Coolier - 新生・東方創想話

第一回幻想郷バレーボールカップ 其の四

2010/07/20 13:51:40
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バシンッ
まだ薄暗い紅魔館にスパイクの音が響く。
「じゃあ、今日はもう時間だから終わりね」
パチュリーのその一言を合図にビクトリーズのメンバーがボールを回収し、館の中へ入っていく。
パチュリーは一人それを見送った。
「いよいよ来たわね」
振り向けば太陽は橙色に輝いている。
「私達の初陣が」








同じ頃永遠亭にて。
バシンッ
夜明け前からスパイクの音が響く。
「あら魔理沙にアリス、今日も早いわね」
「お、輝夜。今日はいつもよりも30分早いぜ」
「付き合わされてね」
魔理沙は元気そうだが、付き合わされているアリスのほうは大分疲れているようだ。眼の下に隈がくっきりと出来ている。
「私が代わりにトス上げるからアリスは寝直したほうがいいんじゃないの」
「ふああああ。いいの?」
欠伸をしながらアリスは輝夜に聞く。
「ええ。早起きしてもどうせやること無いし」
((流石ニートだ))
二人は全く同じ感想を持った。
「魔理沙はどう?」
「私は構わないぜ。トス上げてくれよ」
「じゃあ、私はふああ、寝てくる」
アリスが欠伸を噛み殺し損ねながら屋敷の中へと入っていく。



「おしっ。輝夜良いトス頼むぜ」
魔理沙は輝夜にパスを出す。
輝夜はそれを正確にトスする。
バシンッ
心地よい音が屋外コートに響く。
「この二週間で更にうまくなったわね」
「当然だぜ。今日も期待しててくれよ」
「頼もしいわね」
魔理沙はボール籠から新しいボールを取り出す。
(あいつに・・・・勝つんだ)
魔理沙が蓬莱スパークスに入るのを決めたときのことだ。
「チームに入るのはいいぜ。でも、一つだけ条件がある」
「なにかしら。私に出来る限りのことならいいわよ」
「霊夢を・・・このチームにいれないでくれ」
「あら、喧嘩でもしたの?」
「いや、そういうのじゃないんだぜ」
「ふうん。ま、構わないわ。器用そうだから欲しいかな~って思ってたけど何がなんでもってわけじゃないから」
魔理沙にとって博麗霊夢という人物はは特別な存在だ。魔理沙がどれほど綿密に作戦を練っても、霊夢はやすやすとそれを打ち破る。魔理沙がどれほど大火力で押し切ろうとしても宙を舞う蝶のように霊夢はひらひらとそれをかわす。魔理沙がどれほど素晴らしいスペルを作っても霊夢はなんでもないかのようにそれをあしらってみせる。
弾幕ごっこに限ったことではない。
魔理沙が努力に努力を重ねても、霊夢はあっさりそれを超えてくるのだ。それはこのバレーボールでも同じだろう。
しかし、魔理沙は負けず嫌いだ。そして負けないための努力も惜しまない。今まで舐めてきた辛酸の分だけ彼女は心も体も着実に強くなっている。先天的な運動神経に霊夢に弾幕ごっこで勝つために鍛えて身についたパワーとタフさはバレーボールに非常に役立っている。左腕から繰り出されるスパイクはコントロールに難はあるものの、威力だけではスパークスで一番といっていい。弱点といえばレシーブだがリベロが入るためそこまで影響は無い。
(今回こそ・・・霊夢に勝つ!)
「魔理沙~。ボールなんか眺めてどうしたの~」
輝夜の声で魔理沙は我に返る。今は考えるよりやるべきことがある。
「なんでもないぜ。もう一球頼むぜ」
魔理沙は輝夜にパスを出す。







そして夜が訪れる。
輝夜の命によって急ピッチで造られた永遠亭アリーナは月を模った黄色い屋根に丸い形をしている。上空から見ると空の方を地上と錯覚するほど見事な円形だ。
(いよいよ私達の初陣ね)
輝夜は黒い肘、膝のサポーターをつけ、黒地に黄色い字で「sparks」と書かれたユニフォームにリベロジャケットを羽織っている。
「っし。絶対勝つぜ!」
トレードマークのとんがり帽子を外して輝夜と同じユニフォームの背番号3を着込んだ魔理沙が張り切って言う。
「無茶すんじゃないわよ怪我したら練習できなくなるんだから」
それを諌めるアリス。背番号は6。
「・・・・・・」
「あれ~。緊張してんのかな。鈴仙ちゃん」
「なっ。そんなことないわよ!」
練習試合で緊張する小心者の優曇華とそれをからかうてゐ。それぞれ3と7。
「姫様。スタメンはどうしますか」
落ち着きを見せる永琳は銀髪を三つ編みに結ってブルマを着用しての登場。理由を聞いた所「バレーボールではブルマが正義なんです」という答えが返ってきた。天才となんとかは紙一重というがまさしくその通りのようだ。数字の2の下にキャプテンマークのアンダーバーが引かれている。
「いつも通り。前衛よろしくね」
「はい」
そして輝夜は最後の一人に話しかける。
白髪にエースナンバーの4番を背負った少女は1人で入念にストレッチをしている。
「調子はどうかしら、もこたん」
「普通よ」
輝夜の方を見ずに答える。
「そう。期待してるわよ」
「・・・・・・」
妹紅は何も答えない。試合前で集中しているのだろう。輝夜は妹紅から離れる。




