ張られて取れるかと思った。かなり痛かったし心臓がバクバク鳴ってる。


「随分風好みにリフォームした部屋だと感心するが、アレに付いては疑問しかないぞ?」


「アレ……ですか?」


恐る恐る部屋を覗くと得体の知れない物体が浮いて……る。
中央には何かを映し出しているみたいです。近付いて覗いてみると色々な物が見えた。


「何ですか……コレ?」


「小悪魔も知らないか……よしっ、なら調べてみるか!」


「え……?」


後ろから意気込む高い声が響いて、その中へと飛び込んで行ってしまった。
そこまでは良いのですが、何故か私も引っ張られて一緒に入ってしまったのは何故でしょうか……?
※指摘頂いた誤字直しました。新しい携帯で書くもんじゃないですねw

続き物です。既にグダってきてます。
誰かリメイクして書いt……

最近本当に天気の移り変わりが酷いですよね。
この調子で夏に雪降って頂けると過ごしやすいなと思うばかりで……話の中に乗せました



さて、ギャグ入れるつもりがなんかぼのぼのになってしまいました。
まぁ、こんなのもありかな?と、自分に暗示をしてます。じゃないと、いつまでたってもうp出来そうにないのでw
なるべくキャラも秘封倶楽部+紅魔館組+魔理沙のみで話しを構成して全員出せたら良いなと…
しかし、なかなか思った通りに書けないです。
他の方の作品みてると、本当にパルパルで……



それと、前回コメントの方に『早く続きうpしろ』ってコメントして下さった方、本当にすいません。
マイペース+春休みの課題がggg……昨日から学校でしたが、全然遊べてないです。


★課題なんて本当に滅べば良いと思うよっ!!!★



今回の題名ですが
フランス語で『居候』です。ネットって素晴らしいですねw
3.14159@缶バッチのアホの子
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コメント



0.220簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
これはワクテカがとまらないですね
しかし一時間も雨に打たれたら、フランちゃん瀕死でしょう

ところで結構誤字が目立ちます
盗みとは侵害→心外?
堂々しく→堂々と?
いかなり→いきなり?

そのほか表現として違和感を覚えるものも結構ありますね。
(例えば ぎっしりは普通詰まってる時の擬態語ですから抓るのには不適切かと)
もっと推敲が必要だと思われます。二三度目を通せば、少なくとも誤字はほぼ無くなる筈ですが……
次回も期待してます
3.無評価3.114159削除
>1様
すいませんすいません!誤字脱字文章が死んでたりと本当にすいません!
もう死んで良いレベルまで頭逝ってて……

徹夜なんてするもんじゃないです……orz
8.100名前が無い程度の能力削除
ともかくフランが生きてて良かった!
それにしても、またまた今回も続きが気になるところで終わりましたねぇw
もしこれがテレビドラマだったら予約録画決定ですよ!!
次回を楽しみに待ってます。

ps 小悪魔カワイイよwww
10.無評価名前が無い程度の能力削除
続きマダ~?
11.80名前が無い程度の能力削除
なんか後書きに作者さんの頑張ってる感がひしひしと・・・
すいません。作品へコメントします。
フランがこちらへ来るって話はみたことないので新鮮です。
さてさてフランは無事幻想郷に戻れるのでせうか?
次回待ってます。
12.90名前が無い程度の能力削除
続き待ってます!