Coolier - 新生・東方創想話

焼き芋霊夢

2012/09/17 13:30:02
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 霊夢は竹箒を片手にいよいよもって馬鹿らしくなってきた。
 どんなに境内を掃除しても神社には参拝客などきやしない。年季だけは入った立派なお賽銭箱はもう何年もただの空箱になり下がっている。集まって来るのは妖怪変化や有象無象な輩ばかり。しかも連中ろくに参拝もしなければお賽銭も入れやしない。
 本来神聖な場所を集会場と勘違いしている妖怪達のために神社の維持を行う事に一体何の意味があるのだろうか。

「いっそ掃除なんてやめようかしら」

 そういうアイデアが浮かんだが実行するのはやめにした。最近現れるようになった仙人が説教たれるのが目に浮かぶ。それに掃除を怠るとただでさえ妖怪神社と悪名高いのにますます誰も寄り付かなくなるかもしれない。もっとも現状寄りつく人間の数は1なのだから、それが0になっても大差ない。
 それでも0と1ではやはり全く違うのではないか。霊夢はそう考えて竹箒を左右に動かしていた。
 箒が地面を撫でる度に落ち葉が舞い上がる。茶色く枯れた木の葉はまるで最初から中身が無いかのように軽かった。
 燃やせばよく燃えるだろう事を考えながら落ち葉の山を築こうとしていた時、一陣の風が来る予感がして霊夢は手を止めた。
 一呼吸の後強い風が吹き集めた木の葉が宙を舞う。霊夢の視線は飛ばされた落ち葉ではなくその原因を作った張本人に向けられていた。

「よーう霊夢、元気にしてたか?」

 霧雨魔理沙は砂埃を上げながら着地する。霊夢はさっきまで魔理沙が跨っていた箒へと視線を向けた。

「いい箒持ってるわね」
「は?」

 魔理沙も釣られて自分の箒に視線を送り、次いで霊夢に注意を戻すと霊夢は自分の竹箒で地面を指していた。巻き上げられた落ち葉の山が目にとまり魔理沙は苦笑いをした。



 魔理沙に掃き掃除の続きをやらせている間霊夢は石段に座ってそれを眺めていた。霊夢の隣には魔理沙の箒が立てかけてある。自分の箒を掃除に使いたがらない魔理沙は霊夢の竹箒を使っていた。

「これだけ落ち葉があれば焼き芋ができるな」

 魔理沙の呼び掛けに霊夢は「そうね」とだけ返して欠伸をした。芋を焼く火種はあっても芋の算段などなかった。霊夢のそんな考えは魔理沙もお見通しのようだった。

「何なら、私が芋の準備をしてやろうか」
「あらほんとに?」

 この日ようやくまともな反応が返ってきて魔理沙は思わずにやりとした。

「あぁ、芋の調達ぐらいわけないぜ」
「そう?助かるわ。だから魔理沙大好きよ。でも芋を取りに行くのは掃除を終わらせてからにしてね」

 早速芋を手に入れに飛んで行こうと思っていた魔理沙は「ちぇっ」と舌打ちをした。ともあれ掃除を終わらせてやらないと焼き芋ができない。魔理沙が落ち葉の多い場所へと移動すると霊夢もそちらに移動して手頃な木にもたれ掛かった。

「見てるだけなら手伝ってくれよ」

 最初はそう言っていた魔理沙だったが霊夢にほとんど相手にされずもくもくと落ち葉を掃いていた。それでも不思議と2人の間には自然な空気が流れていた。居心地がいいのだ。

「もうすっかり秋だよな。秋と言えば覚えてるか?早苗が幻想郷に来た時の事」

 しゃべりたがりの魔理沙はあまり長い事黙っていなかった。

「芋の匂いのする神様ぐらいしか覚えてないわ」
「少しおしいな。あの頃の早苗は霊夢なんか比べ物にならない程信心深かったのに今や道教の信者だぜ。このあいだ私の所にも勧誘に来たんだ」
「いいじゃない。入信すれば?」
「私に人間をやめてキョンシーになれとでも言うのか?」
「腕が曲がらないと不便そうね。お茶が飲めないじゃないの。私は嫌だわ」

 言いながら霊夢は少し落胆していた。キョンシーが不便だからではない。早苗が改宗してしまった事だ。
 守矢神社の面々が幻想郷に入ってきた時、早苗は霊夢に博麗神社の譲渡を要求してきた。あの時霊夢は全力でそれを阻止したわけだが、今思えばその時神社を開け渡していたらこうして毎日掃除に明け暮れる日々を送らずに済んだのかもしれない。
 魔理沙が箒で掃いた矢先から木の葉がヒラリと散って地面に落ちていた。