「絶対今日は勝つわよ」
スパークスとコートを挟んで反対側ビクトリーズの輪の中心でレミリアは高らかに言い放つ。
「はい。勿論ですとも」
「門番の名にかけて全スパイクブロックするつもりでいきますよ!」
「ここであたいはサボり魔返上さ」
「入れてもらった以上は全力を尽くそう」
「どっか~んしたいからがんばるー」
「食事の分は働くわ」
初陣を前にして気合十分だ。
ビクトリーズはまだユニフォームが出来ていない為、1人を除き体操服にショートパンツという格好だ。しかしただの体操服では味気ないだろうということで咲夜指導の下妖精メイド達が全員分の体操服にイニシャルと紅い悪魔を刺繍し少しユニフォームっぽくなった。レミリアはキャプテンマークとして紅い腕章をつけ、リベロの小悪魔と慧音は黒色のリベロジャケットを着用している。




一方アリーナの観客席には練習試合にもかかわらず多くの人妖が座っている。
「神奈子様。あのあたりの席がいいんじゃないですか?」
「そうだね。そこにしようか」
他の会場の建設に忙しいにとりと実況席の文を除くミステリアスマウンテンの面々が席に座っていく。
「あら、奇遇ね」
「ん。お前さんは確か・・・」
神奈子の隣の席には天子が既に天子が座っていた。
「観戦かい?」
「そうよ。まあ、一応偵察も兼ねているけど」
「そういやお前さんの所もチーム組んで出るんだってね」
「そうよ。天界サンフラワーズ」
神奈子は天子の隣から続く天界サンフラワーズの面々に眼を向ける。
「こんにちは。いつも総領娘様がお世話になっています」
「ああ。いや、こちらこそ」
天子の世話役の永江衣玖。
「いや~。アリーナで飲む酒はいいね~」
小さな百万鬼夜行伊吹酔香。(漢字が出ませんでした)
「山を裏切っちゃってる感じで申し訳ないんですが・・・」
白狼天狗の椛。
「今、コートに向かって水風船投げたらどうなるかしら」
「面白そうね」
「でもやったら巫女にしめられるんじゃない」
常に頭の中には悪戯のことばかりの三月精ルナチャイルド、サニーミルク、スターサファイア。
「永琳かっこい~な~」
鈴蘭畑の毒人形メディスン・メランコリー。
そして
「あら、ごきげんよう」
幻想郷最強かつ最凶のフラワーマスター風見幽香。
「なるほど。これがお前さんのチームのメンバーか」
「そうよ。どこにも負けない最強のメンバーを集めたわ」
「ほほう。大きく出るじゃないか」
「当然。偵察なんかしなくても勝てるけど永江がどうしてもっていうから今日は観戦のついでできてるのよ」
神奈子が衣玖の方を見ると衣玖は苦笑いを返してきた。
「まあ、そろそろウォームアップも終わるみたいだしじっくり見ようじゃないか」
「それもそうね」
両者の視線はコートへと戻る。




