ふと考えたことがある。
もし僕達が、彼女達が出会わなかったら、今の幻想郷はどうなっていたのだろう、と
もし博麗の巫女が白黒の魔法使いと出会わなかったら?
もし紅魔館の主が紅霧異変を起こさなかったら?
もし白玉楼の主が春を止めなかったら?
彼女達が今と違う道を選んでいたら?
果たして「今」はどうなっていたのだろう?
博麗の巫女は、いつも通り妖怪退治を行い、白黒の魔法使いは毎日魔法の勉強をするだろう。
神社に来る妖怪達も来なくなり、静かに毎日を送るのだろうか?
それでも、いつかは出会うだろう。 ここはそんなに広くない。
それでも、その先にあるのは人との、妖との関わりがない、平凡な日常。
おそらく僕も彼女達と出会うことがないだろう。
一生無縁塚に通い、外の世界から流れてきたものを集める日々が続くだろう。
でも………
「今」、僕の目の前には、彼女達がいる。
冷やかししかしない彼女達だが、毎日来てくれる。
冥界の主も、紅魔の主もたまにだが、遊びに来てくれる。
どれほど時間が流れていっても何も変わらないものがそこにあり、どれほど時間が流れていっても忘れないものがそこにある。
ある晴れた日の午後にそんな考えをしてしまった。
途中で何を考えているか分からなくなってしまったが………
「何ぼーっとしてるのよ? 人が話してるのに………」
「あ、あぁ………すまない。考え事をしていてね」
「呆れた。人がせっかく話し相手になってあげてるっていうのに」
「すまないね」
「ホントだぜ。そんなんだから、いつまで経っても客が来ないんだぜ?」
「むしろ君たちのせいだと思うのだが………」
「どうせこんな古びた店じゃ、誰も買い物になんて来ないわよ」
「なるほど。君の神社と同じ理屈って訳かい」
「なっ!?そんなことないわよ!?きっと明日には賽銭だって入ってるはずよ!」
「分かった。明日は神社に賽銭を入れに行くか」
「誰が憐みなんてうけるものですか!!」
きっとこれは僕たちにとって変わらず、忘れないものになるように願って………
そんな幻想郷のとある晴れた日の午後―
おしまい
もし僕達が、彼女達が出会わなかったら、今の幻想郷はどうなっていたのだろう、と
もし博麗の巫女が白黒の魔法使いと出会わなかったら?
もし紅魔館の主が紅霧異変を起こさなかったら?
もし白玉楼の主が春を止めなかったら?
彼女達が今と違う道を選んでいたら?
果たして「今」はどうなっていたのだろう?
博麗の巫女は、いつも通り妖怪退治を行い、白黒の魔法使いは毎日魔法の勉強をするだろう。
神社に来る妖怪達も来なくなり、静かに毎日を送るのだろうか?
それでも、いつかは出会うだろう。 ここはそんなに広くない。
それでも、その先にあるのは人との、妖との関わりがない、平凡な日常。
おそらく僕も彼女達と出会うことがないだろう。
一生無縁塚に通い、外の世界から流れてきたものを集める日々が続くだろう。
でも………
「今」、僕の目の前には、彼女達がいる。
冷やかししかしない彼女達だが、毎日来てくれる。
冥界の主も、紅魔の主もたまにだが、遊びに来てくれる。
どれほど時間が流れていっても何も変わらないものがそこにあり、どれほど時間が流れていっても忘れないものがそこにある。
ある晴れた日の午後にそんな考えをしてしまった。
途中で何を考えているか分からなくなってしまったが………
「何ぼーっとしてるのよ? 人が話してるのに………」
「あ、あぁ………すまない。考え事をしていてね」
「呆れた。人がせっかく話し相手になってあげてるっていうのに」
「すまないね」
「ホントだぜ。そんなんだから、いつまで経っても客が来ないんだぜ?」
「むしろ君たちのせいだと思うのだが………」
「どうせこんな古びた店じゃ、誰も買い物になんて来ないわよ」
「なるほど。君の神社と同じ理屈って訳かい」
「なっ!?そんなことないわよ!?きっと明日には賽銭だって入ってるはずよ!」
「分かった。明日は神社に賽銭を入れに行くか」
「誰が憐みなんてうけるものですか!!」
きっとこれは僕たちにとって変わらず、忘れないものになるように願って………
そんな幻想郷のとある晴れた日の午後―
おしまい