「徒労ね」

 霊夢はたった今落ちたばかりの葉っぱを指して呟く。

「あぁ、こりゃ徒労だな。時間の無駄だから早く焼き芋にしようぜ」

 その徒労を毎日、毎年続けてきた霊夢だったが魔理沙の言葉に特に感じる物は無かった。
 「そうね」と短く答えると、魔理沙は喜び勇んで竹箒を跨いで芋を取りに行ってしまった。霊夢は魔理沙の箒を縁側に立てかけて家屋の奥に芋を焼くための道具を取りに向かった。包み紙にするのにちょうどいい新聞を押し入れの奥に押し込んでいるのを思い出した。



 焼き芋というのは芋を焼いただけのものであるにも関わらず、ただ焼いただけの芋より数倍価値がある。そう力説する魔理沙の理論はわからないでもなかった。霊夢自身も焼き芋に対して魅力を感じずにはいられないところはある。
 そんな芋に惹かれてなのかいつの間にか神社には妙にたくさんの妖怪やら妖精やらが集まってきていた。芋が焼けるのを待つ間も集まって来る有象無象は増える一方だ。

「魔理沙、あんたいろんな所に声掛けてきたんじゃないの」
「いいだろ」
「……いいけど」

 不満が無いわけではなかったが博麗神社のいつもの光景になってしまっていて責める気力もわかなかった。魔理沙と番傘の妖怪が焚き火をつついて遊んでいるのを眺めながらため息をつく。二つ目のため息をする間もなく今度はお賽銭箱にイタズラをしている妖精の一団が目についた。

「コラ!カエルを入れるんじゃないの!」

 追い払うとキャッキャとはしゃぎながら散り散りに逃げる妖精達。その向こうでも猫がネズミを追いかけていた。
 秋の日の博麗神社は瞬く間に盛況になっていた。妖怪で。

「相変わらず賑やかだな」

 そう声をかけられて霊夢は噛みつくような目で声の主の方を向いた。上白沢慧音が周囲の光景を微笑ましく眺めていた。

「あーら、珍しく人間が来たわ」
「巫女がそれを言ってしまうとはな」
「妖精から死守したお賽銭箱はあそこよ」
「私は焼き芋を食べに来たわけで参拝に来たわけじゃないんだが」
「じゃあ私は今から芋を祀るから芋への信仰心を置いてきなさい」
「……焼き芋神社だな」

 慧音は半ば呆れながら予め入れるつもりで持ってきた小銭を賽銭箱に放り投げる。
 カランという小気味よい音が木製の箱の中で反響する。霊夢はその音をうっとりとした顔で聞いていた。

「ああ、いい音ね。そして私は焼き芋霊夢に」
「くだらない事を言うな。あとこれは妹紅と輝夜の分だ」

 慧音は続けざまに2枚の硬貨を賽銭箱に入れた。カランカランと音が木霊する。

「あの2人も来るのね」

 霊夢が賽銭箱を撫でまわしながら言った矢先、ドタバタと麓から続く階段を駆け上がってきたのは藤原妹紅だった。肩で大きく息をしながらも勝ち誇ったような表情をしている。と、続いて登りきった息切れしている蓬莱山輝夜を思いっきり突き飛ばす。輝夜はろくに反応もできぬまま階段を転げ落ちていった。

「あれは死んだわね」

その光景もいつもの事だった。もう霊夢も慧音もすっかり慣れて咎める気にもならない。
数分して鈴仙に肩を担がれるようにして戻ってきた輝夜は、今度は妹紅と芋の取り合いを始めていた。そこからいつもの流れで弾幕ごっこに雪崩れ込む。
 霊夢はお茶を入れてきて魔理沙と並んで芋を頬張っていた。喧嘩中の2人の付添人、慧音と鈴仙もあまり気にしてはいないようだし、周りの妖怪も囃し立て始めた。

「ねー、あれ止めないの?」

 そう声をかけたのはこの光景にまだ慣れていない様子の多々良小傘だ。

「止めたきゃお前止めろよ。多分すごく驚いてくれるぜ」
「ほんとに!?」

 小傘は目を輝かせながら弾幕に向かって飛び込んでいった。それを見送りながら魔理沙はイタズラっぽい笑みを浮かべていた。

「それにしても、よくもまああんなに張り合えるわね。たかが芋の事で」

 霊夢は率直な感想を述べながら芋を齧った。別に最後の芋というわけではないのにどうしてそんなにも張り合える物なのか。
 慧音が答える。

「ライバル心って奴じゃないのか。お前ならわかるだろ」
「私が?どうして?」

 慧音は何気なく言ったつもりだったが霊夢は首を傾げた。

「そんなに不思議がる事じゃないだろう。お前達だっていつも張り合ってるじゃないか」
「達って、誰よ?」
「誰っておまえと魔理沙だよ」

 「はぁ?」と霊夢はきょとんとする。魔理沙はお茶を噴き出しそうになっていた。

「おいおい、別に私達ライバルとかそんなんじゃないぜ」

 魔理沙が必死に否定しはじめた事に慧音はニヤリとした。妹紅に「輝夜とライバルだな」と言った時の反応と同じだった。あの時の妹紅も頑としてライバル関係を認めようとはしなかった。本人達が意識している分他人にそれを言い当てられるのが癪なんだろうと慧音は分析している。
 ところが霊夢は何事も無かったかのように芋を咀嚼していた。それをお茶で喉の奥に流してから