ピリリリリリ
「「「「「「「「お願いしまーす」」」」」」」」
開始の笛が鳴り響き両チームがエンドラインからネット際まで小走りに寄り互いに握手する。
そして両キャプテンが、主審の藍と副審の妖夢と握手をした後、コイントスによってサーブ権がビクトリーズに決まる。
「さあ、いよいよ始まります。注目の好カード紅魔ビクトリーズ対蓬莱スパークス。実況は私射命丸文。解説は八雲紫さん」
「はあい」
「そしてもう一方、西行寺幽々子さん」
「うふふ」
「でお送りします」
文の実況がアリーナに響く。試合を前にアリーナ内は熱気に包まれ、至る所でオーエン歌が演奏される。
「「え~り~ん!ブルマさいこおおおおおお!」」
「「もっこた~~~~~~~ん!!!!」」
「「ニート~~~~~~~~。働け~~~~~」」
永遠亭のホームということもあってか、スパークスへの声援は大きい。
「「慧音せんせ~~~~~~~」」
「「美鈴師匠~~~~~~~」」
「「咲夜ちゃ~~~~~~ん」」
ビクトリーズも人里との交流の深い3人を中心に大声援に後押しされる。
ピリリリリリ
ビクトリーズのサーバー、フランへのサーブが許可される。
「禁忌レーバテイン!!」
破壊力抜群のサーブと共に強烈な弾幕がスパークスコートを襲う。
バスウウウン
被弾しないようにするのがいっぱいいっぱいのスパークスの面々がボールに向かう間も無くボールがコートに突き刺さる。
「これは凄い!フランドール選手の強烈なサーブがスパークスのコートに着弾!見事な先制パンチといったところでしょうか、紫さん」
「そうね。1回目のサーブからあんなのを打たれたらたまったもんじゃないわね」
「やったー」
大きく万歳するフランにチームの面々が続々とハイタッチする。
「流石です。フランドール様」
「やるじゃない、フラン」
「次も頼むわ」
返ってきたボールを霊夢から受け取り、フランは再びコートの外へ。
ピリリリリリ
ボールを高く投げ上げ、小さな体を目一杯大きく使って跳びあがり腕を大きく振る。
弾丸もかくやというスピードでボールは飛んでいく。弾幕無しでもこれは手強い。
しかし、スパークスには一人天才がいた。
「読み通り」
永琳が前衛センターの守備位置から少し下がった位置でボールを待ち構えていた。
迫りくる豪速球をお手本のようなレシーブでてゐにパスを出す。
てゐはそれをレフトの優曇華の方を見ながら、ライトの魔理沙にトスをあげる。いわゆるバックトスだ。釣られた美鈴はライトのブロックにつけずレミリア一枚となる。
「貰ったぜ!」
左腕をしならせ、魔理沙はボールを全力でうつ。
バンッ
決まったかのようにみえたスパイクを霊夢が横に飛びながらレシーブする。
「「「おおっ!!!」」」
その好プレーにどよめく会場。
セッターの霊夢に代わって小町が落下地点に入りレフトのレミリアへとトスが上がる。
ババンッ
レミリアの全力のスパイクは立ちはだかるブロックによってはじかれ、ビクトリーズ側のコートに落ちる。
「やるじゃない・・・・・・」
スパイクを止められたレミリアは永琳を見ながら言う。
「貴方の方こそ。・・・分かってるわ」
永琳はレミリアのブルマを見ながらいう。
ピリリリリリ
笛が鳴り、魔理沙がサーブを打つ。フランのジャンプサーブとは違いジャンプしないで打つフローターサーブだ。
ライン際をついたサーブはサービスエースが取れるレベルだが、そこはビクトリーズの誇る守備職人咲夜の守備範囲。正面に回りこんでレシーブするとボールは霊夢の所へ。
霊夢はそれを少しジャンプして美鈴へとネットからボールが少し出る程度の短いトスを上げる。いわゆるAクイックだ。
空中で先に跳んでトスを待っていた美鈴は長い腕をしならせてスパイクを打つ。
「予想通り」
その真正面には天才八意永琳がきっちりとブロックについていた。
ババンッ
早くも二点目のブロックポイントだ。
「「え~りん!!え~りん!!」」
盛り上がるスパークスファン。
「また止めました。八意選手まさに鉄壁。今のプレーはどうでしょうか幽々子さん」
「流石天才といったところかしらもぐもぐ・・・。これからのプレーに目が離せないわねもぐもぐ・・・」





それからは点の取り合いが続いたが永琳を中心としたコンビバレーで徐々にスパークスが押し始める展開となった。
パチュリーは12-17となったところでタイムをかける。
「あの薬師が厄介ね」
コートから戻ってきたレミリアの一言が全員の感想を代弁していた。
パチュリーもベンチから見ていてそう感じた。
八意永琳は強い。
得点そのものもブロックやスパイクで決めている。守備でも再三にわたり好守を見せている。
しかしそれ以上に直接得点に関わっていないところで力を発揮している。
永琳の強いスパイクがビクトリーズのメンバーの眼に焼きついているためどうしてもマークが永琳に片寄り、その結果ライト、レフトへのブロックが遅れ失点しやすくなる。守備でもブロックにボールが当たらなくてもネットから目一杯手を出している為コースを絞らせており、後衛のときは全体を一望できるバックセンターの位置から的確な指示を飛ばしている。
まさにチームの大黒柱。輝夜もそこまで分かった上で彼女をキャプテンにしたのだろう。デビュー戦にはかなり厳しい相手だ。
しかし、だからといって後ろ向きに考えて負けてしまうのは良くない。
「みんな聞いて」
パチュリーは大きくは無いが通る声で言う。
「確かに永琳は強いわ。それにチーム全体でよくまとまってる。初めての練習試合には厳しい相手かもしれないわ」
しかし、相手だって完璧ではない。
「今は前衛に永琳はいないわ。アリスは両利きだけどブロックには関係ない。更に残りの前衛は詐欺兎に蓬莱人。ブロックの低い今のうちに得点しましょ。それと霊夢」
「何よ」
「あのトスやってみて」
「分かったわ」
「センターの二人も上手くやってね」
「「はい」」
第1セット、ここが踏ん張り所だ。