「ライバルって競い合う物でしょ。私が魔理沙と何かを競った事なんてあったかしら」
「自覚がないのか?スペルカードでよく対戦してるじゃないか」
「ああ、それも入れるのね。でもそんなに勝ち負けに拘ってはないけど」

 そう言ってお茶を啜る霊夢。霊夢は魔理沙の事をあまり意識していないようだ。だが魔理沙は違う。魔理沙が常に霊夢を意識して技に磨きをかけている事は、誰も口にはしないが周知の事実であった。
 どことなく意気消沈してしまっている魔理沙を慧音は不憫に思った。

「そう言えば、昔はお前達は競い合うように異変を解決していたものだったけどな」

 居た堪れなくなった慧音がそう口にした。

「そうだったかしら?」
「ああ、そうだったぞ。紅霧異変も春雪異変も永夜異変の時もそうだっただろ」
「別に競ってたわけじゃないけど……」
「私は霊夢よりも早く解決してやろうと思ってたぜ」

 開き直って魔理沙が口を挟む。

「そうなの?別にいいけど」

 全く張り合おうとしない霊夢に魔理沙も少しムッとしたように芋に齧りついた。

「そんな事ないだろう。昔のお前は少なくとも今よりも真面目に異変解決に取り組んでいたぞ」
「今よりって何よ。まるで今はやる気が無いみたいじゃない」
「やる気が無いとは言わないけどよ、昔の霊夢は私に相談するよりも前に飛んで行ってた」
「ああ、そうだな。確かに魔理沙の言うとおりだ」

 慧音が魔理沙の意見に賛同した。しかし霊夢はどうにも解せないという風に首を傾げた。
 魔理沙や慧音の言う所によれば昔の自分は大層真面目に異変解決に取り組んでいたらしい。しかし今だってそこまで不真面目なわけではないと思っている。異変と呼べるようなものはちゃんと解決しているではないか。

「私そんなに不真面目になったのかしら?」
「不真面目というか中々動かなくなったんだぜ。間欠泉の時なんて温泉優先したし」
「でも昔からそんなんじゃなかった?」
「何で真面目だった事を否定しようとしてんだよ」
「……別にそんなんじゃないけど」

 何よりも気になるのは魔理沙に何も相談していなかったという点だ。早苗が神社の営業停止を伝えに来た時も、宝船が幻想郷の上空を飛んでいた時も、変な幽霊が現れたり消えたりした時も魔理沙にはちゃんと相談した。魔理沙がどう思っているかは知らないが霊夢は魔理沙の事は数少ないまともな友人の1人だと思っている。その魔理沙に何も告げず異変解決になど向かうのだろうか?
 となると昔の自分は魔理沙の事を友達だとは思っていなかったのかもしれない。そう思えば楽なのだろうが魔理沙とはずっと昔から友達のような気がする。

「まあ昔はもっとさばさばしてたよな。今と昔じゃまるで人が変わったみたいだぜ」
「そんなバカな事あるわけないでしょ」

 目の前では輝夜と妹紅が互いのスペルカードを展開している。霊夢にはどのスペカも名前も覚えているし見覚えもあるのだが、どうやって避けていたかだけは最後まで思い出せなかった。
 それが魔理沙と話していて感じた自分の性格のズレと相まって霊夢は妙な感覚に包まれていた。



 翌日。霊夢はいつものようにごはんと出汁の効いていない味噌汁で朝食をとっていた。そこにどこからともなく大量の食材と共に現れたのは八雲紫だ。

「こんにちは霊夢。元気にしてたかしら」

 霊夢は特に何も答える事なく無言で箸を運んだ。紫も別段気にしていない様子で、持ってきた野菜を台所に置いて戻って来る。お賽銭収入がほとんど無い霊夢の所に紫が食料品を持ってくるようになったのはいつからだったか、霊夢には覚えのない事だった。

「ねえ、紫」

 霊夢が箸先を味噌汁の中に突っ込んだまま声をかけた。

「な~に?」
「紫が持ってくる食べ物って本当に私のためなのかしら?」
「え?何を言ってるの?」

 質問の意図が判らず紫は困惑した。霊夢は箸で味噌汁のお椀の底を掬っていた。もう具がなくなってしまった事を知るとお椀をちゃぶ台の上に戻した。

「どうしたのよ突然。私があなたに餌付けして喜んでるとかそんな風に思ってるの?霊夢らしくないわよ」

 霊夢は箸を握ったままぼんやりと紫の方を見た。

「あんたはすごく胡散臭いけど私達いいパートナーよね。何度か異変も解決してきた」
「……ええ、そうね」

 紫は霊夢の真意を推し量ろうとその表情をしっかりと観察していた。しかし能面が張り付いたような無表情の奥にある霊夢の素顔は今は紫でも見破る事ができない。

「地下で地獄烏が暴れてた事があったでしょ」
「霊夢が異変よりも温泉を取っちゃた時の事かしら?」
「始めて組んだのは永夜異変の時だったわよね」
「ええ、藍も一緒だったわ」
「私を幽々子の所に差し向けたのも実はあんたなんじゃないかって思ってるのよ」
「それはどうかしらね」

 不意に霊夢は何かを思い出したようにニコッと笑った。

「あ、そういえば肝試しにも行ったわよね。竹林に」
「肝試しにしては少し物騒だったけどね」

 少しだけ笑った霊夢に紫がホッとして答えた時、霊夢は握っていた箸をちゃぶ台に置いた。

「ウソ」

 その瞬間紫は自分の表情が強張ったのを感じた。
 霊夢は続ける。

「私には確かに肝試しに行った記憶があるわ。妹紅が使ったスペルカードだって覚えてるしどんな弾幕だったかも記憶してる。でも、妹紅は私が肝試しに来た事なんて知らないって言ったわ」

 霊夢は一つ嘘をついた。霊夢は妹紅からは何も聞いていない。自分が妹紅の弾幕を見た時に感じた違和感を拡大解釈してカマをかけてみたにすぎなかった。
 そしてそれは紫にも判った。嘘をついたと言う事は霊夢が未だ真相に達していない証拠でこそあったが、霊夢が言う事は事実だった。
 あの夜、霊夢も紫も肝試しには行ってなかった。

「私は肝試しに行っていない。それなのに私には肝試しに行った記憶がある。ねえ、これはどういう事?私の記憶は捏造されてるんじゃないの?そんなデタラメができるのってあんたぐらいよね紫」

 紫は何も答えなかった。霊夢が未だ確信に至っていない今なら騙しとおせるかもしれない。だが、目の前にいるのは博麗霊夢なのだ。今は隠せても気付かれてしまうのは時間の問題に思えた。
 そして何より、霊夢にこれ以上隠し続ける事への罪悪感が、なじられた事により紫の意識の表層に浮かびあがり始めていた。
 言ってしまえばいっそ楽になれるかもしれない。

「何とか言いなさいよ!」

 紫が思うのと霊夢がちゃぶ台を叩くのは同時だった。

「霊夢の言うとおりよ。……私達は肝試しになんか行ってない」

 紫が認めた時、霊夢は肩から抜けそうになった力を拳を握る事でなんとか保っていた。紫に詰め寄った目的は肝試しに行ったかどうかを聞く事ではない。どうして捏造記憶なんてものを作ったのか。その答えに昨日魔理沙と会話していて感じた自分の性格のズレの答えがある。霊夢はいつも通り直感でそう感じていた。
 ところが、紫に嘘を認めさせた事で霊夢は少しだけ満足している自分に気付いた。

「どうしてそんなことしたのよ?」

 そう言ってはみたものの、特にこれ以上追及しなくてもよかった。霊夢は若干そう考える。少なくとも記憶を操られていた事実は認定されたので、それが元で性格のズレが生じて来たとして納得することは可能だ。そう思ってしまう程に目の前の紫は酷くしおれて見えた。

「霊夢……実はあなたは一回死んだの」

 紫の口から出た言葉に霊夢は「ほう」と返事をする以外に反応らしい反応をしなかった。すでに死んでいると告げられて真に受ける程霊夢は能天気ではなかった。
 紫は霊夢の反応を確かめる事なく続ける。

「あなたは私が記憶を操ったと考えてるみたいだけれどそれは違うわ。私にはそういう事はできない。ただ上白沢慧音に頼んで、記憶を亡くしたからと偽ってあなたに生前の記憶を植え付けたのよ」
「で、なんで一回死んだ私は蘇ったのよ?私ってまさかナントカって仙人の仲間?」
「そうね。その事が大切よね。……あなたはクローンなのよ」
「クローン?」

霊夢はその言葉を知らなかった。だから紫は一からクローンとは何なのかを事細かく説明した。それは紫なりの誠意であったが、全てを説明し終えた時霊夢はついに自分が何者なのかを知る事となった。

「あなたは永夜異変の時に永琳の放った矢の当たり所が悪くて死んだの。私はすぐに外の世界の技術であなたをクローンとして復活させた」
「それで、オリジナルの霊夢の記憶を移したのね。肝試しにも参加した事にして」
「えぇ……」

 こんな話まで聞くつもりはなかったのだが真実ならば受け入れるほかは無かった。少なくとも昔の霊夢が今より真面目だった事の説明として「実は別の霊夢でした」はこれ以上無い合理性がある。しかし今度は自分が一体何者なのかという疑問が霊夢の中で首を擡げてきてしまった。