ピリリリリリ
笛が鳴り優曇華がサーブを打つ。
何の変哲も無いフローターサーブは、前衛の頭上を越えたところでナックルのようにすとんと落ちる。
先程まで苦しめられてきたこのサーブだがビクトリーズの守りに定評のあるメンバーはタイミングは掴んできていた。
リベロの慧音がレシーブし、ボールは弧を描くような軌道で霊夢の定位置に。
そのボールを霊夢は少しジャンプしてトスする。
ボールは霊夢の頭上から少し距離のあるところへ低く速く飛ぶ。
そして先にジャンプして待ち構えていた咲夜が相手コートにボールを打ち込む。
Bクイックだ。
スパークスは誰も反応できずにボールを見送る。
「お~。素晴らしいスパイクです。十六夜選手」
「意表をついた霊夢のトスも見事ね」
13-17
サーブはキャプテンレミリア。
ボールを何度か地面でついてから高く投げ上げる。
吸血鬼の高い身体能力を生かしフラン同様、威力のあるジャンプサーブを打つ。
ボールは瞬く間に相手コートに到達し、妹紅がそれをレシーブするが真上に上がってしまう。
セッターのてゐが急いで落下地点に入ると、センターのアリスへセンターオープンを上げる。
ぶれたトスをアリスは辛うじて打つがボールは小町の真正面へ。
レシーブはいまいちな小町は少しやりにくそうにボールをレシーブする。
「いくわよ咲夜」
霊夢はトスを上げる前にそう言うとそれを聞いた相手のブロックがセンターに集まる。
咲夜がBクイックの位置に入ってきているのと合わせてこの瞬間スパークスの誰もが咲夜のBクイックがくると思っていた。
しかし、ボールは霊夢の手からスパークスのコートへ。
ピリリリリリ
強打に備えていたスパークスの面々は反応が遅れボールはコートに落ちる。
14-17
ツーアタックだ。セッターが前衛のときだからこそ出来るフェイント。
「やるじゃない」
「もっと頑張ったらごはん増量よ」
霊夢は俄然やる気をだす。
笛の音と共にレミリアは再びサーブを打つ。
またしても妹紅がレシーブするも上手くいかない。
てゐがそのボールを今度はバックセンターの永琳に上げる。
永琳はアタックラインの前で跳び上がり長い腕をフルスイングしコートの隅へとスパイクを打つ。
俗に言うバックアタックだ。
「取ります」
バンッ
美鈴についているリベロの小悪魔が永琳の強打をレシーブする。
「はいはーい。上げるわよー」
轟音と共にあがったレシーブは少し霊夢の定位置からずれるが、霊夢はボールの下に入る。
ネット際から離れたこの位置からのツーは無理。そう判断したであろうスパークスのブロッカー達は咲夜にレフトの妹紅、フランにライトのてゐがマークにつきセンターのアリスはどちらにもいける位置に陣取る。
ライトには誰もついていない。
バシン
そしてそのライトから小町がバックアタックを決める。
15-17
ビクトリーズは勢いに乗ると、前衛に出てきた永琳のスパイクを完封し、霊夢の絶妙なトス回しが攻撃と噛み合い最後はレミリアがブロックを打ち抜いて25-20で1セット目を取った。









(思ったよりも強いわね。あのチーム)
輝夜はビクトリーズのベンチを見ながら思う。スパークスにとっても練習試合は初めてだったのである程度は上手くいかないことは予想がついていた。しかし、地力はこちらの方が上だと思っていたし、ましてや第1セットを取られるとは思ってもみなかった。
「姫様、次のセットはどうしますか?」
永琳の問いに輝夜は少し考え込む。
「変えないわ。ただし、永琳にアレをやってもらうわ」
「アレですね。しかし姫様アレは本番用に取っておく予定でしたが」
「出し惜しみしたら負けるわ。あのスカーレットのチーム相手にそれは嫌」
「分かりました」
ビクトリーズは思ったより強かった。しかしもうあちらの手の内は全て分かってる
(次のセットと最終セットは貰うわ)






「1セット目はビクトリーズが終盤に5点差をひっくり返して取りました。さて、このまま連取なるかビクトリーズ!それとも待ったをかけるかスパークス!2セット目、間も無く開始です。」
ピリリリリリ
笛が鳴り、スパークスの後衛レフトの妹紅がサーブを打つ。
ボールはビクトリーズの後衛2人慧音と咲夜の間へ。
「任せて」
咲夜がボールをレシーブし霊夢の頭上へ。
霊夢は前セットで最多得点を挙げたレミリアへトスする。
バチンッ
レミリアが全力で打ったスパイクはブロックについていた魔理沙の腕に当たりスパークスのコートへ飛ぶ。
正面に回りこんだアリスがそれをレシーブし、ボールをてゐの定位置付近にボールを上げる。
それにタイミングを合わせるかのように永琳がAクイックの位置に入る。
「クイック来るわよ」
レミリアがとっさにそう言い、美鈴と2人でブロックを跳ぶ。1セット目はこのパターンで散々点を取られたが流石にもう同じ手は食わない。そういうつもりだった。
しかし、2人がブロックを跳んだとき、永琳はその場で止まったのだ。
ボールはネットよりまだ高い位置にあった。
バシンッ
落ちてくるボールに合わせて永琳は跳び、ノーブロックの状態でスパイクを打つ。
0-1
ビクトリーズにとって全く予想しなかったスパイクがここになって出た。
ピリリリリリ
それを見たパチュリーがすかさずタイムを入れる。
「パチェ今の何よ?」
「1人時間差。こないだ私が読んでた本に書いてあったわ。クイックに入ると見せかけて垂直跳びでセンターオープンより低いトスを打つみたいよ」
「厄介ですね。レシーブする側としてはブロック無しで打たれるのはきついです」
咲夜の言うとおりノーブロックではスパークスの面々のスパイクは止められない。
「それにあの薬師のせいで忘れてるけど、今前衛はライトに魔法使いレフトに兎。ブロックを集めるわけにはいかないと」
そして小町の言うとおりブロックを永琳に集中させるのも無理。
「まあ、確かに攻略は難しいけど、とりあえず1人時間差に絞ってAクイックは完全にブロックするんじゃなくて触って威力を弱めるのを狙っていきましょ」
ピリリリリリ
笛の音と共に選手はコートに散る。
妹紅が再びサーブを打つ。
そこまで威力の無いサーブを慧音がレシーブし霊夢がバックトスでライトに上げる。
バチンッ
しかし小町の渾身の一撃は永琳の手に当たり、威力が弱まる。
「取るわ」
アリスが軟打となったスパイクを膝を使って丁寧にレシーブする。
そのボールがてゐの元に行く前に永琳はAクイックの位置に入る。
美鈴がそれに対し言われた通りのタイミングでブロックを跳ぶとボールはライトへ。
バシン
レミリアのみとなったブロックを魔理沙はやすやすとぬきスパイクを決める。
0-2
「すみません・・・・・・」
「しっかりしなさいよ。1枚じゃ止められないでしょ」
レミリアが少しずつ苛立ってきている。
妹紅が3本目のサーブを打つ。
「きゃんっ」
小町は真正面にきたボールを上手く処理できない。
ボールはダイレクトにスパークスのコートに返り、永琳が自分でレシーブしそのボールをAクイックで打つ。
バンッ
美鈴のブロックは間に合わず得点が入る。
「う~・・・うまくいかないです」






「ああ。こりゃあ完全に流れが永遠亭に傾いたねえ」
「あの一端止まって打つのが厄介ね。Aクイックと区別がつかないわよ」
天子はスタンドでポップコーンを食べながら観戦している。ちなみにポップコーンは衣玖が買ってきたものだ。
「これを見れたってことは来た甲斐があったんじゃないかい」
「そうね。ま、初見でもウチのセンターならあそこの駄目門番と違ってブロックできるわ」
「総領娘様、それは私にとっていささか荷が重いです」
「何よ永江。アンタならできるでしょ」
「いえいえとんでもない」
今回も空気を読んでいるのだろうかただこの竜宮の使いなら苦も無くやってのけそうだ。
「お、先客かい」
後ろからふと聞いたことのある声がする。
「おや、お前さんは」
「やあ神様宴会のとき以来だね」
巨大な杯を片手に星熊勇儀が立っていた。
「観戦かい?」
「偵察って言ったほうが良いかな。チームで来てるし」
勇儀の後ろにはずらっと地底の住人達が並んでいる。
「地面の下じゃなかなか情報が入ってこないからね」
長い手足が特徴の土蜘蛛ヤマメ。
「・・・(こくこく)」
どこのポジションをやるか想像がつかないキスメ。
「全く、勝手に連れてくなんて妬ましいわね」
サウスポーの橋姫パルスィ。
「神様。先に断っておきますがキャプテンは私です」
「おお、そうかい。てっきり勇儀かと思ってたよ」
監督兼キャプテンのさとり。
「あ。フランちゃんがいる。おーい」
心を閉ざした少女こいし。こちらもサウスポー。
「うにゅ・・・いち、にー、さん、しー、・・・点が分かんない」
怪力を誇る地獄烏空。
「お空、アレは9だよ。いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、なな、はち、きゅうだよ」
今日も死体を運ぶ猫燐。
「まる9と同じ?」
「それはちょっと違うね」