「どうして私のクローンなんか作ったの?」

 霊夢は訊ねたが「私のクローン」ではなく「私がクローン」だという事に気付いた。しかし言い直すより早く紫の方が口を開いた。

「幻想郷には博麗の巫女が必要だったのよ。博麗の巫女がいなければ幻想郷の結界を保つ事はできないの」

 そう言った紫は一つのデジャブに見舞われていた。かつて霊夢のクローン復活計画を進めていた頃に藍に反対された事があった。あの時、この非人道な計画を藍に納得させ、自らの罪の意識を正義の行為だと認識させるために言ったのと同じ言葉だった事を思い出す。
 紫は項垂れる。

「霊夢……ごめんなさい」

 すっかりとしおれてしまった紫を目の前にして霊夢の心には「その謝罪は私に?それともオリジナルの私に?」という意地悪な質問が浮かんだが口には出さなかった。
 紫はもう自分の犯した行為を全て認めたうえでどんな罵声でも浴びる覚悟である事は霊夢にもよくわかった。しかし今更紫を詰問したところで自分という存在が一体何者であるかが代わるわけでもなかった。博麗の巫女として自分を作りだした事に対する反発心以上の感情が沸かず、霊夢は黙って席を発った。
 相変わらず顔を上げない紫を背後に、「な~んてね。全部冗談よ」という言葉が投げかけられないかと耳を立てたが結局そんな事はなかった。



 自分が何者かを知った霊夢は、さてこの先どうするかを考えながら空中を飛んでいた。
 少なくとも霊夢は博麗の巫女としての立場があまり好きではなかった。紫から真相を聞いた今となっては余計にそうなのではあるが、すっかり妖怪の溜まり場となってしまった神社の維持に如何程の意味があるのか以前より疑問に思っていた。
 今までは与えられた運命として、そして幻想郷を守護する者としての責任感や矜持から博麗の巫女を続けていたが、自分がそのために作られた存在である事を知った今となっては巫女を続ける気も起きなかった。
 博麗の巫女でなかったら普通の女の子らしい生活ができたかもしれない。
 そう思って見たものの、博麗の巫女として作りだされたのだからそれはあり得ない。だったら自分は博麗の巫女として以外に生まれてきた意味はないのだろう。霊夢はそんな事を思っていた。
 ぼんやりふわふわと飛んでいて偶々立ち寄ったのは紅魔館であった。
 紅魔館といえばオリジナルの博麗霊夢が異変解決した紅霧異変が有名である。霊夢はそんなオリジナル博麗霊夢ゆかりの地を訪れてみたくなったのかもしれない。
 紅魔館に入ると霊夢はとても歓迎されてティータイムのお伴をする事になった。
 皺一つないクロスの敷かれたテーブルの反対側にはレミリア・スカーレットが嬉しそうに捲し立てている。この幼い吸血鬼は霊夢に酷く懐いているようだが、それは恐らくオリジナルの博麗霊夢の事が気に入ったからだろう。
 あなたが気に入った博麗霊夢と目の前の博麗霊夢は別の個体ですよ。などと酷な事を言う気にもなれず、霊夢はいつものように(いつもというのがいつから始まったのかは定かではないが)適当に相槌を打って頷いていた。
 芋の匂いが漂ってきたのはメイドの十六夜咲夜が現れてからだ。咲夜は銀色のトレイに焦げ目の香ばしそうなスイートポテトと紅茶を乗せていた。

「霊夢、お嬢様はとってもお怒りだったわよ」
「あ?」

 咲夜は霊夢のカップに紅茶を注ぎながら言った。

「昨日お嬢様に内緒で焼き芋大会をやったらしいじゃない。そのせいでお嬢様は昨日一日拗ねてらしたの」
「ちょっと咲夜!何言ってんのよ」

 レミリアが赤面しても咲夜はお構いなしに微笑みながら

「あら、先程私に霊夢とスイートポテトが食べたいと仰ったのは?」
「もう!咲夜のイジワル」
「フフフ、では紅茶のおかわりがあればお呼びください」

 音も無く咲夜が消えて、残されたレミリアは照れながら紅茶のカップに口をつけた。

「今度焼き芋をする時は私も呼びなさいよね」

 霊夢は黙ってスイートポテトをつついていた。昨日の焼き芋なんかより数段甘くておいしい。それなのにレミリアにスイートポテトより焼き芋を取らせるのはやはり自分がいるからなのだろう。レミリアにそこまで慕われた博麗霊夢。しかしそれは自分ではないのだ。
 「私は実は偽物でした」と言ったらレミリアはどう思うのだろうか。怒り狂って襲いかかって来るのか、悔しさで涙するのか。
 そんな意地悪な思考が頭の中をグルグルしている内に霊夢はスイートポテトをすっかり平らげてしまっていた。
 ここいらが出ていく潮時か。そう思って席を辞すると