「はっくしょん!」
「大丈夫なのかーチルノ?」
「大丈夫よ!今のだってあたいがいかにさいきょーなのかについて語ってるに違いないわ」
「そーなのかー」
「だからさいきょー目指して練習よ」




「にしても随分とここに大会参加チームが集まったもんだねえ」
周りを見回して神奈子が言う。
「まあ、優勝目指すからにはこの2チームに勝たないといけないからね。情報が大事だろうよ」
勇儀がそう答える。
「確かに・・・。ところでお前さんのとこもチームを組んでるんなら名前とかあるだろう。なんていうんだい?」
「お。よくぞ聞いてくれました。驚くことなかれ、我らが地霊殿チームの名まえは・・・」
そして勇儀は少し溜めた後こう言った。
「地霊動物園だよ」
「・・・・・・へ?」
あまりに予想外なチーム名に神奈子は思わず間の抜けた声を上げてしまう。
「何よそれ」
さっきまで黙って聞いていた天子まで思わず突っ込んでしまう。
「いい名前だろう」
「確かにお前さんのとこには人間というよりも動物と捉えられる方が正しいのはいるけどそれは何か違わないかい?」
むしろ人間に近い者の方が多い気がする。
「いや、そこは大丈夫さ」
「どう大丈夫なんだい?」
「全員動物になればいいんだよ」
神奈子には何が言いたいのかさっぱり分からなかった。
「まあ、動物になるといっても格好だけだけどね」
「変装かい?」
「ま、平たく言えばそうだね」
なるほど。確かにそれは動物になるといっていいだろう。早苗が言うには外の世界には獣耳をつけた人がテレビに出てたりもするらしいし。
「具体的にどんな変装をするんだい?」
「ん~全貌を明かすと楽しみが無くなるからね~。ちょっとだけ言うと耳とか尻尾をつけるね」
「ほお。よくそんなもんが手に入ったね~」
「地上にあるなんとか堂とかいう道具屋で売っててね。店主に用途を言って売ってくれるよう頼んだらタダ同然にしてくれたよ」
なぜだろう。あの眼鏡店主に邪な感情があるように思えてならない。
「っと。それより、そろそろ試合を見ようじゃないか」
「ああ。そうだね」
神奈子は目線をコートへ戻す。






あの後ビクトリーズは後衛が踏ん張り再三にわたり好守を見せていたが、レミリアを筆頭にスパイクがなかなか決まらずに大分差をつけられていた。
「アポロ11」
バシン
「くっ!」
ピリリリリリ
永琳の一人時間差を咲夜がレシーブするがボールの威力に負ける。
12-21
「まずいわね」
パチュリーはベンチで一人呟く。
(1セット目よりスパイクの種類が1つ増えただけでこれほど変わるとは)
永琳がサーブを打った。
美鈴はブロックが尽く外されて自信を無くしブロックのタイミングがずれまた外されるという悪循環に陥っているし、レミィは苛立ちからかプレーが雑だ。それに試合をやっていて相手が気付いたのかさっきからレシーブがそこまで上手くない小町ばかり狙われている。
バシンッ
ピリリリリリ
永琳に代わって前衛に来たアリスが左でスパイクを決める。
12-22
そしてここにきて永琳のいないローテーションも機能し始めている。このまま3セット目までいけばビクトリーズの勝ち目は薄い。
ピリリリリリ
永琳のサーブがライン際に決まり点差が更に広がる。タイムは既に使い切った。
ピリリリリリ
いつもは全力でスパイクを打ってコートの外へはじき出しているフランが今日絶好調なのは救いだが3人分の活躍にはならない。
ピリリリリリ
「決まったー!スパークス、2セット目を25-12で取りました!一方的な展開に見えましたがどうでしょう紫さん?」
「そうね。このセットは完全にスパークスの流れだったわ。ビクトリーズには次に期待したいところね」
(さて、3セット目はどうしよう)