「はぁ~、やっぱり霊夢は霊夢ね。いやしんぼ」

 と、ため息が聞こえてきた。



 霊夢はあてどなく彷徨っていた。
 まだまだ太陽は高く昇っていて帰るには早い。今帰って紫が神社に居座っていたらそれこそ気まずい。いつもなら境内を掃除している時間ではあるがこれからはそれをしなくてもいいかもしれない。
 霊夢はいつの間にか人間の里へと入っていた。
 人里と言えば上白沢慧音の存在が頭に浮かんでくる。今の自分にオリジナルの記憶を植え付けた張本人。恨みごとの一つでも言ってやりたかったが紫の話では慧音はきっと事情を知らないに違いないのだ。第一あの石頭がクローンのような人間のコピーをつくる所業を良しとはしないだろう。
 そんな事を考えながら往来の人々をひょいひょいかわして歩いて行くと、通りの真中で早苗が布教活動に勤しんでいた。
 厄介なのに遭遇したなぁ。と、来た道を引き返そうとした矢先

「あれ?霊夢さんじゃないですか!」

 早苗の必要以上に大きな声が霊夢を呼びとめた。人ごみをかき分けるように近づいてくると早苗は

「相変わらず幸の薄そうな顔してますよねー。博麗神社の巫女なんかしてるからですか?道教の信者は皆グリードイズグッド、幸せですよ」

 いつもの霊夢ならここで言い返してやるものだが、今日はそういう気も起きなかった。むしろ感心したものである。博麗の巫女だから幸が薄いとは上手く言い当てたものだ。早苗の言うとおり今の自分から幸などないだろうというのが霊夢の感想だ。
 どんな反撃が来るかと待ち構えている早苗は予想外に霊夢の反応が薄い事に驚きを隠せないでいた。

「あー、霊夢さん聞いてました?もしかして何も言い返せないんじゃないですか?」
「ねぇあんた」
「はいっ!」

 殴りかかって来る!早苗はそう思って身構えた。しかし霊夢は微動だにしないで早苗を見ていた。

「あんた達に博麗神社あげるわ」
「は?」

 霊夢の言葉の意味がわからず早苗は聞き返した。

「あんた達前に神社の開け渡し要求してきたじゃない。その願い通り開け渡してあげる」

 霊夢がそう言うと早苗は一転して厳しい顔立ちになった。そして霊夢の腕を引いて歩き出す。
 霊夢はされるがままに路地裏まで引っ張られた。人気のない所まで連れて来られてようやく腕を放された。そう思った時

 パン

 乾いた音とともに頬に痛みが走ったのを霊夢は感じた。

「霊夢さんのバカ!私の気も知らないで!」

 早苗は霊夢の頬を打った手のひらを閉じるのも忘れて声を張り上げた。

「私が今までどんな気持ちでやってきたのか……私は許さない!霊夢さんが巫女をやめるなんて私は許さない」
「……何よ、前と言ってる事違うじゃない」
「私はずっと霊夢さんと比べられて……ずっと霊夢さんに勝ちたかった。それなのに霊夢さんは何なんですか?」

 なるほど早苗が何に怒っているのか霊夢にはなんとなく理解できた。
 早苗はずっと比べられてきたのだ。幻想郷に神社は二つ。巫女は二人。比べられない方がおかしい。早苗が霊夢に対抗心を持つのは至極当たり前だ。
 そう考えると早苗が非常識な行動をするのも道教に改宗してしまった事も、霊夢と比較される事への反発心からだともとれるし、もしかしたら全く別のベクトルから霊夢に対抗しようとした結果かもしれない。霊夢は涙ぐむ早苗を前にして妙に落ち着いて分析していた。
 しかしだからどうしたと言うのだ。霊夢は思う。
 早苗が追いかけてるのは自分ではなく博麗霊夢。いやいやそれは正確じゃない。早苗はオリジナルの博麗霊夢を知らないのだ。だが早苗は自分自身で博麗霊夢の虚像を作りだし、その幻想を相手に競っているにすぎない。その怒りをぶつけられても霊夢にはどうすることもできない。
 だんだんと鬱陶しくなった霊夢は振り切るようにその場を後にした。

「霊夢さんの馬鹿!」

 魔理沙に会いたい。霊夢はなんとなくそう思って森の方へと足を運ぶ。



 魔理沙の家は一言で言うとガラクタの山だ。だからドアの向こうに魔理沙がいない時はガラクタの下敷きにでもなっているのではないか。霊夢はそう考えてモゾモゾと動くガラクタを眺めていたが、現れたのは魔理沙ではなく紅魔館の図書館に住む小ナントカという悪魔だった。

「あれ?霊夢さんでしたか。魔理沙さんだと思って隠れたんですけど」
「あんた誰よ?」
「あれれ?お忘れですか?小悪魔ですよ。小悪魔。紅魔館の小悪魔です」

 霊夢とて忘れたわけではない。小悪魔の事はしっかりと記憶している。オリジナル博麗霊夢の記憶として。

「酷いですよぉ忘れてしまうなんて。私は霊夢さんの事をこんなに愛してるのに」
「そう。で、ビッチ、あんたは何してるのよ。魔理沙は?」
「魔理沙さんなら留守ですよ。私はその隙を狙ってパチュリー様の本を取り返しに来たんです。こうするとパチュリー様はとってもお喜びになるんです」