「3セット目は咲夜と美鈴、レミィとフランを前後入れ替えていくわ」
コートから戻ってきたメンバーにパチュリーはそう言った。
「それは私よりフランの方が強いってことかしら?」
苛立ちを隠せないレミリアがパチュリーにつっかかる。
「違うわ。3セット目のサーブ権は貰えたからレミィに1本目を打って貰いたいの」
練習試合の為変則ルールで最終セットも25点マッチとはいえ、前のセットまでの相手の流れを早めに切らないとあっという間に得点を重ねられてしまう。その為にレミリアのジャンプサーブで相手を崩したいのだ。
「ふうん。ま、いいわ」
咲夜と美鈴を入れ替えたのはワンタッチを取る為だ。美鈴は完全にブロックして点を取るのに対し咲夜はスパイクに上手くブロックを合わせて威力を下げるタイプだ。アリスのスパイクなら両利きとは言えAクイックしかなく永琳ほどのバリエーションもないから今の美鈴でも何とかなるはずだ。
ピリリリリリ
笛が鳴り選手はコートへ。
「さ、運命の最終セットです。泣いても笑ってもこれで最後。このゲームを制するのは一体どちらでしょうか!」
審判からボールを受け取ったレミリアは何度かボールをついた後、ボールを上に投げ上げる。大ジャンプの後、腕をフルスイングする。
ボールは弾丸のように相手コートに飛んでいく。
「スピア・ザ・グングニル!」
そしてそれを追うように放たれる巨大な槍。
「や、やばいぜアレ。アリスバリアー」
「ちょ、ちょっと、やめなさいよ魔理沙」
「っ!」
バシン
ボールを追い越した槍を避けるのに手一杯でスパークスは誰もボールに触れずに点が入る。
1-0
「お嬢様、ナイスサーブです」
「やるじゃない。つぎもよろしく」
「おねえ様すごーい」
レミリアは仲間とハイタッチを交わす。
「これは凄い。あのスペルとあのサーブは取るのが難しいでしょう。どうですかね紫さん」
「そうね。今のは効果的な先制パンチだけど残りはレミリアの能力使用はなしってのを考えると喜んでばかりもいられないんじゃないかしら」
レミリアはボールを受け取り再びジャンプサーブを打つ。
ボールはセンターの永琳の頭を越え、アリスの前へ。
アリスは辛うじてボールをレシーブするがボールはほぼ真上に上がる。
「はいはい。いくよ~」
てゐがボールに追いつきライトへと大きなトスを上げる。
「いくっ・・・ぜ!」
魔理沙の左腕からボールが唸りを上げてビクトリーズコートへ飛来する。決まってもなんらおかしくないスパイクだ。
しかし
バンッ
霊夢がボールを真正面で捉え、ボールはネット際へ。
「咲夜、頼んだわ」
緩やかな放物線を描くボールの下に咲夜は入り、レフトのフランへトスをあげる。
そして、フランが全力でボールを打つ。
魔理沙の手に当たったボールはそのまま床に落ちる。
2-0
ビクトリーズにとって順調な滑り出しだ。
「見事なブロックアウトでビクトリーズ連続得点です。今のプレーのポイントはどこでしょうか幽々子さん」
「はあ~・・・お腹一杯」
「・・・・・・」
レミリアが3度ジャンプサーブを打つ。
目の覚めるよな豪速球が優曇華の左後方へ。
「あt!」
ラインを割るかというサーブだった為反応が遅れる。優曇華は辛うじて手を出すもののボールは後ろへ。
3-0
「お嬢様ああああああ!」
「サービスエース!うー」
ビクトリーズサポーターが沸く。
「ブルマ萌え~」
一部違う理由で盛り上がっているのは気にしないのがいいだろう。
ピリリリリリ
笛の音と共にレミリアの強烈なサーブがまたしてもスパークスコートへ。
妹紅がレシーブするの上手くいかず、コートの真ん中へボールはあがる。
てゐはそのボールをセンターの永琳へ大きくトスする。
対するビクトリーズは小町、咲夜、フランの3枚ブロックで迎え撃つ。
ブロックの後ろにはフェイントに備え霊夢がネット際に、強打に備えレミリアと小悪魔がコートの両端に構えていた。
まさに水も漏らさぬ磐石の守り。加えて永琳はほぼ真後ろからのトスを打たなければならず、コースを狙って打つのは難しい。
絶対的にビクトリーズの方が有利だ。
バチン
ボールは咲夜の手に当たって減速し、小悪魔がそれをレシーブする。
霊夢は咲夜にBクイックを出し、コートの上をボールが跳ねる。
4-0
「簡単には勝たせてもらえないわけね」
永琳は一人ごちた。