 魔理沙はいないのか。だったらここに長居する必要なんてない。しかし目の前で本を漁る小悪魔を見ていて霊夢は一つの事を思い出した。

「あんたってパチュリーに召喚魔術かなんかで作られた悪魔よね」
「そうですよ」
「あんたって一体何のために生きてるのよ?」

 召喚魔術の成果として生まれた小悪魔と、博麗霊夢のクローン体である自分は似たような存在。霊夢はそう感じたのだ。

「難しい哲学ですか?そういうのは考えた事ないですね」
「パチュリーのためなんじゃないの?」

 それは霊夢の決めつけだった。

「パチュリー様のためですか?まっさかー。生きる理由が他人ってダメですよ」
「でもあんたはパチュリーによって作り出されたんでしょ。それに今だってパチュリーのために働いてるじゃないの」
「それとこれとは別問題ですよ。少なくとも私はパチュリー様が死んでも後を追ったりなんかする気ありませんしネクロマンシーな生涯を送るつもりもありません」
「恩を仇で返すような生き方ね」

 それは自分もそうなのだ。博麗の巫女として生まれて博麗の巫女として生きてきた。違う生き方が果たして許されるのか、可能なのか。

「まあ確かにそうですけど、生まれてきた理由と生きる理由は違いますよ」

 生まれてきた理由と生きる理由は違う。霊夢は頭の中で、その言葉を反芻した。
 博麗霊夢として生まれ、博麗霊夢として生きてきた自分にもこれから先別の生き方があるのかもしれない。
 霊夢が小悪魔に対して抱いた同族意識がそんな感想を抱かせていた。

「でもどうしてそんな質問をするんです?霊夢さん人生の袋小路ですか?もしかして転職考えてます?」

 小悪魔は妙にカンが鋭かった。

「転職するなら是非ともウチに来てくださいよ。レミリアお嬢様も喜びますよ。あれれ、そうすると神社の方はどうなるんですかね?」
「知らないわよ。あんたがやれば」

 霊夢は冗談めかしながら言った。もう博麗神社に未練はないのだ。頭の悪そうな悪魔が巫女をしようが知った事ではない。
 しかしそうなればこの小悪魔は博麗小悪魔か。

「じゃあ改名して小悪魔神社ですね」

 霊夢が思ったのと小悪魔が口にしたのはほぼ同時だった。
 その言葉は霊夢にとっての絶望だった。

「……小悪魔神社……そういう考えもあるのね」

 霊夢の頭の中では『小悪魔神社』ではなく『博麗小悪魔』その事が霊夢に自分と小悪魔の考えの違いをまざまざと思い知らせていた。
 小悪魔の考えは常に自分を中心に世界を回すような考え。それに対して霊夢の世界の中心にはいつだって博麗神社があり博麗があったのだ。その事を改めて霊夢は認識してしまった。
 パチュリーの狂気により生まれたこの小悪魔は、主人がいなくなり、屋敷を追い出され、犬に追われてどこで野たれ死んでも変わりなく小悪魔であるのだろう。小悪魔と認識するのだろう。
 だが自分は?
 急に体が軽くなったように霊夢はフラフラと歩き出した。

「ところで霊夢さん……」

 本を漁っていた小悪魔が振り向いた時には霊夢の姿はどこにもなく、半開きのドアの古い蝶番が軋み声を鳴らしていた。

「あれー?……おっといけない。早くしないと魔理沙さんが帰ってきちゃう」

 小悪魔は大量の本を抱えると空いている利き手で適当な紙に殴り書きをして、とっととその場を後にした。
 霧雨魔理沙が帰って来たのはそれから一刻と経っていない頃だ。魔理沙は家の中が荒らされていくつかの借りた本が無くなっている事にすぐ気付いた。

「あー!小悪魔の奴また勝手に入りやがって。チクショウ鍵が壊されてる!」

 ギシギシとなる床を何度か踏みならしているとテーブルの上に置かれたメモに気付く。
 『霊夢さんが探してましたよ』
 殴り書きで書かれた文字は間違いなく小悪魔の字だったが魔理沙は霊夢の事が気がかりになった。
 昼間里で会った早苗は霊夢の様子が変だと言っていた。神社には食べかけの朝食が置かれたままだったし、自分の事をまだ探しているかもしれない。
 いてもたってもいられず魔理沙は箒に跨って空に飛び出した。



 自分が何者なのかを知った霊夢はその運命に嫌悪して博麗神社を飛び出し、博麗神社を否定し博麗霊夢を否定し、博麗の運命から逃れようとしていても、結局博麗の名に最も囚われていたのは霊夢自身であった。小悪魔との会話で霊夢はその事を思い知らされてしまった。
 博麗の巫女として、博麗霊夢のクローンとして生まれた博麗霊夢が博麗神社を捨てて博麗の運命に背を向けて果たして正しく自分を博麗霊夢と認識できるのだろうか。
 逃れよう逃れようとしていた博麗霊夢とは自分自身で、例え世界が博麗神社を忘れて博麗霊夢を忘れても、霊夢は間違いなく博麗霊夢なのだ。霊夢を博麗霊夢たらしめているのは霊夢自身であり、呪縛でもなんでもなかったのだ。

「博麗の巫女は何ものにも囚われず空を飛ぶ」

 霊夢はいつしか呟いていた。それと同時に霊夢の身体は浮き上がり空へ空へと飛んでいく。
 霊夢の中の博麗霊夢でいたくない心は必至で博麗霊夢を否定しようとするもそれは霊夢自身。博麗霊夢の否定は霊夢自身の否定。それでも霊夢は博麗霊夢でいたくなかった。

「博麗の巫女は何ものにも囚われず空を飛ぶ」

 その言葉は博麗の巫女の心得だったか、それとも概念だったか。
 呪文のように呟けば呟く程霊夢は自分が博麗霊夢であることを認識していく。自分が自分である事を認識していく。しかしそれは自分でなくて博麗霊夢。ならば自分は博麗霊夢。

「博麗霊夢は何ものにも囚われず空を飛ぶ」

 霊夢が博麗霊夢をやめるなら霊夢は博麗霊夢ではなくなる。けれども霊夢は博麗霊夢
ならば霊夢は霊夢でなくなる。
 霊夢はいつの間にか雲のさらに上まで飛び上がっていた。

「博麗霊夢は何ものにも囚われず……」

 何ものにも囚われない。ならばどうして自分はこんなにも博麗霊夢に囚われる。自分は博麗霊夢なのだから博麗霊夢にも囚われず、自分は博麗霊夢でなくなるはず。自分は博麗霊夢でない。博麗霊夢ではない。
 かくして博麗霊夢の理論で博麗霊夢を否定した霊夢は自分が何者なのかよくわからないまま空を逆さまに落ちていった。
 このまま地面に激突すれば紅白の巫女衣装はきっと真っ赤に染まり誰も自分を博麗霊夢だと認識しないだろう。そんな満足感と共に霊夢は自分の身体が軽くなっていくのを感じた。

「霊夢!」

 その声が聞こえたのは一瞬で霊夢は気付けば自分が魔理沙の腕の中にいる事を認識していた。

「何やってんだよ!霊夢!」

 それからの事を霊夢はあまり記憶していなかった。
 魔理沙が泣きじゃくりながら何かを必死で訴えている。その心配の先が自分自身なのか博麗霊夢なのか、そんなことをゴチャゴチャ考える気も湧かなかった。ただ、目の前で自分の事を心配している存在に悪い気はしなかった。
 そのまま魔理沙の言うとおりに神社に戻った霊夢は、もう準備されていると思っていた霊夢三号がいない事を意外に思いつつ竹箒を手に取った。
 境内で木を揺らしている芋の匂いがしない方の神様を追い払い、焼き芋ができる程度に散らばっている落ち葉を掃除しはじめた。
もう何が何だか
TG
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コメント



0.390簡易評価
1.80名前が無い程度の能力削除
アイデンティティの喪失って奴ですね。
いい話でしたが、これでこの話は落ちたと見ていいのか、それとも落ちてないと見るべきなのか。作品として完結しているのは間違いないんですが…、この霊夢は、このまま日常に回帰していくのか、そうでないのか。自分でも何を言っているのか分からなくなってきました。

ただ、もし続編があるなら、是非読んでみたいと思います。
3.80町田一軒家削除
焼き芋後の展開はちょっと唐突すぎて戸惑いましたが、話のテーマはなかなか面白いと思いました。このまま霊夢はどうなっていくのか気になります。
7.60楽郷 陸削除
落ちたところを助けられてから後の展開をもう少しじっくり見たかったです。霊夢や魔理沙の心情やそれに対する反応なんかをもう少し詳しく。
8.70奇声を発する程度の能力削除
うーん、続編があるなら是非
10.100名前が無い程度の能力削除
与えられた運命としてなら博麗は矜恃を持って続けられるが、そのためだけに作られた存在と知った途端、博麗を放棄しようとしたのが印象深いです
11.80愚迂多良童子削除
魔理沙は霊夢が死んだことを知っているのかな・・・
14.80名前が無い程度の能力削除
むむ?焼き芋の話で良かったのに何だか妙なことに……。
小悪魔が出たあたりでまだユーモラスな展開に期待していたら終わってしまいました。
賽銭箱に蛙を入れている描写のあたりが一番好きです。
17.80名前が無い程度の能力削除
タイトルに意味はあったのかな
掌編があっても良い