パチュリーの策は当たり、ビクトリーズは接戦ではあるもののリードを保ち、19-16とした。
ピリリリリリ
笛が鳴り、優曇華がサーブを打つ。
(私のね)
咲夜はそう思い、腰を落とした低い体勢で前に出る。序盤こそてこずらされたこの落ちるサーブも眼が慣れた今となってはそれほど怖くない。
バンッ
落ちきる前に膝をいれ、レシーブする。咲夜はボールの行方を確認しようと顔を上げる。
瞬間、視界が歪む。
咲夜は思わず手で顔を覆う。
ババンッ
「これは素晴らしい」
紅選手のAクイックを藤原選手、1枚でブロックです」
文のアナウンスが頭に響く。痛みのあまり咲夜は顔を歪める。
「咲夜、どうかしたの?」
レミリアがそれに気付く。
「いえ、なんでもありません」
なんでもないかのような顔をして咲夜は言う。
「そう、ならいいわ」
レミリアは定位置へと戻る。
笛の音と共に優曇華のナックルサーブがまた咲夜の所に来る。前回と違いボールは斜めに落ちる。
咲夜はそれに合わせて身体を横へ滑らせる。
その動きに視界が歪む。
身体がふらつきそうになるのをこらえ、レシーブする。
ボールは霊夢の頭上へ飛び、レミリアへトスされる。
バシンッ
レミリアはアリス、てゐのブロックの間を抜いてスパイクを決める。
これで20-17。あと5点、咲夜は自分にそう言い聞かせる。
ピリリリリリ
サーバーの方を向く余裕もない。ボール打つ音の後に、相手コートの奥へボールが飛んでいくのが見える。
そのボールを永琳がレシーブし、てゐがトスする。レフトへ上がっていくトスを見て揺れる視界にふらつきそうになりながら守備位置へと走る。
ババン
美鈴の高いブロックが妹紅のスパイクを跳ね返す。
21-17.あと4点。視界は歪み、喉もカラカラ。能力もこのセットの分も既に使ってしまった。だがそれでも立ってなければいけない。
試合は進み、22、23点目をビクトリーズが取る。
咲夜はもう立っているのもやっとだった。それでも、チームの為に与えられた役割はこなさなければならない。
大きな音の後に、歪なカラーボールが飛んでいく。誰とも分からない人がレシーブし、トスを上げる。辛うじてレフトへのトスだと気付き咲夜は守備位置へ走る。
バチーン
大きな音はボールがブロックに当たった音だろうか。跳ね上がったボールをを咲夜は後ろに下がってレシーブする。
ボールはコートの真ん中へと上がり、霊夢が慌てて落下地点へ入り、トスを上げる。
レフトへ上がったボールは絶好調のフランが全力で打つがブロックにあたったのか鈍い音がする。
そのボールを誰かがレシーブし、誰かがトスする。それと同時に誰かがジャンプしていた。
(クイック!)
咲夜は一瞬遅れて守備位置に入り、ほぼ同時にボールが飛んでくる。
両腕は組まれているものの、腕身体のなす角はいつもと全然違う。
バンッ
ボールはなんとか上に上がるが霊夢のいる位置から大分離れてしまった。
霊夢はそれになんとか追いつき美鈴にトスを上げる。
クイックではない普通のセンターオープンになったが美鈴はそのパワーをボールに乗せ相手コートに叩きつける。
24-17.あと1点。勝利を目前にしたメンバー咲夜の異変には気付かない。
咲夜の後ろからボールが打ち出される。唸りを上げたボールは1回音を立てて宙を舞い、次は静かに高く上がる。
しかし、その先には誰もブロックがいない。2人がダミーのAクイックに跳び、もう1人はレフトに張り付いていたのだ。
轟音と共にバックセンターの永琳からのスパイクが飛んでくる。
(間にあっ・・・て)
咲夜は反射的に飛び込む。
まるで時間の流れが遅くなったかのようにボールがスローモーションで地面に向かう。
咲夜はただ必死に手を伸ばした。
バンッ
ボールは咲夜の手首に当たって上空へ。咲夜はそのまま床に叩きつけられる。
バシンッ
「決まりましたー!紅選手の素晴らしいBクイックが相手コートに突き刺さったああああああ!25-17。ビクトリーズ、勝利です!」
(よかっ・・・・・・た)
咲夜の意識はここでブラックアウトした。






「勝ちはしたけど、問題が山積みね」
文から貰ったスコアシートを眺めながらパチュリーは呟く。
3セット目、ビクトリーズは咲夜1人にブロックも守備もハードな所をやらせざるをえなかった。今日は勝てたものの次もこうなるとは限らない。その為にも美鈴にはもっとブロックを頑張ってもらわないといけないし、リベロと霊夢以外のレシーブ力も上げてかないといけない。練習プランを考えなくては。
でも、その前にやることがある。
「さて、全員揃ったわね」
レミリアが食堂を見回して言う。
「では、ビクトリーズの初勝利を祝して。乾杯!」
「「「「「かんぱーい」」」」」
咲夜も軽い脳震盪だった為、もう元気だ。今はこの喜びを噛み締めるべきだろう。
みなさんこんにちは。ピエロです。ようやく4話です。
非常に今更ですが創想話ってレベル高いですね。執筆しながら参考にしようと思って幾つか作品を読んだりもしたんですが「面白い!」と思えるものが多いですね。そんな作品が書ける日がいつになったらくるのやら。私もまだまだ頑張らないといけないようです。
さて、いつも通りではありますが評価の方お願いします。
次回はレミィと小町に頑張ってもらう予定です。
ピエロ
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コメント



0.290簡易評価
3.30名前が無い程度の能力削除
バシンとかビリリリリとか擬音大杉
4.無評価ピエロ削除
>3様へ
おっしゃる通りですね。以後気をつけます。
8.90名前が無い程度の能力削除
遅かったけれど、楽しませてもらいました。
11.80名前が無い程度の能力削除
もう続き書かないんでしょうか
ブックマークしてずっと待っているのですが